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シメプレビル(ソブリアード)をペグIFN少量(2分の1以下)リバビリン減量で使ってみて 50%のSVR?!

2014年12月06日 | インターフェロン療法について
 
2013年12月6日から2014年7月までにシメプレビル(ソブリアード)の3剤併用療法をして、何かしらの減量をして治療してきた患者さん23例でのデータをみてみました。

①そのうち、インターフェロンやリバビリンを基準量では続けられないという事で、インターフェロンを減量して基準量の2分の1以下コペガスは3分の2以下となるかたを分析したところ、前治療(ペガシスやペグイントロン単独やリバビリン併用)で、ウイルスが1回は陰性化してた人5例中2例が陰性化(40%)、陰性化はしなかったけど減少した人は7例中4例が陰性化(57%)でした。超少量で治療した12例中6例が陰性化となっています。

SVR24を達成できるか、これからのフォローになりますが、本来であればインターフェロンをあきらめていた方でもこのように少量や前治療で経験から減量で楽に治療できる道を作ることも治療効果としてあげられていると思いました。耐性ウイルスの問題も言われていることから、1度はインターフェロンを使った治療をチャレンジしてみることをできれば、発がん抑制のみならず、耐性ウイルスも減らした腕治療をすることが可能にならないかなとも思います。

②リバビリンだけ減量した8例は治療終了時3例陰性化、うち1例のみSVR24となりました。

③副作用が出るために減量して前治療でウイルスが減っていなかった患者さんや初回だけど副作用が出ることがないようにと工夫してペガシスとリバビリンを減量で治療した患者さん(ペガシス2分の1以下かつリバビリン3分の2以下)は、9例すべてウイルスが陰性化を達成できませんでした。途中でウイルスが消えた方は5例でしたが、治療後再燃したり、治療途中でシメプレビル(ソブリアード)が終わった時点から再燃したりで、最終的にSVRとなっていませんでした。

SVRという点でみていくと効果は基準量には到底達しませんが、発癌や肝硬変への進行を少しでも予防する可能性がある治療として、患者さんの不安を軽減する治療として検討すべきと思われました。
基準量を使えない患者さんでの工夫での参考になれば幸いです。

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