南米のウルグアイ東方共和国 モンテビデオ市の住民より

モンテヴィデオ住民 メディア リサーチャー・コ-ディネ-ションしながらつぶやいてます・・・

セルローズ問題 ウルグアイが得たもの

2009-11-23 | 社会 政治
いつもたくさんの方にお立ち寄り頂きましてありがとうございます
今日は、お時間のある方、読んでください。長ーいです。
小都市モンテヴィデオ住民のつぶやきです・・・

さて・・・
オランダの国際司法刑事裁判所ハーグにおいて2006年、アルゼンチンは、ウルグアイにあるフィンランド資本のセルローズ工場誘致・着工・稼動にあたり、環境汚染問題とウルグアイ川条約違反として訴訟をおこし、来年度の2010年3月頃に審判が下されます。

この事実、亜国サイドの情報が多く(タンゴと同じです)日本語では正確に伝わっていないことが多々あります。

  

まず
このフィンランド資本のセルローズ会社”ボツニア”は、当初ウルグアイ川の対岸、アルゼンチン(亜国) グアレグアイチューに建設する予定で、亜国政府とエントレ・リオス県に働きかけていました。順調に交渉は進み、最終的に土地の買収問題でもめて、”ボツニア”は、亜国との交渉を断念し、対岸のウルグアイ政府へと交渉をはじめたのです。この買収劇には、地元の政府関係者の地価の吊り上げや賄賂があったとその当時から噂されています。その時点では、環境問題など存在しませんでした。

ちなみに2009年の世界180ヶ国、汚職が少ない国のランキングは、ラテンアメリカではチリとウルグアイが一番高く同率の25位で汚職が極めて少ない国として知られています。残念ながらアルゼンチンは106位で汚職が非常に高いことを示しています。ブラジルは75位。近隣諸国とはいえモラルの違いを物語っています。

ボツニアがウルグアイ政府の全面的支援下で誘致合意に至り、建設着工の段階で、亜国は、ウルグアイ川条約違反と環境問題でハーグに訴えでました。ウルグアイ川条約とは、早い話、沿岸国の共有財産としてその利用方法に関して合意を得ることなのですが、確かに両国で調印はされておりません。が、幾度となく両国の外交の場でそのフィンランドの企業誘致決定は口頭で伝達されており、ウルグアイ側としては認識があったと解釈しています。

そして問題は環境問題。亜国は、自国内にあるパラナ川に80年代の非常に老朽化したセルローズ工場を抱えて公害問題になってはいました。また、地方県においては、下水道処理整備がおくれも。これらを建前にに、建設予定地であった亜国のグアレグアイチューの市民団体やグリンピースが団結し抗議を起こし、両国をつなぐ国際橋を閉鎖してしまったのです。この行為に対して亜国政府は、介入することなくむしろ助長しました。その反対団体は今や、労働組合と連携して、他の反政府抗議などいわゆるピケテロ(道封鎖抗議)の連携プレーをして稼いでいるとも言われています。

閉鎖によるウルグアイ側の損益は、数百億ドルにおよび、現在でもウルグアイからアルゼンチンへ陸路で移動するのに(逆もそうですが)北上を強いられ200キロほど余分に走行することに。橋を閉鎖された近隣の商店は閉鎖に追い込まれ、街は活気をすっかり失いました。さて環境問題、ウルグアイ側の提案で両国の代表で作られたウルグアイ川の水質をコントロールをする為の委員会が結成され測定が行われいますが、亜国に有利になる物証は何もでていません。そうなんです、あの環境保護国フィンランドが、決して汚染はしない!と公言したからこそ、ウルグアイは誘致に踏み切ったのです。

それまでに、ウルグアイ政府関係者、プレス、環境保護団体などは、フィンランドの自国にあるセルローズ工場へ視察に行っています。その世界最先端の技術を投資した世界でも最大のセルローズ会社なのです。工場で使用された水は、完全に汚水処理をされて川に戻され、水道局もその水を使って飲料水として使用しています。実際その街で水を飲みましたが、モンテヴィデオの水よりはるかにおいしいです。当地を訪れると、セルローズ工場よりも汚水処理をする施設の大きさには目を見張るものがります。が、工場が定期点検時に停止する際、数時間に渡って微量の悪臭はあるようですが、健康への被害は全くないとわかっているようです。対岸の下水処理設備を持たないグアレグアイチューの街はずれに比べたら大したことはないかもしれません。

ちなみに、
この9月に長かった、ハーグ裁判所での、双方の事情説明は終わり来年度3月には判定が下ります。

  
写真 :封鎖されている国際橋とウルグアイ川の夕暮れ

その事情説明が終わったとたん、亜国現政権の大統領は、なんと80年代に作られた古い技術、汚水処理技術を有しないセルロース会社アルゼンチン セルローズに操業再開許可を与え、国が融資まですることを、先月合意をしたのです。後退した地方産業の活性の為でしょうか、労働組合の圧力に屈したのでしょうか・・・・亜国ローカル主要紙数社までもがこの政府の決定に疑問投げかけ、”無責任”であると批判しています。

来年3月 ハーグで審判される内容は、ウルグアイ勝利となる方向で、その時点で亜国は、今尚、封鎖されている国際橋の解除を実施しなければいけません。ウルグアイは”アルゼンチンの一地方県みたいなもの”と、上辺だけをみて無神経な発言をする隣国人がたまにいますが、本当に倫理の異なる隣国人ですのでどんな抗議をおこしてくるか見ものです。抗議活動をしている人々は本当に環境保護を謳って活動しているのか疑問を投げかける行為は多々あります。


この騒動で、亜国が失ったものは、世界最先端のセルローズ会社のみではありません。もっと大きなものです。ウルグアイ川とブラジル、果てはボリビアまでつなぐ南米大陸南部地域の内陸国から大西洋をつなぐ水路運輸システム。ボツニアの操業開始前後から、ラプラタ川からウルグアイ川の貨物運搬のシステム網・河港がウルグアイ側に完備されました。パラナ河は砂が溜まる一方です。

ちなみに先月に入って、ボツニアはUPMに買収され基盤を一層固めています。

日本の元首相のような人気とり政治と似たものがあります。
国家の大事と自分の支持率を引き換えにする亜国の大統領。亜国の次政権に期待したいものです。


小さなつぶやきお読み頂いてありがとうございました

お蔭様で ウルグアイ代表 ワールドカップ2010 進出決定

2009-11-19 | 街 、ラ・プラタ川
もう苦しむことはありません

ウルグアイは、サッカー伝統いや古豪国? 南米地区 W杯予選の近年の定位置5位。毎回プレーオフに持ち込みウルグアイ国民をハラハラさせ、既に慣れっこになってしまって  でもプレーオフでW杯進出決定すると、一度見捨てたわが子に救いの手をかけ、励ます親気分のウルグアイ国民さぞかし感激も倍増



日本のウルグアイサッカーファンの皆様、ご心配をおかけしました。お蔭様で南アフリカへ行くことができます。南米地区5位枠は、まさにウルグアイの為に作られた枠なのです この枠を作る為に、FIFAに働きかけたウルグアイサッカー協会や南米サッカー協会に感謝 サッカー伝統・古豪国のピッチの外でのナイスプレー


イヤイヤ ベテラン ロコ・アブレウと今や代表の顔、ルガーノに感謝!

2010 カーニバル開始日決定!

2009-11-17 | 文化
ウルグアイ・カーニバルの期間は、世界で一番長いことで知られはじめていまカーニバルのイベントを主催するウルグアイカーニバル運営委員会が、開催時期を発表。来年度2010年1月28日金曜日21時より、カーニバルのコンクールは2月1日より始まり、3月中旬まで続く。


ウルグアイカーニバルの伝統的祭典の一つ ”ジャマ-ダスLLAMADAS”は、
2月4、5日に、モンテヴィデオ市内のスール、パレルモ両地区で開催。今年度、ユネスコの世界無形文化遺産に登録された”カンドンベ”。一層華やかな祭典になることは間違いなし!


マテ茶グッズ

2009-11-11 | 食べ物 飲み物
マテ茶はウルグアイ人にとって生活の一部。こんなアートも多々あります




に乗ってる時も、これを備えつければ転がりません



マテ茶を飲む時のボンビージャ(=ストロー)も様々。職人魂でこんな巨大なものまで





マテ茶セットのお値段はピンキリですが、平均3000円チョットで2年位使えるものが買えます

コカコーラが マテ茶

2009-11-05 | 食べ物 飲み物
モンテヴィデオの海岸通りをマテ茶を飲みながら散歩しているカップルをたくさんみかけます
ウルグアイのマテ茶の消費量は、一人一ヶ月2.2キロとか。そのブランドも今や60種類以上。スーパーの売り場も並びきれないほど。



ウルグアイの人口の75%以上がマテ茶を消費しているという数字もあるとかで、そういうマーケットを企業は逃しません
しかしあの清涼飲料のコカコーラまでがマテ茶に資本投入、販売を開始するとは。先月、新商品 マテ茶の葉っぱ ”La Vuelta”(ラ ブエルタ・)が発表されました



名前の響きは、なんだか若い世代をターゲットにしてる感じ。今までのマテ茶の商品名は、”おばあちゃん”とか”カナリア”と、庶民的。
日本茶のペットボトル誕生を30年位前までは誰も想像しなかったように、そのうちマテ茶のペットボトルが販売されてしまうのかなと、フト想像してしまいました