原題: LE TEMPS QUI RESTE/TIME TO LEAVE
監督: フランソワ・オゾン
出演: メルヴィル・プポー 、ジャンヌ・モロー 、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ 、
ダニエル・デュバル 、マリー・リヴィエール
<Story>
パリで活躍している売れっ子ファッション・フォトグラファーのロマン(メルヴィル・プポー)は、31歳の若さでガンにより余命3カ月を宣告される。
化学療法を拒んだロマンは、まず両親のアパートを訪ね、久々に家族4人で夕食を囲む。
だが、幼い子供を抱えて離婚間近の姉ソフィ(ルイーズ=アン・ヒッポー)と口論になってしまった。
それから、一緒に暮らしている男性の恋人サシャ(クリスチャン・センゲワルト)をわざと冷たくして追い出す。
そのあと郊外で一人暮らししている祖母ローラ(ジャンヌ・モロー)を訪ね、彼女にだけ自分の運命を知らせた。
ぼくを葬る(おくる) - goo 映画
<感想>
DVDレンタル屋さんに行くたび、ジャケットがずっと気になっていて、
この際なので借りてみることにしました。
すごく、潔い死に方・・・ というか、
自分の死に際して、自分なりの決着のつけ方をして行くんですね。
それまでは自分を取り巻く人たちや、自分の仕事に対して、さしたる意味も持たずに
過ごしてきたロマン。
自分の死が見えてしまった時から彼は周囲に対しての捉え方を変えていきます。
それでも彼は、自分の変化を周囲に知らせたくないようにも
思えます。
家族とは、それまで本当に理解し合っていたのかどうかはわからないが、
「自分と似ているから」という理由で、祖母にだけ話すというのもわかる気がする。
やっぱり人間は理解してもらいたい生き物だよね。
この祖母、ジャンヌ・モローが演じていますが、
すごくいい。
「身勝手でいい」と。
本能には忠実にしたくなるのが動物というもの。
やたらと余計な差し金はいらないはずです。
黙って孫を受け入れる祖母。 そして、「あなたと一緒に死にたい」という言葉で、
無償の愛情を示す。
何もしてやれない孫に対しての、精一杯の祖母の想いですね。
泣き崩れるジャンヌ・モローは素敵でした。
生存本能は身勝手でいい。
そして自分が生きた証というものを、ロマンは残したくなったのかもしれません。
ここで、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキが出てくるというのがもう、タダでは済まないという感じなんですが、
そのオーラを彼女は持っています。
あの夫婦の中にも、どうにも超え難いものがあったようにも感じました。
だからこそのお願いでしょう。
全てを受け入れて、淡々と自分ができること、やり残したことを
黙ってして行く。
素晴らしいと思います。
彼の職業でも、やり残したことを彼はして行きますが、
邦画とか、ハリウッド映画ならこうしただろうなと思うようなエンディングにしていないところが、これまたいいです。
妙に誇示せず、気取らない姿勢が潔かった。 いい作品でした。
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今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
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