Green Mind

音楽の感想や日記なんかをね

Mr. Bungle

2007年01月24日 | ちょっと変なロック (米)
Peeping Tom, Tomahawk, Fantomas, Faith No More...。マイク・パットンが関わってるバンドはいくつもあるけど、やっぱりMr. Bungleが一番だよね(しつこいくらい書いてる気がする)。こういうメタルだったらいくらでも聞きたいけどこんなのに匹敵するメタルはあるのかな? メタルに詳しい人、教えてください。

Mr. Bungle

バングル作品の中でも一番ファンクメタル度が高いファースト。初期レッチリの馬鹿具合をねじりにねじった感じ。ファンクメタルといっても音楽の混じり具合が通常ではないので、吐き気を催すバングル節は全開なのでご安心を。ジャケの人のような薄ら笑いが出る名盤。

Disco Volante

マイク・パットンの映画音楽好き具合が良く出たセカンド。所々にザッパのようなサウンドコラージュ、気味の悪い寸劇のようなものが挟まれミスター・バングルの音楽はさらにタチの悪いものへ。
以前書いた感想文はこちら

California

タイトル通りミスター・バングルのサーフロックを含む西海岸サウンド絵巻。三作の中でも収録時間が短く、気味悪いサウンドコラージュや寸劇もあまり挟まれていない一番キャッチーでポップなアルバムです。とはいえサーフロックなテケテケギターとビーチボーイズ風のコーラスでポップスをかました後、いきなりデスメタルに展開していくようなお決まりは忘れていないでくれているのでご安心を。しかしマイク・パットンが素晴らしいヴォーカリストであるということを証明するドゥーワップ「Vanity Fair」のあとに、ケチャメタル「Goodbye Sober Day」がくるとは誰が想像できようか...。

Frank Zappa / Overnite Sensation

2005年05月15日 | ちょっと変なロック (米)
「Waka Jawaka」、「The Grand Wazoo」とジャズロック路線が続き、今作1973年発表の「Overnite Sensation」では突然のポップ路線。全7曲のポップスとしては短めながら、いつものように濃い~ファンキーでお下劣な内容となっています。メンバーはトム(B)、ブルース・ファウラー(Trombone)兄弟、ルース・アンダーウッド(Marimba, Vibe), ジョージ・デューク(Key)、イアン・アンダーウッド(Flute, Clarinet), ラルフ・ハンフリー(Drums)、サル・マークツ(読み方分かりません、Trumpet)そしてヴァイオリンにジャン・リュック・ポンティ絶頂期への階段を昇るにふさわしい面子です。

ヴォーカルが大きくドラムスの音が小さくて、ちょっと違和感があるミックスなんですがびっくりするくらいポップなM1。ドラムスがファンキーに軽快ボコボコ動き回って気持ちいい一曲。クラヴィネット、ホーンの怪しいリフでこれまた気持ちよく始まるM2も、ザッパの低音ヴォイスが入ると途端にダークな世界へひとっ飛び。なんですが、女性コーラスが担当するサビのメロディはやっぱりポップ。M3もポップでファンキーな佳曲。ここからの流れが凄いっすよ。M4はデューク、ポンティ、ザッパのソロ合戦も凄いですが、リードヴォーカルを取るリッキー・ランセロッティの変態ぶりも聞き物です。でもやっぱりこのソロ合戦はカッコいい。特にポンティ様のエレクトリック・バリトン・ヴァイオリンのソロがたまんない。図太く、伸びやかでメロディアス。5分半すぎのメロディアスなユニゾンにニヤリ。マリンバ、ホーン、クラヴィネットが奇怪に絡み合うイントロダクションから始まるM5。しっかりとしたファンキーなリズム隊に支えられ、ホーンやらマリンバ、シンセは悪ふざけとしか思えないようなフレーズを挟みまくるのが痛快。軽くワウをかけたザッパのギターソロも悶絶級のカッコ良さです。M6はドコドコ疾走するドラムに乗って、ほとんどエロ小説みたいな歌詞が繰り広げられる奇曲。とってもキュートなホーンのイントロ→ザッパのヴォーカルで一気に持ってかれるM7。やっぱり聞き所はギターソロでしょうか。トーン、フレーズともに最高の出来。

しつこいくらいポップ、ファンキーと書いてきましたが実際そうなのでしょうがない。ザッパらしい奇天烈な曲展開、構成はきっちりと含みつつ、ソウル、ファンクに根差しているガッチリして融通の効くアンサンブルもしっかりと聞け、踊れて歌えるお下劣奇譚。唯一、不満があるとすればジャン・リュック・ポンティの出番の少なさか。

Frank Zappaの他のレビュー
Hot Rats
One Size Fits All
Bongo Fury

Frank Zappa / Bongo Fury

2005年04月07日 | ちょっと変なロック (米)
さてザッパ「Bongo Fury」。超傑作の「One Size Fits All」の後のアルバム。なんといってもキャプテン・ビーフハートとの最後の共演が話題にもなったという、アルマジロ世界司令部でのライヴ盤(一部スタジオ)。ルース・アンダーウッド嬢が前作で脱退、ほとんどのドラムスにテリー・ボジオ(チェスター・トンプソンがM5, M6)、スライドにデニー・ウォレイが参加以外は「One Size Fits All」と同じメンバー。アルバムの名義はザッパ/ビーフハート/マザーズとなってますが、ザッパ&マザーズ・フィーチャリング・ビーフハートと考えてもらったほうが良いです。ビーフハートはやっぱりゲスト。マジックバンドでやっている方がかっこよく聞こえます。

とにかく前作が傑作すぎるので今作が見劣りしてしまうのはしょうがないですが、聞き所はさすがにザッパ、沢山。あの強烈なダミ声で「歌う」というより「咆哮」というほうがピッタリのM1, 入り方、内容共に卒倒もんのギターソロが聞けるM2, 意味不明の語りM3の後は、ハープをスライドを配したブルージーなポップソングM4, 不思議なメロディとハーモニーを聞かせるブルーズロックナンバーM5、この曲でも隊長の爆ものハープが聞けます。滅茶苦茶好きな曲です。ザッパの低音ボイス、ジョージ・デュークの変態コーラスが聞けるM6で繋ぎ、そしてギターソロがたっぷりのM7。今ふと思ったんですが、この頃のザッパバンドの要人はジョージ・デュークで決まりですね。キーボードプレイもさることながら、ソウルフルで変態ちっく(ザッパの曲だからね)なヴォーカルが最高。ファルセットも痺れる。ジャン・リュック・ポンティ、シューガーケイン・ハリスも大好きだ。というか僕あれなんですよ、快速ビートWithヴァイオリンが大好きなんです。速い曲でヴァイオリンをウネウネ弾かれるとたまんねぇっす。もっとそのフレーズ伸ばして、みたいな(笑)。そういうことでRovoの「Flage」なんて最高の盤ですね。あとCaravanの「Cunning Stunts」のボートラに入ってる「For Richard」でジェフリー・リチャードソンが出す、エレクトリックヴィオラのフィードバックノイズがカッコ良すぎ。おっと話が逸れた。それでM7の最後の拍子が変になるところは車で初めてこの曲聞いた時「あぁ、もろザッパじゃん」と笑ってしまった。語りのM8、個人的ベストトラックのM9。不穏なピアノをバックにザッパが語り、ユーモラスでキャッチーでザッパ節としかいいようのない歌メロに入る瞬間はカッコ良くて笑える。ギターソロもやっぱり出来過ぎなくらいカッコいい。最後にコールされるメンバー紹介の所までも歌ってしまう(笑)。
キャプテンビーフハートの担当が「ヴォーカル、ソプラノサックス、マッドネス」ってのがいいですね。

意味不明な語りが少しあるので英語が分からないと、繋がり、流れというのが分かりづらいんですがそれを抜きにしても、しっかりとカッコいいブルーズロックです。ハチャメチャな要素も少ないので聞きやすいしオススメです。

Frank Zappa / One Size Fits All

2005年03月01日 | ちょっと変なロック (米)
今日はザッパです。The Mothers Of Invention名義で出した、1975年の作品「One Size Fits All」。メンバーもジョージ・デューク、トム・ファウラー、ルース・アンダーウッド、チェスター・トンプソン、ナポレオン・マーフィと絶頂期を語るにふさわしい素晴らしい面子。そのバンドを指揮するザッパの統率力、その主軸を成すあのギター。トーンもフレーズも見事としかいいようがない...。

実際のお姿も美しくてルース・アンダーウッド嬢大好きになってしまったんですが、M1からヴァイヴがリードをとり、ジョージ・デュークの変態ヴォーカルが爆発。本来こういう歌い方しない人なんだろうとは思いますが、ザッパスクールに入っちゃそんなの関係無し。でもこの時期のライヴ映像を見たらジョージ・デュークも含めみんなもの凄く楽しそうに演奏をしているんですよね。全く違和感なく入って来る中盤のギターソロ、実はテープで繋いだライヴ音源。ブックレットには書いてあるけど、言われなかったら気付きません。ジャジー=お洒落な感じという式が全くあてはまらない、変態ナンバーで幕をあけます。ほとんどつなぎ目無しで繋がるM2はヘヴィなロックンロール。しかしそこはザッパ、ぶっ飛んだコーラスで味付けを。インストの超名曲M3はピアノ、マリンバ、シンセで織りなす壮大で美しい曲。ロマンティストザッパの神髄が味わえる。M4はザッパの低温ヴォイスが聞ける、ねちっこく、変態リズムのファンキーな曲。これでもかというくらい超絶フェイクを入れるので、乗るに乗れない(笑)。そしてやっぱりギターソロは(・∀・)カコイイ!!。ナポレオン・マーフィのヴォーカルを配したM5も基本的にファンキーでかっこいいんですが、どうにもこうにも曲調がコロコロ変わり乗れない。分厚いコーラスワークは聞き物。特に意味があるとは思えない、けれどそれがザッパらしいM6。ハープシコードをバックに語るように歌います。M7はジョニー’’ギター’’ワトソンが吠えまくる、ハードでブルージーな曲。ココでもほとんどユニゾンに近い分厚いコーラスが聞ける。M8では、現代音楽、スローブルース、R&B、ジャズロックが冗談じゃなく見事な一体感を持って聞かせる信じられないような曲。ダカダカダカと途切れる様に鳴らされるドラムのあとの早口ヴォーカルからの展開が凄まじい。ピアノ、ドラムス、ギターおよそ全ての楽器で疾走するフレーズ、これが素晴らしく何回聞いてもゾクゾクと震えが来ます。最後はM3のヴォーカル入りバージョン。メロディラインは同じなんですが、ヴォーカル入りももちろん名曲。歌詞はコーラスごとに英語からドイツ語へ変化する。息をつかせる暇もないほど濃い42分です。

まさにザッパの代表作といえる傑作。ジャズ、ロック,現代音楽、ブルーズ、R&Bをタチの悪いユーモアというフィルターを通し、合体させた音楽=唯一無二=ザッパサウンド。この後も傑作を生み出す訳ですから、改めてすげー才能だと思います。

Frank Zappaの他のレビュー
Hot Rats

The Cars / Heartbeat City

2005年02月17日 | ちょっと変なロック (米)
リック・オケイセック万歳。ということでThe CarsのHearbeat Cityの紹介です。
ウィーザーのファーストのプロデュースで割と、若い人にも有名であろうカーズのフロントマン、才人リック・オケイセックのバンド。このアルバムは1984年リリースでめっさ売れたらしい。リックのこの独特のねじれナル感は今流行のディスコパンク勢に強い影響を与えているんではないかと思います。めっさ売れた=アクが抜けたということでもあると思うので、初期のXTCにも通じる臭いははどうやら抜けているようですが(つまり未聴)、大丈夫、十分独特(笑)
あとはやはりシンセ。アルバムの至る所で聞けるあの「時代」を感じさせるシンセは、E.L.O.もそうだけどかなり異質な音だと思うのですが、彼等の場合バンドのイメージと重なりかなりサラリと聞けてしまう。M6を聞くとコステロを思う。あと確実にHot Hot Heatは影響を受けている。M3「Magic」はパワポファンのツボを刺激しまくる名曲。いや~素晴らしい!

Frank Zapp / Hot Rats

2004年12月19日 | ちょっと変なロック (米)
今日はFrank Zappa「Hot Rats」の紹介。このアルバムは69年発表、名義としてはソロアルバムで色々なゲストを迎えて制作されています。で、このアルバムのキーパーソンとなっている人が、イアン・アンダーウッド(Ian Underwood)という男。この人、バークリー音楽院で作曲家の修士号を手にした人で、このアルバムではサックス類、クラリネット類、フルート、ピアノを操る才人。これだけでも凄いが、Hot Rats参加までの経緯もカッコいい。「どんな難解な楽譜でも読んでみせる」と言い、入っちゃったんです。

基本的にインストでジャズロックとか呼ばれているこの作品は、ザッパのブルーズギターが中心となったり、ならなかったりで熱のこもったバトルを聞かせてくれます。M1は「Peaches En Regalia」という永遠の名曲でスタート。Polaris「季節」みたいなドラムのタム回しから、ギターのなんていうの「ティリリリリリ」って細かいフレーズ、ピアノが切なく歌い、サックスがそれに応える。テーマが美しすぎる。グッドメロディの乱打戦。何回聞いても飽きないわぁ。ホントに。ちなみにベースはあのシュギー・オーティス。
M2「Willie The Pimp」では牛心隊長ことキャプテン・ビーフハートが参加。切れ味の良いシュガーケーン・ハリスのヴァイオリンリフから隊長がうなりまくる。一段落するとザッパのワウ風味ブルーズギターがウネウネと走りまくる。ドラム、ベースともにそれを機械のように支え、最後はギター、ヴァイオリンのユニゾンで終り。M3「Son Of Mr. Green Genes」はビッグバンド風のブラスが印象的な曲で、やっぱギターソロが異常にカッコいい。最後はGenesis, EL&P, Yesばりにシンフォニック、ドラマティックに終焉。
ダブルベースのキタ━━━━ヽ(´Α` )ノ━━━━!!!!なフレーズで始まる、「Little Umbrella」も永遠の名曲で、ザッパのメロディメイカーぶりを表す代表曲。ピアノ、ハモンド、サックスやらすべての楽器がバッキングとして鳴ってるのではなく、リード楽器として曲を形成してるってのは凄い。管楽器の魅力ってのも味わえる曲だ。M4「The Gumbo Variation」はベースのリフが終始印象的でカッコいい16分55分の大曲。ソロの応酬戦。サックス、ヴァイオリン、ギター、ドラムの順でソロ。超カッコいいけど、皆「引く」ってことを知らないから疲れる(笑)。ラストは涙なしでは聞けないであろう「It Must Be A Camel」。ロールしまくるドラムに重なるのは、重くも切ないピアノのメロディ。サックスのユニゾンはヘンリーカウらカンタベリー勢を思わせる。まぁ影響は確実に与えてるだろうね。最後はクラリネット、ヴァイオリン、エレピも絡み、そこから抜け出したピアノの旋律でエンド。

ザッパの代表作であるとともに、入門盤としてもぴったり。ジャズロック、プログレファンは絶対、普通のロックファンでもザッパという単語が気になっている人はこのアルバムから初めてみてはどうでしょう?それか「Over-Nite Sensation」ってのをオススメします

Todd Rundgren / Hermit Of Mink Hollow

2004年08月10日 | ちょっと変なロック (米)
今回の音楽紹介はTodd Rundgrenなんですが、トッドは最初に聞くアルバムを間違えてしまうと、もう聞きたくないなんて事になってしまいます。「Wizard, A True Star」「Todd」なんかがそうです。けれど今回紹介する「Hermit Of Mink Hollow」なんかを初めに聞いてしまうと、よっしゃー一生の宝ができた!なんて事まで思ってしまうほど、ずっと聞き続けられるのです。

Todd Rundgren / Hermit Of Mink Hollow
このアルバムは78年に発売された、トッドのピークを示す作品になっています。内容はといえば圧倒的なポップワールドで、後世にも大きな影響を与えたことは一発で分ります。きらびやかなシンセが全体的なトーンを占めてますが、古臭いなんてことはなく切ないメロディを引き立ててくれます。好きな曲はもうはっきり言って全部です。敢えて挙げるとするなら、「All The Children Sing」「Can We Still Be Friend」
「Lucky Guy」「Determination」「Fade Away」です。ポップ好きで聞いてなかったらモグリですぜ。

ついでにトッドのアルバムでこの順番で聞くといいですよ、コーナー
Hermit Of Mink HollowかSomthing/Anything

Faithful

RuntかRunt:The Ballad Of Todd Rundgren

A Wizard, A True Star

Nearly Human

The Ever Popular Tortured Artist Effect

Todd
てな感じがいいんじゃないんでしょうか。
あんまり当てにしないでくださいね。