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エバートン vs リバプール 【プレミアリーグ07/08】

2007年10月22日 | リバプール (07/08)
■ BARCLYS PREMIER LEAGUE 2007/2008
   エバートン(1-2)リバプール @グディソン・パーク
    ・前半38分 オウンゴール (エバートン) 【ピッピア】
    ・後半 8分 カイト     (リバプール) 【PK】
    ・後半46分 カイト     (リバプール) 【PK】


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■ リバプール劇場第2話 - マージーサイドダービーに勝利!!

◆ マージーサイドダービーとは?!
インターナショナルマッチウィーク明けの試合。ちょうど1ヶ月前のインターナショナルマッチウィーク明けからリバプールは開幕からの好調が一転、勝ち星を積み重ねることが出来なくなってしまいました。そういう意味では、今回の1週間程度のブレイク・タイムがチームにどう影響するか気になる所ではありました。

さらに、今回はマージーサイドダービーということで、両者はリーグ戦の勝敗云々以上の思い入れがあったと思います。ところで、エバートンとリバプールのマージーサイドダービーとはどんな感じなのでしょうか?
とにかく激しい試合が予想される。エバートン対リバプールのマージーサイドダービーだ。両者のスタジアム間の距離は500メートルと離れていない。マンチェスター、ロンドン……ダービーはさまざまあれど、これほどまでに至近距離でにらみ合うスタジアムも珍しい。

 (中略)

とにかくサポートするチームが負けでもしたら、明日から次のダービーまで、学校で、職場で、パブで……至るところで敗者は小バカにされ続けるのだ。その屈辱を受けないために、サポーターはそれこそ死に物狂いで選手たちに声援を送る。

今回はエバートンの本拠地グディソン・パークでの、第177回マージーサイドダービー。過去の対戦はわずかにリバプールが有利、個々人の選手の力量の総和でももちろんリバプール。しかし、昨季はエバートンの1勝1分。最も結果の見えないダービーと言っていいだろう。もうこれは見るしかない!!

 引用元:Jスポーツコラム -
スタジアム間の距離、500メートルのマージーサイドダービー

マージーサイド・ダービーの舞台なるほど・・・これは、負けられない一戦ですな。
本当にそんなに近いのか?と気になって調べてみました。
ご存知、ミサイル攻撃出来るんじゃないかと思われるくらいの高性能のGoogle Earthでの両チームのホームスタジアムを調べてみました。マジで・・・近っ!!


さらに、一週間後の試合は、リーグ序盤戦の鬼門、現在首位のアーセナルとの一戦が控えております。さらに、その間にこれもまた、負けられないチャンピオンズ・リーグ第3戦(ベジクタシュ)があります。
ということで、「マージーサイドダービー、CL第3戦、首位アーセナル戦」今週は、まさに最初の鬼門と言えるでしょう!

ところが、こんな大事な一戦を知り合いのライブを観に行ってしまい、時間も勘違いしてしまいというダブルパンチで後半途中からの観戦。よって今回リバプール劇場は、後半の1-1に同点から逆転勝利を収めるまでのお話です。
前回みたいに1試合をフルにやると結構時間掛かるんです。理由は、キャラが固まってないから・笑)


■ リバプール劇場 第2話【マージーサイドダービーの巻】

◆ そんなの関係ねぇ~!!
エバートンのコーナーキックからの(一応)二次攻撃をヒッピアが痛恨のオウンゴール。
前半の中頃を過ぎた時間ということで、まだ後半もあるもののいまいち調子の上がらないリバプールとしては、痛い失点だったと思います。

しかし、こういうオウンゴールってのは年中世界各地で必ずあるので、気にする必要もなく、そのオウンゴールがいかにして発生したのか?また、その後、取り返すか?ってのが大事だと思います。しかし、ピッピアはそろそも年かもしれません・・・まだ、本妻リーズがプレミアリーグにいた頃にもリバプールに在籍していたと記憶しているので、結構、リバプール長いです。現在、34歳です。先日のCLだったかな?裏へ抜けたボールを相手選手とスピードで競り負けていましたし。


【4 サミ・ヒッピア DF 1973年10月7日(フィンランド)】

■ 天はリバプールの味方だった

◆ 痛恨のPK
後半7分、リバプールのカウンター。キャプテンのジェラードがドリブルで仕掛けた、並走して封じようとしたエバートンのDFハイバートがキャプテンを倒してしまいPK。レッドカードで退場となりました。PKをカイトが決めて試合は振り出しへ。そして、ここから10人対11人の戦いになりました。


◆ またまたPK
10人になったエバートンゴールにリバプールが猛攻を仕掛けるのですが、なかなかゴールを上げることが出来ません。ダービーマッチということもあり、エバートンも一人少ないことを感じさせずアグレッシブに攻撃を仕掛けます。何度かリバプールゴールを脅かすものの一進一退の攻防が続きます。リバプールは、選手交代でピッチに変化を与えます。
 後半23分 ベナユン → バベル
 後半26分 ジェラード → ルーカス (スタンドからどよめきが・・・そりゃ、そうだ)
 後半42分 シソコ → ペナント

するとロスタイム。今回の第177回目のマージーサイドダービーに決着がつきました。
サイドからのペナントのクロスをボロニンが頭で落とし、マスケラーノがミドルシュート。エバートンDFに当たりこぼれ球を再び中央へペナントがパス。

カイトが角度のない所からゴールを狙う。GKティム・ハワードが防ぐが、ルーカスがシュート。フィル・ネビルが手で止めPKに希望を繋ぐ。


退場になるフィル・ネビル。 ハワードが触れるもののゴールが決まり逆転。 明暗を分けた両チームサポーターといちゃつく男と女。

■ リバプール3トップ

◆ 3トップとジェラードの共存
後半の途中からの観戦だったのですが、気になったいたことがありました。
 ・ボロニンが左サイドの2列目くらいの位置まで下がって来てプレーしている
 ・マスケラーノ、シソッコが出ているのにジェラードが中寄りに位置する
 ・ベナユンは、右サイドで貼っている

もしかして「リバプールは3トップで来ている?!」ってことです。つまり、通常のリバプールのデフォルト・フォーメーション[4-4-2]ではないと見ていて思ったのです。
以前、昨シーズンも3トップの形を普通に使っていたというコメントをいただいたことがありました。今シーズンも試合の終盤に3トップという形は行っています。しかし、この試合のように試合開始からこういう3トップ(気味)は、初めてではないでしょうか?

まず、昨シーズン、ジェラードが右サイドで使われることが問題として挙がっていたいたので、今シーズンはサイドで使うことはないと思っています。その為の苦肉の策というわけではないと思いますが、この3トップ気味のシステムは興味深かったですね。


リバプールのデフォルト・フォーメーション[4-4-2]の場合。
 ・2トップである
 ・サイドプレーヤーを両サイドに配置する(例:ペナント、バベル、リーセなど)
 ・センタープレーヤーは2人(例:ジェラード、シャビ・アロンソ、シソコ、マスケラーノなど)
* ここでのサイドプレーヤーというのは、一人である程度サイドでの局面を打破出来るタイプで上下の運動量、そしてサイドプレーヤー独自の動きが出来る選手という意味

つまり、デフォルトの[4-4-2]の場合、中盤の4人の内2人はサイドプレーヤーを使うので、中央のシステムを守備的にする人選(シソコ、マスケラーノなど)をチョイスすると必然的にセントラルミッドフィールダーであるジェラードの出番がなくなってしまう可能性がありました。(昨シーズンはその為に右サイドへジェラードを配置したが、失敗とされている)

勿論、現状のリバプールの戦力であれば、それほど相手チームとの力関係を秤に掛けて「守備的にする」必要はないと思いますし、すべきではないと思っています。あくまでも、自分達のサッカーをすることが大事だと思うのです。

しかしながら、ベニテス積極採用している「ローテーション・システム」であったり、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント以降のチームの戦い方及び試合日程の過密さなど場合によっては守備的な中盤を構成する必要性も有り得ると思うのです。

◆ 配置上の[4-4-2]と[4-3-3]の簡単な比較
今回の3トップの形を取るとジェラードを含め中盤の中央を3枚配置することがが可能になります。その反動として、2トップの形を組むことが出来なくなります。ここがサッカーのフォーメーション、システムの面白い所だと思うのです。
* サッカーが12人のスポーツであったとしたら、現代のフォーメーション、システム、そして、サッカー自体が大きく違っていたと思われます。

ここで配置上の[4-4-2]と[4-3-3]の簡単な比較を・・・
 a) 両方共4バック。よってDFラインの4人の人選を大きく変える必要はない
 b) 両方共サイドの縦の人数が2人(SBとSH、SBとWF)
 c) 1トップと2トップの違い
 d) 中盤の中央が2人と3人の違い

つまり、 c) とd)の内容が[4-4-2]と[4-3-3]のどちらをチョイスするか?のポイントとなります。さらに、配置上の問題だけではなく次の2点についても考える必要があります。(むしろこれが大事)

 1.ポジションに配置される選手の特徴・プレーの質
 2.チーム戦術(システム)

例えば、選手の特徴として、2トップでその力を発揮出来るタイプのFWもいます。2トップと3トップではサイドプレーヤーだけではなくFWの動きの質も変わってきます。また、チーム戦術(システム)として守備的にする為の3トップ(1トップ)のケースもあります。具体的な2チームを例に挙げると、バルセロナとチェルシーの3トップでは大きくその戦術(システム)が異なります。(今回は、細かいディティールは省略しますね)
3人が中央に絞るチェルシーのアタッカー陣
 バルセロナの場合--- 左から「ロナウジーニョ・アンリ(エトー)・メッシ」という形がデフォルトだと思いますが、この場合両サイドは個人技で局面を打破出来るタイプです。
 チェルシーの場合--- モウリーニョ体制初期の頃はロッベン、ダフなど純正なウィンガーがいたのでバルセロナのシステムに近いものだったと思うのですが、現在では、3人のアタッカー陣(FW3人とは限らず)を中央に絞るように配置しています。しかし、この形でもショーン・ライト・フィリップスを入れたりするとまたそのチームとしての毛色が違って来たりします。(この辺は、チェルシーファンの方がより詳しいと思われます)

つまり、[4-4-2]、[4-3-3]両方に配置上の基本的なメリット・デメリットは存在する。
しかし、それ以上に選手の特徴・プレーの質とチーム戦術(システム)の2点が重要なのです。極論を言えば、恐ろしいほど得点力のある4人を並べ、相手チームを凌駕出来るのであれば、それがそのチームにとってベストな布陣だということです。

◆ 可能性を秘めた3トップ
そこで、今回のリバプールの3トップ(半3トップと名づけよう)ですが・・・
ちょっと前半みれてないのでなんなんですが・・・左サイド偏重のシステムだと思いました。いくつかポイントを羅列すると。

 ・ボロニンが左サイドに下がってくる(リーセが追い越す動き)
 ・リーセが左サイド高い設定まで上がる
 ・ジェラードはピッチの中央やや左側でプレー(上下、インサイド。あまり外に張り出す形少なし)
 ・シソコ、マスケラーノはあまり上がらない
 ・ベナユンは右サイド・エリア担当 (逆サイドのクロスなどには多少絞ってくる)

エバートンが10人になったこともあり、今回のこのリバプールのシステムが90分通じてどれくらいの効果があるのか計り知れない部分もあります。また、トーレスが入っていれば、カイト、ボロニンの使われ方がどうなったのか?また、怪我のシャビアロンソがいた場合、さらに、キューエルが戻って来れば彼は前線でもプレー出来ますので今回のボロニンの位置に入れれば面白いかと思います。
正直、可能性を感じおもしろいという印象は受けましたね。前線の動きのバリエーションが良くなったと思いました。
実際に試合のスタッツでも「Shots (on Goal) :エバートン;7(1) / リバプール;17(7) 」という数字を出しています。あとはチーム戦術としてどれだけスムーズに有機的に活動出来るか?でしょう。

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10 コメント

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Unknown (kidA)
2007-10-22 19:30:23
こんばんは。前半はシステムはそのままにジェラードとボロニンが右で、前半終了間際からはセットで左に移っていましたね。
右にいた時はジェラードが縦横無尽に動いていたこともありレスコットに面白いぐらいに突破を許していたので、そこらへんを気にしてのポジションチェンジなのかなと思いました。
僕も3トップは面白いなと思いました。アロンソやトーレスが戻った時どうなるか観てみたいものです。

しかし何故ジェラード交代したんでしょう・・・


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コメントのお返事 (コージ)
2007-10-22 22:25:58
kidAさん

こんばんは、貴重な情報ありがとう。
ふむふむ・・・それでベナユン、シソッコの右サイドがわりと大人しい感じがしたのか・・・。

ジェラードの交代は、私も疑問でしたね。
なにせダービーマッチだったというのを考えるとこれで負けていたらサポーターの批判の的になっていたと思いますし。ただ、水曜のCLを考えての交代ではないかな?と思っています。しかし、ベニーはアグレッシブな交代(采配)するなぁ~って思いました。
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Unknown (shin)
2007-10-22 23:04:21
初めまして。以降お見お知りを。
リバプールの4-3-3(4-1-2-3)はベニテス一年目からたまに使ってたので、今回も変化をつけに来たのかな?という印象です。
3センターならシャビ・アロンソが生きると思うので(守備に追われないという意味で)非常に楽しみです。うまく行けばアーセナル並みの美しいサッカーを期待できるのでは?とも思ってますが…さすがにそれは期待しすぎでしょうか?
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Unknown (shimada)
2007-10-23 08:35:08
ヒーピアは最近衰えが顕著ですね。アッガーの代わりのCBとしては不安ですね。

審判の判定に助けられた気がします。
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Unknown (yohan)
2007-10-23 09:10:29
4-3-3が今流行りなんですかね。オシムも好きっぽい。

実は中学時代(オイラは今24歳です。)、スタメンの半分が素人という弱小チームだったので中盤4人だと守れないと判断して5人にしてました。真ん中に3人いれば案外守れますね。
攻める時は4-3-3になりますし。

左ウイングにはゲームメーカーを。右ウイングにはFW系の選手を。

4-4-2ダイヤモンドが流行してた時代でした。

やっと時代が僕に追いついてきたなぁww
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コメントのお返事 (コージ)
2007-10-23 18:43:45
shinさん

こんばんは、はじめまして。
アーセナルみたいには難しいかな^^;
わりとリバプールは、良い意味での前へ行くスピードや意識が高く、ちょこまかパスするよりも「さぁ、どんどん行こうぜ~!」って感じが合いそうです。

ただ、今年は積極的に補強したので、とりあえずリーグ戦優勝という結果が出ればチームとして自信になると思いますね。その過程において3トップは一つのスタイルとして確立出来たら面白いサッカーになると予感しています。
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コメントのお返事 (コージ)
2007-10-23 18:45:05
shimadaさん

こんばんは。
エインセを獲得出来なかったので、冬にはDFを一人は取って欲しいです。別にヒッピア云々というよりも選手層の問題として・・・
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コメントのお返事 (コージ)
2007-10-23 18:47:22
yohanさん

こんばんは。
それは[4-5-1]みたいな感じだったんでしょうか?
まだまだ、時代的にはトップ下全盛期って感じですかね^^
[4-4-2]は3ラインで攻守のバランスを子供に教えるのには最適とされています。最近の子供は、普通に[4-2-3-1]とか[3-5-2]とかもやっているんでしょうね。
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Unknown (yohan)
2007-10-23 20:45:52
そうですね。4-5-1型すね。

オランダでは子どもの時から絶対4-3-3でしかやらせないそうですね。
ファンハール曰く「4-3-3ができれば応用は可能」らしいです。うむむ

指導者もトップ下を無くそうと中盤をフラットにしたりするんですが、「監督、僕はボランチですかトップ下ですか?」と聞いてくるそうです。試合状況に応じて判断しなさいと!!

これでは、
日本ではジェラードやランパートが生まれませんねww

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コメントのお返事 (コージ)
2007-10-26 21:49:41
yohanさん

こんはんは。
ボランチとかトップ下という概念は、捨てるべきでしょうね。ただ、子供にとっては、明確なイメージが必要だったりするとは思います。

そういう意味では、今のオシムJAPANの「考えて走るサッカー」ってのは、もう一度、サッカーの基本に回帰するにはいいと思いますけどね。でも、組織だけではなく個の能力も大事だと思います。
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