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傍流点景

余所見と隙間と偏りだらけの見聞禄です
(・・・今年も放置癖は治らないか?)

『Gods and Monsters』('05)/I AM KLOOT

2005-05-20 | 音楽
 あと1ヶ月もすれば、憂鬱な梅雨の季節がやってくる。そしてI AM KLOOTの出番である。

 '01年『ナチュラル・ヒストリー』でデビューした、英国マンチェスターのトリオ。実はこの年のフジ・ロックで来日していたらしいのだが、私は見逃してしまった。(・・・ManicsとTricky目当ての初日に行って、さっさと帰ってきてしまったよ^^;;)というか、そのときはまだ彼らの存在など知らなかった、というのが正しい。その後、WOWOWで放映されたフジのライヴ・ビデオを友達に貸してもらったところ「おお・・・!いい歌唄ってる人たちじゃん」と膝を乗り出してしまったのが、このI AM KLOOTなのだった。
 しかし、音と唄に惹かれてグッとテレビモニターを観たものの・・・じ、地味ッ! なんつーかそのう、いかにも無愛想かつ不景気そうな英国ワーキングクラスの、ややトウが立ったあんちゃん達であって(画像参照)しかもアコギ抱えたヴォーカルなんて、椅子に座っておるわよ。そんな有様にいささか面食らいつつも、やはりこの地味男の唄はいい。すごくいい声だし。冴えないツラしてるけど、このあんちゃんの唄と爪弾くメロは素晴らしい!
 というわけで、早速彼らのアルバムを買いましたところ、もうあまりに心に体に馴染みすぎて、困った。(嬉しかったけど)
 一言で表すなら、彼らの音楽はメランコリーだ。灰色の曇天の下、いつ止むとも知れなく降り注ぐ雨のような。雨は確かに気分を揚げてはくれないが、この音のように、静かな雨はむしろ嫌いではない。哀感とぬくもりと、ささやかな美しさに包まれるような気になるから。

 マンチェスター出身とはいえ、バカ兄弟@Oasis系の音にはカスリもしない(笑>ワーキングクラスってとこだけかな、共通点)。以前、Turin Brakesのエントリでも書いたけど、むしろSSW系であり、ヴォーカルのジョニー・ブラムウェルは明らかに英国の伝統・偏屈唄歌いの系譜である。個人的に、彼らとの近似性を感じるのは故エリオット・スミスと、ソロになって間もない頃のニール・ヤング・・・って、2人とも米国人じゃん!^^;; なんだけども、まあそれはメローさや音における間の取り方が近いということであって、楽曲自体はむちゃくちゃ英国!!であるからして、UKアコースティク系をこよなく愛する人には是非ともお薦めしたいバンドである。
 ただし、あんまりカッチリと「バンド」とか「ロック」って曲ではないし、和み系でもない。フォキーでもありキャバレーソング風でもあり、ねじれてところどころ尖ったポップ感は、当然イマドキのバンドとは一線を画しているというか、ひたすらマイペース(良く言えば)。たぶんバンド仲間も少ないだろうし、欲しいとも思ってない(苦笑)つるむの苦手だし流行はどーでもいい・・・そんな音楽である。しかし、彼らの核を成しているこうした部分が、非常に馴染む人には馴染む音であり、それは3枚目のアルバムとなる今作でも変わりようがない。(ちなみに2作目は、タイトルがまんまバンド名、しかも真っ黒なジャケに白抜き文字のみ、というあまりにハッキリし過ぎた態度だったせいか;; 日本盤未発売である)
 ただし、これまでに比べて、全体的な音像に開かれた雰囲気が出てきた。そして、更に自分たちの在り方に確信を強めた曲作りをしているように感じる。どこにでもありそうで、ない唄。自分達のひねくれ加減と世の中のバカバカしさをいとおしむ余裕、だって俺もみんなそんなもんだろ、と優しく突き放すジョニーの声。
 本当に彼の唄はいいなあ、と改めて思う。誰だっていつも楽しいわけじゃないし、いつも哀しいわけじゃない。その狭間で生きているんだから。

 そんな風に思いながら、やはり灰色の空の日には『Gods and Monsters』を聴くと、気持ちが落ち着いてくるのであった。

 ところで、今作は日本盤が出たので(・・・)それを買ったんだけど、ライナーノーツに載ってたジョニーの発言や、6月号RO誌のインタはなかなか面白かった。「ブレヒト/ワイルの『三文オペラ』を聴いてからソングライティングを始めた」とか「個人的にはダムドやピストルズやスカが好きなんだよ。ニュー・アコースティクなんてレッテル貼られちゃたまったもんじゃねえ!(大意>でもニュアンス的には絶対こんな感じなはず!)」とかのたまっちゃってさ。
 なるほど、そう聞けばあるいは、ブレヒト/ワイルとパンクの間を繋ぐのがI AM KLOOTの音楽、とも言えるのかもしれない >少なくとも、私の中ではかなり納得であったわ。

※ 完全な余談ですが。一時期、私もブレヒト/ワイルにはハマったことがあった。きっかけはルー・リードやマリアンヌ・フェイスフル、トム・ウェイツやダグマー・クラウゼ等錚々たるメンツによるオムニバス『クルト・ワイルの世界~星空に迷い込んだ男』を聴いたこと。それまではボウイやドアーズで有名な“アラバマ・ソング”くらいしか知らなかったんですがねえ。アルバム自体超傑作です。レコード持ってたので油断してたら、いつのまにCDの『クルト・ワイルの世界~』は製造中止に!(涙)信じられな~い。・・・零細ブログの端っこで、熱烈再発希望を叫んでみたい気分である。

点景メモ① ~音楽編

2005-05-17 | 音楽
○ このところ、AC/DCの2枚組DVD『Family Jewels』で検索してくださる訪問者の方々が増えている。なのに! 全く期待に添えない内容のブログで申し訳ない限りであります;; 
 発売予定から延期すること約20日の本作、もちろん既に買いました!観ましたとも!ええ。 ・・・にも関わらず、在りし日のBon Scottがーーー(涙)! 彼のあまりの素晴らしさに、私はいまだコレを冷静に観ることも、語ることも出来ない有様なのだ。私ってば、骨の髄までBon Scott原理主義者!ということを痛感してしまったのである。
 というわけで、2枚目は未見です。ごめんなさい、現役AC/DC、及びファンの皆さま。
 Bon Scottミーハーに徹した渾身全曲レヴューにいずれ挑んでみたいと思っていますが、内容的には先述の通りとなりますので、あしからず。

○ レヴューといえば、新譜。U.K.はマンチェスターの、不景気そうな顔した地味ロック・トリオ(笑)I Am Kloot『Gods & Monsters』が我的ヘヴィ・ローテーション。これもあんまり遅くならないうちにアップする計画。
 ・・・以前、レヴューに挑戦したものの挫折したのが吉井和哉のソロ2ndだが、あまり書きたいことがなかったので止めた。勿論出来が悪いと思っているわけではない。好きな曲も何曲かあるし。しかし、私には・・・1stから後退した音になったかな、というのが率直な感想だったから。正念場は次作、になるんだろうな。


○ ほか、既に発売しているけど未購入やら、今月発売のものやら新譜はラッシュなんで、忘れないようにメモメモ(少ないじゃん;;)。

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○ ところで先週の土曜5/14、新木場のクラブになんとBoy GeorgeがDJで来る!というので、慌てて観に行った。 あのCulture ClubのBoy Georgeですよー! 
 歳がバレるが、ニューロマ全盛時代というのがちょうどマイ洋楽初体験時。なので、私の洋楽カラオケ十八番はCulture Clubであります。(70~80年代モノしか唄わない気もするけど^^;;)
大好きだったんだよな~彼らの曲もBoy Georgeの唄も(ルックスはまあ・・・横におくとして)。だから、出来ることならライヴをやって欲しかったけど、とりあえず彼の生の姿を観たこともなかったので、物見遊山(?)も兼ねて駆けつけた次第。
 さてDJブースに現れた、当然メイクばっちり!なBoy Georgeは、笑顔も姿も(笑)ほぼ昔通りで、可愛かったです~。投げキスしたりお手振りしたりしてね。そんな彼に向かって、フロアで横断幕持って飛び跳ねてたお嬢さん(元、か?^^;;)たちにはビックリよ・・・エライかも。
 とりあえず、クラブで夜明かしなんて久しぶり。おまけにHouse/Technoで踊るなんてね~(ちと単調で飽きるのよね、このへん)。やはり私は、踊るなら生バンドかブラックリズム系じゃないとノレないかも、と確認できたのは良かったのかなんなのか。ついでに、踊って朝帰り後の、体力快復が遅いのなんの(爆)! おかげで日曜はほぼ寝て終わりでした・・・とほほ。

Asian Dub Foundation ~Tomorrow Begin Today

2005-04-21 | 音楽
 既に一週間経過してしまうけど、4月15日にAsian Dub Foundation(以下ADF)in Zepp東京に行ってきた。
 はぁ~~・・・今思い出してもシアワセな気持ちになる。というか、彼らのライヴに接するといつだって多幸感に包まれる。ここ3週間ぐらいはCDウォークマンの中味もADFなんだけど、少なくとも来月になるまでは維持されそうな勢い。
 ADFは来日がある度に行っている数少ないバンドの一つではあるけど、コアなファンではないので今回も観るまではそれほど力入りモードではなかったんだけど(苦笑)始まってみるとやっぱテンション上がってしまうわけよ! こんなにライヴ中に踊り過ぎ、跳ねすぎで酸欠状態なのに(いや、だからか?)ナチュラルハイになれるのは久しぶりだった。渦中にいる間は、ちっとも疲れたとか脚痛いとか感じないのだよね、オソロシイことに。まだまだイケル!の気概がむやみにみなぎってしまうわけだが、終わってしばらくすると途端にドーッと疲れが出ちゃってさ・・・無理の効かない歳を実感しますね。ま、でもいいんだ。サイコーに幸せな夜だったから!!(お台場Zeppは職場帰りには遠かったけどね・・・;;)

 最新アルバムの『TANK』を聴いたときにも明らかに感じたのだけど、彼らはネクスト・ステージを迎えている。 
 '03年の前作『Enemy of the Enemy』から、MCがバンドのアイドル・ディーダーに代わって、ジャマイカンのゲットー・プリーストを加えた現行の3人体制になってから再構築された彼らの音。正直、当時の来日ライヴは、アルバムはともかくライヴでは発展途上だな、と思わされたのだけど、今や完成に向かっていることが今回のライヴで明確に感じられた。
 おそらく、いまだにディーダーを懐かしむファンも多いとは思うし、私も彼のMCは大好きだった。だかそれは既に過去だ。現在の彼らは、よりダビーで軽やかに柔らかに、音のヴァリエーションを広げている。ただ若者たちを跳ねさせるだけの音楽ではなくなってきているのだ。彼らが影響を受けていると語るP.I.L.やPop Groupがそうだったように、ダブなどのブラック・ビートを基盤におきつつ、更にハイブリット度と自由度を高め、より深化した音に向かっていくのではないだろうか。

 それでも彼の核である「熱さ」「楽しさ」に満ちたライヴ・パフォーマンスは変わらない。デビューから一貫して、極めてポリティカルかつ辛辣なリリックが多いにも関わらず、これほどポジティヴな気持ちで躍らせてくれる現存のバンドは彼ら以外には思い浮かばない。 それこそがADFを愛する所以である。

 彼らも、日本でのライヴをいつも本当に愛してくれている。こんなにMCで日本語の飛び交う来日アーティストはいないよ!ってくらい、みんな喋りまくりだし(笑>ほとんどのメンバーがMC係)。それが笑えるくらいウマイんだよね!いちおう標準語なのにも関わらず、ノリが何故か関西ってところも面白すぎである。ちなみに彼らはバンド名の通り、国籍はUKだが人種的には南アジア(パキスタン、インド等・・・今はジャマイカもいるけど)だから、余計にお互い色々と感じるところがあるのだろう。

 個人的にお気に入りであるチャンドラソニック(g.)は、日本は2nd homeだと言ってくれてた。更にインド、バングラデシュ、アジアの国々・・・アフリカ、ジャマイカ、そして日本を音楽で一つにしよう!戦争のない世界を目指そうよ!(大意)なんてことを言って泣かせてくれる。彼らは本気で、それを信じてることがわかるから、なおのこと。

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 今回、この記事を書くまでの間、彼らが伝えてくれたこと、それを信じようと思う心が揺らいでしまいそうな出来事が世間を賑わせた。まあ、それ以前から日本の状況がイヤな感じになってはいたんだけど・・・
 しかし。そんな情緒に流されて、徒に悲観的になっててはいかんのだ。
 彼らのライヴを何度も思い返し、音を聞き続け、改めてそう思った。信じるに値する明日の在り処は遠いかもしれないけど、それでも僅かずつ努力しなくちゃ、ね。

今年の夏フェス/帰ってきたカラスの兄弟

2005-03-19 | 音楽
ここ何年かの東京の夏の猛暑は異常である。特に冬生まれの人間にとっては耐え難い。カラッと暑いならまだしも、地獄の釜の底かと思うような蒸し暑さ。夏は季節自体が天敵。そう思っているロック・ファンは少なくないと思うのだが、フェスティヴァルだけは別。これがあるから耐えられる。
 と、いうわけで、私もここ何年かは避暑も兼ねて新潟は苗場スキー場を会場としたフジ・ロックフェスティヴァルに参加していた。苗場の夏はいい。山だから空気が澄んでて、数日間だけだが、その期間中はずっと音楽に身を委ねていられる。行けば楽しめる空間がそこにある。ただし、財布的にはお手軽なものではないので、私の場合は一応、目当てのアーティストやバンドが来るというのが最低条件ではある。例えば去年の最大の目当てはLou Reed、あとは細かくFranz Ferdinand/ Yeah Yeah Yeah's/ PJ Harvey/ !!!/ Soundtrack of our lives/ The Stills/ Ash/ Zazen Boys等があり、予定外の衝撃アクトとしては、観るのは初の早川義夫と、かなり充実した内容のフェスだった。
 しかし今年。現在のところ発表になっているフジのメンツは、今ひとつ私的に「オオッ!」となるものがない。あーー今年の夏はフェスが無いと辛そうだなあ~財政的には助かるけど~~・・・なんて思っていたら。
 これまでは「若者向きなメンツばっかだし幕張だから避暑にはならんし、屋内ステージは密室だしフジほど雰囲気を楽しめない」という芳しくない評判を聞いて無視し続けていた、もう一つのロック・フェスティヴァルSUMMER SONIC。ところがどっこい、今年。思わず目を疑うようなメンツが発表された。 ⇒ 
SUMMER SONIC 2005

 うっひゃあ~~~ッッ、なんだコレ?! 初来日以降ご無沙汰しちゃってたし、盛り上がりのピークは過ぎてるけど今だにファンなトレント総裁率いるNIN、今更ながらにハマりの筆頭・バカ兄弟@oasisもさることながら、私的最大のトピックは復活カラスの兄弟@The Black Crowesですよ!!!! おまけに、先日レヴューで取り上げたThe Arcade Fireまで・・・!!
 もうね、この情報教えてくれた友人たちにも言われましたよ、「あなたの為のサマソニだね」と(苦笑)。ホント、これは今までサマソニを見向きもしなかった私に対する挑戦、いや、切り札勝負なのかと・・・! 参ったね。そう来られたら行くしかないでしょう。わかった、行くぜ、行ったるわい!!(>無駄に喧嘩腰^^;; 単にアドレナリン上昇気味ってコトで)

 え~と、ここで私的トピックのThe Black Crowesについて。主に記憶を頼って書いているので、細かいところは違うかもしれないけど、ザッとご紹介しましょう。彼らは米国アトランタ出身、クリス(vo)とリッチ(g)のロビンソン@カラス兄弟(眉毛兄弟と違って、全然似てないのよ・・・)が中心の、激シブ路線のアメリカン・ブルース・ロック・バンド。具体的にはストーンズ、フェイセズ、ハンブル・パイといった英国系+レイナード・スキナード等のサザン・ロック、グレイトフルデッド辺りがよく引き合いに出されますね。そんな音で'90年のデビュー(笑)。以来私はかなり愛好しておりました。日本でも彼らはコンスタントな人気を保ってたはずで、90年代のバンドとは思えないほどオーセンティックかつグルーヴ溢れるロックンロールは玄人ウケも良く(Jimmy Pageとライヴなぞして、アルバムも出してる)、特に英国あたりでは高評価だったと記憶してます。おまけに、当時はルックスもかなり良かったし(画像参照:左が兄クリス、右が弟リッチ)安定したバンド・アンサンブルでライヴ・パフォーマンスも素晴らしかったのでした。(私はクリスのヴォーカルに惚れていた。ライヴでも、いろ~んな意味で彼からは目が離せない)

 私は彼らの92年初来日には当然行ったものの、その後の来日公演は何度か中止の憂き目に合い、やっと再来日を果たした99年のフジ・ロックには行けなかった。(っていうか、敢えて行かなかったんだな。カラスぐらいしか惹かれるバンドが無かったし) ところがそうこうしてる間に、いきなり'02年頃兄弟喧嘩勃発! バンドは活動休止! 兄弟別々にソロで再出発!なんつーニュースに呆然蒼白。
 いえね。カラス兄弟は、デビュー当時からあんちゃんのクリスが異常に弟サイコー!って感じだったんですよ・・・ちょっと気持ち悪いぐらい^^;; 仲良きことは美しき哉とはいえ、普通血縁をココまで誉めるってどうなの?みたいな。それがまさかの仲違い・・・まあ、家族って難しいからなあ・・・。特にバンドに家族がいて、しかもそれが主張の強いヴォーカル&ギタリストってことになると、古今東西いろいろ大変な例はたくさんあるものですしね。しかも伝え聞く喧嘩の原因があんちゃんの嫁問題(嫁はあの女優ケイト・ハドソン! なんでも彼女がバンドのことまで口出しするタイプだったらしく、それが弟は頭きちゃってたらしい)ってのが、妙に現実的で脱力しちゃったもんです。ま、でも兄弟喧嘩なんていつかは収まるもんで、ここは気長に待つしかないよな、と思ってたら、去年のフジ・ロック。
 ・・・実はクリスあんちゃんがソロで来てたんですよ・・・が。私にとって酷だったのは、あんちゃんの出番はLou Reed御大の真裏だった、ということです。Lou爺さんは、私の中ではBowie、Ian Hunterと並んで別格長老なんで、いかに12年ぶりのクリスあんちゃんと言えど、Louをソデにするなんて私には出来な~い!年寄りは大事なのよ~!というこで、本っ当に涙を飲んでお見送り・・・これほど同じフェス内でのセット・バッティングを恨んだことはありませんでした。

 だがしかし。果報は寝て待ての通り、今年の初めには弟リッチがクリスあんちゃんと仲直りライヴやったという速報に小躍りし、とうとうお待ちかねの復活!! 待望の再来日ですよ!! 嬉しい・・・ホント、良かった~~(感涙)。
 ちなみに。笑えることにカラスの兄弟は、英国のバカ兄弟と結構仲良しだったりする。過去に“Brotherly Love tour”なんつー、あまりの臆面の無いタイトルのツアーでジョイントしてるので、今回のサマソニでは是非ともその再現を狙った流れを作って頂きたいですな。オールド・スクールなロック・ファン&両者兄弟愛バンド(・・・)の再結束を固めてもらう意味でも、期待してますよ、クリエイティヴマン様!!(笑)

AC/DCの集大成DVD『Family Jewels』追加情報

2005-03-15 | 音楽
HMVより、2005年4月20日・国内盤発売!予定のお知らせ

 わ~~いっ、万歳三唱!! というわけで、単なる音楽系覚書。
 以前の記事でも懸念していたAC/DCの『Family Jewels』日本盤が目出度く発売となるようです! ↑リンク詳細にもある通り、2枚のDiscのうち1枚はBon Scott時代オンリー!! これはもう絶対買います。買うしかありません。正しくBuy or Die!! 予約だ、予約。

 4月はいろいろとチェックしたい新譜もあるし、ADFのライヴもあったり、下旬には愛するMick Ronsonの命日イベントもあったりするので、とりあえずジックリと鑑賞するのは5月になるかな~と思うのだけど、Bonの在りし日のAC/DCにどっぷり浸かる日を今から計画しようね、私。
 ・・・前回のTurin Brakesの素朴スイートなアコースティク坊主たちとは180度方向転換、世界のトラッカー野郎どもの心の兄貴たち・汗臭さ満点のAC/DCまで、いろいろ愛するものの幅があるってことで、我ながら贅沢者(だから常にビンボー^^;;)だと思いますわ。ほほほほほ。

Turin Brakes

2005-03-14 | 音楽
 さてさて、先にKiLAの旧譜だのThe Arcade Fireを紹介してしまったが、最近のヘビロはTurin Brakes。やはりそろそろ春先、柔らかく気持ちを包んでくれるスウィ~トな音が欲しくなる。ほら、この写真のゲイルくん(手前・担当ギター&コーラス)も負けずにスウィ~トでしょ~! 俯き気味な方は、メイン・ヴォーカルのオリー。UK系のヴォーカリストってのは、若干辛気臭い(・・・)あるいはええかっこしいな文学青年風と相場が決まってる(>偏見)。ついでにオリーは、フィルムスクールに通ってたというから完璧だ。アート志向?(笑) なんつーか、見た目通りのキャラなのは良いことですなあ。誉め言葉ですよ、勿論。私的タイプなのはゲイルだけどさ^^)
 Turin Brakesは、ともに南ロンドン出身・小学生からの幼馴染であるオリー&ゲイルによるアコースティック・デュオ。かわいらしくも、聖歌隊でも一緒に唄ってた仲らしい。その後、お互いブランクがあり、再び出会ってTurin Brakesを結成、'99年にデヴュー。'01年に1stアルバム『the Optimist lp』、'03年には2nd『Ether Song』をリリース、UKではデビュー時からかなり高く評価されていたらしい。
(しか~し。ここで重大な問題が。2ndは国内・輸入盤全てCCCD・・・聴きたい欲に負けて結局買ってしまったけど、かなり苦渋の選択でした・・・ ⇒ と思ったのですが、本日再度密林・HMVのサイトを調べてみたところ、2ndはボーナス・トラック入り等のバージョン違いが何枚か出てまして、CCCDではない盤もあるようです。すみません、事実誤認でした;;

 私が初めて彼らを知ったのは、'03年の2nd発売の頃だったと思う。当時TVKというローカルテレビには洋楽番組があって、そこで彼らのPVを3つほど観たのだ(このPVも面白かった。さすがフィルムスクール出の人がいると違うわね(笑))。そのとき「おお~メロウでいい感じのきれいな曲書く人たちだねえ~チェックしなきゃ」と思っていたのに、気付いたら2年近く放置してしまったらしい^^;;  メモとかマメに取ったりしないタイプなんで、いざCD屋行っても忘れてたりするのだ。まったくふざけた音楽ファンだ、と我ながら呆れる・・・。そんな訳で、今ごろ盛り上がっててすみませんです。
 しかし自慢にはならないが、私は一度良いな、と思ったものはかなりしつこく覚えてる。しかも、かなりグッドなタイングでそれを思い出したりするのだ。先日の映画『ダブリン上等!』で彼らを思い出し、今度こそ!と買ってからいざいろいろ調べたら、丁度今年の夏前頃に3rdアルバムを出す予定だというじゃないの! ああ~ホント、ついてるぞ私♪(>どこまでも自分の都合でモノを言う。ビミョーなタイミングでライヴを逃した鋏姉妹のことは今は忘れましょう^^;;)

  彼らは、よくコールドプレイとかスターセイラー、トラヴィス辺りを引き合いに出されるようだけど、正直それほど、その辺と被ってるとは思わない。もっとSSW系というか、個人的には故Elliott Smithとか、マンチェスターのI am Klootと同じ系統に入るというほうがしっくりくる。でも、この2つよりも更に素朴でポップなアコースティク寄りで、ナイーヴ過ぎない明るさがあると思う。メランコリックで内省的ではあるんだけど、ほのかな暖かさが常に漂ってる感じかな。それはオリーの声によるころが大きいのかもしれない。彼のヴィブラートのかかった妙な美声(ファルセットも多い)は好き嫌い分かれるだろうけど、反面とても地に足のついた、力強さを感じる声なのだ。唄をちゃんと聴かせることに主眼のある声というのか、とにかくこの人の歌には非常に惹きつけられるものがある。そこがSSW系だと思う所以なのだが、案の定まだ若いクセに好きなアーティストにジョニ・ミッチェルとか、ニール・ヤングなどが挙がってる(笑)。なるほど、この力強さというのはある意味アメリカ的な要素を感じるということか、と納得。でもね、全体的な音の感じは完璧に英国ですから(笑)! この差を言葉で説明するのはちょっと難しいんだけど、有体に言えば湿感の違いというかね。風は冷たくないけど、空は曇ってる、そんな感じです。この感覚、UK好きの人なら雰囲気でわかってくれ~って感じでしょうか(笑>おいおいっ)。
 PVで観る限り、この2人が並んでギター爪弾いて、たまにアイコンタクトなどしながら一緒に唄っているさまはとても心和むので、是非とも3rdリリースの暁には日本に来ていただき、生の美声デュオぶりを聴かせて欲しいなあ~~・・・ホント。

Turin Brakes-official site (oversea)

『Funeral』 ('04) /The Arcade Fire

2005-03-09 | 音楽
 個人的には久しぶりのジャケ買いアルバムである。(試聴コーナーにあってラッキーだった!)
 昔はそうでもなかったが、最近はアルバム・ジャケットのイメージと音の内容が微妙に違うものも多く、試聴とか友人のお薦め等がない限りあまり新しいバンドを買わなくなってしまったのだが、このThe Arcade Fireは違う。そうそう、こういう音だよね!見立ては間違ってなかったわね!と嬉しくなってしまう感じ。ちなみに彼らはカナダ出身・メンバーは女性1人を含む5人編成。本作がデビュー作なのだが、UK盤のレーベルはなんと名門ROUGH TRADEですよ(笑)! 
 かのROUGH TRADEに相応しいというか、なんともゴスなタイトルですが、これは実際にレコーディング中にメンバーのご家族にご不幸が続いてしまったそうで、そのためにこのタイトルが決まったとか。メンバーのパーソナルな想いの強い、いわば追悼盤、みたいなものなんでしょうね・・・。

 さてカナダと言えば、私的には去年のThe Stillsを思い出すのだが、やはりこのバンドも今流行り(?)のNWの影響の濃い音である。但しThe Stillsはどっちかというと80年代UK寄りだったけど、The Arcade Fireはそれプラス、またTelevision辺りのNY系もかなり入る。また随所に聴けるピアノやストリングス系アレンジの耽美さなど、マイ・コレクション的にはDivine Comedyなども思い出したり、かと思えば歪み系転調の入った美メロなどは何気に初期Bowieを感じさせたりと、聴き込むほどにハマリ度が増していくのである。
 なんでも彼らは米国NYでは、既に相当評判がいいらしく、小耳に挟んだところによるとBowieおぢさんも彼らのライヴに足を運んだとか!!(>もう~おじさんたら相変わらず若いコ好きのミーハーですこと!私もファンとして、Bowieのそんなところが健在なのは励まされることこの上ないですわ)
 ココは是非とも、我ら日本の地でのライヴ早期実現を願いたいものである。きっと、ライヴはアルバムとまた一味違う魅力を感じさせてくれそうな予感がする。プロロモーターの皆さま、どうぞよろしくです~(笑)!

The Arcade Fire's Internet Home for Moths - official site (oversea)

KiLAの旧譜・一挙国内盤発売

2005-03-09 | 音楽
 先日観た『ダブリン上等!』に使われてて、買おうと思ったのに忘れてたTurin Brakesを思い出したので立ち寄ったHMVにて。
 フッと覗いたWorld Musicのケルト・コーナーに、なんと!! KiLAの旧譜が一挙国内盤化して並んでるじゃありませんかーっ!! 心の中で大絶叫。「おっせーよ!! もう輸入盤でたいがい揃えちゃったじゃんか!!(涙)」
 ・・・値段的にもそんなに変わらないなら、唄は全曲ゲール語、の歌詞を翻訳してくれてるらしい国内盤が欲しいと思うのは人情じゃございませんか? 
 とか言って、私もKiLAにハマったのは去年の来日ですから偉そうなことは言えませんです、はい。もっと昔から彼らを愛していた方々にしたら、待望の国内盤化となのだと思います。とりあえず、めでたい!ということで、ココは軽くKiLAについて軽くご紹介。
 
 CD屋の分類でいけばKiLAはケルト・コーナーだけど、そんなにド真中ケルティック!トラッド!という訳ではなくて、テクニック系ではない方のプログレとか、アフリカン系・ラテン系・ファンク系のリズムとか結構いろんな要素が混じってる。かといって、勿論ミクスチャー!って感じの音ではなく、それらのリズムも交えたうえでの、KiLA独自のケルティック・ロックにまとめあげてる、と言ったらいいだろうか。
 そこらへん、アイリッシュ・トラッドを期待する人にはロック寄り過ぎだろうし、ケルト風味のプログレを期待する人にはカッチリ感が足りない!とか思われ、中途半端な印象を持たれることもあるようだが(苦笑)そのどちらでもないから良い!と感じてもらえるのが一番相応しい気がする。

 私はKiLAを聴いたとき、そのフルートやイリアン・パイプの音、フィドルの響きと、さまざまなリズムの織り成すグルーヴ感があまりにも耳と体に馴染むので、不思議な気持ちになったほど。(このグルーヴ感は、ライヴだと本当にクルクルと旋回する大きな渦になって、もう踊れるのなんの♪ めちゃくちゃ楽しかったです。お客さんたちも皆幸せそうだったけど、誰より本人達が一番幸せそうにプレイしている姿がグッド!) これはもう、正に出会うべくして出会った運命!などとアホのように確信したものでした。
 自分は勿論、東洋の最果ての日本人なんだけども、西の最果て(?)アイルランド独特の音・旋律というものには、何故か懐かしさを感じてしまったりするんですよ。不思議ですねえ。アイリッシュのメロディには、人種を超えたDNAレベルのプリミティヴな何かがあるのでしょうか。
 KiLAは、そんなことを久しぶりに思わせてくれたバンドであり、ある意味で個人的には近年出会った音楽の中では一番重要な人たちだったようにさえ思う。彼らと巡り合わせてくれたケルトの妖精さんたちに感謝!とか訳わからんことを口走りそうな勢いですよ、ホント(大笑)。

 上のジャケ写真は、最新作『Lunapark』。たぶん、ロック系を中心に聴いてる人には一番耳馴染みのいい現代的なアルバムだろうし私も愛聴したが、今回国内盤化した過去のアルバムのほうが、より土っぽい温かみ(素朴・・・というかイモっぽさかな(笑))があるので、どれもお薦めできる。
 ご興味のある向きには、是非とも視聴などしてみてはいかがだろうか。以上、KiLA・ボランティア営業部からのお知らせでした^^)

※KiLAの国内盤を配給・紹介しているPlanktonのサイト

そういや25周忌だった・・・

2005-02-25 | 音楽
 今宵の気分はAC/DC。何故なら、うっかり見つけた記事で好き心が一時的に復活してるので(笑)。
 AC/DCの集大成DVDボックス“Family Jewels”発売

 うわあ~~コレは迷うなあ~~!! だがしかし、現時点では日本発売なし。リージョンフリーではないようだし、迷ったところで意味もないという厳しい現実^^;; だが、私にとっての目玉であるBon Scott在籍時の映像の割合如何によっては、日本盤発売まで辛抱する心構えがあるのだが、どうなんだろうか・・・詳細レヴューが待たれるところである。(人頼みなのか)

 AC/DCといえば、HR/HM愛好者においてはリヴィング・レジェンドの1つに数えられるであろう豪州出身・現存する世界最強のロック・バンドである。(クラシックというかポピュラー、という意味で。なんつっても、英語圏のトラック運転手が最も愛好するバンドでもあるらしいからね~。ええ、当然ワーキングクラス・ヒーローです!)
 だが私が愛するのは専ら、80年に亡くなってしまった初代ヴォーカリスト・Bon Scott在籍の時代、つまり70年代までの彼らである。とはいえ、Malcom、AngusのYoung兄弟がこのバンドの中心であり、その音はRamones、Motorheadと並び称される黄金の金太郎飴サウンドなので(笑)、勿論今のAC/DCだって嫌いなわけじゃない。好きだけど・・・やはりヴォーカルの違いというのは、個人的には物凄く大きい。好きのレベルにかなり差がついてしまうのだよな。

 さて、知ってる人は知ってるはずの話。Bon Scottの死因は、過剰飲酒による嘔吐物での窒息死である。そんな死に方するほどにデストロイな酒飲みで、どーしようもない人だったらしい。今から25年前、1980年2月19日のこと。享年33歳。
 ロック界においては、特に夭折した人は妙に持ち上げられる傾向があるが、私は「どんな生き方をしようが、死人は褒め称えるべし」なんて冗談じゃない、と思う。特に病気とか事故とか止むを得ない事情ではなく、自殺もしくはそれに等しい自滅行為でくたばった人は、単にダメなヤツなので意地でも賞賛なんかするもんか、と思う。
 だが。私は、そんなダメな人に惹かれてしまうことがあるのだ。
 Bonもそうだ。酒飲みで喧嘩っ早くて「どーしようもなくダメだった」Bonのことが大好きだ。
 その酒灼けして、しゃがれたハイトーン・シャウトも、見事なまでに酒とおねえちゃんと車とロッケンロー!オンリーなアホな歌詞も愛しくて仕方がない。そして、当時バンド最年長だったというのに(一番下のAngusとの差は13歳!)最も子供っぽいその笑顔も。(ただ、確かに長生きしそうな人には見えないわけで、そういう意味ではひどく切ない気持ちになる彼の笑顔ではある)

 私がAC/DCを知った頃は、既に二代目にして現ヴォーカリストであるBrian Johnsonだった。だからBonについては、残されてるアルバムと傑作ライヴ・ビデオ『Let There Be Rock』の中でしか知らない。それでも、惚れるには充分の魅力だった。特に、彼のライヴ・パフォーマンスにはやられた。
 永遠のスクールボーイ、バンドのアイコンであるAngusの、激しいギター・パフォーマンスに決して劣らぬ存在感。正にステージに放たれた野獣のような眼、その野生の色気に溢れた声。ステージの間に挿入されるインタヴューでは、人の良さげな、そしていかにも酒と女に目が無い、といった兄ちゃん風なのに。
 まあ、ミュージシャンなんてのは、そんなものですね。社会生活においては普通の人以下の人格でも、楽器持ったりマイク握ったりすると、得体の知らない何かが憑依する、ということ。そういう種類の生き物なんだから。
 
 そんなふうにBonについての思いを馳せていると、ついこんなことを言いたくなる。
 集大成DVDもいいが、今だビデオ・オンリーな『Let There Be Rock』こそ、一刻も早くDVD化してよ。頼むよ、Angus!(Malcom兄ちゃんに言ったほうがいいのか?)

『シザー・シスターズ』('04)/SCISSOR SISTERS

2005-02-19 | 音楽
 祝!Brit Awards 3部門制覇!そして初来日!しかも東京公演ソールドアウト!
 ……こんなことなら迷わずチケット取るべきだった~~きぃーーッ(大涙)!!Manicsと某バカ兄弟に気を取られ、体調不良でグタグタしてる間にこんなことになり、後悔しきりでありますが、せめてこの鋏姉妹のご紹介を。

 前述のごとく、今やUKで大人気の鋏姉妹ちゃん達だが、彼らの出身はUSAはN.Y.…その街でこのルックス、ということは5人メンバー中3人がゲイ、というのも納得である。そして、そんな彼らだからこそブレイクしたのが変わり者を進んで愛好するUK、というのも物凄~く納得。
 個人的には見た目だけで好き好き大好き♪なのだが(グラムロックが私の基本なもんで・・・)音も大当たり! このデビュー・アルバムは、チャラチャラしたグラム・テイストに80's NW&スウィートなディスコ・ポップ(Prince系のラヴ・セクシーな要素も隠し味!)満載の名盤じゃなかろうか。つまり、実は見た目ほど浮ついてるわけじゃなく、古すぎない程度に懐かしい、意外と正統派な音作りなのだ。
 そして、一番ブッとんだのがPink Floydのカヴァー“Comfortably Numb”。コレは言われるまで誰も気付かないって! オリジナルはあの『The Wall』収録、全体的にダウナー一直線なあのアルバムの中でも歌詞の救いのなさでは一二を争う曲が、なんと。多幸感漂うスペイシーなダンス・ミュージックとなって再生されるとは・・・。いやあ、参ったね!(コアなPink Floydファンの感想を是非聴きたいものだ。私は一般的な薄ーーいファンなので、よくやったなあ、という感じだが^^;;)
 で、もしかしてこのカヴァーで怒りを覚えてしまったフロイド・ファンには是非とも“Mary”と“Return to OZ”を聴いて欲しい、と思う。
 これらの曲のメランコリックさ&美しさにはPink Floydの影響を色濃く感じるのだが、どうだろう。(特にギターの響きなんてギルモアチック。ただし、Jakeの切々と歌い上げっぷりには陶酔オネエ・ソング風味もふんだんに感じられるわけではあるが・・・)
 もっとも全体的にはダンス♪な感じで、本当に聴いてて幸せな気持ちになる。そりゃあ、灰色の空と日常を忘れて踊り狂うのが気晴らしの英国民には、ウケて当然でしょうよ(笑> 行ったこともないクセに、偏見でモノを言っててすみません)。

 実は、私が彼らの音と姿をちゃんと知ったのは、今更ながら私がハマるキッカケとなった某バカ兄弟出演の“グラストンベリー2004”のテレビ放映。(蛇足ながら、私にとってはこの放映はかなりの収穫だった。結局のところ、鋏姉妹と遅まきながらのバカ兄弟、そしてBlack Eyed Peasを知ることができたのだから!あとは、去年のFujiで改めて良さを確認したP.J Harveyもやはりカッコ良かった~)
 このときのJake君(vo)は、チアフルでハッピーなZiggy Stardust(?)って感じの衣装で、Ana嬢(vo)は…一瞬ニューハーフのオネエさんか?と思いました。豊満過ぎる体と貫禄有りすぎのお顔は、すっご~く出来のいいジェイン・カウンティみたいで(またマニアックな喩えを…)。失礼しましたっ! よく観たら、れっきとした女性でした^^;; 彼らのステージは昼間の雨降り状態だったんだけど、お客は滅法盛り上がってて、超楽しそうだった。嗚呼。私もグラストの客に負けず劣らず、彼らのステージ観て満面の笑顔で踊りたかったよう・・・(結局愚痴で終わるのかい)

 ジャケ写真は、DVD付国内特別盤。もしこれから入手なさる予定のある方には、通常盤ではなく是非此方をお薦めしたい。
PV4曲にライヴ映像1曲収録のDVDは必見!やはり音とヴィジュアルのセットこそ、彼らの最強の魅力。美人でノリノリなJakeと、姐御系Ana(流石スージー・スーを最大リスペクトと言うだけのことはある!)のコンビネーションの良さも際立ってます。(“Take your mama”のPVはB-52'sぽくてカワイイ。そして“Mary”は、なんだかちょっと泣けます・・・)
 
 ※泣けると言えば、Ana嬢のこんなエピソードも泣けます。読んでみてください。
 アナ、父親の恋人を探す

Manic Street Preachers@渋谷AX(2/10),Zepp tokyo(2/13)

2005-02-14 | 音楽
 目下、現役活動中の我が最愛バンド in UK代表・Manic Street Preachers。
92年の初来日から今回まで、来日は必ず観続けてきて今回で6回目になる。いつのまにやら干支一回り分、彼らを追いかけてきたらしい。やたら気が多くて飽きっぽい私にとって、このバンドとUS代表のPearl Jamだけは別格で“同期”の思いで追いかけつづけている人たちである。(ついでにManicsのメンバーは本当に同世代だし;; 年季入ったオールド・ファンですよ、ええ!)
 そんなわけで、思い入れだけでお腹一杯な文章が続くことを警告しておこう(笑)。
 東京2夜分のライヴを終えて、とりあえず一言。
 デビュー当時、さんざん場違いでアナクロな勘違い反体制パンク・バンド(但し音楽的には超ポップで、一聴する分には「普通のロック」という感じだろう)と呼ばれていた彼らは、今やすっかり、見事なまでに大人のバンドに成長していた。
 ただしそれは、耳に心地よいだけの当り障りのない音楽になった、という意味では、断じてない。

 Manicsの当初のテーマは、極めてポリティカルな「彼らを取り巻く世界(欧米資本主義中心の社会)への怒り」だった。(今でこそポリティカルな主張を語るロック・バンドは珍しくないが、彼らのデビューの91年当時、そんなバンドはほぼ皆無だったのだ。彼らは「遅れてる」と嘲笑されたが、今となっては「早過ぎた」とも言えるのではないだろうか)
 今まで生き延びてきた今の彼らにあるのは、揺ぎない「世界(政治だけではなく)への永続的な嘆き/透徹したメランコリア、その中で生きていく」という意志の強さだ。そして、ファンに対してはその共感や連帯を押し付けることなく、撥ね付けることもなく全て受け入れる。そうした意味での「大人」であり「成長」である。

 幼馴染4人から始まったManicsは、95年実質的リーダーであったメンバーの失踪(現在に至るまで生死不明)という悲劇を抱えて尚活動を続け、翌年のアルバムでよもやの№1バンドの座を勝ち取る。
 その後出身地のウェールズのみならず、UKの国民的バンドとして成功をおさめ、常に葛藤を抱えて歩んできたこの10年あまり___

 それを思うと、名実ともに風格さえ備えたステージ上の彼らの姿を観た瞬間、涙腺緩んでしまう自分がいた。まったく寄る年波には勝てないなあ(笑)……といっても、そんなに久しぶりではないんですけども。'03年にも来てるし(笑)。正直、ここ何年かは結構頻繁に来日してくれてるので、ある意味ありがたみは薄いのだが(>酷いぞ)それでもやはり、3人となったManicsの来日ライヴを観るたびに、格別の感慨に胸が詰まる。(演奏能力の目覚しい成長にも隔世の感があるけども、それはまた別の話)

 今回は去年末に出した新譜『Lifeblood』に伴うワールドツアーの一環であり、ライヴはこのアルバムの1曲目〈1985〉で幕を開けた。「1985年。ベッドで横たわる俺の手に、残されたものなんか、すっかり無くなっていた」というフレーズで始まるこの曲を聴くと、彼らの1985年がそのまま自分の1985年に変わっていく。もうそれだけで感無量になり、目頭が熱くなる。間違いなく、国は違えど時代を共有していた世代にしか伝わらない想い。
 しかし感傷に浸る間もなく、歴代名曲の連打。その曲ごとに思い返されるものに、我を忘れて突き動かされつつ、時に大声を張り上げて共に唄い、アッという間に時間は過ぎてしまう。外は真冬というのに__Manicsの日本公演は大抵そうだが__体は夏以上の熱で汗だくになって、ライヴが終わる。
 終わってしまうとしばらく虚脱状態になるのだが、これで今年も春までは暖かい気持ちで過ごせる気になる。そして改めて誓うのだ。世界はいまだに酷くて悪くなる一方で明るい未来なんて当分無理なんだろうけど、それでも生きていこうじゃないか。彼らが続く限り、私も付いて行こうじゃないか、と。

 近年の名曲群の中でも、個人的に愛している〈The Masses Against The Classes〉という曲がある。
この唄のフレーズで、とりわけ日本のファンの心を代弁しているような(笑)以下の一節を捧げて、〆の言葉に代えよう。
___俺たちは冬を愛している。なぜなら冬こそが、俺たちをより近く結びつけてくれるから。


Manic Street Preachers in Zepp Tokyo / Feb.13

01. 1985
02. Faster
03. If You Tolerate This Your Children Will Be Next
04. No Surface All Feeling
05. Empty Souls
06. You Love Us
07. Yes
08. The Love Of Richard Nixon
09. Kevin Carter
10. La Tristesse Durera
11. Die In The Summertime
12. Solitude Sometimes Is
13. The Masses Against The Classes
14. Archives Of Pain (Acoustic ver. 1chorus)
15. Small Black Flowers That Grow In The Sky (Acoustic ver.)
16. You Stole The Sun From My Heart
17. I Like To Fall Asleep
18. ~R.P.McMurphy ~Sweet Child O'Mine(intro)~
  Motown Junk
19. Cardiff Afterlife
20. Motorcycle Emptinss
21. A Design For Life

Manic Street Preachers_official site

東流会 Vol.12「女神降臨」@Shibuya O-West (2)

2005-02-08 | 音楽
(続き書くのに一週間…スミマセン。諸事情ありまして)
 …さて、RUMIの衝撃波にしばらくうちのめされた直後。
 おそらく、今回のイベントに来ていたお客さんの大半のお目当てと思われる戸川純+山本久土のアコースティック・ユニット東口トルエンズの登場。
 私は初めて知ったのですが、山本氏はPHEWや山本精一氏と共に“MOST”というプロジェクトに参加してる方なんですね。まずはその山本氏が一人でアコギ弾き語りを何曲か。ん~~まるで津軽三味線の如くギターの弦をかき鳴らし、がなり唄うそのスタイルは思わず三上寛か友川かずきか?!と。(友川さんはあまり知らないですが…映画IZOで初めて知ったくらいですし)野坂昭如の作であり、純ちゃん自身もかつてソロでカヴァーしていた「バージン・ブルース」も唄ってました。
 そしていよいよ、女神降臨。・・・・・・あまりに久しぶりに拝む純ちゃんに、思わず絶句。
なんというか、懐かしのデイジー・チェインソーのケイティが一気に20歳ほど老けた感じというか(分からない喩えだよ)龍ヶ崎桃子の想像する40代の彼女がパンクになった感じというか(更に分かり辛いよ)そのようないでたちでありましたが、しかし。やはり純ちゃんは純ちゃんだなあ…!と涙ぐみたくなるような変わらなさは、その表現者としての佇まいにあり!
 七色の声というには外れすぎてる調子も、小さなMCの声の震えもすべてが聴き逃せない。正に唯一無比。「諦念プシカンガ」「踊れない」等ソロの曲に混じって「ローハイド」や何やら労働歌のようなものも唄っておられました。そして、ラストには永年女王様なエミ・エレオノーラ姐御と共に「UFO」のデュエットまで!!それはそれは素晴らしかったのでありました。

 純ちゃん退場後、そのままエレオノーラ姐さんのソロへと引き継がれたのですが、既にこちらの気力体力一気に消耗。姐様の美声も久方ぶりだったのですが、ちょいと上の空気味で失礼してしまいました…。
 そうそう、ウッカリ忘れてはいけない、今回のイベントでもう一つ面白かったのが、ほぼトップに出てきた降神。純文学な私小説的なリリックにかなり感銘を受けましたね。個人的には(文芸タイプってことで少し似てる)SINGO2より、共感度は高かったです。
 大トリであるヨタロウ氏のバンドも面白そうだったんですが(民族音楽系でジプシーっぽいのとかクレズマーとかやってました)時間も押しており、腹は減るわ体力疲労激しいわで、途中おいとましてしまいました。次回行けることがあれば(メンツ次第では考えたい)ちゃんと後に備えて臨みたいなあ、と思った次第であります こんなに盛りだくさんな異種格闘技的音楽イベントなんて、そう滅多にないですからね!

東流会 Vol.12「女神降臨」@Shibuya O-West (1)

2005-02-02 | 音楽
◆出 演◆
☆戸川純/東口トルエンズ〈Vo.戸川純+G.山本久土(MOST)〉☆宮藤官九郎(大人計画) 
☆宮崎吐夢(大人計画)+ 河合克夫 ☆天久聖一(Cf:「バカはサイレンで泣く」週刊SPA連載)
☆降神 ☆エミ・エレオノーラ ☆Acky(面影ラッキーホール)+Rumi
☆ヨタロウwithメトローマンス・ホテル 〈Honzi(Vln),Alan Patton(Acc),ホールズ(三線) 岩原智(Tuba)斉藤トオル(Key)他〉

主催者であるヨタロウ氏@メトロファルスのお誕生日イベント。ちなみに、私もバースデイ・メイト(笑)・・・そんなことは知らずに、メンツに引かれて行って参りました。

観たかったのは、なんといっても面影ラッキーホールのAcky! 遅すぎたファンとして、ナマのAckyキモステキーなスウィートボイスを堪能したいからに他なりませんでした。そして知人が良いと言ってたRumiと降神もチェックしたく、あとはやはり80年代中期あたりに戸川純の洗礼を受けたモノとしては、教祖様の歌声とお姿を久しぶりに拝見したく。エミ・エレオノーラ姐様も同様の如しであります。

音楽系以外のセレブな方々(笑)もいらっしゃっており、特にパラパラ踊りに悶絶必至の語りを入れる宮崎吐夢には拍手喝采でありましたが、ここは一つ音楽中心に。

この夜、個人的にいたく感銘を受けましたのは、RUMI。女ラッパー。というより、そのスタイルはパティ・スミスのポエトリー・リーディングの如しであり、そのライムの殺傷度たるや岡崎京子の『へルター・スケルター』を想起させるほど。おそらく20代半ば頃の、ただでさえ華奢な体と可愛らしい顔立ちと声のうえ、彼女がリスペクトしてるというAckyのオヤジなリクエストに応えたチャイナ・ドール姿。そんな女性が、こんな物凄いライムで連射してくるとは・・・。ライヴ中に磁場に呑まれて身動きできないって経験、久しぶりにしましたよ。終演後彼女のアルバム『Hell me tight』即買でした。たった2曲だけの「亡霊パピー」「Beautiful life」が耳にこびりついて離れなかったから。いやもう、迂闊にも泣くところでしたよ・・・。
えーと、残念なことにAckyはギターとトラブル中のお笑い(?)MCに徹しており、それは大変残念でありましたが、面影ラッキーホールとしての次回ライヴ開催に期待することにします。イベント副題の“女神降臨”のとおり、RUMIのイントロデュース&サポートに徹していた彼も、それはそれで粋でございました。【続】