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新世代の原住民バンド「圖騰(トーテム)」に注目!

2009年10月08日 18時20分34秒 | 芸能

台湾には「原住民族」と呼ばれる少数民族が政府に認定されているだけでも14民族います。原住民族の人たちは歌や踊りに秀でた美男美女が多く、芸能界で活躍しているアーティストも数知れず。アジアの歌姫、張惠妹(アーメイ)はプユマ族の人ですし、ビビアン・スーなど、原住民族の血統を引いた人も数多くいます。(ビビアンはおばあさんがタイヤル族。)

ただ、原住民アーティストは、アーメイのように流行音楽に徹するか、原住民族としてのアイデンティティーを強くアピールするか、どちらかに偏る傾向があり、流行音楽に徹してしまうと、なんかちょっともったいないなぁ、という気がするし、アイデンティティーを強く打ち出しすぎても、ちょっと排他的な雰囲気になって聴衆を選ぶようになってしまうような気がしていました。

そんな中で、異彩を放っているバンドがあります。「圖騰樂團(トーテムバンド)」という5人組のバンドです。彼らのうち4人は台東出身の原住民族で、アミ族とプユマ族がひとりずつ、パイワン族がふたりいます。そしてもうひとりのメンバーは漢民族の人ですが、メンバー同士とても仲がよく、強い信頼で結ばれているようすが音楽を通じて伝わってきます。

(上の写真は10月2日の誠品書店信義店でのライブより)

彼らはライブのときもこんなふうに普段着ですし、音楽も民族色のある曲もありますが、特にこだわりのないストレートなロックであり、アコースティックやレゲエ風の曲もあったりする。とにかく、彼らの姿勢も、その音楽も、「自然体で、気持ちいい」のです。
楽曲が素敵なのはいうまでもなく、演奏も、特にコーラスが非常にうまい。正直、これほどコーラスが上手いロックバンドというのは、初めて聴いた気がしたほどでした。

そんな彼らは、自分たちのペースで活動しながら、純粋に「彼らの音楽が好きだから」という幅広いファンを着実に増やしています。
原住民族的な要素を濃厚に持ちながら、主義主張ではなく、自然体の気持ちよさを感じさせてくれる。
しかも、多民族でいながらお互いに壁がなく、素晴らしいハーモニーを作り出す彼らの音楽を聴いていると、台湾のあるべき姿というか、明るい未来が見えるような気がして、すごく幸せになってしまうのです。

 

リードボーカル、ギター、リコーダーなど担当のスミンはアミ族の人です。楽曲も彼によるものが大部分を占めています。
スミンは『跳格子(石蹴り遊び)』という短編映画で主演し、昨年のゴールデン・ホース・アワード(台湾で1年に1度行われる中国語圏の映画賞)で最優秀新人賞を受賞した人でもあり、非常に多才な人です。

そんな彼らのことを日本の若手写真家・映画監督の若木信吾さんが追いかけたドキュメンタリー映画『トーテム Song for home』が、10月24日から日本で公開されます。
この映画は、16日から始まる高雄フィルムフェスティバルでも上映されることになっています。

また、トーテムは9月9日に3年ぶり2枚目のアルバム『放羊的孩子(羊飼いの子供)』を発売したばかりですので、ご興味のある方はこちらもぜひチェックしてみてください。(尾)

圖騰(トーテム)ブログ http://www.wondermusic.com.tw/art.php?art_menu=true&arts=Totem
映画『トーテム Song for home』公式サイト http://www.totem-movie.net/
高雄フィルムフェスティバルHP http://www.kff.tw/

※10月8日(木)の番組「台湾芸能最前線」では、圖騰(トーテム)を紹介しています。ニューアルバムの中の曲もかけていますので、ぜひどうぞ!

RTI台湾国際放送の日本語番組は、毎日1時間放送です。「台湾芸能最前線」は木曜日の番組開始30分後から始まります。

 



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