goo blog サービス終了のお知らせ 

傍流点景

余所見と隙間と偏りだらけの見聞禄です
(・・・今年も放置癖は治らないか?)

年明けはScissor Sistersよ♪

2006-11-11 | 音楽
 先月のMTV主催ハロウィン・イベントでもアナちゃんが約束してくれた通り、来年早々に来日ライヴ決定!! 呼び屋のスマッシュのサイトでは11/11現在、まだ情報アップされてないないけど、鋏姉妹オフィシャルにはバッチリとスケジュール入っております♪ とりあえず、関東地区でのライヴはこの2つ。

[東京]
■公演日:2007年1月25日(木)
■開演:7:00PM ■開場:6:00PM
■会場: Zepp Tokyo
■席種・料金: 1F立見(オーダー別), 2F指定(オーダー別) 各6,500YEN

[横浜]
■公演日:2007年1月27日(土)
■開演:7:00PM ■開場:6:00PM
■会場: 横浜BLITZ
■席種・料金:1F立見(オーダー別), 2F指定(オーダー別) 各6,500YEN

☆ 2006/12/2(土)一般発売

 今年一杯は売切御免の英国ツアー、彼らにとってもジャパン・ツアーはNew Year一発目のライヴになる模様。来年なんて、現時点では私もどーなってるかわからないけど、このニュースで俄然生きる活力が沸いてきたわ(笑)!ウレシイ!めでたい!! ついでに、音楽ライター赤尾美香さんのサイトから鋏ちゃん達のインタも可愛かったのでリンク☆

****************************************

 ところで。私は自分の趣味はかなり統一感ナシ&一部著しく偏向、と自負してますが、不思議なものでどこかで繋がっちゃう場合があるんだよね。まだレヴューしてませんが(;;)鋏姉妹ちゃんのワンダフル♪なセカンド・アルバム『Ta-dah』のライナー、サンクス・リストを見て「きゃーーー!」でした。だって、マイケル・カニンガムとパートナーのケニーの名前が!…って、冷静に考えれば同じニューヨーカー、ゲイ・コミュニティという繋がりも強いだろうから、そんな騒ぐことじゃないかもですが、ね^^;;(ま、このところカニンガムづいてることもあり、ついでに書いた次第…)
 ちなみにこのサンクス・リストに挙げられている絢爛豪華な面々も凄いです(笑)。意外な人から、そりゃそうだろ~な人まで盛りだくさん。音楽関連では ボノ&U2、ボブ・ゲルドフ(この辺りはライヴ8参加つながりね)、ロジャー・ダルトリー(やっぱ【Tommy】?)、ブライアン・フェリー(!)、カイリー・ミノーグ(笑)、そしてルーファス・ウェインライト(ジェイクの友達だって!)に、アルバムでも1曲だけアレンジ参加のヴァン・ダイク・パークス。映画界では当然ながらのジョン・キャメロン・ミッチェル、そしてジーナ・ガーション。作家では、カニンガムのほかなーんとスティーヴン・キングが…!ファッション界からはヴィヴィアン・ウェストウッド、そしてロック写真家であるミック・ロックの名前があったのが個人的にわーい☆でした。

永遠のMiss Debbie Harry

2006-09-13 | 音楽
 昔---若い頃には素敵とも好きとも思わなかった人が、歳を取ってから突然その魅力に目覚めることがある。デビー(デボラ)・ハリーは、私にとってそんな女性だ。
 彼女のことを初めて知ったのは、たぶん洋楽聴き始めの、まだケツの青いガキの頃だ。ガキのくせに生意気でオトナぶってた私は(笑)当時、いかにも染めたブロンドに化粧の濃いデビーを見て「ゴツくてケバい女だなあー、しかも安いルックス!」という超失礼な感想しか抱けなかった。前後するようにブロンディも聴いたけど、当時は所謂“ポップ”を斜めに見ていたこともあり、「こんな典型的ロック姉ちゃんなルックスなのに、音はコレかよ! で、何処がNYパンクな訳?」と、ナニサマなことを思ってた気がする。とはいえ、取り合えずロック・ファン最初期の私にとってはU.Kモノが最上、アメリカだったら60年代後半~70年代、もしくはN.Y.産地域限定の基準を持っていたため、ブロンディもその系統バンドとしての資料アイテムとして---時代を問わず、頭でっかちのロック・ファンにありがちなパターンを踏襲して、いちおうベスト・テープなどは持っていた。勿論、愛聴などしなかった。
 後に、そして今だに特に意識しなくてもブロンディのカラフルでポップな曲はそこかしこで耳にする。彼らをリスペクトする人やバンドのカヴァーや、映画の挿入歌などで。彼らの曲もまた、時の変化で色褪せたりはしなかったのだ。そして、私のほうが歳を重ね「やっぱポップは最強だよね!」→「…いいじゃなーい、ブロンディ♪」と変化することになった。(年を取る利点は許容範囲が拡がることと柔軟性が出来ることです、はい)

 お子様の目には「唯のケバいロックねえちゃん」に映ったデビーが、そのケバさと同時に可愛い表情を持った人なのだ、と知ったのは3年ほど前に開催されたミック・ロックの写真展、及び彼の写真集を入手してからだと思う。
 ミック・ロックは、私の愛するグラム・ロック系のアーティスト(ボウイ、ルー・リード他)を始め、数多くのロック・ミュージシャン達の素晴らしい写真作品を手掛けた、私自身大ファンのフォトグラファーである。ロック界がそうであるように、やはり彼の写真の被写体も男性ミュージシャンが中心はあるのだが、1人だけ複数の作品のモデルとしている女性がいた。それがデビーだった。彼の写真の中で微笑むブロンドのデビーは、最高にロックしてる妖艶な姐御であり、気取りのないキュートな女性でもあった。以来、私のなかでデビー・ハリーへの認識が変わったのだろう。途端にファンになるほどのゲンキンさは無かったが、少なくともせめて死ぬまでに一度は観ておきたいなあ、と思うようになったのだ。
※ 余談ながら、バンド名である“ブロンディ”は、あるときトラックの運ちゃんにデビーが「イカすぜ、ブロンディ!(金髪のカワイコちゃん、みたいな意味でしょう)」と呼びかけられたことに由来するらしい。これもエエ話やねえ。

 そのデビーを擁する再結成ブロンディを、遂に観てしまったのが先週の木曜の夜だ。
 しかも、なんと招待券に当たった友達のおこぼれに預ったタダ・ライヴ!! いやあ~~なんというラッキー、なんというありがたさ! 今年の来日モノのライヴは、2月のフランツ・フェルディナンド以来とあって気分も盛り上がったが、タダという気安さで大して期待はしてなかったのだ。ところがどっこい!

 我ながらビックリだけど、客電が落ちて、メンバーがステージに登場して暫くしてデビーが登場した途端に「きゃ~~っっ!カッコいいーーデビーーーーッッ」状態になっちまったのである(笑)。しかもオープニングから【Call Me】って!!
 いや、マジでカッコ良かったのよデビー! 50年代のハリウッド女優風スタイルな、体にぴったりしたスーツ(しかも蛍光緑!)にハイヒール、大きな帽子にサングラスで堂々とステージに現れたデビー姐さん。もう、登場と同時にステージ全体が光り輝くようなオーラ! そりゃ若い頃のようにスリムなお腹&腰周りではないものの、それを隠そうともしないところが逆にオトナの粋。デヴィッド・リンチ映画に出てきそうな妖しくクールな色気をふりまいて、まさに大姐御の貫禄。
 最初こそ、やや音程がブレかけてたけど、すぐに持ち直し、曲にあわせて声量・声色自由自在。キュートな小娘風からドスの効いたハスっぱビッチ風、セクシーなファム・ファタルから一途な女まで、正に一人百花繚乱。途中、帽子を脱いで髪をくしゃくしゃっと掻き乱したり、サングラスをとった後はニッコリ笑って観客に向かって気軽に声を掛けたり手を振ったり、投げキスしたり---とにかく仕草・キメのポーズの一つ一つがセクシー&キュート!!(さすが、現在の活動メインが女優業なだけはある…) そのうえ、途中で「さあ、本格的に踊っちゃうわよ!」とばかり、満場のフロア(年季入った男子多し)に向かって脱いだハイヒールを投げるお宝大サービスぶり! デビーの履いてたハイヒールですよ、お客さん!! 嗚呼、願わくばハイヒール争奪戦の勝利者がフェチ系の人だとイイわね、とか思ったりして(笑>気が狂いそうな程シアワセだよね、そんなの^^)。

 とまあ、デビーの一挙手一投足に目を奪われていたばかりではなく。女王様の黒子状態の男性陣による演奏の余裕綽々ぶりにも酔った。曲目は、ポップなパンク・ロックであるブロンディ黄金のヒット・メドレー状態なんで、最初から最後まで踊りッ放し。大してファンでもない私でさえ、曲が聞えてくれば「あっコレか!(>タイトル知らない/覚えてなくても、曲は知ってる)」てモノばかり。なかには全然知らない曲もあったけど、そんなの何の問題もなくノレてしまうし、踊れてしまう素晴らしいメロディメーカーぶりは本当に見事! ロキシー・ミュージックの【More than this】やビートルズの【Please, please, me】のカヴァーも取り混ぜてたのも、いいアクセントになってた。(コアなファンの方には「そんなのいいからもっとオリジナルを~!」って感じだったかもだけど^^;;) ハッと気付いたときにはアンコールの【Heart of Glass】なんだもの。
 いやあーーー本当に楽しかった。何より、デビーもバンドも少しも枯れた雰囲気などなく、安定した現役感をガッチリと観せてくれた/聴かせてくれたのが素晴らしかった。

 そんな興奮冷め遣らぬまま帰宅後、調べたらなんと今年でデビー姐御は還暦!! と知って卒倒しそうになったね~。溜息。ステージ上でパワフルに歌いまくり動きまくり、ときに軽やかにステップを踏んでた姿に、その年齢の衰えは殆ど感じなかったよ。(ときどき、おばさんっぽい動きもあったけどソレはまあ、仕方ないかな、と。なんせ、観てるときはイってて50半ばぐらいだろうと思ってたもんで…)
ましてや還暦にして、あの色気&可愛気&意気っぷり! いつまでもN.Y.のロックねえちゃん魂を持ち続けているかのようなデビーを観たら、マドンナなんて霞むね!と思えたくらいだった。(>アレはアレでスゴイけど、凄さのステージが違うと思う)
 
 これまた余談だが、今もブロンディのギタリスト/リーダーであり、かつてはプライベートでもデビーのパートナーでもあったクリス・ステインが10年ほど前に難病に罹ったとき、デビーは彼の看病に専念するため一切の芸能活動を中止したという。しかも、その当時には彼らは別れていて、クリス・ステインには妻がいたというのに。デビーの看病の甲斐もあって見事クリスも復活、2人は尚もバンドではパートナー---コレまたエエ話過ぎ!(涙) 
 と、そんな浪花節スレスレなところも含め、目指すべきイイ女、今後のお手本にすべきはデビー姐さんだな!と、ちょっとソレは無理過ぎるぞ、と思いつつ半分心に決めてみた秋の夜であった。ああ、今度こそアルバム買わなきゃね! まずはDVD付ベスト盤から(笑)。

おねえさまへ…

2006-08-13 | 音楽
 古の少女漫画、池田理代子の傑作に【おにいさまへ…】というのがありましたな。そんなの全然関係ない内容で失礼します。いえね。終わったことを言うのは何だけど、行けなかった今年のフジ・ロックFesで、唯一コレだけは観たかった(涙)のが、去年もデビュー・アルバムの紹介をした鋏姉妹ちゃん@シザー・シスターズだった。チラッと横目で眺めるライヴ・レポなど観ると、ベスト・アクトとの声も高いようで…くぅぅ~という気持ちを抑え、ココはひとつ来月発売される2ndアルバム『Ta-Dah』をいいコにして待ってます。そして英米ツアーが済んだら、単独来日公演プリーズ。そのときこそ、おねえさま方(ジェイクとアナ)にお会いしとうございます…。で、そんなシザー・シスターズの“大鋏”(大笑)ことジェイクの、あまりにキメ目線の誘い顔(笑)な表紙に「きゃあ、ジェイクったら美人過ぎよっ!」と、つい購入してしまった【Attitude】。有名な英国ゲイ向けファッション&カルチャー誌なんだけど、今月号は音楽特集だったので個人的にはイイ買い物でした♪(オフィシャル・サイト、まだ先月号の紹介がトップにきてるのはどーかと思うが…) そんな【Attitude】8月号、目玉企画の一つである≪All time GAY Album Top50≫を以下にご紹介!

50. Divine - Jungle Jezebel (1994)
49. Girls Aloud - What Will The Neighbours Say? (2004)
48. Belle & Sebastian - Tigermilk (1996)
47. Tom Stephan - Drag Addict (1996)
46. Tori Amos - From The Choirgirl Hotel (1998)
45. Jobriath - Jobriath (1973)
44. Dionne Warwick - Sings The Bacharach & David Songbook (1969)
43. The Associates - Sulk (1981)
42. K.D Lang - Ingenue (1992)
41. Dee-Lite - World Clique (1990)

40. Malcom McLaren - Waltz Darling (1989)
39. A Chorus Line (1975)
38. Dusty Springfield - Dusty In Memphis (1969)
37. Christina Aguilera - Stripped (2002)
36. Larry Levan - Live At Paradise Garage (2000)
35. Dead Or Alive - Nude (1988)
34. Diana Ross - Diana (1980)
33. Freddie Mercury & Montserrat Caballe - Barcelona (1988)
32. Lil' Kim - Hardcore (1997)
31. Cher - Believe (1998)

30. The Beatles - Please Please Me (1963)
29. Bananarama - Wow! (1987)
28. Barbara Streisand - Guilty (1980)
27. Suede - Suede (1993)
26. STEPS - STEP ONE (1998)
25. Prince - Controversy (1981)
24. Klaus Nomi- Klaus Nomi (1982)
23. Jesus Loves You - The Martyr Mantras (1990)
22. Bette Midler - The Divine Miss M (1972)
21. Lou Reed - Transformer (1972)

20. Bronski Beat - The Age Of Consent (1984)
19. Sylvester - Step II (1978)
18. Rufus Wainwright - Want One (2003)
17. Judy Garland - Judy At Carnegie Hall 1961)
16. Kate Bush - Lionheart (1978)
15. Soft Cell - Non Stop Erotic Cabaret (1981)
14. Grace Jones - Nightclubbing (1981)
13. Take That - Take That And Party (1993)
12. Elton John - Goodbye Yellow Brick Road (1973)
11. Pet Shop Boys - Introspective (1988)

10. David Bowie - The Man Who Sold The World (1970)
09. Donna Summer - Bad Girls (1979)
08. Antony & The Johnsons - I Am A Bird Now (2005)
07. Madonna - Erotica (1992)
06. Frankie Goes To Hollywood - Welcome To The Plaesuredome (1984)
05. George Michael - Older (1996)
04. Kylie Minogue - Light Years (2000)
03. Morrissey - Vauxhall & I (1994)
02. ABBA - Arrival (1976)
01. Scissor Sisters - Scissor Sisters (2004)

 以上、ベリーイングリッシュな偏りは感じられても納得のラインナップ…かな。まーねえ、№1が鋏ちゃん達なのはサービスもあると思うので(笑>英国人気がスゴイのはマジ。NY出身だけどね)、ココはやはりアバ最強伝説なのかと。カイリーがマドンナの上位に来るのもさすがUK音楽界でのアイドルぶり健在!というところかしら。えーと、私の持ってるアルバムは10枚くらいかな・・・昔テープ持ってたなあ、というのも含めるともう少し増えるけど、何気に80年代なメンツ多いよね~(笑)。

 ちなみに、セレクトした著名人たちのコメントもあり。鋏姉妹のジェイクが選んだのはプリンス! ん~わかるわ~^^) そして、こうした特集で出てこない訳がない(笑)英国ゲイ能界の美輪様状態なエルトン・ジョンの選出はルーファス・ウェインライト。そのルーファスはジュディ・ガーランド、という直球ぶりでございます。意外というか、そうだったのか~!と思ったのはサイモン・ネピア・ベル(ヤードバーズ、マーク・ボランからワム!まで手掛けた凄腕マネージャー)が選んだ№30のビートルズ。「彼らはゲイじゃなくて、単に4人のキュートな男の子たちだったけど、彼らみたいなグループは以前には決していなかった…観たことなかったんだよ! ポールとジョージが1つのマイクで唄うとき、彼らの頬が触れ合う。そんな“ゲイっぽい”場面を観ることなんて、彼らが登場するまでは無かったんだ」
 また、ボウイの№10『世界を売った男』を選んだのはコア・ファンとして有名なボーイ・ジョージ。「(Bowieのグラム・ロック時代のコンセプト・キャラだった)ジギーは、長いトンネルの終りを示す光だった」「ボウイは過去50年で、私にとって最重要なロック・イコン」のコメントは、彼ほど切実ではなくとも同じファンとして泣けるものがありましたわ! >今回のトップ50ではカルチャー・クラブではなく、ソロ・プロジェクトのジーザス・ラヴズ・ユーが選出されてるのね。モリッシーも、スミスではなくソロ作がランクインというのが、よくわからない基準です…。
 コメントの訳ですが、私の英語力は中学生程度&かなり適当なので間違ってるかもしれないです。ので、正確な内容が知りたい方は是非とも洋盤屋(タワーとかHMV辺り)で立ち読み、もしくは購入してみてください(笑)。音楽ファンなら充分面白く読めるハズよ☆

真夏の夜の音楽たち

2006-08-12 | 音楽
 夏と言えば日本でもフェス花盛りの時期で、去年の今ごろは私もサマー・ソニックでそれなりに盛り上がってた訳だけど---そして、今年も1日だけサマソニに行こうかなあ~なんて思ってたのに、その予定は見事チャラになった。まさか、ソールドアウトするとは思ってなかった、私がどうやら甘かったようである(涙)。という訳で、もう終わってしまったフジ・ロック・フェスやら、明日から始まるサマソニやらに参加する友人たちの土産話で気持ちを紛らわせつつ。夏祭りには参加できない私の、ここ何ヶ月かの愛聴盤の紹介コーナーである。

■ Antony and the Johnsons ---"I am a bird Now"
 ルー・リードの3年前のアルバム『Raven』に参加し、その来日ツアーでも唄声を聴かせてくれたアントニー。ライヴの終盤のメンバー紹介時に、ルーに「天使の唄声、とてもスウィートなアントニー」(>うろ覚え)と言われ、丸い顔をほころばせつつ、いやぁ~もうルーったら照れるじゃない!って感じの可愛いジェスチャーをしてたのが印象的だった。(>あくまで、この印象は私個人が受けたもの、なことをご承知あれ)
 本作は去年出たアルバムで、ルーが参加してることもありマスト・バイ!と思いつつも、手に入れるのが遅くなってしまった。今年の春頃買ったのだけど、実に心地好い作品なのでかなり繰り返して聴いている1枚である。
 アントニーのベルベットのように柔らかく艶やかな声は、ときにドラマチックに、ときにジャージー、そしてソウルフルにその輝きの変化を見せてくれる。ピアノとストリングスのシンプルなアレンジも良いし、何よりゲストがゴージャス! ルーの参加は当然として、ボーイ・ジョージ、ルーファス・ウェインライトという同志が華を添えている。ボーイ・ジョージはその名も"You are my Sister"という曲であの豊かな声を聴かせてくれる。続く"What Can I Do?"では、ルーファスが物憂げなリードを取る。そしてルーは"Fistfull of Love"の冒頭の呟きを含め、ごく控えめながら一聴して「ああ、ルーだわ~!」というギターを披露。このコネクションに加え、ジャケット・アートも含めて完璧と言える傑作なので、特にヴォーカル・アルバムが好きな方にはお薦めしたい作品だ。

※ 本記事の画像に使っているのが、本作のジャケット。この写真は、ニューヨークの写真家ピーター・ヒュージャーの作品でアンディ・ウォーホールのファクトリー仲間であり、ルーがかつて曲中でも取り上げたMtFであるキャンディ・ダーリンをモデルとした【Candy Darling On Her Deathbed】。ピーター・ヒュージャーについては芸術海岸さまの記事が非常に参考になると思う。


■ TV on the Radio --- "Return to Cookie Moutain"
 このアルバムを買ったのは、Bowieおぢさん参加という理由で…私の購入するアルバムの4割ぐらいはこうした切欠によるものだけど、やはり中には「…うーん」と思うものもある訳で。ハズレのときは、まあお布施だと思えばいいか、って感じだけど、このアルバムはかなりアタリ!で嬉しい。もっとも、初めに聴いたときの感想は「…なるほど、こりゃBowieさんは好きだろうねえ」って感じだったんだけど、何度か聴いてるうちに非常に耳馴染みの良い、聴き込み甲斐ある音であることに気付いた次第である。
 NYはブルックリン発のバンドであり、5人のメンバーはギターのデヴィッドを除いて全てブラック。なんだけども、全体的な印象はかなり白っぽい音…てか80年代以降のNW及びポスト・パンクに通じる英国系のサウンドなんだよね。USっぽさを殆ど感じない。まあ、NYはアメリカじゃない、って話か(笑)。大好きなYeah Yeah Yeahsとの親交が深いバンドでもあり、また彼らに注目しているアーティストとしてBowieのほかNINやMassive Attackが挙げられてるわけだけど、感触としてもこのへんは非常に近い音だと思う。だから、これらのアーティストの音がタイプだったら、超お薦めってトコかな。アーティスティックな深みを持ちつつも、ポップで聴きやすい音というのが、かなりポイント高いよ。
 今作は彼らのセカンドに当たり、来日も何度かしてる。。。というか、つい最近も単独来日があったようだけど^^;; 次の機会がやってきたら是非ともライヴを観てみたい、という気になった1枚。


■ Love Ends Disaster! ---"Faster, Faster..."(EP)
 所謂ジャケ買い、というのは恐らくArcade Fire以来である。ジャケのセンスに惹かれて試聴してみたら好みの音だった、私にしては久々の英国新人バンド。しかしこのバンド名って…“愛の終末災難”?(笑>ママ訳だってば)
 本作は4曲入りEPなので早くフル・アルバムが聴きたいなーってトコだけど、結局私は英国NW&ゴシック・パンク系の音が土台にあるバンドに弱いらしい…と、つくづく思ってしまったね^^;; 彼らの場合は、そこにガレージ風味+ポストパンク+Bowie~Pulp系統(voの感じがね)入ってるのも良し。趣味のハッキリと偏ったガラクタ市な雰囲気の音はタイプなのだよ♪ そんな音でありながらも、ギターの音色やアレンジがちょっとだけキング・クリムゾンを彷彿とさせる曲に思わず心を掴まれたりするのも、、、サガってやつだろうなあ^^;;


■ Roddy Frame ---"Western Skies"
 アズテック・カメラの頃の、正しく“英国の美少年”然とした彼には、実はあまり興味がなかった。音のほうも、有名な曲を幾つか聴いたくらいで、ネオ・アコースティックとやらのバンド群にも縁が無かった。ところが、私の古い友人が彼のマニアック・ファンなのである。その友人への義理立てもあり、偶然去年サマーソニックで初めてちゃんと彼の唄と向かい合った。
 そのときのステージがいかに素晴らしかったか、去年のサマソニ・レポにも書いた通りである。まして、タイトルさえわからないある曲に思わず涙してしまったほどに。今まで無視してた私ったら馬鹿。とか思いつつ、やがてその「泣いた曲="Rock God"」は次の彼のアルバムに入る新曲だと知り、絶対買う!と決心したのだった。私はこう見えて意外と執念深いし(笑)特に音楽に関しての決心を違えることは滅多にないである。
 さて本作のジャケットは、かつての美少年の面影を残しつつも、様々な時間を刻んだことが伺えるロディの、セピア色のバストショット。去年ライヴで聴かせてくれたのと同じように、聴かれるのはロディの唄、アコースティック・ギターを中心としたシンプルなバックのみ。最低限必要な音のみで造られた曲だからこそ、その美しさ、魅力が最大限に発揮されるという見本のようなアルバムである。ロディの甘くてぬくもりのある伸びやかな声。静かで優しく、ややメランコリックな唄の数々は、夏というよりは秋の、しかも霧雨が降るような夜に似合いそうな雰囲気である。今はまだそんなに聴き込んではいないけど、暑さが止んだらまたじっくりと味わってみたい。ロディの故郷であるグラスゴーの夜風を想像しつつ、しみじみと酔えそうな1枚だと思う。


■ James Dean Bradfield ---"That's No Way To Tell A Life"(Single)
 我が最愛の英国バンドであるところのManic Street Preachers。去年の来日以降、バンドは“向こう2年は活動休止宣言”をしたのだけど、生粋の勤労ワーキングクラス体質の彼らとしてはやはりジッとはしてられなかったらしい(笑)。
 という訳で、Manicsにおけるマイ・アイドルであるvo/gのジェイムスの初ソロ・アルバムが実はもうすぐ出てしまう。タイトルは『The Great Western』---大西部、ですか? 何故に? 流行だから? それともウェールズはU.K.における西部という訳で?(>単なる推測です) タイトルの真意はともかく、そのフル・アルバム発売に先駆けてのシングル。まあ、ハッキリ言って曲は良くも悪くも、Manicsのアウトテイクみたいな出来(Manicsのメイン・ソングライターだから当然のことですが)。タイトル曲は50'Sぽいポップなコーラスがイイ感じ。同時収録の“Don't look back”は、彼の十八番とも言える優しく素朴なバラードで、印象的なギターを聴かせてくれてる。
 とりあえず今回はソロってことで、作曲のみならず作詞も彼が本人も手掛けてるてのが聴きどころだろうけど---聴き取る努力をしてなくてごめんね、ジェイムス~。来月出るフル・アルバム…そして、早過ぎるよ!(苦笑)な来日公演での再会を楽しみにしてるわね♪

※ この来日公演は、同じくソロを出すbのニッキーちゃんと一緒に行われる訳だが…Manicsは3人なんですけどもね~。drのショーンはどうしたのさ?って、子育てが忙しいらしいです…。結局、ソロになってまで行動/交友範囲の違わない人たちで、結構呆れるというか笑えるぜ…^^;;


*****************************

 ちなみに次回は、待望のセカンド・アルバムが来月出る予定の鋏姉妹ちゃん@シザー・シスターズ絡みで買った洋雑誌【Attitude】に載ってたネタを紹介する予定。軽めに行きまーす。
  

おかえり、Soul Asylum

2006-08-08 | 音楽
 ソウル・アサイラム8年ぶりの新譜、その日本盤が7月中旬に出ると知ってしばらく経った頃のこと。熱さボケでフラフラしながら立ち寄ったCD屋で『The Silver Lining』のジャケットを発見し、反射的に手に取った。相変わらずぼんやりとダークな雰囲気のジャケット、そのCDを持ったとき、他に何を買うつもりだったのか私はすっかり忘れてしまっていた。
 今日は絶対、コレだけは買って帰らなきゃ。と思いつつ、再びフラフラと店内を徘徊して、何枚かのCDをレジに持って帰宅後。何はともあれ、とこのアルバムのパッケージを開け、歌詞カードを眺めつつオンボロのCDラジカセのリモコン再生ボタンを押した。

 1曲目のあまりに直球タイトルな“Stand up and be Strong”にフッと笑いがこみ上げた。まんまじゃん、と思って曲を聴いてたら、タイトルをそのままサビにもってきたコーラスに、ありえないほどググッと湧き上がってくるものがあった。(でも何故だかガンズのSweetchild~にちょっと似た曲調だったりする^^;;)笑いごとなんかじゃなかった。嗚呼、デイヴ・パーナーの泣き笑いみたいな掠れ声、この力強いメロディ。長いこと聴いてなかった、彼らの唄が戻ってきたんだ…!
 と思っているうちに2曲目。アップテンポのカントリー風の明るい曲調に乗せて歌われるのは、戦地へ向かった友人とその妻へ向ける哀しい唄。そして3曲目は、まさに往年のソウル・アサイラム節と言えるメジャー・コードのバラード“Crazy Mixed up World”。曲の中程で聞かれるこんな歌詞に思わず胸が詰まる----俺はあまり考えない。かつて、それなしには生きられない、と思っていた事について。俺は毎日それなしで生きているから。
 4曲目は軽快なロックンロールの“All is Well”----すべては順調さ、この地獄じゃね。あんたが居てくれたらいいなって思うけど。無事を願ってるよ---というコーラスあたりから、どうしようもなく涙が出てきて止まらず。ほんの少しメランコリックに響くダニー・マーフィーのギターの音色も沁みて仕方がない。
 その後、アルバムが終わる14曲目までずっと、すっかり心も目も潤みっぱなしになってしまった。なんかもう、涙流しつつ笑っちゃったよ。あらまあ、私ったらこんなに彼らのこと好きだったんだ!!みたいな。忘れたと思っていた記憶が、思いが、一気に迸ってきて暫く茫然と感動に浸ってしまった。
 そして、この新譜が出来上がるまでの彼らの身に降りかかった出来事を、このアルバムに込めた彼らの祈りと鎮魂の深さを思い、よりいっそう瞼が熱くなった。しかも。かつて一番輝いて頃の彼らのスタイルに、更に内なる強さに磨きをかけてこれほどの傑作を引っさげてカムバックしたのだもの!
 すっかり思い出したよ。8年間、私はこのアルバムを待ち続けていたんだ、このデイヴの唄が聴きたかったんだよ、ずっと。


 改めて書いてもピンとこないが、8年も経っていたのだった。前作『Candy from a Stranger』から。
 コレと、前々作である『Let Your Dim Light Shine』は、実は私はあまり聴き込めなかったアルバムだ。今聴き直してみれば、彼ららしいセンスに溢れた曲や、名曲と言えるものだっていくつかある。だけど全体的には、どこか無理をしているというか試行錯誤にハマってたというか…特に『Candy~』はデイヴ個人の恋愛~破局(…某セレブ女優がお相手だった)その他の影響が強く、内省的過ぎ&重かったしねえ。(>歌詞がね。元々詩人としてのデイヴは明るい詞の書けない人ではあるのだけど。バンド名が「魂の避難場所」なんだから推して知るべし、というか;;)

 そもそも'92年の『Grave Dancer's Union』の大ヒットが、彼らのバンドとしての軌道を狂わせてしまったのではないだろうか。ミネソタ州ミネアポリス出身のインディ・バンドとして、そこそこインディロック・ファンに名が知れている程度だったソウル・アサイラムは、一気に全米レベルの超有名バンドとなってしまった。当時のブームだったグランジ~オルタナティヴの波に乗ったバンドの1つだと世間には思われた。
 『Grave~』は確かに良いアルバムだった。(個人的にベストだと思ってるのは、その前作である『And the Horse They Rode in On』だけども)
 でも、当時同じブームに括られたバンド達と同じように、彼らも突然押し寄せたファン達に、ロック産業に取り込もうとする時代の波に、翻弄されてしまったように思える。奇しくも『Let Your~』のオープニングを飾る名曲“Misery”でも自虐を込めて皮肉られているが、彼らは何も売れたくない訳ではない。バンドをやっている以上、それで食っていくのが目標に決まっている。だけど、バンドにはそれぞれ分があり、向きがあり、限度がある。それを越えて/違えてしまった人気はときに、不運を呼び込むことになる。
 結果的には、ソウル・アサイラムも自分たちが望む以上の成功が、手に負えないところまできてしまったのだと思う。それがこの8年間の沈黙の理由だったのではないだろうか。
 しかし沈黙はあまりに長すぎた。私は、辛うじて解散はしてないことは知っていたけど、もう彼らはバンドとして活動する気は無いのかもしれない、と諦めかけていた。だいたい私の好きなバンドは、国を問わずあまり長続き出来ないバンドが多いのだ(苦笑)。彼らのファンだったことも過去に埋れつつあった。


 そんなソウル・アサイラムが新譜を出すらしい、というニュースを聞いて間もなく、オリジナル・メンバーであるベースのカールが喉頭癌で去年亡くなった。今度こそ終わった。と、私は観念さえしたのだ、が。
 ごめんね、デイヴ&ダニー。バンド復調最中のカールの死が、どれだけ痛手だったか。でもあんた達は、だからこそ奮起するだけの強さを持っていたのに、見縊ってしまって本当に申し訳なかった!(大涙) いろいろと乗り越えるものは険しく大きかったであろうこの8年間を経て、戻ってきてくれて心の底から嬉しいよ。

 私はソウル・アサイラムの、ひねりはあっても真っ当で変哲のない“普通のアメリカン・ロック”具合が大好きだ。世の中の片隅で忘れられたように生きる怒りや哀しみ、嘆きの詩を、メジャー・コード中心のメロディで、時に切なく激しく放つ彼らの歌が大好きだ。
 デビュー22年目通算8作目。レコーディングの途中で亡くなったカールの遺作でもあるこのアルバムには、そんな彼らの現在の姿、その全てがある。素晴らしい作品です。


『The Silver Lining』
① Stand Up And Be Strong
② Lately
③ Crazy Mixed Up World
④ All Is Well
⑤ Bus Named Desire
⑥ Watcha Need
⑦ Standing Water
⑧ Success Is Not So Sweet
⑨ The Great Exaggerator
⑩ Oxygen
⑪ Good For You
⑫ Slowly Rising
⑬ Showtime ☆…日本盤のみ
⑭ Fearless Leader  ★…secret track


◆追記徒然◆
 デイヴは6年ぐらい前から、故郷のミネアポリスからニューオーリンズに引越して、かの地で結婚し子供も生まれたという。良かったね~(笑)! …なのだが、去年はハリケーン・カトリーナの被害に遭ってしまい、止む無くミネアポリスに出戻ったそうだ。
 その経験も含めて、全体的には彼らの住む国(政府)への怒りと同時に、彼らの隣人(イラクへ派兵された人々)への共感と励ましに満ちた唄が多い。中でも⑦は、まるでB.スプリングスティーンのように歌うデイヴに、意外と納得の間で妙な感動を覚えてしまった。もっとも、どの曲も私は大好きで毎日飽きずに繰り返しているんだけども。何度聴いても④⑤のメロにはドキドキするし、カールのことを思い出さずにはおられない⑩には泣けてしまう。いやーこのアルバム聴くまでは、今年のベストは暫定でPJ新譜ね!と思ってたけど、肩並べちゃうなあ…。(>とはいえ、あまり新譜自体買ってない私ですけども、ハイ;;)
 来日公演はもう、10年以上前になるんだよね。現在リズム隊は安定してないようだけど(元リプレイスメンツのトミー・スティンソンがベースに落ち着くっぽいが)近いうちに是非再来日を果たして欲しいです、切実に。
 最後の言い訳。今月頭に「編集中…音楽モードis back」などと書いて出したのに、なかなか書き進められずに今ごろの再掲となってしまい申し訳ないです。って、当方のような零細ブログで、よりによってこの記事を期待してくれた方がいるとは思えないけども^^;; いちおう。

今年の夏祭りは・・・

2006-04-18 | 音楽
★ さて、そろそろ夏恒例の祭りの準備。というわけで、各フェスの詳細も上がってきてる訳だけど、個人的には今年はイマイチ盛り上がらないですねー。

 とりあえず、現時点でのマイ・チョイスはサマー・ソニック2006の2日目オンリー、でしょうか。しかもMassive AttackとDJ Shadowが同じ日だから、という理由だけです。まあ、全体的には相変わらず若者狙いなヘヴィ・ロック系なわけで、目玉はメタリカ/リンキン・パークだけど、私はパスだなあ^^;; メタリカ、『真実の瞬間』観て機会があれば10何年かぶりにライヴも観ちゃおっかなー!なんて調子よく思ったけど、Massiveと同じ日じゃないなら別にイイや(>その程度でごめん)。
 2日目に出演する予定のアーティストでチェックしたい他のアーティストは、ネリー・ファータドちゃんとTWO GALLANTS、LIVING THINGS、Little Barrie辺りかしら。ネリー以外のバンドは、若いのにとっても60~70'sな感じですが! ・・・ま、基本的にそっち系の音は好きなんで。

 だがしかし、マジで60~70'sなのはウドー・フェスですよ! サンタナ、ジェフ・ベック、KISSにドゥービーbros.ってナニゴト?! 21世紀なんですけど、今。 
 ・・・と、思わずポイントをデカくしてしまうほど、アナクロなヘッドライナー陣。今も黒いアイラインをぐりぐり描いてるのか気になるクリッシー姐さん率いるプリテンダーズとか、愛するPearl Jamのエディのソウル・メイト(>私の妄想か?)であるクリス兄さん率いるオーディオ・スレイヴにはちとソソラレますけど・・・何かこう、ノスタルオヤジーな方々の懐狙い撃ちの如きラインナップは、流石ウドーさん。というところだろうか・・・・。

 日本の老舗フェスであるフジ・ロック・フェス2006は、今年もなんだか安定路線。RHCPが目玉なんでしょうけど、私的には去年に続いて決め手がないラインナップかな。テキトーに好きなバンドは一杯出るんだよね。ヤー・ヤー・ヤーズとかシザー・シスターズとかズートンズとかソニック・ユースとか・・・また?な(苦笑)フランツ・フェルディナンドとか。でもなんか、意外性・新鮮味皆無です。うーん。日本勢はかなり充実している気もするけどね。
 ま、そんなわけで、私の夏祭りは財布もあまり痛まず^^;; アッサリ終わりそうでちょっと寂しい、気もするけどまあいいか。そんな年もあるさ。


★ どのみち、私が一番観たい人達はフェスには来ない。てか、日本来日公演さえするのか疑わしいけど、新譜は直に出るのよ! Pearl Jam。長年在籍したエピック・ソニーを離れての移籍第一弾はなんとセルフ・タイトル『パール・ジャム』
 噂では、近年になくハード&アグレッシヴとのことで・・・そーゆー音からしばらく離れてた私だけど、目下一番の楽しみではある。そして、願わくば来年になってもいいから! そして日本では客入り寂しいかもしれないけど!(かもしれない、じゃなく本当にキビシイことは承知だが;;) お願いだからライヴしに来ておくれ~~~!!!!!(祈願)


*******************************************


★ 以下、上の流れとは関係ない独り言。少なくとも今年前半は、やはりマイ・ブームは米国ルーツ音楽系の流れが続いている。本も、発作的に読んだマイケル・カニンガムから再び、アニー・プルーの『アコーディオンの罪』の続きを読み始め、併読するようにズバリ『アメリカン・ルーツ・ミュージック~楽器と音楽の旅』(奥和弘:著)を。
 やっぱ深いなあ。面白いわ、アメリカ音楽史。ルーツものってのは、別にアメリカに限らず探れば尽きない魅力の泉だと思うけど、世界中からの移民による民間伝承~混交と発展~進化というのがエキサイティングだし、米国音楽の大きな魅力であることは間違いない。(商業的な意味での発展と世界市場への拡大の成果で、そう思えるのかもしれないけど)
 単なる思いつきだけど、『アコーディオンの罪』が映画になったら面白いな、なんて考えてしまう。映像化不可能というか、オムニバス形式にしても膨大な時間を費やしそうではあるけど、上手くいけば凄いスケールの大河ドラマな音楽映画が出来上がると思うんだよね。例えばこの題材・テーマなら、製作総指揮のうってつけはマーティン・スコセッシだと思うけど・・・無理か。ってか完全なる妄想ですが。ううむ。誰か肝の太いプロデューサーに実現して欲しいドリーム・ムーヴィーの一つです。

ズバリ言うわよ!~Franz Ferdinand@日本武道館 Feb.10

2006-02-11 | 音楽
 細木数子の口喧しい小姑の断言口調、「なんでアンタにそんなこと言われなきゃイカンのじゃ!」という説教臭い物言いにあやかって、開口一番辛口コメントをズバリ!いかせて頂きますと。
 アレックス! アナタ、ちゃんとヴォイス・トレーニング受けなさいよ!!
 ということでしょうかね。悪いけど80年代が青春だった年寄りはコゴトが多いのさ。好きだからといって甘い顔ばかりは出来ないし、私はヴォーカリストには殊のほかキビシイ。ジャパン・ツアーの楽日ということでお疲れだったのかもしれないけど、そしてもしかしたら体調が良くなかったのか?とも思ったけど、Franzが誇る伊達男のアレックス---今夜の君は唄が辛かったみたいなんですけどー(苦笑)?

 さて私がFranzのライヴを観るのは一昨年のFuji Rock、その後の渋谷AX(ボブが体調不良で欠席だったわね;;)に続いて3度目。決して熱狂的ファンではないけど、21世紀に入って好きになったバンドでは特筆に値する、ぐらいには好きなのよね。まあ正直なところ、過大評価されている気がしないでもないけど^^;; 古くはKinks、90年代ではPulp辺りの流れを汲む“英国伝統芸能な歌謡ロック”、そこに80年代NWテイストで旨い具合で味付けしてる音がツボにハマっちゃった訳。実際、パブロック~パンク~NWを中心として、何でもありのポップなダンス系ロックに仕立てる技はたいしたもの。骨太さとかスケール感とか先鋭的緊張感にはやや遠いものの、良い意味でワーキングクラス出身のロック・バンドらしい下世話さと強かさがあるヤツラだと思ってる。

 そして、英国のバンドが大抵そうであるように(笑)彼らのライヴでの演奏が特別ウマい訳ではないのは知ってるし、聴くほうとしても必ずしもウマさには拘らないけど、それでも彼らは実のところ「歌モノ」なロック・バンドだと思うのね。アレックスの声質や歌唱というのは、本当に誰が聴いても「コレは英国人」とわかるほど特徴的で、だからこそその肝心な歌がフラフラしちゃいかんだろうよ~~!と思ってしまう訳ですよ。それも勢い余って、ならともかく、単にくたびれてるかのような声出されると、アレレーーっとなっちまうでしょ? 若者に人気があるのは実に喜ばしいことで、ましてロック・バンドはティーンネイジャーの女子がきゃーきゃー言ってナンボの世界なので(笑)その点ではパフォーマーとしてのアレックスは正しい。それはのちほど触れるが、だがしかし! 頼むから、もっとヴォーカリストとしての自覚持って、声鍛えといてよ~~(懇願)。
 まあ、オバのお小言トークはココまでにしとこ。今夜のライヴで燃え尽きた方で、もしウッカリこのコゴト読んでしまったら許しとくれ。けど、だからといって私がライヴを楽しまなかった訳ではナイのよ~!
 以下は、今回のライヴにまつわる感想です。

 それにしても、何で既にFranzが武道館なの? 彼らには合わないんでは?とか思ってたけど、いろいろ計算違いしてたみたい。武道館フルハウスですよ、お客さん! しかも吃驚したのはアリーナがスタンディングだったこと。武道館には席がある、という先入観でチケットをよく確認もせずに行って、「アリーナの方はクロークをご利用くださーい」というアナウンスに本気で焦ったワタクシ。・・・げっ。チケにも“アリーナ立見”って書いてるじゃん!ガーン。・・・こんなの初体験だわ。会社帰りだし冬だから荷物多いのに~~っ!と、開演前からドタバタして、ようやく武道館入りしたら前座のMagic Numbersの演奏が始まってました>初めて観た/聴いたバンドだったけど、カワイイー(笑)。メンバー全員長髪、しかもまん丸! 曲はポップな和み系フォーク~カントリー・ロック、というところかしら。ネオアコ好きな人にはお薦め出来る感じの、野外の草原とか似合いそうな雰囲気の曲と、ハーモニーにほっこり♪ アルバム買おうとは思わないし多分こういう機会でもないと観ないタイプだけど、なかなかに好感の持てるバンドでしたね。

 20分のセット・チェンジに続いて、いよいよFranz Ferdinand登場!
 バック・スクリーンとかそれなりに凝ったステージ演出が目に入る。そして、ワラワラと前方に流れる若者たちに場所を譲り(笑)まずは踊れる場所確保! やー、しばらく観ない間に、メンバー皆びみょーに垢抜けたなあ、なんて思う。ギターのニックなんて、Fujiんときはイモ臭いとこが可愛かったんだけど、そして今も別にオシャレではないんだけど(>失敬)すっきりした雰囲気だわ。そして、声こそ前述通りアレレ?だったとはいえ、アレックスの不必要なまでのカッコつけは健在!! コイツ、絶対鏡見るの大好きだよ! 鏡の前でポーズのチェックしまくってるよ!的キメ過ぎアクション。歌はヘロってても(シツコい^^;;)ポーズにはトコトン拘る彼の姿勢は素晴らしい!と心で拍手をしつつ・・・なんていうのかしら、ココまで臆面なくキメ命な“カッコいい俺美学”追求されると「きゃあ~~っ!」と叫ぶよりダハハッ!と爆笑しちゃう天邪鬼な私でごめんよ。でも、そんなアナタが好きなのは素直に認めるわ。
 結論として、ヴォーカリストは歌がダメなら徹底的に見掛けだけでも押し通せばライヴではゴマカシ可能!それこそがプロ根性!!・・・なのかもしれない(エエーっ?!)。 そういう意味では、ヴォーカルを補って余りある演奏陣の勢い、ラフだけどそのぶんアルバムよりロックを感じさせる力技をライヴで発揮出来るのは、やっぱ良いバンドの証拠かもね(ギターのニックの貢献度が高い気がする)。
 だから結局、私はライヴ中ずっと踊り倒してた気がする。1st中心だったのがやや物足りなかったけど、やっぱ彼らの曲は踊ってよし歌ってよし、ある種のU.K.音楽好きの体にメチャクチャ馴染む音なんだなあ。そんでもって、Jacquelineから始まりThis Fireで終わる名曲連打のアンコールの流れで、前半に感じたストレスが完全昇華! 
 終わりよければ全て良しってね。そんなもんよ、ライヴは。何より武道館を埋め尽くしたファンたちの顔も充実してたし、色々グチ言いつつもやっぱりFranzのライヴは楽しかったって、そう思います。

 ・・・なら、冒頭の文句はどうなるのか? いや、それはそれ。私の感じた事実は変わらないですから。アレックスには更なるフロントマンとしての精進を期待しますよ。
 私はFranzの先行きを今後も見ていくつもりだし、更なる成長を期待していることにも変わりはない。勿論、ここまで順調に来ているからこその不安~英国のバンドは周期短くて10年持たずに解散するバンドも多いから~はあるけど、消耗され過ぎない程度に、これからも活躍して欲しいな。・・・と、同行した友達としみじみ語り合いつつ、九段下を後にした如月十日の夜だったのでした。  

Rest in Peace

2005-11-16 | 音楽
 実は上旬から急降下テンションの原因の一つ・・・訃報を、11/6のROVOのライヴ後に聞いてしまったのであった。
≪DMBQのドラマー・西浦真奈さん、米国ツアー中の交通事故で急逝≫

 ここ2年ぐらいはライヴも観てなかった私が、まだ彼らのファンと言っててよいのかわからない。けれど、DMBQは10年程前に下北沢のライヴハウスでギターウルフやゆらゆら帝国、サーファーズ・オブ・ロマンチカなどと共に観て以来、ブランクは開けつつも通い続け、観続けてきたバンドだった。
(この時期観たバンドが結構私の愛好する日本モノの柱の1つだ。ギターウルフとかMAD3とか(ZKレコーズ~musicmine関係が多かったなあ)。
 去年、紅一点のドラマー・よっちゃん(吉村由加)が脱退してしまったんだけど、アホな私はそのことをすっかり失念してて、今回の事故の第一報を聞いたとき、てっきり彼女が?!・・・と思ってしまったのだけど・・・違いました。

 よっちゃん脱退後に加入した西浦さんのドラムを、DMBQでの姿や音を、私は知らない。けれど、少年ナイフや羅針盤など様々なバンドでその才能を発揮していた彼女は、とても多くの人たちから愛されていたのだと思う。まだ加入して間もないのに、こんな残酷なことになってしまったなんて。正直言葉が出てこない。増子さんや龍二さん、松居さんの受けた傷もショックも、どれだけのものかと想像するのは辛すぎる(勿論、よっちゃんも・・・)。DMBQがこれからどうなるとか、そういうことは今は考えたくないという気持ちになる。

 このニュースを聞く直前、来年の1/31にギターウルフ、ゆらゆら帝国と共にジョイント・ライヴ決行の告知チラシを見て「このメンツは正しく10年前の再現じゃん! 絶対行く~!」なんて盛り上がってただけに・・・それでも、この日のライヴには駆けつけますが。(チケを取ってくれたAKIさんに多謝です)
 ちなみに、ROVOのギタリストでもある山本精一氏のアナザー・プロジェクトが羅針盤だったのだが、西浦さんの急逝に伴い解散を決めたそうです・・・。11/6のROVOのライヴが、彼らにしてはイマイチいつもの圧倒的な昂揚感&グルーヴが足りないように感じたことも気のせいではなかった、というのも今は切ない。

 いまはただ、西浦真奈さんのご冥福を心よりお祈りします。

Summer Sonic 2005 Aug.13~NIN編

2005-08-22 | 音楽
【SS05 Aug.13より続き】
 さて、最前列の後ろで半ば意識を失いつつ、どのくらいのセッティング待ちをしたのだろうか。
 ライトが落ち、そして…懐かしの"pinion"のイントロ、いよいよ日本の地にDark prince再臨!…のハズがっ。我々の目前の王子@トレントは、すっかり頭を丸めて(笑)しかも鍛えあげた二の腕も逞しい上体に袖無しブラックレザー・ジャケ、ボトムはブラックジーンズ…その姿は暗黒王子というより、オタクの兄貴、もしくは2丁目のアイドル!>ガーンッ!^^;; という、こちらの動揺を振り切り、いきなり"wish"で先制攻撃開始である。なるほど、そうくるか。前半はアゲな曲で飛ばし、途中からクールダウンさせるのね…と、なぜか冷静に先読みしつつ、うねりまくる客の波のなかからトレントを見上げる。
 -----素晴らしい! 夏の夜空に響き渡る声、そして以前の来日のときのような刺々しさのない、しかし圧倒的なオーラ。
 私は、NINでは本当にトレントしか眼中になく、このときもほぼ目の前にはギターの方がいるのだが彼の存在を素通りしてトレントしか観てなかったのだが、そんな私にもこれだけはわかった。今回のメンツの演奏はバシッと隙なくキマっており、ほぼ完璧な布陣。これまたお見事である。安定したバック、そして健康体になったおかげでトレントの唄声も昔に比べて格段の力強さを持って聞こえてくる。

 待ちかねた観客の声援も凄く、私の後ろにいた外人(東洋人)の女子は、ほぼ全曲一緒に歌っている(苦笑>トレントの唄が聞こえなくなるんだけど…と思いつつ、彼女の気持ちもわからずではないので…)。勿論、前列にかかってくる圧力もスゴイのだが、Slipknotと違って暴れん坊のグルグルモッシュが勃発したりはしない。みんな、トレントの声に、ステージから放たれる音の迫力に、熱い思いで対峙している、という感じだ。
 ギュー詰めのなか、最新作で気に入ってた"the hand that feeds"では、無理やり踊ってたが(笑)やがて"closer"あたりから、ライヴの空気が変わる。"with teeth"の後、トレントがキーボードに向かい、弾いたのはなんと"the frail"の静かで美しいイントロ! ああ。名盤『fragile』でも、短いけど美しいピアノの旋律が印象的な曲である。
 やがて定番曲"gave up"で♪it took you! make me realize, it took you! make me see the light♪と思いきり叫んだのち…来た。恐らく数多くのファンが特別な思い入れを持っていると思われる、トレントの自虐的自己愛に満ちた"hurt"。
 実は…私は以前から、あまりこの曲を愛することが出来なかった。メロディはとても美しく、痛ましく、名曲の名に相応しい作品である、ということはわかるし、これを特別視するファンが多いのも理解できなくはない。かつてBowieが、ライヴでこの曲をデュエットしたりしたことにも意味があるのだろう。しかし…私には、この曲の詩はあまりに自己陶酔的露悪趣味に満ちていて、こんな詩を唄いあげるトレントの姿もあまりに自閉的に感じて、とても好きとは言い難かった。正直言ってこの曲を聴いて泣く、なんてのは私的にはあり得ないと思っていた。だが。
 この夜のトレントを観て、その歌声を聴いて、その気持ちが一変した。私の目からは、知らない間に涙が流れていた。止まらなかった。トレントは、この詩をとても優しく、穏やかな表情で、すべてを抱きしめるような声で唄っていたのだ。それは、自分の中ではなく、聴衆に向けて唄われる声だった。そうか。これが彼の変化なのだ。トレントは、この唄を今や自分の為だけではなく、彼の唄を聴きにくる皆のために唄っているのだ。詩の痛みを、思いを共有し、共鳴する人々の為に。そうすることで痛みは昇華され、唄は心に刻まれ、本物の名曲となるのだ。
 …もしかしたら、今更こんなことに気づく私が遅かっただけかもしれないけど(苦笑)この夜の"hurt"は本当に深い感動に包まれた瞬間であり、これを聴けただけで今年のサマソニに来た甲斐があった!と思ったのだが、奇跡は再びやってきた。
 終盤近くの再度アゲ路線曲のなかで、これまた定番の"starfucker inc "。この曲のサビのブレイク、♪don't you♪のリフレインを観客が繰り返す場面。そこまで観客が歌うと思っていなかったのか、ちょっと驚いたような顔をして、その瞬間に思わず破顔一笑!! トレントの笑顔である!!いつでもどこでも陰鬱そうな顔で澄ましてる鉄仮面(…)な暗黒王子の笑顔!! そんな見慣れないモノに遭遇してしまった観客が狂喜したのは言うまでもなく(笑)殺伐とした歌詞なのに、みんな幸せな気持ちになってしまったのであった。そしてラストはお待ちかねの"head like hole"!

 大興奮のなか、歓声はいつまでも続き、やがて空に花火が上がる。ショーは終わり、今年のサマソニ最大のベストアクトであったトレント率いるNINがステージを去っていく。気がつけばアッという間に終わってしまったように思う。しかし、なぜか私にはこの日一日の疲労感よりも、爽快感のほうが強く感じられた。トレントはもう、固い殻で幾重にも自らを守る暗黒王子ではなくなった。そのことを体感できたことにとても安心し、また彼の音楽を聴きつづけていこうと思えたのが、とても嬉しく思ったライヴであった。
(だから早く単独公演してよーー!)

**********************************************************************

◆SS '05 Aug.13 ~Nine Inch Nails~ setlist◆

01. pinion
02. wish
03. sin
04. march of the pigs
05. the line begins to blur
06. something I can never have
07. the hand that feeds
08. terrible Lie
09. burn
10. closer
11. with teeth
12. the frail
13. the wretched
14. getting smaller
15. gave up
16. suck
17. hurt
18. you know what you are?
19. starfucker inc
20. head like hole

Summer Sonic 2005 Aug.14

2005-08-18 | 音楽
 終わったあ~!私の夏も終わったあぁぁ!! 明日から心は秋ね(涙)と、同行の友人と溜息をついた日曜夜。この日のマイ・ベスト・アクトは、Public Enemyとロディ・フレイムでした!!

 ・・・のっけからですが、私的メイン・アクトなはずの黒烏は・・・なまじ期待が大きかっただけに、正直いろいろとショックを受けてしまいました…。なんせ観るのは初来日以来13年ぶりで、その間彼らもいろいろあったわけだし、思い出で美化されているかもしれない初来日と比べてはいかん!とわかってはいても・・・。ま、それについては愚痴になるので、後ほど。(ついでに初日のNINレポも後日^^;;)

*************************************************************************

 前日の疲れとNINショックを引きずりつつ、本日はちょっと体力温存モードで行こうか。と幕張駅へ向かうも、既に京葉線列車内の混雑&熱気がスゴいことになっている。駅降りると「チケット譲ってください」の看板娘&息子たちの姿がいっぱい! 本日のマリンのラストを飾るOasisのせいでチケット売切れたからかなあ。すげーよ、すげー、バカ兄弟の威力恐るべしだねえ! と、どーせ奴らを観られない私は斜めに構えながら(苦笑)ピーカンの空の下から、幕張メッセへ入場。

 最初にCaesarsを観るつもりが、なんだか超人気らしく、入場規制で入れず。その後のLittle Barrieから開始。ひゃあ、ふっるーい!(笑)イイ意味ですけど、70年代のブリテッシュ・ブルース・・・というかかなりファンキー・ソウルなロック・バンドで演奏もかなーり上手く、マイ・タイプでした(笑)。豪州出身だということだけど、最近このテのバンドが続々だね、豪州^^)。とっても気持ちよく踊らせてもらって、楽しかったよ~。
 その後、INME~HIMの、友人曰く「今が旬のメタルかわいこちゃん達」(笑)を観に、山ステージへ移動。はぁ~なるほどねえ…INME、確かにベースの子は美形でした。ギターの子も童顔がキュート。しかし音の方は、なんつーか、懐かしい感じのメタル…今もこーゆー音って需要あるのねえ(笑>失敬な)。
 続いて北欧ゴスメタルという噂のHIM登場。バックドロップはまさしくゴスチックでしたが、音はかなりポップなんですねえ。ヴォーカルが、顔も衣装もビジュアル系アイドルでしたよ(笑>ちょっとゴス版ビリー・アイドル、みたいな感じもあり)。女子人気があるのはわかります。3曲ぐらいで切り上げてソニック・ステージへ向かう。

 友達が大ファン(今回は涙を飲んで来れなかった)なロディ・フレイム(ex. Aztec Camera)の出番なので、ちょっと覗いて報告しなきゃ、と少し観るだけのつもりが、思いがけず素晴らしいライヴに遭遇して大感動。
 アコギ1本のSSWスタイルで登場したロディは、A.C.時代は美少年だったけど、やっぱり年取るのは仕方ないから・・・と友達は嘆いてたけれど、なんの! 遠目だったとはいえ端整な容姿は変わらぬように見えたし、体型もスリムなままで、ジェントルな笑顔がとても素敵。それより何より、その唄声。穏やかで優しく力強くて、そして暖かさに溢れる唄! ステージに1人だけなのに、ギターと唄だけでそこにいる客を留まらせ、惹きつけるだけの圧倒的な存在感。さすが息長く続けているだけのことはある、本物のアーティストなんだなあ!と感激することしきり。
 そのうえA.C.時代からのファンの暖かい声援に微笑み、客が"I love you!"と叫べば"I love you, too"と応えてくれる気さくさ! そりゃ彼のファンは、こんな人柄を知ったら離れられないだろうね(笑)。決して満場とは言えない集客ぶりだったけど、とても幸せな空気に包まれている空間だった。
 そして実は、こんな通りすがり客の私でさえ、思わず涙した曲があった。
「僕はスコットランドのグラスゴーで、David BowieやMarc Bolanを聴いて育った少年なんだ・・・彼らのおかげで僕は此処にいる。そのことを唄った歌をやるね(大意)」とMCして始まった新曲である。Bowieの珠玉の名曲Space Oddityを思わせる美しいメロディと ♪Thank you for the moon, Thank you for the stars♪という印象的なサビに何故だか胸が熱くなり涙止まらず(苦笑)。
 もう、絶対新譜買います、買わせていただきます! と誓ってしまいましたよ >単にBowieネタに弱いだけかもだけど^^;; 本当に良い唄でした。(ロディ命の友人には当然、ライヴ後速攻で報告メール! 今度いろいろ教えてもらおう…) 
 そんなこんなで、気が付いたらついフルで観てしまったロディの後。一応Bloc Partyも観ましたが・・・あまりにひっかかるとこがなく、2曲で出口へ。その後、1バンド急遽キャンセルで時間が繰り上がってしまい、スケジュール異変な山ステージに移動。

 がーーー、なんだよPublic Enemyがすでにセッティングされてるー! サウンドチェックも始まってるじゃん! というわけで、急いでステージ前方へ。そんなに観たかったのか(笑)> 観たかったんです。以前観る機会があったのに見逃してるし…。とはいえ、私は全然HIP-HOP詳しくないし、P.E.もアルバム2枚程度しか聴いてないし、単にミーハーなだけですけど。ただ今回はP.E.と言いつつ、フレイバー・フレイヴ欠席、チャックDとプロフェッサー・グリフ+バンドという編成で、しかもメタル勢の後という、あまりにも客層&流れを無視した酷いブッキングに若干不安だったんだけど…
 とんでもねぇ!!ッてくらい、サイコーのライヴでしたね! 諸々の不利な状況をモノともせず、瞬時にして場を制圧し、集まった客を虜にする百戦錬磨の兵たち! 今回のライヴ・メンバーも、既にマスターな風格のチャックDもマジ、ラグジュアリーな漢で(笑)改めて惚れましたよ~。
 MCはめちゃくちゃわかりやすく、ノセ方も魅せ方も超一級のエンターテインメント。そしてテーマはとにかく"Fuck The WAR!! Fight the Power!! Peace!!" も~兄貴俺を弟子にしてくれー!みたいな。(なんだよソレ;;) 音のほうは、殆どHIPHOPというよりファンク・へヴィ・ロック&ソウル・パワーの世界で(笑)超カッコイー!>さっきから、語彙の馬鹿さ加減が中学生並になっちゃってて、すみません。がっ。逆に言葉で飾り立てる必要性皆無のライヴだったってコトですよ! ひたすら押し寄せる音のグルーヴにまかせ、ひたすら踊りまくった、この日最も熱いアクトになったのであった。

************************************************************

 いっそ、P.E.で終わったらシアワセだったんだけどなあ(大苦笑)。
 以下、愚痴モード。今回のBlack Crowesを存分に楽しんだ、というファンの人の気持ちに水を差すつもりはありません。ただ私が感じたことですので、あしからず。
 怒涛のP.E.の後、というのも或いは不味かったのかもしれないけど…メインだったはずの黒烏の、何に衝撃を受けたかっていうと、なによりまず、クリスの声が出てないってことです。
 ルックスが枯れすぎでもはや枯淡の域というより単に覇気がない、とかもショックだったけどさ、声が…クリスの魂を感じる歌が、聴こえない。コレなんだよね。この夜がたまたまそうだっただけなのかな? 確実にムラのある人とは思うのだけど…かつて、あれだけ身体表現の豊かなヴォーカル・パフォーマーだった彼が、殆ど動きもしないし。 第二に、バンドの音もよくなかった。機材トラブルとかPAの調子悪いとかあったのかもしれんけど、やはりバンドにブランクがあったからか、以前のように自在なグルーヴ感を操っていたような演奏とは程遠かった。ただ昔の曲をやっているだけのバンド、に聞こえてしまった。弟リッチ、マーク、スティーヴが出戻ってきて、黒烏でまた始まり直したことのサムシングも感じられない。アンコールなしに不満があった方もいたようだけど、私はあれはナシで正解、と思いました。あの状態でお義理なアンコールとかされても嬉しくないし。 
 もし今後、新譜を出すのなら、本気で黒烏をやり直すつもりなら、私もそれまでは彼らについていくかどうかは、判断保留にしておきますけどね…なんか、ライヴ後けっこう辛かったです。早い時間に終わったので、観ようと思えばマリンのバカ兄弟観れたんだけど、そんな気力は既になし;; まあ、それもこれも可愛さ余っての辛口、ということでお許しあれ。
 あ、でもステージ上での主導権はリッチ、というのは昔通りだったわ(笑)。クリスあんちゃんとスティーヴが、次どうする?みたいな話をしている脇から、平然とTwice as hard弾き始める弟に、あんちゃんらも苦笑。私もウケてしまいました。セットリストはなぜか懐かしの1st~2nd中心で(わかりやすい曲多いからか)ほかも好きな曲ばかりやってくれたので、それは素直に嬉しくはありました。

Summer Sonic 2005 Aug.13

2005-08-18 | 音楽
 フェス前になってくると何故かやってくる台風豪雨。前日の天気予報にビクつきながらも、結局朝には雨上がりの空。そして湿気でベタつく空気のなか、ついに初の幕張・私の夏祭り音楽編Summer Sonic 2005に行って参りました!
 終わってみれば怒涛の二日間、まもなく一週間経過しようとしてますが、遅ればせながら観たバンド中心にレポしていこうかと存じます。

*************************************************************************

 さて、初日の土曜日。ライヴ始めの目標はThe Departureだったんだけど、ちょいと早めについたので会場でご飯でも食べつつ時間待ちするか~、という感じで幕張メッセの奥マウンテンステージへ。
 と・こ・ろが! ステージ開始前SEでボン・スコット時代のAC/DCがかかってるじゃないですかー! それだけで何故かテンション上がりまくり。いいセンスしてるじゃない、次のバンドは何? Louis XIV?・・・ルイ14世って。なんてフザけたバンド名!とか笑ってるうちに始まりました。うっ。コレはヤバい(笑)! ファンシー系60年代ブリティッシュ・ビート風ファッションに、やってる曲が、コレはもうなつかしのダサ系チープなグラム・ロケンロー路線!! 思わずステージに向かって走っていた私・・・^^;; いいね~へたくそなのもお約束、メンバーのルックスも何気に可愛く、アルバムを買うのは微妙だけど、ライヴで観るぶんには楽しー!ということで、まずは予想外のウォーミングアップを完了。
 続いてThe Departure 。人気あるね~、前のほうとか人ごみだったので速攻で後ろに下がる。音は、あまりにヒネリなしの80年代NWなんでどうしようかと…(苦笑)。でもなかなか面白かった。ヴォーカルの雰囲気がなんとなくSuedeのブレットみたい(ルックスじゃなくてね)。後ろでまったりめに見てたけど、ギターが良いし、アルバム買おうかなって気になりました。
 その後ZAZEN BOYSを観ようと移動するも、なんと入場規制! 並んでまで観る根性はさらさらない私はアッサリ諦め、The Arcade Fire にそなえるつもりでソニック・ステージへ移動。そこで成り行きでBoyを鑑賞。アイドル・バンドか?と思うようなルックスにまずビックリ・・・(笑>普段、こーゆータイプを見慣れないので) 若くて一生懸命な感じが好感持てました。MCもカワイイ。ま、音は普通のロックとしかいいようがないけど。

 そして待望のThe Arcade Fire。セッティングさえメンバー自ら、という飾り気のなさ、しかし何故かみんなジャケットなしのフォーマル・ファッション(笑)。楽器の数もメンバーの数も多い。ステージ自体の雰囲気が、ロック系というよりは明らかに内向アート系に変わりつつある。そしていよいよライヴ! バンドに加え、キーボード、パーカッション、アコーディオン、ヴァイオリン&ヴィオラ、しかもそれぞれのメンバーが曲に合わせて楽器を持ち替える変則的な編成。オモシロい! ヴォーカルが少し小さいのが気になるけど、バンドのアンサンブルはしっかりしている・・・が! やたら激しい動きをするメガネ君(名前知りません。主にパーカッションとアコーディオン演奏してた)に目が釘付け!(笑) その彼にタックルかけて苛めてるのか?と思われる行動をしているメンバーまでいて(演奏してないし)、なんかちょっと不思議なパフォーマンスでした。それぞれが勝手なことしてるようで、全体は纏まっている、ロックの激しさではなく自由さを非常に感じるバンドで、単独来日公演を早く観たいよ~、と切望です! 音は全く違うけど、同じくカナダ出身のGod Speed You! Black Emperorを彷彿させるタイプのバンドなんだ、とステージを見て気づいたりしたことも加えておこう。

 The Arcade Fireを堪能したあとは、濃紫の爺さんたち=Deep Purpleを見物しにマリン・スタジアムへ移動。…外に出たらお日様が照ってるよ~~暑いよ~(>当たり前でしょ!)。
 そしてマリン到着と同時にHighway Star!それだけでアリーナに向かって走ってしまった私(笑)。
 えーと以後、HR/HMファン以外には訳のわからない固有名詞と曲名が連発されると思いますが、ご了承ください^^;; 私はPurpleは大ファンだった時期があり、再結成での初来日(もう20年近く前ですよ)にも行ったことがあり、彼らを観るのはそれ以来のこと。うわあ。なんかリゾート地のおじさん集団みたいなルックスだわ、全員! イアン・ペイスの金髪って何事なの? と、一瞬足が竦みつつ、歌うイアン・ギランが視界に入る。ああ~~確かに老けて声も出なくなってるけど、やっぱカッコいいよねえ!と思う私もどうかしてるかもしれない。そりゃロック・ファンお馴染みの懐メロ再生バンドになってるのかもしれないけど、本人達も楽しんでやってるみたいだし、痴呆防止にもなっていいじゃない! だってWoman from TokyoとかBlack NightとかSpace Trukin’とか生で聴けるんだもの、一緒に歌えるんだもの。ま、Perfect Strangersは、ドン・エイリーのおかげでレインボーのGates of Babylonに聴こえてしまい、やや困惑(苦笑)、そのドンのキーボード・ソロでMr Crowley弾かれたときにはウケまくりましたが…今どき長いソロ・タイムってのはどうよ。まあ、オリジナルでない新メンバー2人に気を遣ってるんだろうし、それ以外は良かったから不問にしますけどね(エラそうな態度だ;;)。観客も、HRの歴史を背負った爺様たちに敬意を払っていたし、なかなか和やかでいいライヴでした。

 さー、残り1バンドで、土曜の私的ハイライト、トレント(NIN)だ!
 という訳で、それに備えて成行き上観ることになったSlipknotですが・・・最前ブロックの後ろにいれば、まーそこそこ静かに見物出来ると思った私が甘かった・・・暴れたい盛りの少年たちの祭りバンドだったんだね。おかげでヒドイ目に会いました! …えーと、彼らは現代のKISSというかアリス・クーパーみたいな見世物要素の強いバンドで、たぶんスタンド席で観てればそれなりに面白いんだろうけどねえ…鑑賞余裕はまるでナシでした。ついでに倒れそうな女子を2人ぐらい助けました…;; あたしゃセキュリティ補助要員かい。
 あまりに理不尽な思いをしたので(私彼らのファンじゃないのに、なんでこんなにモミクシャにされて汗まみれなんだー、という…ファンの皆さん、ごめんなさい^^;;)NINでは絶対前に行ってやる~ッ!と滅多に出ない根性行使権自主発動! Slipknot終了と同時に、男波をかきわけ中央よりやや左寄りの2列目ゲット!! その頃には流石に年寄りな私は疲労困憊、セッティングの間気が遠くなりそうになりつつ、ココで倒れたら今まで耐えたことが無駄になる!と気を引き締め、ひたすら待ちかねた。
 5年ぶりに間近でまみえることになるDark Princeの帰還を。

【続く】

幕張・夏の陣 ~Dark prince Returns

2005-08-03 | 音楽
 この日曜に無事終了したFuji Rock Fes.だが、私の夏フェス本番は言わずもがなのSummer Sonic 2005である。 何ヶ月か前にもエントリしたように、今回サマソニ初参加の私の最大の目的は、烏の兄弟@Black Crowesなわけだが----なんなんですか、このとんでもない闇鍋ブッキングは!! 特に2日目のマウンテン・ステージは酷い。烏の前にPublic Enemyってさ(苦笑)。しかもその前は、えんえんメタル子さん達ですよ。なんて懐かしい、とか言ってる場合ではなく。おかげさまで、私はもうバカ兄弟@Oasisは観ません!決心しましたから。2日目は山(マウンテン)から降りず、マリン・スタジアムには一歩も足を踏み入れない覚悟ですよ! ちっくしょー、よもや本気でヤラれるとは思わなかったが、見事にステージ違いのトリ被りな烏とバカの兄弟に並ばれたら、私は烏を取るに決まってるじゃんかー(悔涙)!!

 とまあ、そのような悲喜こもごものドラマを既に祭り前に展開しつつ、ウッカリ買うのを忘れてたNine Inch Nails (NIN)の新譜『With Teeth』を、ようやく先月になって購入した私なのである。
 2日目の私的№1は烏兄弟だが、1日目のトピックは初来日以来5年ぶりに相見える暗黒王子ことトレント・レイズナーのNIN、なんだから。
 いやぁ~リリースから2ヶ月近くも放っておいて、誠にすまんかった!遅くなってごめんね、トレント。6年ぶりに聴くあなたは、やっぱりあなただったわね。
 彼も四十路近くとなり、その間いろんな依存症関連(主に酒と薬)のリハビリをしていたそうで、まさにこの作品はリターンというよりリバースな1作なのだという。しかし、もって生まれた人間の本性ってものはそう簡単に変わるもんではなく(変わらなくていい)ましてトレントほどの真性の変態表現者(>誉めてるのだ、当然)が、易々と矯正出来るわけもない。
 1曲目の“All the Love in the World”を一聴して、途端に「嗚呼~おかえりトレント~!」と涙ぐんでしまうような、暗黒インダストリアル・ゴス・ロックにして美メロ!トレント節が響き渡っておりましたよ。個人的には前作のインスト中心な『fragile』路線も非常に愛していたので、あの方向性を突き詰めてくれてもそれはそれで構わない、と思っていたのだが、やはり彼は根本的に唄わずには、叫ばずにはおれない人なんだね。それがなんだか嬉しくて、少しせつなくなった。“All~”のほかに私が特に気に入ったのは“The Hand that Feeds”と“Everyday is Exactly the Same”。相変わらず歌詞の言葉自体は暗いのだが、同時に重い決意と前を見据える力強さを感じさせる唄であり、ある意味で確かにリバースしたトレントを感じられる唄だと思う。
 ただし聞くところによれば、今作はファンの間でも賛否両論なのだそうだ。確かに、このアルバムにはかつてのような禍々しいほどのネガティヴ・オーラはなく、研ぎ澄まされてシンプルに美しい、元々彼が持っていたポップな部分を拡大したような聴き易い曲ばかりが収められている、とは思う。(音の作り込みの緻密さはスゴイことになってるが、それはまた別の話)あるいはそれは、自己模倣による自己確認、というリハビリの一環だったのかもしれない。
 だが、リハビリでここまでのハイクオリティな作品を仕上げられるところが、凡百の米産ゴス系バンドを引き離し屹立とそびえ立つ、暗黒王子たる由縁であり、私は全面的に今作を支持する次第である。
 そしてサマソニで再会する日には、思いっきり踊ってやるー!聴き惚れてやるー!と決めている。その夜まで、あと10日余り。中毒克服後は鬼のように鍛えまくってるらしいので(笑>さすが真性マゾだよ!)ステージに立つ王子はほとんどプロレスラー並の筋肉だったりして、中年デストロイヤーぶりにも磨きがかかっているのかもしれないが、そんなことも含めて5年ぶりのライヴを楽しみにしているわね、トレント。

(王子前には、まさかのDeep Purpleを観ることになりますが。いや、もうひっくり返りましたね! 再結成初来日以来のお目通りになりそうです、私。爺様たち、暑気中りで倒れないでおくれね~;;)

帰ってきた酔っ払い ~July.26 The Pogues @ 渋谷AX

2005-07-29 | 音楽
 新潟の苗場では、28日の前夜祭を含めて既に始まっているのだな、Fuji Rock Festival 2005。行ってる友人たちにココでエールを送りつつ。
 今回のラインナップが私的に今三つぐらいで、今年は見送りだな~と思った直後のことである。The Pogues決定!のニュースを聞いたときには正直一瞬、気持ちがグラついた。ええ~~マジですかっ?! しかもオリジナル・メンバーで、つーか、10年ぐらい前に「アル中のろくでしなしにこれ以上かまっちゃおれんのだ!」とバンドを放り出されたシンガー、シェイン・マッガウアンが出戻って来たってえ?! ・・・それは観なきゃいかんでしょう!と。その後、単独やるというアナウンスにホッと胸を撫で下ろしつつ(ついでに締りかけた財布の紐もゆるめつつ)速攻でチケ買いました。なんとしても生きてるうちに(・・・シェインがね;;)観なきゃいけないよね、コレは。

 ---などと書きつつも、実のところ、私は非常にコアな彼らのファンにはギネスのボトルで殴られても文句の言えない、薄いファンである。10代の頃少し聴いてたけども、長いことアルバムも持っていなかった。だが、アイリッシュ好きの病(?)が発覚してから、「そーいえば、あの酔っ払いのいたバンドはアイリッシュ・トラッド・パンクの基本で、かなりカッコ良かったよね~」などと思い返して、うっかりアルバム買ってハマったというクチ。
 だってさ。もう、メロディだけで泣けるんだもの。そこにシェインの荒れて、なげやりでありつつも色気のある、酒灼けした声の唄。それだけで引きずり込まれるのだ、彼らの世界に。シェインの唄は、すべてが一つの物語であり、1本の映画に匹敵するような深さと切実さを持って、聴く者の耳を捉えるから。
(たとえば『Ram, Sodmy&The Lash(邦題:ラム酒、愛、そして鞭の響き)』の"The Old Main Drag"。ロンドンに出てきた田舎の貧しい若者の、ありふれてるけど切なすぎる転落話。『If I Should Fall From Grace With God(邦題:堕ちた天使)』収録のビターなクリスマス・ラヴソングとしても超名曲な"Fairytale of New York"なんて、誰もが号泣しますよ!)

 彼らの曲は、アイリッシュ・トラッド~カントリーを基調にしたもので、言ってみればド演歌&ブルーカラー・ソングである。
 ときに郷愁の哀しみに酔いしれ、あるいは底抜けに陽気なメロディでブッ飛ばし、酒場で歌う唄。あるいは下町の片隅で、薄汚れて酔いつぶれた男たちが見る夢。こんなはずじゃなかったのに、気付いたらこの体たらく。とんだお笑い草だ。・・・でも、それでも懸命に生きてきたつもりだったのに。
 それは底辺を這いつくばって、しぶとく生き抜いてた労働者のプライドの唄でもある。イングランドでもアメリカでも貧しい移民だったアイリッシュ。あそこに行けば夢がかなうと、暮らし向きが良くなると信じて、海を越えていった人々の唄。
 おかしいよね、私は極東の東洋人で、アイリッシュじゃないのにさ。なんでこういう唄を聴くと涙腺が熱くなるのだろう。まあ、先祖が海を越えてきた人たちなのかもね^^) 日本も海に囲まれた島国だから。
 いやきっと、そんな理由だけじゃない。世界のどんな人種であれ、移民や漂泊民といった人々の唄には、理屈ではなく人の魂を高揚させ、激しく揺り動かす魔力があるのだ。たとえ言葉の意味がわからなくても、聴いた途端に涙が溢れてしまう唄、というのがあるのだ。だから彼らの唄は普遍なんだ。歌い継がれて、永遠になるのだ。

 ・・・やや話が反れたけど、とりあえずThe Poguesの唄は英語、しかもそんなに難しい言葉なんて使ってないので(笑)歌詞がどれだけ素晴らしいかというのも、聴けばわかるはずだ。ただの呑んだくれではないのだ、シェインという男は。
 だがしかし、やはり中毒持ちってのは致命的なわけで、たぶんそう長くはないのだと、ファンの誰もが思ってたようだ。生きてるってだけで、しかも日本に来ちゃうってだけで奇跡。半ば冗談めかしつつも、溜息交じりでそんなふうにささやかれてたらしい。(>ちょっと大袈裟かも^^;;)

 そして当日、7/26。折りしも関東地方は台風警報発令、夕方からは首都圏直撃、と言われた夜。交通マヒが予想され、会社にも「今日は早くあがっていいよ」などと言われたが、早くあがってもライヴ開演は19時なのだよ、課長。
 それより何より、嵐の夜に帰ってきた酔っ払いとその仲間たちのライヴが、なんて燃えるシチュエーションじゃないか! と、会場に集結したファンの誰もが同じ思いに燃えていたらしく(笑)すでに渋谷AXの熱気(&湿気)は最高潮。
 さあ、そして幕は上がった!

 おおおおーーーメンバー全員、当たり前だが既におっさん集団だ!!(泣笑) そしてシェーーーンッ!!・・・太ったと聞いてはしたものの・・・太ったというか、顔はむくんでいる??そして、なんか腹の出方がただのビール腹というには不安を感じるような腹回りで・・・いいや、それでも! 彼の姿を目にした満場の地響きのような歓声に応えて笑い、ピース!とかして、でも確実にへろへろ~でヨレヨレ~~、なのに、それでも! 唄い始めたら無条件に「嗚呼~~シェインが、シェインが!!ナマで唄ってるぞー!!」という感動が突き上げ、既にクライマックス突入のファン達ですよ!! ファン達、かつてのパンクス含め勿論全体的にかなり年季入ってます^^;; しかしそれだけに、無闇やたらな熱気も半端なものではないわけですよ。 私は、ちょっと後ろのほうで観ていたけど、とても気持ちのいい盛り上がり方なんだよね~。
 だからステージ上のメンバーの表情も、だんだんその熱に煽られて笑顔になっていく。演奏もどんどんタイトに、だけど程よくリラックスした空気に包まれていく。
 もちろん演奏曲は、ズルいぐらいのヒットパレード状態。もう何度もイントロだけで悲鳴を上げつつ涙がこみ上げ、一緒に唄うと本泣きしそうだったので、聴くことに専念しようとしたか。(それでもやはり“Thousands Are Sailing”では泣きましたよ・・・遠いステージが涙でにじんで悔しかったさ。ただし唄ったのはシェインじゃなくて、曲を作ったフィリップだったけど。彼もイイ声!もっとも、メンバーのほぼ全員が持ち回りでヴォーカル取っていくんだけど、つくづく皆唄うまい・・・それぞれ個性的だし)
 シェインは、自分が歌わない曲になるとさっさとステージ袖に引っ込んで、終盤とか若干息上がってしまってたようだけど、それとは逆に、気持ちはノリにノッてるというのが感じられる唄声。ホントに、すごくしっかりとした、アルバムで聴くより数段荒っぽくも艶のある声で、これが本当に一時は生死を危ぶまれた男の声なのか?というほどで。たぶんそれは、観客の良さが相当影響してたと思う。シェインは本編の最後で「お前らほんと、すげぇよ!グレイトだぜ!」とお辞儀をした(それ以外のMCは、歯抜けの酔っ払いが喋ってるので^^;; 何言ってるのかイマイチ不明だったのだが、コレだけはハッキリ聞こえた)。
 本当にシェインはご機嫌だったらしく、当初予定のアンコールが終わっても自ら「もっと聴きてーか、お前ら!?」なんて叫んで、立ち去ろうとするメンバーを引き止めて(笑)ダブル・アンコール!!
 ・・・・素晴らしい。この至福感は言葉に尽くせない。それほど見事なシェイン復活ライヴであり、The Pouges、そして愛蘭万歳!!な一夜であった。Fujiでの彼らを観れないのは悔しいけど、だからこそ、この夜を彼らと過ごせて心の底から楽しかった。

 汗にまみれて外に出ると、既に台風一過の様子。いや~きっとコレはThe Pougesの皆とファンの熱気の神通力だね(笑)!などと強気に舞い上がれるほど、熱かった彼らにギネスで乾杯!しつつ、更けた真夏の一夜であった。

狂熱のMatsuri Session LIVE!

2005-07-26 | 音楽
 2005年7月19日・ZAZENBOYS in 渋谷AX。 去年末にドラムのアヒト・イナザワが脱退してから、私が彼らのライヴを観るのはこの日が初めて。

 ナンバーガール後期からファンになった私だが、アヒトのドラムは向井秀徳の唄と並んでやはり必要不可欠だと思っていただけに、脱退のニュースは本当にショックだった。もしかすると、ナンバーガール解散よりも愕然としたものだった。あのタイトに弾けまくりながらも、ZAZENリズムのボトムを支えるドラムが無くなってしまったら、どうなってしまうのか、と。
 だが、心配しても仕方ない。ZAZENBOYSはナンバーガールより更に先鋭的に、向井のやりたいロックを鳴らすためのバンドであり、メンバーの志向性もそれと拮抗できるものでなくてはならず、私も、彼らはそれで良いと思っていたのだから。予定調和のお約束で出来上がったバンドではなく、メンバー個々の主張が有機的にガッツリと絡み合い、ぶつかり合いつつも、切磋琢磨していくようなバンドを目指しているのだと思ったから。
 そうは言っても、やはり開演迄はさほどテンションも上がらず(苦笑)彼らが選んだメンバーなんだから少なくともテクニック的には申し分ないはずなんだろうね、ぐらいのややナメた態度でフロアでまったりしていた。がっ。

 いやあああ~~踊った踊りまくったよ!! もうサイコーに気持ちよかった! 恐れ入ったね、ZAZENの兄貴たち!(みんな年下だが;;)と、心で土下座状態。 取り越し苦労というか、杞憂ってヤツはどうにもファン心理としては頭をもたげるものだけど、もっと奴等を信じてなよワタシ!なんて舞い上がるほどに、途轍もないライヴでありましたね。
 だって何かもう、バンドの音塊の質が確実に違うもの。ゴリゴリの超合金というか(笑)バンド結成時から向井が目指すところと公言していたZEPっぽいガッツリしたバンド感(音楽性のことではない。音の系統は変わらずPUNK~NWである)は、明らかに今が最強!な空気になっちゃってますよ! 完全なるネクスト・レベル。新加入の松下敦@柔道二段(笑>向井の紹介)の、繊細さと爆発力を備えたドラムからは気合がびしびしと感じられ、かつバキッとZAZENのビートを合わせてて、申し分なし! 勿論、その気合に応えるメンバーの演奏してるサマもあまりに楽しそうで、なんだか高校生バンドみたいだったよ(笑>ただしバカテク)。俺らこんなに色んなことが出来て楽しいぜーっ!って感じですか。ブレイク連発、インプロばんばん決めて、ヘタすっと客より自分たちのほうが嬉しそうで、それはそれで微笑ましい光景であった。
 特に、後半の流れはまさにツアー・タイトル“matsuri session”の名の通り、ハードコアにグルーヴしまくり! 夏の熱気を巻き込んだリズムと旋律の渾然一体音獣が、会場狭しと暴れ狂っておりましたよ。まこと、新生ZAZENBOYS天晴れ、見事也!

 ・・・まあ、それでも向井秀徳はやはり部長キャラだったし(>ごく身内での呼び方です・・・部長っぽい言動なんで^^;;)町田のヤンキー(b/日向秀和)はうねりまくるベースラインの熱い漢で、カシオマン(g/吉兼聡)はヘラヘラしながら関節技な変態ギターであったけどね。
 
 ただし一つだけ、これまた杞憂かもしれないけども。個人的にはZAZENというバンドの魅力は、向井の詞あってのものだと思っている。だから今後、あんまり本人たちが演奏面で楽しみ過ぎちゃうとなあ・・・と思わないでもない。が。現在は新メンバーで出す音に自分たちでもワクワクしてる段階みたいなんで、多少落ち着いて新譜レコーディングの時期になったら、また違う感じになるんだろうな。 きっと、そうだと思う。

 次に私が彼らに会えるのは、直にやって来るSummer Sonicになる。その他の夏フェスを経て、8月末にはツアーが終わり、そしたらいよいよ新作にとりかかるのだろう。
 シングル『Himitsu Girl's Top Secret』のハイブロウな5曲に続く、真剣勝負のmatsuri sessionフル・アルバムが、早く聴きたい。

Musical Baton >マイケル・ボルトンじゃないよ!

2005-06-21 | 音楽
 つまんねーコト言ってるな!というツッコミが入りそうですが、ワタクシ、マジで一瞬そう読んだんだもの~(苦笑)!「マイケル・ボルトンがどーかしたの?」って頭がこんにゃく化。全っ然テリトリー外の人ですけどね・・・べら棒に唄は上手いよね~ブルーアイド・ソウルだよね~ぐらい??。。。まったくもって引っぱるネタでもないので、とっとと行きます。

 kaollyさんよりMusical Baton(概要はコチラ)が回ってきました。
 音楽系ブログでよくお見かけしますが、ウチは殆ど映画中心なんでいいんだろうか・・・と気後れしつつも、こーゆーのに答えるのって初めてなんでドキドキ(笑>ちょっと嘘^^;;)。
 とりあえず、こーゆーのはお遊びってコトで、かる~い気持ちで答えましょう。と、就業時間中に書いてるワタシ・・・以下どうぞ!

①コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量
 PCで音楽聴かない人なんで、なし

②今聞いている曲
 今? CDウォークマンに長いこと入ってたのはAC/DCのアルバム【High Voltage】。徒歩通勤の友として、AC/DCに適う最強アイテムなし(笑)!

③最後に買った CD
 『バットマン・ビギンズ』の帰りにタワレコ寄って買いました。
 ○The Tears 【The Tears】
 ○Black Eyed Peas 【Monkey Business】

④よく聞く、または特別な思い入れのある 5 曲
 こーゆーのが一番困るんですなあ、私のような浮気性の場合;; でも人生的に変わらないと思われる特別な思い入れのある曲について、今、頭に浮んだ5曲を列記してみる。

 ★David Bowie “Moonage Daydream”(名盤【ジギー・スターダスト】収録)
 ★Mott the Hoople “All the Young Dudes”(これまた名盤【すべての若き野郎ども】収録)
 ★Lou Reed “Berlin”(【ベルリン】収録)
 ・・・モノっ凄く分かり易い偏りとアナクロっぷりを晒しておりますが、以下は90年代以降。
 ★Manic Street Preachers “You Love Us”(デビュー盤【ゼネレーション・テロリスト】収録)
 ★Pearl Jam “Jeremy”(デビュー盤【テン】収録)

⑤バトンを渡す 5 名
 ・・・私、友達少ないんですけど~・・・縋るような気持ちで、マイ・ブックマークの中から・・・
 AKIさん、マジさん! このエントリを読まれたら、大変恐縮かつ大迷惑かもですが、是非とも宜しくお願い致します。ちなみにパスしても全然構わないらしいし、ご覧の通り「5」人じゃなくても無問題らしいよ(笑)!