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【石平のチャイナウォッチ】

2014年03月04日 17時56分13秒 | 色んな情報
【石平のチャイナウォッチ】
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■ 既に始まった中国史上最大の不動産バブル崩壊劇( 1/2 )
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2014年2月半ば、中国華東地域の大都会である杭州で、
不動産市場に大異変が起きた。
18日、市内で分譲が始まった「北海公園」という名の新築マンションが、
当初の予定価格の19500元/1平米から大幅に値下げして
15800元/1平米で売り出された。今までの不動産好況から考えると、
予定価格より3割近くの値下げは前代未聞の出来事であった。

そして翌日の19日、先月から分譲中の
「天鴻香謝里」と名付けられた不動産物件は突如、
17200元/1平米の販売価格を大幅に「調整」して
13800元/1平米で売られることになった。
そうすると、値下げの前に物件を購入した顧客たちが猛反発して、
物件の販売センターに押し寄せて破壊行為まで行った。

▼定着する「迫る不動産バブル崩壊」という認識

杭州で起きたこの2つの「値下げ事件」は、
注目すべき大ニュースとして全国的に報じられていて、
不動産市場全体に大きな衝撃を与えた。
たとえば「証券時報」という経済専門の全国紙は
20日にさっそく一面記事で、
「杭州の街で不動産価格暴落の引き金が引かれた」と報じた。

翌日21日、同じく経済専門の全国紙である
「経済参考報」が掲載した記事では、
「杭州で始まった不動産価格の暴落は
そのまま全国に広がるのだろうか」
と、全国の不動産市場への波及を危惧した。

大都会であるとはいえ、杭州という一地方都市の
2件程度の不動産価格暴落が全国的に注目され、
危惧されている背後には何があるのか。
国全体の不動産バブル崩壊が迫ってきている
という認識が定着している、という事実であろう。

つまり、この国の不動産バブルは
いつ崩壊してもおかしくないという状況下で、
崩壊がいつ始まるのか固唾をのんで見守っている
関係者やマスコミにとって、杭州の値下げニュースはまさに、
この恐ろしい瞬間の到来を告げるような出来事となったのだ。

▼成約件数の大幅下落 売れなくなる不動産

中国では昨年末から、不動産バブルの崩壊を
危ぶむ声があちこちで聞こえた。
例えば12月21日、北京中坤投資集団会長で
全国工商連合会不動産商会副会長の黄怒波氏は、
北京市内で開かれたフォーラムの席で、
スペインにおける不動産バブル崩壊を引き合いに出して、
「スペインの現在は中国の明日、中国で次に倒れるのは不動産業だ」
と発言した。

1週間後、同じ全国工商連合会不動産商会の
常任理事を務める経済評論家朱大鳴氏の論文が
多くのメディアに掲載されたが、その中で朱氏は
「不動産バブルは一旦破裂したら取り返しのつかないこととなる」と述べ、
今後数年、「このような事態の到来に備えるべきだ」と提言した。

中国の不動産業の中枢に身をおく
この2人が口を揃えて「バブルの崩壊」を警告していることから、
事態の深刻さは推して知るべしだが、実は今年1月に入ってから、
両氏の警告はいよいよ目の前の現実として現れ始めたのである。

たとえば上述の経済参考報など複数の経済専門紙が
2月10日の紙面で掲載した記事は、今年1月に、
中国全国の9割以上の都市で不動産の成約件数が
前月比で大幅に下落したと報じた。
一部の都市では半分程度の下落幅さえあるという。
大連の場合は53%、深圳の場合は
44%の下落が記録されているそうだ。

要するに、1月に入ってから不動産は
全国で一斉に売れなくなっているということであるが、
それはすなわち、価格下落の前兆なのである。

案の定、2月18日付の中国証券報という
経済専門の全国紙の記事によると、
中国の多くの中小都市で不動産価格暴落の
個別ケースが観察されていて、
廈門、温州、海口、洛陽などの
「地方中堅都市」では不動産価格の
全体的下落はすでに始まっているという。

その2日前の16日、呂諫氏という
著名な民間経済評論家もブログで、
中国一部の都市で不動産価格の「暴落」が始まった
と報告している。

また、19日には、中国最大のニュースサイトの一つである
「捜狐網」の「財経綜合報道」コーナーでは、
「中国不動産バブル崩壊の5つの兆候」と題する記事を掲載した。
「不動産市場の冷え込み」、「大手開発業者の売り逃げ」
などの5つの「兆候」を挙げ、不動産価格の
暴落が迫って来ていることへの警告を発した。

まさにこのような流れの中で、
冒頭の杭州不動産市場の「値下げ事件」が
起こるべくして起こったわけであるが、それは間違いなく、
中国における史上最大の不動産バブル崩壊劇の
幕開けを告げたものであろう。

( 石 平 )

・・・つづく

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