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日本対ヨルダン【アジアカップ2011・グループリーグB 第1戦】

2011年01月10日 | アジアカップ2011
■ アジアカップ 2011
   日本(1-1)ヨルダン
    ・前半45分 ハサン(ヨルダン)
    ・後半47分 吉田 (日本)

この試合の詳細は、ブログランキングにてサポーターの方のエントリーをご覧下さい。


■ 勝ち点1という結果だったが、収穫の多かったヨルダン戦

日本は前半終了間際に失点。
その後、後半終了間際に得点。
なんとか1-1のドロー、勝ち点1を獲得。

前半の失点は吉田の足に当たらなければ、川島は余裕でキャッチしていたであろうシュートですが、サッカーではよくあるアクシデント的な失点。

試合内容については、やはりアジアの戦いは難しいと考えさせられなくもないが、そもそも、ヨルダンに限らず、アジアの戦いでは日本相手に相手はある程度引いてくるであろうことは想定内。

貝になって引いた相手を崩すのは難しいのだが、もう少しミドルシュートであったり、サイドからのクロスにアイディアが欲しかったな…というのが感想。ザックJAPANの2つの親善試合では、見えなかった監督の手腕や考え方なども今回のような公式戦の中では色々と見えてくるので面白かった。それでは、いくつか試合のトピックスがあったのでそれについて。

1.CBは今野と吉田
前回の記事でも書いたのだが、中澤、闘莉王という南アフリカW杯で日本のDFラインの中心であった2選手が不在の中、さらに怪我人も多く、どのような組み合わせかと気になった点だが、今野と吉田という組み合わせ。

1失点目(オウンゴール)の原因となった吉田だが、一昔前のCBと比べたら圧倒的に足元の技術はしっかりしているので、DFラインのパス回しにも不安は感じなかった。しかし、まだ急造のCBコンビの力量を推し量るには相手が弱すぎるので、第3戦のサウジ辺りが最初の試金石かなと思う。(ところが、そんなサウジも監督更迭といういつものお家芸が爆裂)

2.選手のコンディション
国内組及び本田、松井など欧州組でもシーズンが終わったばかりの選手は、軒並みコンディションが悪いように感じた。特に、遠藤と本田は顕著。

3.日本の武器を封じ、日本の弱点を攻める
日本の武器は、中盤力である。
しかし、その中盤力を封じるには、日本のボランチ(長谷部と遠藤)を封じれば、守→攻への日本の威力は半減する。
事実、韓国との親善試合で、韓国は執拗に日本のボランチにプレスを仕掛け、日本の中盤力を落とした。今回のヨルダンもその辺は織り込み済みでしっかりと対応してきた。

日本の武器である、中盤力を封じた後は、(今回のヨルダンは行わなかったが)高さがある2トップを前線に配置し、中盤を省略し日本のゴール前へ放り込みをすればよい。そして、セカンドボールを奪えれば二次攻撃、三次攻撃と日本を苦しめることが出来る。

今回のヨルダンは前半は思ったほど引いてこなかった。前からプレスを仕掛けつつ適宜自陣のスペースを消すというサッカーをし、球際での攻防も互角だった。
日本がアジアで苦戦する要因として、「引かれた相手を崩す」のが課題として挙げられるのだが、最初に少し書いた通り、今回の試合に関してだけ言えば、

 ・サイドからのクロスに工夫が欲しかった
 ・ミドルシュートが欲しかった


特にサイドからのクロスに関しては
「縦への深さ」と「ファー・サイドへのクロス」
この2つが必要だったと試合を見ながら感じていた。

CKなどでもニア・サイドへのボールが多く、もっとゴールラインからマイナス方向へのクロスを入れればヨルダンのDF陣のマークのずれなどがあったかもしれない。つまり、ファー・サイドへクロスを入れて折り返してという形で、ヨルダンのDF陣に揺さぶりを与えて欲しかった。
そして、後半ロスタイムの吉田のゴールは、ファー・サイドへのボールだった。

それから、アーリークロスの形(浅い位置から)が多かった。
しかし、日本は1トップなので、ゴール前の人数が少ない。

例えば、右サイドの松井からのアーリークロスに対して、本田が飛び込んだり、逆サイドの香川が中へ絞って、ゴール前の人数を増やす方法がある。
この点については岡田JAPAN時からの何度も言っていることなのだが、[4-2-3-1]の場合、サイドからのクロスに関しては、上記のようにゴール前に人数を掛けないと強力な1トップがいない場合はなかなかゴールに結びつかないものである。あるいはクロスの精度が高ければ問題ないのだが…。

あとは、セカンドボールを奪った後などに顕著だったのだが、ミドルシュートが欲しかった。ミドルシュートを打てば、貝になって閉じこもった相手も引きずり出せる、結果、DFラインの裏にスペースが生まれる。
しかし、全体的にサイドからのクロスと中央のドリブル、パスで崩そうとするばかりで、攻撃の選択肢の乏しさを露呈した。

■ ザッケローニの手腕

◆ 前田の交代と李の投入
前半、試合から消えていた前田が、後半の頭で李と交代となった。
サッカーにおいて後半の頭でFWが交代になるということは、指揮官から明確なダメ出しを受けたと捉えていい。前田に変わって入った李も良かったとは言えなかったのだが。

彼らを擁護するわけではないが、前田も李も個の問題というよりは、前の4人(前田、香川、本田、松井)の間で、まだグループ戦術が構築されていないように感じた。特に、スペースメイキングの連携に関しては、バラバラだった。

ちなみに、この後半の頭からの交代は、ちょっとした驚きだった。
前田、李の序列がザッケローニの中では同じくらいと考えているのか?
また、李を試したいという思いも半分以上あったのではないか?(グループリーグだし)さらに、深読みすれば、今回召集できなかった森本が第1候補なのか?今なら、岡田監督が本田を1トップに据えた意図は分からなくもない。何せ本田のキープ力は、味方にとっては相当頼りになるからである。(個人的な印象だが、昔のFWの方がまだ前線でタメを作れるキープ力があったようにすら思える)

◆ プレースピードと4-4-2という選択肢について
試合後の会見では、「プレースピード」について言及していたザッケローニ監督。
なるほど、就任時から「縦へのスピード」を意識させていたので、この辺とも関連はしているのだろう。
自陣で奪って速い攻撃・・・相手の守備の陣形が整ってない所を突く!
いかにもイタリア人らしい考え方かもしれない。この点については、次戦で変化が見られるかもしれない。

そう言えば、歴代の会見と比べて内容が短いような…
ザッケローニ監督はあまり多くを語りたがらないタイプなのだろうか?
オシムは語りたがりだったので、サッカーファンとしては、色々と知りたいので会見でガシガシ話して欲しいと思う。

Twitterの方で、試合中つぶやいたのだが、ザッケローニ監督には、[4-4-2]で2トップという選択肢はないのだろうか?
単純に前に起点を増やせば、もう少し前で攻撃の形を作ることが出来る。
勿論、現状の[4-2-3-1]でも可能なのだが…
ちなみに、その方法は両サイドの香川、松井が純粋な3トップのウィング的な高い位置取りをして、そこを使うという方法である。

2トップと1トップ、3トップは、前線の単純な枚数の違いの呼び方にしか過ぎないのだが、戦術的にはいずれも特性は違い、その運用方法も異なる。

[3-4-3]を練習時にテストしていたようだが、個人的には3バックは現代サッカーにおいては多くの脆さをはらんでいると思っている。それならば、純正の[4-4-2]の方がまだ良いと思う。

◆ アジアカップでの成長
結果だけ言えば、なんとか勝ち点1を獲得したので良かった。
レギュレーションでは2位まで決勝トーナメントへ進出が出来るので、残り2戦を勝ちさえすれば、なんの問題もない。(場合によっては1勝1分でも大丈夫かもしれないが)

まずは、次の第2戦のシリアは、選手のコンディションを整えること。そして、選手間の連携(コミュニケーション)を密にすることが必要である。アジアカップは短期決戦である。小さなことで大きな変化・成長がチームに波及することはある。

正直、まだザッケローニ監督はチームの骨格を模索中だと思う。
就任後、3試合しかしてないわけだし、合宿も行っているが、今回も全員揃うまで時間が掛かった。

個人的には、今回のアジアカップは、結果はもちろん重要だと個人的には思っているが、その一方で、ザックJAPANの骨格を作る為の重要な機会であるとも考えている。

最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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◆ 日本サッカーの日程問題と代表と海外組と
余談だが、今回のメンバーで一つ大きな事実に気がついた。
今回のスタメンの半分以上が海外組ということである。
川島、吉田、内田、長友、長谷部、香川、本田、松井と計8人が海外組。(国内組は、今野、遠藤、前田のみ)
一昔前では考えられなかったことである。
こうなってくると、Jリーグのシーズンの日程を欧州のカレンダーに合わせるのも必要になってくるんじゃないのか?
この内容については、テーマが異なるので、これくらいにするが、夏の暑さがどうこう、雪国のクラブがどうこう、という色々な議論はあるとは思うが、実験的にやってみればいいと個人的には思っている。

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