Green Mind

音楽の感想や日記なんかをね

Caravan / Waterloo Lily

2005年06月30日 | プログレっぽい
キャラヴァンの中じゃ一番地味なアルバムですね。デイヴ”出たり入ったり"シンクレアが一旦抜け、スティーヴ・ミラー加入。リチャード・シンクレア君のジャズ志向とパイ・ヘイスティングス君のポップなプログレ指向という方向性の違いが明確に出たアルバム。その方向性の違いが聞ける2曲に尽きると思われがちな今作ですが、僕の場合最終曲「The World Is Yours」、これに尽きます。今一番聞きたくない音楽がギターポップモードのくせにこんなにホロリとくるポップ曲を取り上げる自分の矛盾さに大きな疑問符が中空に舞うようですが、そんなの気にしてたらこの先生きていけないと思うので無視することにします。

カルピスのCMで使われそうなくらい甘酸っぱいギターのカッティングで曲は始まり(俺だったら使うよ、カルピスのCMに)、するとヘタレ全開切なさ満開のメロディをミスター・パイ・ヘイスティングスが細い声でホロロン、サラリンと歌い上げる。まさにカルピス。けれども「The World Is Yours」を幾ら褒めようともこのアルバムの核となっているのは大曲2曲だということに変わりはなく、つまりこの出来が悪かったら価値は薄れてしまうということにもなってしまうのが、プログレバンドゆえの悲しい立ち位置。イエスほどの緊張と弛緩があるわけではないですが、適度な緊張、適度な弛緩、と中途半端に思える音作りながらも中途半端とは思わせないのは歌心ある演奏と歌メロの良さ。特に新加入スティーヴ・ミラーのエレピを中心とした渋旨なキーボードはリチャード・シンクレアとの近づきすぎず、離れすぎずな絡みは絶妙の味を生み出している(ロル・コクスヒルとの共演盤の再発を早く!)。オーケストラと共演した「The Love In Your Eyes」のキャラヴァンの大曲シリーズの中でも質が高くキャラヴァン流「緊張と弛緩」が聞ける一曲となっています。

ジャケの通り灰色で地味ーなアルバムですが、じっくり聞けばいつか好きになるはず。

Caravan / Caravan

2005年06月28日 | 60~70年代ロック (英)
うだるような暑い日にサイケとヘタレが見事というより、正にヘタレという他ない加減で混ぜられた音を聞くのは果たしてこれは必然なのかと考えると、案外そうかもしれない、というのは実にこのヘタレ具合が耳に馴染みとても気持ちよく抜け殻のようになって聞くとそれはもう至福ともいうべき時間を過ごせ耳に馴染むという感覚を通り越しうっとりあるいは恍惚気分、これは言い過ぎにしてもそんな感じの気持ちになることは確実だからであり特に僕の大好きなカンタベリーの音楽はうっとり度が高いほど名盤率も高いと思っているので、そういう面ではこのアルバムは名盤度は高いとは言えるかもしれないが、決してそういうわけではないのはまだこのアルバムがファーストアルバムでリチャード・シンクレアの魅惑のノーブルなヴォイスもまだ聞けず、パイ・ヘイスティングスのヘロヘロ、言うなればスティーヴン・マルクマスの声からキー1つあげた感じ、要するに上手くないヴォーカルがさらにはっきりしないのが理由なのですが案外そこが魅力になっているのがサニーサイド・オブ・カンタベリーを代表するバンド、キャラヴァンらしいといえばらしいのですがデイヴ・シンクレアの才気溢れるオルガンプレイはもうすでに聞け、後の大曲に繋がる時代を感じさせながらも中々いい具合になっているのはさすがと言うべきですが、さすがにこれはキツいぜというくらい幼稚でダサイ部分も持ち合わせているのは確かでそこを認められるかでこのアルバムに関して言えば”決まる”と思っている僕でさえ、このアルバムを聴いたのは最後でうーんやっぱり良くも悪くもファーストだなと感じたわけですが、なんだかんだ言って好きというよりは愛らしい、また例えるなら朝の駅でいつも見かけるあの大して可愛くもないけどなんか思い出しちゃうような女の子、そうつまり何か引っかかるのがこのアルバムであると思ったから、その引っかかりというのを今一生懸命考えている所なのですがやはりこれしかないということで名前を出すのは異論は大有りでしょうが今人気急上昇のインストバンド「サケロック」なのも、その理由も深く考えると一晩かかると思うので簡単に言うと「緩さ」が共通事項として浮かび上がってくるというのは何とも感慨深い、というのもこのファーストアルバム1960年代の英国で生まれた音が現代日本の音、しかもあんまり関係なさそうなところで関係しているのは、今日の現代文でも習った「受験は全部繋がっているよ」という先生の言葉にも印象的で全く関係のない音楽でもどこかで繋がっていると考える事が出来た時、評価が付け難いアルバムも聞いてみると何か発見出来るかもしれませんと僕が言うのは久しぶりに聞いてこのサイケポップサウンドに「サケロック」も含め色々収穫があったということなのですが、これ以上書くと自分の頭もおかしくなりそうなので止めます。

いきなりこんなゲロ出そうな読み難い文章書いてごめんなさい。一応T・R・ピアソンを真似たつもりです。繋がってるのか繋がってないのか自分でもはっきりしません。「が」「で」を使いすぎて気持ち悪い等色々欠点はありますが、一応読めるだけのものにはなっているはず。感想くれたら泣くほど嬉しい。そしたら次はバロウズ風のカットアップだ(笑)。

最後にとても簡単な補足的アルバム解説。中途半端と簡単に言えない愛らしさがある、あの時代のサイケポップらしい割と優秀なサイケポップとなっています。

シャイニー・リズミカル・ピープル

2005年06月27日 | 雑記
ボブ・マーリーを聞きながら中原昌也を読みてぇ。けど、それは明日の授業から意味を失わせる事と同義だから静かに寝ようと思う。けどせめて「No Woman No Cry」は聞かせてくれ。新井が野球と鯉の神様に取り憑かれたようにホームランを打ちまくってること、カープが交流戦終わってから6戦4勝ということに乾杯を捧げながら。

曽我部恵一 / Strawberry

2005年06月26日 | ポップ日本
ここ最近のくるり「アンテナ」、Otis Redding「The Immortal Otis Redding」、Caetano Veloso「Livro」、Crimetime Orchestra「Life is a beautiful Monsterの鑑賞スパイラルの一つに曽我部恵一の「Strawberry」が加わりそうです。

曽我部恵一の仕事は「Mugen」以降遠ざかっていた。おセンチがすぎるよ、ガキにはあなたのメロウさがよく分からん、そんなことでソロは全く素通り状態。「Love Album」は一部の曲を除いてあんまり聞いてない(パレードは最高!)のですが予備校の帰り道、急に聞きたくなった「Strawberry」。時間は22時35分。ツ○ヤなら1時までやってる!(笑)、ということで一昨日買ってきました。

「1,2,3,4」で幕開けるロックンロール。これが聞きたかったんだよ、曽我部さん。ジャケの滲み出てくる優しさと爽やかさからは思いつかないほど、股間にくるロックンロール集。ファンク、レゲエまでやってしまうがどれもなんか拙い。けれどもそこがいい。僕にとって拙い、青いという感覚がグッとくるには足腰の強さが必要だ。僕が曽我部から離れることになったおセンチがすぎる瞬間は確かにちょっとあるけれど、今回はそれに勝るロケンローの魂がある。そのロケンロー魂が足腰の強さになってることは言うまでもないでしょう。去年聞いてたらきっとベスト10に入ってたはず。

松本次郎 / ゆれつづける

2005年06月25日 | 本、漫画
これで一応、松本次郎作品は全部持ってることになる。初期短編集。エロティクスFと九龍に掲載されたということもあってか、ほとんどの話で濃いセックスシーンが出てくるエロエロな妄想サイケマンガ。こういう恐いくらいスケベで綺麗な女の人とラリッた人間を書かせたら右に出る者はいないね。オチが結構ハッキリしているので長編で見れるデロンデロンな世界観に酔うまではいかなくとも、ウーンと唸らせられることは間違いなし。小田扉風「ハードボイルド坂田」が異色作。あと、この人の書く猫は凄い可愛いので一度買って確かめてみる必要あり。ちょこっと出てくるだけだけど。

表題の「ゆれつづける」というのは、あとがきにあるのですがあるバンドのアルバム名で次郎さんが大好きだそうです。ググってみると名古屋のAcid Mother Templeと呼ばれる「割礼」というサイケバンドらしい。妙に納得。


松本次郎の一人で出来んの?
自己紹介が異常に面白い。

協定、条例、条約、宣言の沼に足をとられて

2005年06月25日 | 雑記
野村謙二郎ありがと。あなたより嬉しいのは沢山のファンの中の俺です。今更ながら買ってきた曽我部恵一の「Strawberry」との相乗効果で泣きそうです。


アントニーのPVが見れる!つーか「Hope There's Someone」、シングルカットされたんですね。


昨日の清志郎見た人、手をあげて。

ハイ!

カッコ良かったですねぇ、梅津和時(笑)。
もちろん清志郎もカッコ良かったけど、梅津和時のカッコ良さも言葉に出来ない。
あのギタリスト、もろにロン・ウッドでしたよね。

男、「パークサイドは夢の中に」感動

2005年06月23日 | 雑記
ばあちゃんが買って来てくれた。売れまくり「のだめ」。音楽マンガというと、さそうあきら「神童」、作者忘れたけど(梶原一騎だっけな?)友達から借りたロックマンガ「オデッセイ」(ベックの100倍熱いよ)が面白すぎ。相当な実力と表現力が必要とされる音楽を絵で表現するということは、書き手にとっては冒険でしょうが「のだめ」、一巻に関して言えばキャラに救われたかなぁという印象。でも「合う」「気持ちいい」という感覚(いわゆるグルーヴというやつです)をしっかりと書ききっているので圧巻と思わせる部分はこの巻以降でてきそうなので楽しみ。。正直言うと「のだめ」が可愛い。大好き。エレキヴァイオリンがツボ。

バインが新作かぁ。いいねぇ。全10曲とは確かに濃そうだね。

あのさぁ「When、Where、What」などを「ホウェン、ホウェア、ホワット」という風に発音するのやめてくれない?ピーター・バラカンさんの本の表記ではちゃんと「ウェン、ウェア、ワット」と書いてあるしこっちが正しいはず。予備校の講師なんて文法は出来ても会話が出来ない典型だと思われてしまいますよ。でも、そんくらいの武装してた方が講師としてはいいのか。

上の「オデッセイ」、正しくは狩撫 麻礼, 谷口 ジロー「Live!オデッセイ」でした。タイトルも違ってた(笑)。

Otis Redding / The Immortal Otis Redding

2005年06月23日 | その他
2週間ほど前から始まっている俺企画「ロック以外の音楽を意識的に聞いてみよう」からOtis Redding「The Immortal Otis Redding」をお送りいたします。

ソウルの神だとか偉大だとかこういうフレーズは聞き手を遠ざけますよ。

喉の手術後とは思えないほどソウルフルな歌声が聞けたのでまず驚いた。んじゃ全盛期はどうだったのか?と今から楽しみ。ちょいしゃがれててメロウな声、顔歪めて楽しく跳ねて歌っている姿が浮かんできたらソウル=渋いなんてのは式は一瞬で消えた。シンプルでツボを押さえたバックの演奏はオーティスの歌声に添い寝するようにさりげなくしっかりとサポート。だからオーティスも安心しきって歌う。これがまた楽しそうなんだよね。メロウな曲もファンキーな曲、ツバがバシバシ飛んできそうな程タメて歌う曲も程よく男臭くてセクシー。カッコいい。The Black CrowesがカバーしたM4の歌いっぷりと歌い回し、全然ハッピーじゃないM6、熱唱という言葉がピッタリなM10に特に感動。そして尊敬と乾杯を。

次回の俺企画はCaetano Veloso「Livro」をお届けする予定です。

ミュージカルバトン

2005年06月19日 | 雑記
流行のミュージカル・バトン。と言っても僕は回って来たわけではなく、バトンのテイクフリーということをやってくれた石井さんから1本いただいてきました。

「コンピューターに入ってる音楽ファイルの容量」
44.96GBです。もうギリギリ。だから最近は読み込んでません。それに今はCDでアルバムを聞くと行為を大切にしています。

「今聞いている曲」
Joni Mitchell / Big Yellow Taxi

Hits
Counting Crowsもカバー。すんごいポップ。

「最後に買った CD」
鈴木祥子「Hourglass」。

地元古本屋にて399円で購入。キャロル・キング、ジェームス・テイラー、ニール・ヤング等アメリカンロック好きが良ーく分かる好盤。

「よく聞く、または特別な思い入れのある 5 曲」
Antony & the Johnsons / Fistful Of Love

I am a bird Now
今年のベストアルバムは決まっているし、この曲を「思い入れのある曲」に入れたって何の問題もありません。激唱から一歩引いた激唱。名曲らしい名曲だと思います。

Frank Zappa / Peaches En Regalia

Hot Rats
ロックのインストに限りるなら(ロック以外は知らないけど)最高最強の一曲だと思ってます。多彩な楽器が一同に集結し、曲はいつか終わるけれども感動はいつまで経っても終わりません。1分40秒過ぎに入るホーンセクション。これをザッパが腕をフゥッとあげて指揮する姿を想像するだけでも涙が出そうになる。

John Lennon / Well Well Well

Plastic Ono Band
外せません。単純にもの凄く聞いたし、震えたし、カッコ良いと思ったから。「ジョンの魂」って秀逸な邦題ですね。

Hatfield & The North / Mumps

The Rotter's Club
一ヶ月くらい朝の通学時間はこれだけだった時期があった。2回聞き終えると教室の椅子に座っているという。出ている音はもちろん、音の隙間にも、心地よいメロディがある。インストだって歌が出す情景を出せるんだ、と分かった一曲。これで一応プログレという括りで呼ばれ、それによって聞かない人が出てくるんだったらプログレなんてクソです。

The Magnetic Fields / Love Is Lighter Than Air

Get Lost
タイトルも素敵ながら歌詞は3倍増しくらいで素敵。これを一曲として考えてみると果てしないほどの素敵が詰まってます。

「バトンを渡す 5 名」
回します。頼みます。どんどん無視しちゃってください。
For Tomorrow おっきーさん
Good Timin' モスコさん
番外編 三十一世紀さん
104tkm.uni.cc mkt401さん
MUSIC BOX(おとのはこ) QOOさん

Chicago / Chicago Transit Authority

2005年06月18日 | 60~70年代ロック (米)
おりゃあね、ベタベタのバラードをかましまくる商業主義バンドの代表格シカゴとなる前の「Chicago Transit Authority」の同名ファーストアルバム程凄いデビュー作を知りません。多少言い過ぎだという事は自分でも分かっていますが、この緊張感、メッセージ性、そして単純に踊れまくるカッコ良さは今の時代でも新鮮に鳴り響くからそんなことも言いたくなります。そしてデビュー作にして二枚組。

ブラスロックなんてもう誰も言わなくなったけど、このホーンセクションはカッコ良すぎ!吹奏楽部に入っている中高生の皆さんは是非コレを聞きましょう。ダイナミックにして丸みも帯びた優しい響きが、ファンキーでブルージーな超テクのバックに乗っかると倒れそうになります。そこにキャベツの千切りする時のような小刻みで鋭く切り込むテリー・キャスのギター。何を隠そう、テリー・キャスは僕の一番最初に好きになったギタリストで常にギタリスト五指に入るほど好きなギタリストの一人でもあるのです。シカゴはホーンも入ったバンド故にそれの迫力に負けない様に、試行錯誤を重ね研究しその結果生まれたのがあの絶妙なサステインをかけた鋭いトーンとウネリ気味のフレーズ。それに1969年に灰野敬二もサーストン・ムーアもびっくりな6分47に及ぶノイズギターのソロをぶちかましてしまう嗅覚の鋭さも評価すべきでしょう。曲も代表曲と名曲がてんこもり。サタデー・イン・ザ・パークも最高にいいけど、若さと実験精神に溢れたファーストも最高ですよ。それにしても演奏上手い。