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Green Mind

音楽の感想や日記なんかをね

高円寺百景 / Nivraym

2006年03月06日 | プログレっぽい
ワールドワイドにジャンルレスに1つのバンドという枠にもとらわれず、常に行動し続ける日本を代表するドラマー、吉田達也。Ruins, 是巨人、Painkiller、シカラムータ、藤井郷子カルテットに今活動してるのがどれくらいか把握出来ないのですが、アルバム参加も相当な数になってることと思います。そんな吉田達也(呼び捨てなんかに出来ないな)さんが、自分のルーツであるプログレ、それも特上級に濃いヤツからの影響をモロに出したバンドが高円寺百景です。一言にプログレといっても、一音が鳴った瞬間に過去にあったプログレのどの音も違う、凄まじいほどの変てこぶりが聞けるので、ルーツの特定などはほとんど意味を成さないように感じてしまいますが。相変わらず吉田さんはドラムと怪鳥ヴォーカルで創造言語を歌い、さらにヴォーカリストはゲストを含め3人体制という、フランスのプログレバンドマグマがコバイヤ語という創造言語を用いてほとんど呪術に近いヴォーカルワークを聞かせていたのとダブります。一応音は、カチッとしたサウンドで、フリーな要素はほとんどなく譜面通りにという感じでしょうか。その部分が正しくプログレなわけですが、いつになくメロディアスで明確なテーマがあるということで、YesやEL&Pなどのイギリスの代表的な(メロディアスな)プログレバンドに加え、欧州の叙情性を強調したバンドの影響は感じます。そういうバンドの方向性からか、一応ドラムス、ベース、ギターという編成がメインとなりキーボードはいくつかの曲で参加という形になっていますが、キーボードのカラフルでぶっ飛んだ音色が多く聞けるようになっており、もしかしたらEL&PやEggなどのキーボードトリオなどは参考にしたかもしれません。しかし、そこは生涯変人を貫く(?)吉田さんだけあって、一筋縄でいかないのは当然。のっけから頭がおかしくなりそうな変拍子やテーマを筋肉の反応速度を超えたような勢いで高速ユニゾンし(笑)、それだけで十分なのにそこに怪鳥オペラコーラスも乗っかる始末。これが9曲一時間ほど。こうなると笑いしか出てこないのですが、そうなんです。ここには往年のプログレが抱えた小難しさとは無縁。このアルバムで聞けるのは体を張ったギャグのようなものと、捉えるといいかもしれませんが当然プログレ好き以外にはオススメしません。

吉田達也さんは「石」マニアとしても有名で、彼の作品のジャケットには日本はもちろん、世界中で撮った石の写真が使われてます。最近でも朝日新聞で確か「変拍子な日常」という題で石についてのコラムを書いていました。そんな彼が運営するレーベル名は「磨崖仏」。


6曲目「Axall Hasck」の終盤、吉田さんがミスします。どうってことはないけど、気になったもんで。

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