電力
運転マニュアルを手元にエコ運転に取り組む運転士。右手のモニターで消費電力を確認できる(JR山陽線で)
JR西日本の明石電車区(兵庫県明石市)が、消費電力を最大で26%削減できる普通電車の運転法を開発、酷暑で関西電力の綱渡りの電力供給が続くなか、阪神間の東海道・山陽線で節電に貢献している。
同社では今年7月、他のすべての電車区にも同様の運転法の開発を指示、全社的にエコ運転を行う準備を始めた。
電車は、駅を発車してモーターをフル回転させ最高速度に加速するまでの間、最も電気を使う。同電車区では2008年の夏、若手運転士7人が、加速区間を短くして最高速度も低く抑え、ダイヤも厳密に守れるエコ運転法を探った。
その結果、時速75キロ・メートルまで加速すると決められている鷹取―須磨海浜公園間では、60キロ・メートルで加速をやめて惰行運転しても、ダイヤ通りの1分22秒で走れることがわかった。モーターを回す時間を10秒短くできた。
西明石―大阪間のほかの25駅間で同様の運転法を開発、同区間の消費電力を計測した。最新型の321系電車で走ると、通常運転で最大516キロ・ワット時電気を使うが、エコ運転だと354キロ・ワット時まで削減できた。
上り下りの列車14本で比較すると、8~26%の節電率だった。すべての321系電車が同区間で1年間エコ運転した場合の最大の見積もりでは、299万キロ・ワット時の節電、1095トンの二酸化炭素(CO2)削減に貢献できた。電気代も3900万円安くできるという。
(2011年8月18日17時34分
読売新聞)
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