前年雪の朝でデビューしたさださんと吉田さんは翌年精霊流しの大ヒットを受けます。
わすれもの (74.8.25)

1、精霊流し 2、もしかしたら君は空を飛ぶんじゃないかな 3、紫陽花の詩 4、ひとり占い 5、蝉時雨 6、春への幻想
7、雪の朝 8、魔法使いとフリージア 9、告悔 10、哀しみの白い影 11、しおれた花 12、あこがれ
※最新の復刻版にはこれ以外に、雪の朝(シングル・バージョン) 精霊流し(シングル・バージョン) 虹がかかったらの3曲がボーナストラックとして収録されています。
昨日達と印象派の所で書いたように、私がオタク化したのは25年ほど前(夢の轍辺り)ですから、このアルバムはリアルタイムで聴いておりません。よってたくさんの中の1枚として聴くことが出来ました。
そんな私ですら知っている精霊流しという曲を筆頭にしているアルバムです。
長崎の曲が多く、告悔などのように宗教的なニュアンスのある曲もあります。
デビュー作と言うことと、長崎から出てきたということでの、気負いというか空気を感じます。
このアルバムがあったからこそ、さださんが今に至るまでずっと長崎と二人三脚でこれたのかな、とも思います。まあ想像ですが。
このアルバムは特に最後の4曲が大好きで今でも割と聴いています。
「心のままに 生きてゆくのは いけない事でしょうか」(告悔)
この曲はさださんの作詩・作曲ですがメインのボーカルは吉田さんでないとしっくり来ません。若い頃はそうでもなかったのですが、この曲が好きになる年齢になったのかもしれません。とはいえ、齢20歳ちょっとでこの曲を作れたさださんはやはり凄いのだろうと思います。まあ、少しの個人的な感傷もあるのですが(汗)。
では、最後に1974年の出来事を・・・
・田中首相退陣、三木内閣誕生(金脈問題で退陣し、後に逮捕されるという劇的な状況は、今の事務所費のごたごたとは比になりません。ですが、政治のダイナミズムが失われているようなのは気のせいでしょうか)
・元日本兵・小野田寛郎30年ぶりに救出(確かにショッキングな出来事ではありました。「命令があるまで任務を続けるつもりだった」と、戦前の日本の強さの理由を物語るとともに、子供心に自分の身に置き換えることの難しさを感じました。)
・公共料金値上げと不況(状況的には今と良く似ています。石油価格の高騰(石油ショック)により物価の急騰を招きました。トイレットペーパーの買占めは有名ですね)
・フォード米大統領訪日(今でこそ、日米の首脳の行き来は珍しくありませんが、意外なことにアメリカの現職大統領が日本に来たのは、このときが初めてだそうです)
・三菱重工ビル爆破事件(8月30日午後0時45分、東京・千代田区丸の内の三菱重工本社正面入り口で、爆発がおき、8人が死亡、376人が重軽傷。翌年犯人が捕まりました。翌年は「せせらぎ」の項をご覧下さい。)
・甲山事件(兵庫県西宮市の知的障害児施設「甲山学園」青葉寮で、男女児童がいなくなり、二人とも園内の浄化槽から水死体で見つかった事件。逮捕者が出たがその後無罪が確定しました。)
・不景気もあって暗いニュースが多かったようです。流行歌は、うそ(中条きよし)、赤ちょうちん(南こうせつとかぐや姫)、襟裳岬(森進一)、ひと夏の経験(山口百恵)、傷だらけのローラ(西城英樹)など、そして言うまでも無く・・・精霊流し(グレープ)(笑)