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リバプールの得点傾向とその問題点 【07/08シーズン・第25戦まで】

2008年02月23日 | 考察集
■ リバプール全ゴール図 (第25戦 チェルシー戦まで)


※ 追記
 1.PK、オウンゴールは記載せず。(下記参照)
 2.選手名の後ろのカッコ内の数字は、「第何戦目でのゴール」かを表す。 (第25戦までの結果、参照
 3.黄色は、直接FKがゴールしたもの
 4.青色は、セットプレーでのゴール。(セットプレーの流れの中でのワンプレーと認識出来るものも含む)


◆ 数字上で見るリバプール
ちょっと前から準備していまして、やっと出来たのでUPしようと思います。
リバプールのプレミアリーグ07/08シーズン、チェルシー戦までの25試合の全40ゴールをピックアップしてみました。

プレミアでのリバプールの戦い(カップ戦は除く)25試合で、40ゴール。内訳は次のようになっています。
 ・流れからのゴール:25点
 ・PK:5点 (カイトが、エバートン戦で2本。 ジェラードが、第12戦フラム、第14戦ボルトン、第24戦サンダーランドで3本。)
 ・オウンゴール:2点 (第1戦アストン・ヴィラ、第17戦ポーツマス)
 ・直接FK:4点
 ・セットプレー:4点


これまでの自分で書いた試合の記事やYoutubeなどの動画を参考にして25試合分のデータを作成しましたが、大きなミスはないと思われます。また、図解上の選手名とボールの配置は、実際のシュートした位置を表しています。表記上の都合で多少ズレはありますが、ほぼどの辺の位置からのゴールかは分かるように作成しています。

■ 得点エリアの分布

上記の図のままでは、分かり難いので・・・リバプールは、チームとしてどのエリアでのゴールが多いのか、次をごらん下さい。


◆ リバプールが「引き分け多い」決定的な理由が見えた?!
今回、このデータを作成していて気づいたことが2~3あります。勘の良い方であれば、お気づきでしょうけど・・・

1.ミドルシュートの少なさとペナルティエリアでのゴールの数
実際にデータを作成するにあたって動画などを全ゴール分確認したのですが、ミドルシュートが少ないですね。勿論、ミドルシュートは沢山打っているでしょうけど、実際のゴールとして結果が出ていません。逆にPA(ペナルティ・エリア)でのゴールは多いです。

つまり、アタッキング・サードである程度ボールを繋ぐ傾向が強いのかもしれません。
少なくとパスやドリブルなどでゴールへ!という意識が強く、その弊害としてミドルシュートによるゴールが少ないですね。実際に、ミドルシュートのこぼれ球というのは、1~2本くらいなものです。


本当であれば、ゴールへまでの過程などもデータとして上げたかったのですが、時間的な都合、情報の都合上無理でした。

■ 最大の問題は、セットプレーでのゴールの少なさ!!


2.意外と少ないフリーキックによる直接のゴール
上記図の黄色のボールは、フリーキックが直接入ったケースです。間接フリーキックで“ちょこん”と蹴ったのも含んでます。(第13戦のニューカッスル)

他のプレミアのチーム、他のリーグは分かりませんけど、意外とリーグ戦の25試合のデータだけ見れば、フリーキックによる直接のゴールは少ないですね。決めているのは、ジェラードとシャビ・アロンソだけ。


3.最大の問題は、セットプレーでのゴールの少なさ!!
私自身、リバプールの今シーズン、リーグ戦で引き分けの多さの最大の原因は、このセットプレーでのゴールが少ないことが最大の原因だと感じました。
ちなみに、このセットプレーというのは、上記のゴールに直結したFKを除いた、コーナーキックや間接フリーキックのことです。上記の青で記載したセットプレーの詳細。

 第08戦(トッテナム) ヴォロニン 「FKをGKがファンブルした所をヴォロニンが詰めてゴール」
 第13戦(ニューカスル) カイト 「CKを味方がニアでコースを変えたボールがカイトの足に当たりゴール」
 第14戦(ボルトン) ヒーピア 「純粋にFKのボールをゴール前で頭で合わせゴール」
 第22戦(アストン・ヴィラ) 「左からのFKがファーサイドへ。折り返しをクラウチがゴール」

多分、データのミスがなければ、CKからのゴールはカイトのゴール以外ありません。また、セットプレーからゴール前へ放り込んだボール絡みのゴールもたったの2ゴール。
他のチームでは、もうちょっとあると思うのですが、もしかしたら、プレミアのDF陣はセットプレーに対して強いのでしょうか?!

もう少し突っ込んで考えれば、CKのキッカーは、「ジェラード、ベナユン、キューエルなど」ある程度決まっていますが、ご存知の方も多いと思いますが、ベニテス監督は、ローテーション・システムを積極採用してきましたので、この辺にも弊害があるのかもいれません。多分、チーム練習でセットプレー・CKなどやっているでしょうけど、現代サッカーにおいてセットプレーでのゴールというのは、非常に重要です。中村俊輔なベッカムのような突出したプレイスキッカーがいないという問題もあるかもしれません。(ジェラードは、プレイスキッカーという感じはしないかな・・・)

■ フェルナンド・トーレスのゴールを抽出


25試合終了時点で、22試合出場して12ゴールのフェルナンド・トーレスのゴールエリアの分布です。
ゴール正面ではなく、左右バランスよくゴールを決めています。そのトーレスのゴールの主なパターンは2つ。
 1.足元でもらいドリブルを仕掛け相手DF(たいてい1対1)を交わしシュート。
 2.スペースでボールを受けフィニッシュ


高さを生かしてヘディングという形は1つくらいかなぁ・・・。その他に、いわゆるゴールの嗅覚といわれる「ボールが転がってくるポジショニング」も1つくらい。

基本的にクイックネスで対峙したDFを交わしてシュートというタイプです。
前線のスペースを狙うタイプ(インザーギ)や足元下手っぴというタイプのFWではないです。特徴は、一瞬のスピード(クイックネス)と足元でのボール扱いが上手いオールラウンドなタイプのFWだと思います。

ただ、シュートを打つまでのスペース(ボールをドリブルなどして触り自分の形にする時間と空間)がないと駄目なタイプです。勿論、クロスにはダイレクトで決めれますけどね。

例えば、ACミランのロナウドや彼の母国の先輩ロマーリオは、シュートを打つ為のリズム・スタイルに幅があるので、トゥーキックでもどこでも、彼らはとにかくゴールを決めたり出来ますが、トーレスは彼らとは違うタイプのFWです。

ということで、久し振りのデータ系の記事でしたが、リバプールのリーグ戦でのゴールデータを集めてみました。しかし、集めただけで結構疲れて文章は疎かになった感は否めませんけど、楽しめた人がいれば幸いです(笑)
最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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■ リバプール 07/08シーズン

 01.アストン・ビラ戦 [A]
 02.チェルシー戦 [H]
 03.サンダーランド戦 [A]
 04.ダービー・カウンティ戦 [H]
 05.ポーツマス戦 [A]
 06.バーミンガム戦 [H]
 07.ウィガン・アスレティック戦 [A]
 08.トッテナム戦 [H] 
 09.エバートン戦 [A] 
 10.アーセナル戦 [H] 
 11.ブラックバーン戦 [A]
 12.フルハム戦 [H]
 13.ニューカッスル戦 [A]
 14.ボルトン戦 [H]
 15.レディング戦 [A]
 16.マンチェスター・ユナイテッド戦 [H]
 17.ポーツマス戦 [H]
 18.ダービー・カウンティ戦 [A]
 19.マンチェスター・シティ戦 [A]
 20.ウィガン・アスレティック戦 [H]
 21.ミドルスブラ戦 [A]
 22.アストン・ヴィラ戦[H]
 23.ウェスト・ハム戦[A]


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6 コメント

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素晴らしい記事です! (silverstar)
2008-02-23 17:01:27
はじめまして。
私もリバプールが好きで日々応援しています。
コージさんのフットボールに対する見識の深さには、
驚きを超えて、感動していますよ。
非常に楽しめたと同時に、少し落ち込みました(笑)
ただCLの方がちょっと期待できる感じなので、
リーグ4位とCL優勝を目標に頑張ってほしいです。
毎年こんな展開で少し慣れてる自分がいます(笑)
今後もちょくちょく寄らせてもらいますので、
よろしくお願いしますね。
返信する
Unknown (シャンク)
2008-02-23 17:46:47
いや~、こういうアプローチの仕方はプロじゃないと出来ない!はず。
「読むサッカー」(リバプール編)って感じで、楽しかったです。理屈で紐解いていくと自分がイメージしていたチーム状況と違っていて、目から鱗です。
トーレスの癖はよーーく解かっていたつもりなので、やっぱりな、、と感じましたが。そんなアイツのフィニッシイングスタイルが好きです。時々ボールを置いていってしまうフェイントもご愛嬌です。
返信する
コメントのお返事 (コージ)
2008-02-23 23:36:07
silverstarさん

こんばんは、はじめまして。
リバプールの毎年「リーグ4位」それは、多くの人が感じている切なさでしょうね(苦笑)
今後もどうぞよろしくお願いします。
返信する
コメントのお返事 (コージ)
2008-02-23 23:40:29
シャンクさん

こんばんは。
いかがでしたでしょうか?楽しめていただけたら幸いです。
私もデータを拾ってみて気づいたんですよね。
結局、20試合近くリバプールのほぼ全試合を見ていても、データとして拾ってみれば、セットプレーからのゴールが少ないってのは、致命傷じゃないかと思うんですよ。

他のプレミアのクラブは分かりませんけど、少なくとも現代サッカーでセットプレーでのゴールってのは、非常に重要です。その点でチームの得点源に欠陥があるのが明らかになりました。

きっとチームのデータ担当もやっているでしょうけど・・・
トーレスの動きは、もっと詳しく拾うかもしれません。
実は、スペイン代表も好きなので以前からトーレスの仕掛けの動きは好きでした。
返信する
Unknown (ギャズ)
2008-02-24 08:13:10
すばらしいデータの記事をUPしてくれて最高です。
めちゃめちゃ参考になりました。
クラウチやDFのヒーピアという高い選手に加え、トーレスやカイトもヘディングを決めるのがうまいという印象でいたので、セットプレーからの得点が少ないというのは致命的だと思います。
ジェラードやシャビアロンソもクロスをあげるのはトップレベルのはずなので、本当にこれこそがローテーション制の弊害なのかも?と感じました。

後は、これは自分の勝手な思い込みかもしれないんですが、リバプールはセットプレーを決めないかわりに、逆に決められてることが多いような気がします。
少し前まではセットプレーに対しても非常に強い鉄壁の守備だったはずなのに・・・と最近思ってます。

ともかく今日の記事は本当に参考になりました。
お疲れさまです!!

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コメントのお返事 (コージ)
2008-02-24 15:02:35
ギャズさん

こんにちは。
リバプールの失点は、どうでしょうかね?
リバプールの失点のデータは挙げていませんけど、25戦で17失点ですのでデータを拾う分には、得点より楽なのでやる価値あるかも?(苦笑)

個人的な記憶の印象ですが、セットプレーでの失点は、ユナイテッド戦でやられた他にもいくつかありますけど、それほどセットプレーでやられた回数は多くないんじゃないかな?

全体の3割いくかいかないかくらいじゃないですかね?でも3割なら多いのか?比較対象がないから分かりませんけど・・・

1試合での最多失点は、12月のレディング戦での「1-3」という試合ですね。



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