ROOM210-付録

10年ぶりブログ復活!

YAMAHA NS-10M まとめ

2022年01月21日 | オーディオ
という事で、NS-10Mシリーズにドはまりしてあれよあれよと言う間に14台も買ってしまいました・・・
そろそろレストアも飽きてきましたし、家族の目が厳しいのでこの辺でまとめたいと思います。
長くなるのでNS-10Mの基本的な特徴は他のサイトを見て下さい。

・NS-10Mにはまった理由
最初に聴いた時は「なんじゃこりゃ!?」な酷い音でした。
低音も高音も出ないし、なんせ拡声器臭が酷い。。
ところがレストアして聴くと結構好きな感じになりました。
明るく乾いてスピード感の有る音・・・以前使用していたJBL 4312Aにも似たキャラなんです。
(そういえば4312Aもモニタースピーカーだよなぁ・・)
私は基本的にDTMなどで製作されたコンピューターミュージックというかダンスミュージックが大好きで、とにかく音の立ち上がりと言うかアタック音が気持ち良い人なのでNS-10Mが合うんでしょうね。
低域の締まりが特徴的な80年代シティポップもNS-10Mに合うと思います。

メインで使ってるB&W 707S2とは真逆なキャラなので、ソースによって使い分ける事にしました。
NS-10Mは低音が出ない欠点は有りますがサブウーファーとの相性はバッチリで、能率高い系の音にサブウーファーは実につながりが宜しいです。
オーディオ的にはB&W 707S2の方が良い音なんですけど、NS-10Mの方が音楽を気持ち良く聞かせてくれます。
とはいえ同じスピーカーばかり14台も必要ない訳で。。
結局レストアが楽しい機器だったと言う事でした。

・NS-10Mの欠点
古いNS-10Mの音は劣化による音のバラツキが酷いんです。
一番の原因はツイーター用U-CON製電解コンデンサーの劣化が酷い事です。
定格は2.7μFですが、古くなるにつれて容量が上昇し14μFにもなる個体が有ります。
さらに酷い物は漏れ電流が多く測定器で測定不能な物が2台有りました。
比較的新しい後期物でも容量40%アップでしたので、電界コンデンサーとしてはアウトです。
ちなみに極初期製の物にはニチコンの電解コンデンサーが使用されているので問題ありません。
電解コンデンサーと言うと普通は液漏れによる容量抜け(容量が少なくなる)が多いのですが、このU-CONコンデンサーはすべて容量アップしています。
調べてみると容量アップする事も有るそうです。
コンデンサーの容量CはC=εS/dなので、電解液が抜けてディスタンスdが小さくなってCが増えると言う事なのかな??
証拠に直流電圧を印加していくと、定格より遙かに低い電圧でショートモードになります。
おそらくクリアランスが少なくなり耐圧が下がったものと思われます。

下の写真がその状態。
見る人が見ればわかると思いますが、3.1Vかけたら電流が流れてカレントリミット状態になってます。
トホホ・・・こりゃツイーター直結状態ですな。

まぁこのコンデンサーはESRも小さくNS-10Mのキャラクターを作った要因のひとつでしょうが、あまりにも劣化が酷いのでレストアでは真っ先に交換しなくてはいけない部品です。
ちなみにオープンリールデッキを修理した時に壊れていた部品もインダクションモーター進相用のU-CON製コンデンサでした。。。

テスターの抵抗レンジでコンデンサーを当たると何故か抵抗が出る。 もはやこれはコンデンサーの特性ではありません。

ついでに周波数特性を測ってみたり

いろんな測定器も使ってみたけどやはりまともな値は示しません


他には
ウーファーのコーンが黄色くなる。
ケーブルを接続する端子がショボい

エンクロージャーは本物突き板仕様なので豪華なのですが、塗装が薄いので傷つきやすく殆どの古い個体は色が禿げたり傷が付いています。

「YAMAHA」の銘板が斜めになっている事が有る。最初からなのかは不明。

ウーファーのクロスエッジが堅くなっている物が多い
ネジが緩んでいる物も多い。
ウーファーのコーンが歪んでいる事が有る。
最初は漂白の失敗かと思いましたが、古くなると経年で歪むんでしょうね。
まぁ音にはあまり関係ないみたいです。


・NS-10Mの兄弟は?
NS-10Mの兄弟には次の物があります
① NS-10M(基本的な物)
② NS-10M Pro
③ NS-10M Studio
④ NS-10MC
⑤ NS-10MX
⑥ NS-10MT
詳しいスペックは他のサイトを見て下さい。
私が持っているのは10MC以外すべてです。
10Studio、10Pro、MCは取り付けの差とかサランネットの有る無しなので音的には殆ど一緒です。
10MXは防磁型になり、ツイーターのフレームが大きくなりましたが振動板は同じ物に見えます。ウーファーも振動板は一緒です。
10MTはバスレフ型になり、エンクロージャーもユニットもネットワークもすべて違います。
はっきり言って10MPro、10Studio、10MXの差は私の耳ではわかりませんでした・・・
ただスピーカーセレクターで瞬時に切り替えるとノーマル10MよりPro、10Studio、10MXの中高音がスッキリしているのがわかります。

10MTも10Mシリーズのキャラクターを引き継いでいますが、バスレフで容量が大きいぶん、ボーカルなど全体的に厚みが有ります。
かといって低音がズンズン出るわけでもありません。
まぁこの辺は好みですね・・・

古いNS-10Mを購入する時の注意点

エンクロージャーの傷は埋めたり塗ったりで何とかなります。
端子も簡単に交換ができます。
特に初期の物は音の個体差が大きいので、コンデンサー交換は必須。
(極初期のニチコン電解コンデンサー仕様なら交換不要)
内部に湿気が溜まりやすいので、外から見て錆の多い物は内部はもっと酷い事に。
(結構カビも多いです)

とにかくウーファーの状態ですね。
あまりにも黄色いのは大変です。
センターキャップのへこみ程度なら問題有りません。
糊で塞げる事の出来る程度の傷なら修復可能。奥が見える穴は無理。
コーンを押して動かないのはマグネットずれ。 修理超大変
音の出ないのは絶望的

やっぱ何もしなくて良い状態が一番!

各部のレストアをまとめましたので興味ある方は下記のリンクをクリックしてみて下さい
ウーファーレストアまとめ
ツイーターレストアまとめ
ネットワークレストアまとめ
エンクロージャーレストアまとめ

コメント (4)
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YAMAHA NS-10M 8号機レストア

2022年01月14日 | オーディオ
もうですね。。。
私自身も飽きてきましたがNS-10M 8号機買ってしまいました。
もうそろそろ家族から何か言われそうです。
こんな状態・・・もう止めにします!


今回はSerNo30万台のかなり後期モデル。
程度もまぁまぁです。

しかしこれ、2台共にYAMAHAの銘板が斜めに貼り付けられています。
しかも斜めに貼って有るスピーカーはこれで2組目の所有ですよ。
ネットでも斜めに貼られた個体を見た事も有りますし何なんでしょうね??
経年でずれたようには見えないし・・・

今回の個体は
 ・最終モデル
 ・ボディ 凹み スレ多数。
 ・ツイーター まぁまぁ綺麗
 ・ウーファー まぁまぁ綺麗。 
  ちょっと黄色いので漂白するか、オリジナルのままにするか・・・悩
  エッジは固め
 ・音 さすがに後期モデル。結構普通。 


いつものようにバラして問題のツイーター用電解コンデンサー(正規2.7μF)を測定します。
 1個目 3.8μF
 2個目  3.6μF
 3個目  3.8μF
 4個目  3.3μF


後期モデルだけあって劣化度も低め。
ただし40%も容量が違うのでコンデンサーとしては全く駄目ですね。
これもフィルムに交換です。
いつものように端子も新品に交換


エンクロージャーは上下左右の4面をサンディングして塗装。
これもまた7号機同様、寒い時期に塗ったのが悪かったのか、塗装がうまくなじまず木目が埋まってしまいました。
塗装30点

ツイーターは綺麗でしたが、分解のコツを覚えたのでバラして綺麗にしました。

ウーファーはこのままでも良いかと思いましたがやはり軽く漂白しました。
エッジはブレーキフルードで軟化

完成!!
上は1号機で、下が8号機です。

結構良くなりました。
音はいつものNS-10Mの音です。
ビフォー

アフター

(毎回書きますが、周波数特性測定は無響音室では無いので200Hz以下は意味を持ちません。10KHz以上も・・)

NS-10Mに関するまとめを製作しました
      ↓(下をクリック!)
NS-10Mまとめ
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YAMAHA NS-10M 7号機修理

2022年01月03日 | オーディオ
皆さんもう飽きたかもしれませんが、またNS-10M修理ネタです。
言っときますけど業者ではありません。
単に修理が好きなだけで・・・
証拠に今回は修理難易度が高い個体をゲット。
(業者はこんな個体は買わないと思われ)

ウーファーが・・・・

今回の個体は
 ・極初期モデル
 ・ボディ なんか液体をこぼした跡が有るので10点満点中3点
 ・ツイーター 結構汚れ有り
 ・ウーファー 液体の跡が・・・
        結構黄ばみも有り。
        センターキャップが派手に凹んでいます。
         エッジは結構堅い
10点満点中2点
 ・音 見た目に反して音はまとも!!!! 

絶対酷い音がすると思ったのですが、意外と良い音がしています。
いつものようにバラしてツイーター用電解コンデンサー(正規2.7μF)を測定します。

 1個目 3.0μF
 2個目  2.9μF
 3個目  2.9μF
 4個目  2.8μF
今までで一番まともです!!!
電解コンデンサーの容量誤差を10%とすると非常に優秀。
コンデンサーをよく見ると・・・・いつもと色が違う!?
今まで見たのはU-CON製クソ電解コンデンサーでしたが、これはなんと天下のニチコン!

どうやら極初期はU-CON製ではなくニチコン製だったのですね。。
とはいえとりあえず電解をフィルムに交換。(写真撮るの忘れていました。)

エンクロージャーですが、正面の塗装が酷かったのでやりたくなかったのですが正面含めて5面塗装しました。
寒い時期に塗装したのが悪かったのか、サンディング不足だったのか塗装後は木目が死んでイマイチでした。
本来は塗装がなじんで木目が浮き上がるのですが、スプレーのつぶつぶが目立ちます。
ん~~

問題はこのウーファー

今まで漂白ばかりでしたが、今回は白く塗ってみたくてこの汚いウーファーを選んだ訳です。
着色剤はヤフオクに出品されているymsa3511さんの専用塗料。
2種類のハケや綿棒やIPアルコール付き綿も付いています。

アルコールで綺麗に脱脂して塗ってはみたのですが、1回では下地の黄色が隠れませんね。。。

2回目塗っても下地が見えます。

3回目塗っても駄目・・・
上塗りしても下に塗った塗料を溶かしてえぐり取って下地が見える感じです。
ようは紙に塗料が染みこんでいないようです。
(塗装前にサンドペーパーで軽く磨いた方が良かったかも)
着色も難しいもんで。。
筆を押しつけると下に塗った塗料がえぐり取られるので、ポンポンと叩くように塗ってみた所、うまく重ね塗りが出来ましたがちょっとデコボコが・・・
薄めた塗料を上から塗ってみようかと思いましたが、また下地が出そうなので断念しました。
こんな感じ

あと黒いペンキの部分の境目が難しいですね。
老眼ってのもありますが実体顕微鏡を引っぱり出して境目の着色&補修。。

エッジですが、裏からブレーキフルードをたっぷり塗って3~4日放置してたら結構柔らかくなりました!(冬場の場合)
以前JBLの4312のエッジに付いたゲル状のダンプ材を柔らかくするには絶大な効果がありましたが、NS-10Mのクロスエッジにはあまり効果が無いと思ってました・・・
こりゃ以前レストアしたスピーカーにも塗らないといけませんね。。

ツイーターも綺麗に。
ツイーターの金網の外し方と、取り付け方のコツがつかめて来ましたので、いつかその辺をまとめた物をアップします。

完成!
遠目には綺麗です!
音もばっちりNS-10Mの音。
下が程度の良いNX-10MXで、上が今回のNS-10M 7号機です。

結局着色が良いのか漂白が良いのかと言われると・・・・? まだ結論出ず。
今の時点で言えるのは
黄ばみが弱めな個体は漂白が楽ちんでナチュラル
黄ばみが強めの個体は着色の方が安全で綺麗な仕上がりかも。
漂白を何度も行うとコーンが歪んで取り返しの付かない事に。
次回は紙やすり+漂白+着色でやってみようかな?  とまたNS-10Mが増えて行くのでした。

ちなみにビフォー

アフター

(毎回書きますが、周波数特性測定は無響音室では無いので200Hz以下は意味を持ちません。10KHz以上も・・)

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