友達に借りて読んだ本です。
一応、児童文学となっていますが、大人でも充分楽しめる内容です。私はむしろ大人向きだと思いますけどね。
内容を簡単に。
野球だけに情熱を傾けてきた巧は、両親の都合で、母親の実家に引っ越すことになります。そこで、元有名高校野球コーチの祖父や、キャッチャーの豪と出会います。周りの反対や、人間関係、それらをすべて排除して、巧はひたすら、豪とバッテリーを組み、野球をすることだけに闘志を燃やします。やがて、巧は中学に入学し、野球部に入部しますが、そこでは、野球をすることしか考えていない巧には想像もつかない煩わしい生活が待っています。そして、ある事件をきっかけに、野球部は活動停止を余儀なくされます・・・。
Ⅱまでの内容はこんな感じです
ただいまⅢを読んでいますが、これも読み終わったら感想を書きます。
さて、Ⅰ・Ⅱの感想。
正直、Ⅰの方は主人公に偏り気味の書き方で、どうも違和感がありました。まず、この主人公の巧は、小学生(Ⅰの時点では)とは思えないような考えの持ち主なんです。もう、野球命。そして、自分の腕に対する自信の塊。自意識過剰。う~ん・・・これは主人公としてはあまり魅力的じゃないんですけどね。大体、巧の野球の能力は上を行くものがいなくて、今後、巧自身が向上していけるのかどうか不安なんですよね。もうある程度、限界に来てるんじゃないかな?って感じで。
この私が不安に思った点は、Ⅱで巧のおじいさん、洋三がちゃんと気づいてました。「あの子はもう伸びないかも・・・」みたいなことを言ってましたね。今後、巧にライバルとか現れて、もっと技術を高めれるといいんだけど・・・。
文章はわかりやすくて、場面場面想像しやすいです。当たり前と言っちゃああたりまえですけど、ⅠよりⅡの方が、文章に慣れがでてきていて読みやすいです。内容も私は、ⅠよりⅡの方が好きだな。Ⅱは一気に読んじゃったし。
Ⅰはキャラクター紹介みたいな感じで、Ⅱから本格的にストーリーが始まる感じです。いろいろな事件も起きます。
衝撃的なのは、用具室とか体育館での事件ですね。上半身裸にして、鞭打ちって・・・ちょいお姉さんはドキドキしてしまいましたよ
なんであえてそういうことするのかな~って変に疑ってみたり(笑)まぁ、見えないところに傷を負わせようって考えでしょうけど。精神的にもかなり巧君はショックでしょう。思春期だしね!!
学校の友達との会話なんかは、ちょい漫画チックです。実際、漫画にもなってますけどね。なんていうか・・・偏った頭で読むと、BLっぽく読めなくもない・・・いやいや、貸してくれた友達が、それ系の子なんで、勘ぐってみたりして
先ほど、子供よりも大人向け、と書きましたが、巧の常識や習慣にとらわれるのを嫌い、自分の信念を通す生き方が、大人に何がしかのメッセージをおくっているんじゃないかと思います。自分のやりたいことを貫くっていうのはどうゆうことなのか。好きなことが、好きなようにできない中学生、という設定を使って、読む人に訴えかけてるところがあると思います。
圧力に対する抵抗=若さ、ですから。圧力に屈してしまった大人、屈しそうな大人が読むことによって、これから巧たちと同じ道を通っていく子供たちが読むのとは違った感情がわいてくるでしょう。
さて、話は変わりますが、Ⅰでは好きなキャラクターが見つからず、なかなかとっつきにくかったのですが、Ⅱで登場!(笑)野球部キャプテン、海音寺君!彼はなかなかいいですね。純粋な野球好き少年。しかも、結構面倒見がいいおにいちゃん!巧たちと仲良くなるといいな~。憎たらしいキャラ、ナンバー1の展西君にも特別扱いされてる海音寺君ですからね~。本人には自覚はなさそうですが、天然タラシかもしれません(偏り発言です)
さ、Ⅲも一気に読めそうな気がします。確か、シリーズはⅤくらいまで出てるから、友達が続き持ってたら借りよっと☆