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『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』 (2014) / フランス・アメリカ

2015-02-24 | 洋画(な行)


原題: National Gallery
監督: フレデリック・ワイズマン
鑑賞劇場: ル・シネマ

公式サイトはこちら。

「パリ・オペラ座のすべて」などで知られるドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマンが、ロンドンのトラファルガー広場にある世界最高峰の美術館ナショナル・ギャラリーの秘密に迫った一作。ダ・ビンチ、モネ、ゴッホ、ミケランジェロなど西洋美術屈指の名作がそろう同美術館で、3カ月にわたって取材を敢行。英国ロイヤルバレエ団と絵画のコラボレーションや、専門家による工夫を凝らしたギャラリートーク、斬新なアイデアに満ちたワークショップなど、来館者の知的好奇心を満たす様々なプログラムをはじめ、美術品を展示するまでの過程や高度な技術を駆使した修復作業、X線分析によって名画の下から別の絵が浮かびあがってくる様子など舞台裏も映し出し、同美術館が190年以上にわたって人々から愛され続ける理由を紐解いていく。(映画.comより)


ワイズマンの作品はひたすら心地よい・・・ ということを今回も感じる。芸術をテーマにした場合、どうやったら映画として成立させるのか。その答えを出せるのに、ワイズマンほどふさわしい監督はいないと今回も思う。
奇を衒うということが本当になくて、淡々と対象を捉えているだけなのに、惹きつけて離さない魅力の映像。今回もそうだった。

我々が美術館に行く、そして絵画を鑑賞する。その行為をそのまま再現させたかのような映画。
美術史家たちの解説は絵画を完璧に理解していないと出てはこない訳で、その部分のプロフェッショナルたちの仕事ぶりも見事だが、大事なことは、それらの解説は全て観客が絵画と向き合うための手助け的な役割に過ぎないということ。本質としての自己理解を促すためのプロの手助けは限りなく贅沢だけど、そこから我々がどう咀嚼するかが重要なのである。
その作業を丁寧に追うには、181分の尺は雄に必要であった。充実感に包まれた時間。

絵画を単に羅列して紹介するだけなら、美術館紹介のTV番組と同じになってしまう。本作では作品解説の様子を出すことによって紹介する側とされる側、双方の表情を追うことで「鑑賞」という行為をしっかりと植えつける仕組みになっている。
単に眺める、解説のキャプションを読むだけになりがちな美術館巡りだったり、あるいはガイドの解説を聴くけどもう片方の耳から流れて行ってしまって何も残っていなかったりしたことはないだろうか。「解説」を第三者的な視点から見つめることで、その行為の裏には途方もない準備や、ガイド自身の経験が含まれていることに気が付く。来訪者にとってはその場限りの話にしか過ぎないかもしれないが、話す側は至って本気だし、自分のありったけを伝えたいという気概が伝わってくる。そのくらいの真剣勝負な美術館鑑賞、観る側は恐らくは意識してないかもしれないが、この映画を観たらその感覚は訂正した方がよさそうだ。そうじゃないと美術品に、美術館に大変失礼かもしれない。

どちらかというと静かに時が流れていくような展開で、しかも181分の尺だけに、正直途中睡魔が来たことは否定しないけど(!)、それでも美術館での鑑賞ってそんなものではなかろうか。お気に入りの作品の前で立ち止まって眺めて、食い入るように見つめてみたかと思えば、疲れて小休止もしたり。本作はそんな「ゆるさ」も全然許容されてしまうくらいのテンポだし、その自由さがまさに鑑賞そのものである。その自由度までもを映しだし、その中にプロフェッショナル達のプライドをしっかりと折り込んだ本作、作品の迫力も相まって「鑑賞」そのものができたような感覚を味わえる。やはりこれはシアターで鑑賞してほしい作品に違いない。


★★★★ 4/5点





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