大分のさだまさしファンの独り言

大分に住んでいるさだまさしさんのファンです。所有のアルバムなどを紹介しながら不定期に思い出などを書いていこうと思います。

Sada Pedia 32 印象派

2014-06-29 10:38:59 | SADAPEDIA

すっかり月一ブログへと変貌したこのブログですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
よくよく考えれば、このブログをお休みする前の一大企画として始めた、この企画も実はまる2年たっておりました…。その前に休みが1年数カ月。ついこの前さだ1を頑張って書いていたと思いましたが、時間がたつのは早いものです。まあ年とったということでしょうけど。

さて、前回の更新で大物夢供養を書きあげ、しかし、これでもかこれでもかと大物が続きます。しばしの間筆が止まりますなあ(ってさぼる口実を…)。

今日はこちらです。


印象派 (80.10.10)


1、距離(ディスタンス) 2、検察側の証人 3、聖野菜祭(セントベジタブルデイ) 4、みるくは風になった
5、たずねびと 6、推理小説(ミステリー) 7、0-15(ラブ・フィフティーン) 8、神話 9、博物館

①ヒット:C
シングル曲があり、ヒットしていればA、していなければB(ただしほぼ知名度なしならC)、シングル無しならC
②コミカル:B
関白宣言、関白失脚、雨やどり、私は犬になりたいなどのコミカル系があるか?
③国風:C
飛梅、まほろば、修二会などの日本の文化、建造物などの曲があるか?
④恋愛ソング:A
いわゆる恋愛ソングが多いかどうか?ちなみにさださんの場合皆無のアルバムは無いです。
⑤社会性:B
前夜、空き缶と白鷺、遥かなるクリスマスなどの社会的な曲があるか?またその程度により分類

このブログを最初から読んでいただいている方は耳にタコでしょうけれども、私のさだ遍歴は最初の出会い「昨日達」そして二枚目の「印象派」によって成り立っています。もっと言えば、このアルバムと言うよりも、1曲目の距離(ディスタンス)によって成り立っていると言っても過言ではありません。

それほど私にとってのこのアルバムは絶対的ですし、夫婦にとっての仲人、水炊きにとってのユズ胡椒にあたる(のか?)ほど重要なのですが、一応この企画は「初心者に勧めるさだアルバム」ということですから、そこんところは断腸の思いで脇においてやっていきたいとは思います。完全主観なら1位だとは思います。

さて、このアルバムは黄金期に発売されたとはいえ、ちょうど映画長江のカブっているはずで、そういう意味では苦悩が多い時期のアルバムだと思います。
まずは、ヒット曲はなし。そもそもこの時期のさださんはアルバムが売れている頃でしたから、シングル曲を入れる必要もない時期です。
コミカル路線の曲と言えば2曲。いわゆる関白宣言のフォーマットの曲ではありませんが、聖野菜祭と0-15がそれにあたるでしょうか。しかし前者はコミカルな作りにも関わらずテーマ性は深く、階級社会の中での恋愛と言う風にとらえればかなり重い曲とも言えます「第三階層(レベルスリー)」「第二階層(レベルツー)」などの言葉は歌詞カードを見るとドキッとします。そういう意味では社会性のある曲とも取れます。また曲の最後にニュースの放送が入りこみ、さらには「アメリカ大陸」を幻の大陸とする=超未来の歌としていることにより、今から千年先の日本の話ともとることができます。さらに0-15は当時さださんがやっていたラジオのDJを軸にしてシリアスな曲とコミカルな曲「素敵なテニスボーイ」を織り込んでいく構成になっていてライブではほぼ再現不可能な曲としてもっと評価されるべきだろうと思います。
反面国風的な曲は今回はなりを潜めています。

全体的に実験的と言うか、挑戦的なアルバムで、当時のさださんのクリエイターとしての一面が随所に見られます。2曲目の検察側の証人の作りにしても絶対的な価値観を否定して多面的、かつ俯瞰的に見ることでの物事の見え方の違いを表現しています。また恋愛ソングに変換し、かつ法廷を意識することでスリリングな作りに仕上がっています。
また、最後の博物館は自分の人生を博物館に例えて過去の展示(懺悔)と未来への期待を表し最終的にはラブソングになっています。
こうしたさださんの試みが全て成功したかどうかは実は私自身分らないのですが、しかしこの時期のさださんは映画を始め様々なことへの挑戦によって引き出しを増やしていると考えれば、また違った趣になる気がします。

かと思えば、いつものさださんらしい曲もあります。1曲目の距離もそういえばそうでしょうし、みるくは風になったは、ファンなら有名な実在の人物へのレクイエムです。たずねびと、推理小説も系統的にはさださんらしい作りだと思います。

で、やはりこれでしょうかね、「神話」。
当時はこれが苦手でした。ギターのみの演奏でふられた女性の心情を歌った曲ですが、これでは救いがないのではないか?と思えたりするのです。中島みゆきさんの曲を思わせますが、面白いものでやはりみゆきさんの曲とは違いますね。尤もそこまで人を好きになったことがない私にとっては、ひょっとしたら世間ではこれくらいのことは世間でよくあるのかも?と思うこともあるのですがどうでしょうかね?

全体的に重いアルバムです。しかし、さださんのキャリアを考える時、あるいは今のさださんを作る上では避けては通れないある種糧になっているアルバムだとも言えます。

身も蓋もない良い方をすれば、私にとってのこのアルバムは「距離(ディスタンス)」さえあれば問題ないのです(苦笑)。いやこれ内緒。

さてランキング。
1位「風見鶏」
2位「夢供養」
3位「夢ばかりみていた」
4位「夢の吹く頃」
5位「印象派」
6位「ADVANTAGE」
7位「夢回帰線Ⅱ」
8位「私花集」
9位「風待ち通りの人々」
10位「自分症候群」

個人的には大好きなアルバムですが、さだファンになりたての人に勧めるとなるとどうでしょうか。とはいえ「絶対に聴いてほしいアルバム」でもあるのです。悩ましいですが、結局ADVANTAGEよりは上だろうという結果となりました。これをお聴きになる場合当時書かれたライナートートを読みながら鑑賞されることをお勧めします。さださんの当時の苦悩、若さがあふれてこのアルバムがより楽しめると思います。

では、暑い日が続きますが、皆さんお体にはお気を付けください!