“ あれ “以来、気分が晴れないので、今日は歌舞伎座に来てみた。
座れたけど9時台の田園都市線は通勤客でいっぱい。そうなんだ。世の中は。
歌舞伎座に着いたらお客さんはコンサートなんかよりずっと年輩だ。女性が多いんだ。
って、これだけのことで気分変わってる。このところ単調な生活を繰り返してた。それってよくない、って思ったんだ。
「三月大歌舞伎」昼の部は演目三つ。
一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)は、匿った上役の子の命を敵から守るため、我が子を身代わりに差し出した菊之助と妻。斬首した愛之助と妻。この4人夫の苦悩のドラマ。
忠義のために子供を殺すハナシだからあんまり感動はできないけど、まあ日本人なら、わかるっていうか、じーんときちゃうよね。こういうハナシを江戸時代から日本人は見てきたんだ。
ドラマでいっぱい見ている2人だが、ドラマと違って菊之助は男ぽく、愛之助は渋い。でもそれより千代の梅枝が美しいなぁ
二、傾城道成寺(けいせいどうじょうじ)は、ずらり並んだ歌と三味線と太鼓・堤の演奏をバックにした清姫・雀右衛門の踊りの演目。名跡だが68歳で小柄なので正直あまり魅力を感じない。
三、御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)は、次期将軍の仁左衛門と赤穂浪士・幸四郎が、浅野家再興か仇討ちかをめぐって延々とやり合う緊迫感溢れるドラマ。この2人マジ素晴らしい。ぐっとくる。
そしてここでも喜世の梅枝がとてもいい。美しく艶やかででいい声。
歌舞伎座は1月に何年かぶりに訪れて、楽しめたから毎月観ようかなあってたんだけど。2月公演のチケットは” あれ “の前日で、友人に進呈して観れなかった。
今年2回目の鑑賞で思ったのは、華やかな踊りや鳴り物こそ歌舞伎ってわけじゃない。芝居なんだなぁ。で、今日は芝居を楽しめた。これなら歌舞伎もっと好きになれるかも。
このところちょっとネガティヴな感じだったけど。今日で変わるかな。
“ 書を捨てて街に出”なきゃ。














