金曲賞ノミネート発表、張恵妹が10部門で最多

第21回金曲賞（ゴールデン・メロディ・アワード。台湾のレコード大賞に相当）のノミネート作品が14日に発表された。台湾の先住民族ピユマ族（卑南族）出身の女性人気シンガー、アーメイこと、張恵妹（チャン・ホェイメイ）の『《A-MIT阿密特｜張惠妹》意識專輯』が最優秀中国語アルバム賞、最優秀プロデューサー賞、最優秀北京語女性シンガー賞、最優秀年度歌曲賞などの10の部門でノミネートされ、話題を呼んでいる。

　『《A-MIT阿密特｜張惠妹》意識專輯』は2009年6月26日にリリースされたもの。阿密特はアーメイのピユマ族名：古歴来・阿密特（グリライ・アミトゥ）に由来し、アーメイの『分身』のような存在。この一枚では張恵妹から生まれ出た新しい音楽の意識を強調、これまでの張恵妹の作品とはまったく異なる音楽スタイルを追求することをモットーにする。

　アーメイはうわさの彼氏との別れが明らかになったばかり。恋愛運には恵まれていないかもしれないが、金運は上向く一方。昨年の収入は台湾元1億2000万元を上回るとされているほか、国内外で名を知られている台湾のシンガーソングライター、周杰倫（ジェイ・チョウ）と同様に金曲賞で10部門にノミネートされた。


　1996年にアルバム『姉妹』でデビューして以来、アーメイの人気は台湾のみならず、香港、シンガポール、中国大陸を席巻、2008年3月27日から5月22日まで東京、大阪、名古屋で上演された、宮本亜門演出、岸谷五朗さんや中村獅童さんら共演の祝祭音楽劇『トゥーランドット』で主役を演じて日本での舞台デビューを果たした。今年2010年4月18日、東京の赤坂BLITZでは阿密特名義のライブ『2010阿密特/張恵妹世界巡廻演唱会』が開催された。

東京の赤坂BLITZで開催された『2010阿密特/張恵妹世界巡廻演唱会』で熱唱したアーメイ（中央）
（写真：CNA）

　アーメイは10部門でのノミネートを知り、『一緒に仕事するミュージシャンがみな受賞できるよう期待する』と述べた。

　台湾の女性シンガーソングライター陳綺貞（チアー・チェン）が昨年リリースした『太陽』は今年の金曲賞で最優秀作曲賞や最優秀年度歌曲賞などの６部門でノミネートされている。本人曰く：この一枚はこれまでで私が最も好きな作品。陳綺貞と同様に６部門でノミネートされた歌手はもう1人。それは新人の徐佳瑩（ララ・スー）。昨年リリースされた徐佳瑩のファーストアルバム『徐佳瑩LALA專輯』は今回、最優秀年度歌曲賞などの６部門でノミネートされて注目を集めている。

　香港の女性人気シンガー莫文蔚（カレン・モク）は一時期新作を断念したようだったが、昨年12月には『回蔚』をリリース。この一枚は中国大陸の名曲や台湾の男性人気歌手斉秦（チー・チン）のヒットソングを集めたカバーアルバムで、今回、最優秀北京語女性シンガー賞を含む４つの部門にノミネートされている。

　今回のノミネート作品のうち、最優秀バンド賞にノミネートされた「縦貫線」が特に話題を呼んでいる。「縦貫線」というバンドは昨年3月に結成されると直ちに世界コンサートツアーを行い、今年1月にツアーを終えると解散。台湾の流行音楽界の大御所、李宗盛、羅大佑、張震嶽らで結成された「縦貫線」は結成当初から一年間のツアーで解散すると宣言していた。一部の音楽ファンからは「縦貫線」がすでに存在していないバンドであるにもかかわらずノミネートされたことを疑問視する声が。

　なお、韓国の人気ユニットSuper Juniorの一部のメンバーに新しいメンバーを加えて結成されたSuper Junior-Mというグループが最優秀ユニット・グループ賞の部門にノミネートされたことも注目を集めている。韓国人の歌手がこれまで金曲賞で受賞したのは、すでに「台湾の歌手」になっている李玖哲だけだからだ。

　行政院新聞局によると、今年の金曲賞にはレコード会社125社から出たアルバム359枚がエントリー、作品数は合計1万464に達した。71人の審査員による厳正な審査の結果、124の作品がノミネートされて24の賞を争う。授賞式は6月26日（土曜日）夜7時から、台北市内の多目的体育館台北アリーナで行われる。（旺）

　第21回金曲賞（ゴールデン・メロディ・アワード）のノミネート作品に関するサイト（中国語のみ。ご興味のある方はどうぞご参照ください。）
http://stars.udn.com/star/StarsContent/Content25433/