Green Mind

音楽の感想や日記なんかをね

Bump Of Chicken / ユグドラシル

2006年04月20日 | ポップ日本
なんか今更なアルバムなんでしょうが、久々に聞いてみたらハマってしまったので紹介します。

前作の「Jupiter」は、「天体観測」に象徴されるような重ねて重ねて分厚いシューゲイザーっぽいギターサウンドがたっぷりだったので聞いてると結構疲れてしまったんですが、このアルバムにはそういうのは無かったです。今シューゲイザーっぽいと書きましたが、イメージとしてはイーグルスのホテル・カリフォルニアのようなものとして捉えてもらうといいかもしれません、これは。つまりギターアンサンブルはめっちゃ緻密、耳を澄ませば色んな所でかっこいいフレーズが鳴りまくってます。さっき書いたように「Jupiter」はそれがたまに過剰だったわけですが、このアルバムは「オンリーロンリーグローリー」で使われた鉄琴を始めとして、アコースティックギターを多用したアレンジ等の暖色系の音使いが多く目につき、全体としてとても広がりのあるサウンドになっています。そして藤原基央の書く曲はミドル、スローテンポになるとほとんどゴスペルに近いような高揚感を与えるものばかりが揃っているおかげで、5分台の曲を飽きさせません。逆にじわじわと盛り上がってくるのが多いため、ちょうど良い尺と思わせるほど。僕としてはこのアルバムでやったことを更に突き詰めた「supernova」や「プラネタリウム」が文句なしの傑作と思えるものだったので、次作への期待の方が膨らむばっかりですが、これも素晴らしいアルバムですよ。是非どうぞ。

ぎゃはは

2006年04月18日 | 雑記
今やってる横浜戦、マーティ流打順変更した途端1回裏5点とったよ。
今のスコア
絶不調のベイスターズってのも関係ありかと思うけど、これからにスゲー期待させますね。

Devendra Banhart / Cripple Crow

2006年04月18日 | 1980年以降ロック (米)
このブログでもさんざん言及していたくせに、紹介するのはまだでした。近頃話題のフリーフォーク勢の親玉的存在のデヴェンドラ・バンハートの4枚目のアルバムです。このアルバムの前でデヴェンドラはマイケル・ジラ主催のレーベルYoung Godを離れ、XLという大きなレーベルに移籍しました。この移籍が何を変えたかと言えばまずは音質で、Young God時代のものは60年代のカルトフォークシンガーが生前に録音したものと言われたら信じてしまいそうなザラッとした音質で、そんな音質からデヴェンドラの声が聞こえてくるとアシッドフォーク!と叫びたくなるような感じでした。このアルバムは使用楽器も増え、アレンジもそれなりに練られたものに、しかも曲数は22曲(日本盤のボーナスをあわせると29曲)と破格のヴォリュームのは「やりたいことが増えた」と「やりたいことが出来る」が結びついているようです。つまり今回は単純にアシッドフォーク!と叫ぶことは出来ず、いつものようにアコースティックギターと声で残響音を不気味に活かしたサイケフォークもあり、リズムをかっちりといれたクラシックロック調、ビリビリのファズギターが轟くものありと雑多な内容。

現代に生きながら溢れてきてどうしようもない60, 70年代の音楽への情景が、あらゆるところにドロドロと渦巻く今作の個人的の聞き物はスペイン語で歌われるいくつかの曲で、ちょっと僕は知識が無いので分からないのですが、トロピカリズモ初期のカエターノ・ヴェローゾを思い浮かべる人も多いようです。けれど痙攣気味のあの声で歌うとどこかインチキ臭いのがポイントで、これまた若いアメリカ人がやってる音楽とは思えません。

デヴェンドラが語られる時によく出てくるのはティラノサウルス・レックスやインクレディブル・ストリングス・バンドやジョン・フェイヒーといったカルトヒーローたちです。こう名前を出すのは容易いですが、結局彼も落ち着くのはビートルズな気がしてなりません。「The Beatles」という直球のタイトルやサージェントペパーズを模したジャケットは分かりやすい例としても、このアルバムにはジョン、ポール、ジョージ、リンゴの遺伝子のカケラをなんとなーく聞けるからです。カケラを全部集めたらビートルズになるかっていうのとはまた全然違うんですが(笑)、それが彼の底の深さでもあります。超満足の一枚。

5-4

2006年04月12日 | 雑記
カープ、また負けた...。
投手が割と良いだけにあの得点率の低さはちょっと可哀想。
1~5番はやっぱりどう見ても強力だから、ノッてくればいけるはずなんだよなぁ。


iTunesの共有で父親のプレイリスト見てたら「無人島」とありましたので、公開しておきます(笑)。
「無人島」という割に枚数がやけに多いですね(笑)。
もう完全にあの時代のロックリスナーって感じのリストですが、僕に受け継がれてるものもチラホラ。


The Beatles / The Beatles
The Beach Boys / Pet Sounds
Bob Dylan / Blood On The Tracks
Bob Marley & The Wailers / Catch A Fire
Bobby Charles / Bobby Charles
Bonnie Raitt / Give It Up
Bruce Springsteen / The Wild, The Innocent...
Elton John / Elton John
Frank Zappa / One Size Fits All
Frankie Miller Band / The Rocks
Gilberto Gil & Caetano Veloso / Tropicalia 2
Godley & Creme / Good Bye Blue Sky
Harry Nilsson / Nilsson Sings Newman
Jackson Browne / The Pretender
Jesse Winchester / Jesse Winchester
Justo Betancourt/ Justo Betancourt
Joni Mithcell / Blue
Lenard Cohen / New Skin For The Old Ceremony
Linda Lewis / Lark
Los Lobos / Kiko
Magic Sam / The Magic Sam Legacy
Neil Young / After The Gold Rush
Orchestra Harlow / Oportunidad
Otis Redding / The Immortal Otis Redding
Paul Simon / Paul Simon
Randy Newman / Sail Away
The Roches / The Roches
The Rolling Stones / Black & Blue
Ron Davies / U.F.O.
Ry Cooder / Paradise And Lunch
Solo / Solo
Tito Puente / Homenaje A Beny More Vol III
Van Morrison / A Period Of Tranition

The Flaming Lips / At War With The Mystics

2006年04月10日 | 1980年以降ロック (米)
「The Soft Bulletin」と「Yoshimi Battles The Pink Robots」というとても多幸感に溢れた傑作を経たThe Flaming Lips、4年振りの新作です。待ち望んでましたよ。1曲目の能天気なコーラスが力強い「The Yeah Yeah Yeah Song」を聞いてみても、The Soft Bulletinにあった爆発的ともいえるような高揚感というのが無くなって、なんか中期の音がちょっと戻ってきたと感じます。アルバム内のへたくそだけどタフでドシャメシャのバンドサウンドの比率は夢見がちな被さりものが心地よかった前2作と比べてみても断然多いです。もちろんドリーミーなエフェクト類も多用しているんですが、耳に優しくない奇天烈な使い方の方が目立ち、そこら辺もやっぱり初期~中期を思わせます。久々(かな?)の耳をつんざくファズギターが苦しそうにギチギチと鳴り響く曲もあり、うれしい限り。相変わらず分けわかんないタイトルは今回も冴え渡り、ヘナヘナだけどタフなウェイン・コインの声も渋みなどを帯びる気配はありません(笑)。ところで今回もデイヴフリッドマンがプロデューサーなんですが、彼はマーキュリー・レヴのベーシストとしても活動しています。それで、そのマーキュリー・レヴは去年「The Secret Migration」という傑作アルバムをリリースしました。これは自分たちがバンドで音楽をやる意味を再確認したようなもので、日本でもクラムボンやくるりがバンド最高!みたいなアルバムを出しこれが時代の流れか!なんてちょっと思ったりもしたのですが、僕は今回のフレイミングリップスには同じようなものを感じます。というわけで今作は久々にバンドサウンドで出す音だからこそ聞ける、今のフレイミングリップスが持つエグみというのが多く出てると思いますが、ラストは飾る曲は「Goin' On」というウェイン・コインの人柄が出たようなホロリとなる優しい曲です。はやくもベスト候補かな?

Natonal Health/ Missing Pieces

2006年04月07日 | プログレっぽい
久しぶりの更新なのにこんなのでスイマセン。


National Healthの未発表音源集。ですがこういう音源によくある「なんでこれがアルバム未収録なんだよ!」っていうのはこのアルバムに入ってる曲にも有効です。フレンチホルンの多重録音による小曲「Bouree」が一番最初にきていることからも、案外、このアルバムの編集者も流れを意識したのかもしれません。

モント・キャンベル在籍時、つまり結成当初の大編成ロックオーケストラを目指していた時期の曲が多いだけあって、曲も異様に複雑なのが多いのも特徴です。クラシックに大きな影響をうけたモント・キャンペルの曲はリリカルなものが多く、デイヴ・スチュアートのキラキラしたエレピのプレイ、アマンダ・パーソンズの儚い歌声にこれ以上ないというほど合っています。そのエレピとアマンダ・パーソンズが最高のデュエットを聞かせる「Clocks And Clouds」はビーチボーイズの「Surf's Up」とか「God Only Knows」にも匹敵する美しさを持った曲で、ナショナル・ヘルスの曲の中でもポップミュージックとして成り立つ数少ないものでもあると思うのでアルバムに入らなかったのはそういう意味じゃ納得です。

毎度のことですが演奏陣の多さも、退団、入団を繰り返したこのシーンを象徴しています。ドラムスではイエス、キング・クリムゾンで活躍したビル・ブルーフォードも5曲で参加していたり、ギターもフィル・ミラー、フィル・リー、スティーヴ・ヒレッジ、キーボードも2人抱えてましたが結局この人数が一気に集まって、アルバム制作とはいかずファーストアルバムは4人で制作されることになりました。というわけで様々な人間が関わったということは、その人数だけの音が広がっているということでもあります。とりあえずオリジナルアルバムが気に入った方は必聴のアルバムです。