Green Mind

音楽の感想や日記なんかをね

2005年の良かったアルバム

2005年12月31日 | 雑記
僕も参加させてもらったFreak In Freak Outさんでの「おれ的わたし的ベスト 2005」が完成したようです。石井さん、お疲れさまでした。どんな雑誌でのベスト企画よりも面白いセレクトが見れるので皆さん是非見てみましょう。僕はといえば、色々なサイト様でのベストを見ていたら自分の所でもやりたくなったので「おれわたし的」で書いたものにちょこちょこっと書き加えてベストをやってみます。


1. Antony & The Johnsons / I am a bird Now

結局この人は出会ってからずっと聞いてました。ファーストアルバムもシングルも今年出たのは全部買いましたが、あと手に入らないのはCurrent 93とのスプリットと「I Fell In Love With Dead Boy」という謎のEP盤...。一生付いていくという覚悟は手中にあるのであとは日本に来てくれ。この方の声。声はやはり武器です、と改めて感じさせてくれました。

2. Ryan Adams & The Cardinals / Cold Roses

今年は3作出すぜ!とおっしゃっていたアダムス氏。実際、やってくれたわけですが、その3作の中でも出来が突出していたのはこのアルバムだと思います。スカスカでヘヴィなカントリーロック...と書く前に書かなければいけないのはライアンの曲作りの才能ですね。「ロックンロール」での手癖全開元ネタまるわかりオンパレード(そこが狙いだったわけですが)な曲作りとは真逆と言っていいほどの練りよう。もうニール&暴れ馬だとかグレイトフルデッドだとかが比較に挙げられるのはこの手のアーティストにとっては宿命みたいなもんなので、やっぱりそこから少し飛び抜けるのには曲の良さが絶対条件なんだなぁと思いました。

3.Clem Snide / End Of Love

こちらも年初からハマりっぱなしでした。気構えなしに聞けるというのはとても楽なので、「You Were A Diamond」とこのアルバムは僕の体にたっぷり染み付いているはずです。なんかとにかく70年代のシンガーソングライターと一緒に語りたくなるアルバムでして、それが僕は(聞いてもらって違うじゃねえかと言われるのは恐いのですが)ニール・イネスだったりキャロル・キングだったりというわけです。えぇベタ褒めです。

4. Grapevine / デラシネ

ま、順位なんてほとんど差がないので意味ないんですけどね。このアルバムは今までのアルバムで一番好きになりました。なんというか凄いおおらかだと思うんです。これは田中曲の素晴らしさ(少年、Kingdom Come、スカイライン)が影響してるはずなんですが(フロントマンだもんねぇ)、それと一緒にバンド自体が余裕さと重量感の2つをついに獲得できたからだと思います。田中曲は最近やけに良いのが多くて、このアルバムでも抜群の出来でした。

5. Crimetime Orchestra / Life is a Beautiful monster

是非これは手に入れてほしいアルバムです。ディスクユニオンならあると思うんですが、アマゾンじゃ在庫切れで大手CD屋行ってもないと思うんだよなぁ。ポール・ニルセン・ラヴというドラマーがすげぇの一言で終わらせるのも簡単ですが、いや簡単なのは簡単で終わらせた方が良い場合もあるな。とにかくポール・ニルセン・ラヴというドラマー及びプレイがすげぇ、です。

6. Robert Wyatt / Drury Lane

今年は例年になくリイシュー作品、プログレを買わなかった年だったんですが(今年一回だけ行ったCD屋巡りでもプログレ館に初めて行かなかった(笑))、買った中でもこれは素晴らしかった。いや、店頭でちょっと迷ったんですよ。俺、ライヴ盤ってあんまり得意じゃないし...だとか今はプログレって気分でもないなぁ...とか。どついてやりたいですね。このライヴ盤の圧倒的な一体感何なんだろう。それでいてフレンドリーで優しくてカッコ良くて...大感動。ワイアットはこれが最高傑作だね、という人。友達になってください。

7. Rufus Wainwright / Want Two

正直ファースト、セカンドはWant One, Twoが世に出た今、僕の中ではなかったことに...とは言い過ぎですがちょっと霞んで見えなくなってます。それほど凄かった。やってる音楽は違えどマイクパットンと並ぶアメリカの変人ですよ(この人はカナダだっけか)。

8. Sufjan Stevens / Illinoise

アメリカ50州をテーマにアルバムを作っていくという途方もないアイディアをミシガン、イリノイと今のところ凄いレベルでやってのけているのですが、今後はどうなるんだろう。あの細く綺麗な声と純度の高いメロディはぶれることのない魅力だけど、このまま一人でこつこつ作品を作っていくか、もしくはコンピレーション関係で色々仕事しているみたいなのでそこから活動の幅を広げていくか、どちらにしても楽しみで重要な存在であることは間違いないです。

9. Zazen Boys / Himitsu Girl's Top Secret

アヒト・イナザワの脱退を経て松下敦をドラマーに迎え再出発したザゼン・ボーイズの5曲入りシングルが9位です。アヒトは良くも悪くもオルタナドラマーという感じがあったのですが、松下敦はツェッペリンだとかファンクだとかにずっぽりハマったドラマーという感じなので今の向井の趣向を具体化するには最適すぎるほどの存在なはずです。ドラムロックという名はぴったりですね。めげそうになるほど重量感のあるロックアンサンブル。

10. くるり / Birthday

「NIKKI」も大好きなんですが、今年のくるりが出した4枚のシングルはどれも良くて、今年のくるり戦略に失敗があるとすれば正しく良シングルを出しすぎたってこと。その中でも特に好きだったのはこの「Birthday」で、どこだったか岸田繁は「ギターポップとビーバップが合わさったような曲で演奏が難しい」みたいなことを話してた(書いていた?)気がするのですが、爽やかで綺麗なコードとメロディの影に妙ちくりんな「タメ」と「ハネ」を紛れさじっくり聞けば聞くほどそのねっとり具合が癖になるように出来ていると思います。ということでこの曲を「爽やか」というのは間違い。

12月21日

2005年12月21日 | 雑記
チャリをこぎながら僕の夜を彩った曲とその流れ。
Grapevine「青い魚」~Antony & The Johnsons「Fistful Of Love」~Ryan Adams「Harder Now That It's Over」~Donny Hathaway「You've Got A Friend」。震えた。


ミュージックマガジンのベストを見ました。音楽に興味なかったころから年間ベストはなんかよく見てた気がします。アメリカのロックでは持ってない(家にない)のがフィオナ・アップルだけだったので、父、僕ともにつくづくミューマガ読者なんだなぁと思ったり、スフィアン・スティーヴンス、アントニー、ルーファス、デヴェンドラが載っているのを見ても「意外性がないなぁ」と2人で話すという感じでした。エゲレスのロックは個人的には相変わらず不調な印象があるのですが、実際はそうでもないようで新人さん達がしっかりとしてきたみたいです。まぁオアシスやティーンエイジファンクラブも聞いてないどころか、2005年リリースされたエゲレスロックはポールの新しいのとヴァシュティ・ブニヤン、リチャード・トンプソンだけなので何にも言えません(ワイアットは別でしょ?)。あっ、お友達がリトルバーリーがいいぜ! ってメールをくれたんですがどうなんですかね? そして日本。日本はやっぱりくるりですか。僕はくるりでした。「NIKKI」大好きですがシングル「Birthday」と「Superstar」の方が3割り増しくらいで素晴らしかった。特に「Birthday」のねっとりとした「タメ」と「ハネ」はあの綺麗なコード感がなければそうとう気持ち悪いものになったはずです(あれでも十分気持ち悪いけど)。「尼崎の魚」「リコシェ」「Birthday」はくるりの3大変態ソングとして神棚に祀りたい! 全然まとまってないですが、一応ミューマガベストの感想終り!(笑)。

木村カエラ / Beat

2005年12月20日 | ポップ日本
うわーーライアンの「29」、まんまTruckin'だー。サイコー!! Cold Roses並、もしくはそれ以上に愛聴しそうだわ。

例の木村カエラのシングルは結局、妹とお金を半分づつ出して買ったのです。作曲、ギターは奥田民生、ベースはTOKIE、ドラムはクハラカズユキ、キーボードは奥野真哉で曲名は「Beat」に「Rock On」ですよ。悪いわけはないですよ。前2作を妹から借りて聞いてみても、ピンと来ない身としては民生さん尊敬してます、みたいな感じが出てるカエラちゃんの歌詞、歌いっぷりはピンではなくグッと来てしまいました。シンプル&タイトなギターとリズム隊に初期XTCから破天荒さを抜いたようなさりげないキーボード(ミュージックマガジンではストラングラーズって書いてありましたね)にドキャッチーでない曲は、通好みと書くと感じ悪いですが若干渋めということでポップパンクカエラを期待してた人はちょっと面食らったんじゃないかなぁと思います。なんにしろシンプルでカッコいい良質のポップロックということで、民生ファン、カエラファンだけでなく色んな人に聞いてみてほしい作品ですね。


にしてもカエラちゃんは可愛いよねぇぇ。

Oily Rags / Oily Rags

2005年12月19日 | 60~70年代ロック (英)
レココレの色んなところで奇跡の大名盤とか書かれてたら欲しくなるに決まってます。英フォークロックのThe Band経由の米音楽旅行。ブリンズリー・シュオーツが英国のThe Bandと言われているのには若干違和感を感じるので(これは主にニック・ロウのポップセンスが爆発しすぎているから)、英国のThe Bandの称号を与えたいのはTime To Killをカバーしているからだけでなく、ド渋で濃厚でパブロックの緩さやポップさも従えたその音楽性が素晴らしすぎるから。オイリー・ラグスとはChas Hodges(チャス・ホッジス)とDave Peacock(デイヴ・ピーコック)の後にChas & Daveで活動することになる2人組らしいです。このアルバムはその2人にクリムゾンでの活動が有名なドラマー、イアン・ウォーレスとスティール・ギター担当のジェリー・ホーガンの4人のみ、他のゲストは一切無しで作られました。ゲストがいると何だとかそういうことではなく、人を沢山よんでワイワイやると、そこが魅力ではあるけれど、なんとなくゆるゆるレイドバックした感じになってしまいがち(ロン・ウッドのファーストが良い例)なこういうロック。この作品では一見ゆるゆるのようで緊張感のある締まったグルーヴが堪能出来るのはつまり、3, 4人でバーっと一気に作り、曲ごとにこれは誰々のドラムでギターでというお楽しみを排除したからだと思います。前に書いた通り英フォークのThe Band経由の米音楽旅行、ということで基本的にはトラッドの影響も見え隠れさせつつフォーク、アコースティック色が濃い音にスワンプロックやR&Bのエキスを無理なく無駄なく注入。この手の英ロックでは最高の域に達していると思うと同時にこの時代のロックは英米限らず深さは限りねぇなと実感した次第です。名盤!

Sufjan Stevens / Come On Feel The Illinoise!

2005年12月18日 | 1980年以降ロック (米)
こういうコンセプチュアルなアルバムはリッピングするのにためらったりするのですが、いざ覚悟を決めてAAC化し、iPodへ投入すると一日チャリに一時間半以上乗る生活をほぼ毎日やってるせいか、結局ガンガン聞きまくってますね。けど、僕はどうやら正座して聞くのに値する音楽は正座して聞くのが好きみたいです。とは言ってもこのアルバムがガチガチに重いかと言えば、そうではなく耳にも心にもソフト。1時間13分の大作が何故ソフトに流れるかを考えると、エレキギターに頼りすぎない、これが一番かと思います。この人は木管楽器とか管楽器とかストリングス、コーラスまでとにかく色んな楽器を使って色んなアレンジをして、究極的に美しいメロディを浮世離れした切ねぇ声で歌う人なんですがエレキギターにはそれほど頼りません。この人の音楽が結局フォーク、ネオ・フォークとか呼ばれるってことは単純に弾き語り曲が信じられないくらい良いからなんですが、そういえばエレキあんま使ってないなぁと思ったので書いてみました。

アメリカ州シリーズの第一弾「ミシガン」は超傑作でしたが、第二弾は「イリノイ」です。タイトルは「Come On Feel The Illinois」はSladeでしたっけ?「Cum On Feel The Noize」にかけてるのかな。ともかくこれまた恐ろしいほどの傑作です。「ミシガン」でも聞けた凝ったアレンジの数々はコーラス隊や管隊が加わることによって洗練の度合いを高めました。全22曲がほとんどつなぎ目なしにながれ、シカゴ音響系やステレオラブなんかの影もちらつかせつつ、基本はシンガーソングライター的な方面で聞かせるというのも基本的に変わらず。高純度ファルセットヴォイスはシンプルな曲であればあるほどクラクラするほど憂いを持って響き、膨大な知識と想像が詰まった歌詞も適度なユーモアが入ってるので聞いてて重くならない。今作もゴスペルフォークなんて言ってみたいね。今年個人的に是が非でも聞いてほしいアルバムベスト2位(1位はアントニーっすよ)。

Jim O'Rourke / Insignificance

2005年12月17日 | 1980年以降ロック (米)
精力的な更新活動は少しの間続きますよ。

ジム・オルークのアルバムInsignificanceに対しどこかのミュージシャンの方が言ってましたが、ギタリストが書く曲は本質的にちょいと変、らしいです。そんな意見を見た僕は、なるほどギタリストの書く曲は本質的にちょいと変なのかとこのアルバムがさらに好きになりました。「Eureka」と「Insignificance」の大きく分けて前者のゆるやかなポップ性、後者のちょっとヒネたロック性は確実に今の音楽趣味に繋がってまして、もし聞いてなかったら結果BattlesだとかRed House Paintersだとかにたどり着くのは遅くなってたと思うし、John Faheyっていう人はずっと知らないままだったはずです。

本質的かどうかは分かりませんがちょいと変なのは確か。印象的なドラムスからギターリフに流れ込む「All Down From Here」もエレキギター中心の構成かと思えばゆるやかなアコギのインタルードを挿みKOといきます。結局全部が全部エレクトリックというわけではありませんが、ジムの素朴な歌声にメロディ、細部のさりげなくお洒落な小物のようなアレンジは「Eureka」と何の変わりもなく丁寧で優しくそれは素晴らしいものです。洋楽を普段聞かない人に、何か洋楽貸してよーと言われたら大体の場合ジェリーフィッシュかジム・オルークの「Eureka」か「Insignificance」、トッドの「Something/Anything?」、XTCの「Apple Venus」のどれかを貸すことにしてるのですが、これらはどこか偏執狂的な要素を持つポップアルバムということでまさしく僕の趣味全開のセレクトということでした。

Luke Temple / Hold A Match For A Gasoline World

2005年12月16日 | 1980年以降ロック (米)
30歳でデビューということですが、中々グレイトな新人さんですよ。マサチューセッツ生まれのシンガーソングライターのデビューEPとアルバムを日本でまとめた編集盤。引き合いに出されるアーティストがエリオット・スミスやポール・サイモン、シンプルで陰影をもってなおかつユーモラスと僕が好きな条件ばかり。時代は今フォークなようで(?)、スフィアン・スティーヴンス、デヴェンドラ・バンハート、ヴァシュティ・ブニヤン、そして、まとめて括ってしまうのは少し乱暴だけどルーク・テンプルとどれも素晴らしい作品を届けてくれました。日本でも新川忠という人が凄いアルバムを届けてくれたし。

この人の音楽は基本的にフォーキーな音、フォークとして捉えてしまっても問題はないんですが、中期ビートルズを思わせるようなおサイケなメロトロン、ノスタルジックと呼ぶにはユーモラスすぎるクラリネットやサックスを使ったアレンジが耳を奪います。ドラムスやエレキギターも積極的に導入し、デビューEP収録の「B-Bird」は完全にギターロック。弱々しくて切ない声のおかげでくぐもった音像や独特なメロディが現実感をもって届き、結局それはリピートの嵐を誘うのです。このアルバムは全部ひっくるめてディランが「Desolation Row」で繰り広げた、短すぎる11分、このまま終わってほしくない空気さえ出している様に思います。今は冬。実にシンガーソングライターの音が似合う季節ですね。是非どうぞ。


所属レーベル内のサイト
試聴出来ます。

System Of A Downの二枚

2005年12月15日 | 雑記
System Of A Down / Mezmerize

Battlesもそうだけど、ミスター・バングル、ファントマスとかMezmerize、Hypnotizeの二枚みたいな音は好きすぎて困ります。よく聞いてみると結局マイク・パットン関連の音とは大分違うのですが、凄い速さでリズムチェンジ、転調を繰り返す曲構成、諧謔精神の塊みたいな音楽性は共通点も大分あるのでパットン関連好きは買って損はないかと思います。で、決定的にパットン関連と違うのは軽く聞いているとメインストリームのラウドロックとも思われてしまいそうなポップで切なすぎる曲。一瞬そんなラウドロックの臭いが出たりするのですが、それも束の間、馬鹿テク変態スラッシュリフで落としに入り結局変態音楽になっちゃうのがいい。メンバーはアルメニア系アメリカ人ということで、所々そんなメロディが出てくるんですが、そこもこのバンドを滅茶苦茶面白くしてる要因だと思います。ほとんど切れ目無しに(曲が繋がっているわけではないです)、矢継ぎ早に繰り出される全11曲36分。完成度でいったら今年出会った新譜では最高なんじゃないかなと思いますね。


System Of A Down / Hypnotize

こちらはMezmerize後に発売されたHypnotize。やっぱり最後の曲がMezmerizeの一曲目に繋がっていることから、2枚組として捉えた方が良いかもしれませんが、んなことは爆笑変態スラッシュの前には関係なし! どちらのアルバムにも言えることですが速弾きにも頼らなければ、転調転調の展開だけにも頼らず、しっかりとしたメロディでアルバムを成り立たせてその上変態で...と素晴らしさは言い出したらキリがないです。そして、このアルバムの特徴は若干メロディ志向が強め。もちろんそれによって密度、濃度が薄くなったわけはなく、「Mezrermize」の「Violent Photography」での早口で「エビバディエビバディエビバディエビバディファック」と同じく「Vininity Of Obscnity」での「バナナバナナバナナテラコッタ/バナナテラコッタテラコッタパイ」で笑かしてくれます。こちらも12曲39分とコンパクトにして完成度高し。

12月15日

2005年12月15日 | 雑記
弟が買ってきたつのだじろうの恐怖新聞にハマってます。小さい頃、ばあちゃんの家に行く度に日野日出志とか漂流教室(関谷がめちゃめちゃ恐かった)とか恐怖新聞を読んでトイレ行けなかったこと覚えてます。弟なんか読まなきゃいいのに読んで恐くなってもう見たくないからっていって恐怖新聞をガムテープでぐるぐる巻きにしたんだよなぁ。今も残ってるのかな。この人の絵ってうすた京介なんかにネタにされてて、今読むと怖くはないし逆に笑わされることが多いんだけど、この破天荒な物語の進め方、コマ割り、滅茶苦茶な設定は凄いオルタナティヴでハードコア。文庫版3巻の解説は今は懐かし織田無道。



今年は本を全然読まなかったなぁ。つっても本をまともに読み始めたのが2年くらい前からですけど。そんな中でも一応ちょっとは読んだのでちょっと紹介。


グレイス・ペイリー / 最後の瞬間のすごく大きな変化

この本はハードカバーでも凄い柔らかい材質を使ってて読みやすそうだったので買っても良いかなぁと思ってたら文庫版が出たので喜んで購入。この人の文章は時々かなーり分かりにくい表現
例えば

「私が意味のある会話をとても必要としている時、男性社会の匂いのひと嗅ぎを求めているまさにそのときにー要するに私のフレンドリーな言語を果てることなき肉体言語に翻訳できる程度に頭の働く男友達を少なくとも一人は必要としているときに、ー私は近所の公園でこども達に取り巻かれ、無為に時を送ることを余儀なくされていた」(木の中のフェイス)

こんなの
がちょくちょく出てくるんですがじっくりと読んでみるとこれが癖になるんです。裏表紙にある「50年の間、圧倒的な支持と尊敬を受け続けている...」というのにもあぁ納得、村上春樹の「いったんはまりこむと、もうこれなしにはいられなくなる」という言葉にも分かる、分かるよと共感。適切な表現かどうか分かりませんが、カッコいいです。この人、文章。


太宰治 / パンドラの匣

未だに表題作「パンドラの匣」は読んでなく「正義と微笑」だけしか読んでません。太宰治にもそんなに思い入れがあるわけじゃありませんが、こんな話も書けるんだと驚きでした。ライ麦の日本版のような作品はブログ文学、日記文学の先駆けとも言えたり言えなかったり。とにかく面白かったです。

後は、村上春樹「アフターダーク」とか吉田修一「パレード」小川洋子「ホテル・イリアス」なんかを読みましたが「アフターダーク」はだめ、「パレード」は普通、「ホテル・アイリス」は是非、という感じです。

12月12日

2005年12月12日 | 雑記
うわぁ、ジャンル機能が追加されとる。しかも必須だし100以上ジャンルがあるのに、こういう選ばせ方はないと思う(ポップアップメニューって言うんですか? 知りません)。


卒業式ぶりくらいにお友達に会う。CD屋でうろうろ、いろいろ話した帰りにワゴンセールで僕がこれはどんなバンドなんだぜだとかしつこく注釈をいれてたら「なんか知りすぎててきもいよ」とのお褒めの言葉をもらう。洋楽デビューが2年くらい前のオアシスでそこからタージ・マハールがカッコいい、MG'sが最高、ホークウィンドのイカレっぷりが良いとか言ってるお前も十分きもい。


The GrooversのModern Boogie Syndicateを購入。な、な、な、なんというカッコ良さ。こんなバンドがいるんなら、ロックンロールという言葉はもっと丁寧に使われるべき。それにしてもグレイプバイン(田中和将)はこのバンドにめちゃめちゃ影響受けてるなぁ。聴いている間は興奮しっぱなしだったけど、聴後感はいたってすっきりしているのが個人的には意外だった。これが”引き”を知っているということなのか。

System Of A Downの二枚も購入。二枚で4000円以下よ。日本盤なんて買うメリットはあるのかしら? それで、内容ですがこちらもベストを考え直さなきゃいけないくらい最高。バンドの「いっぺんに多くの曲を聞くなんていっぺんに多くの人に出会うのと同じ。だから分けたんだ」という考えからはちょっと外れますが、これは二枚そろえて買いましょう。ウィルコのライヴ盤は3000円以上したので保留。