傍流点景

余所見と隙間と偏りだらけの見聞禄です
(・・・今年も放置癖は治らないか?)

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『METAL: A Headbanger's Journey』('05)

2006-07-25 | 映画【劇場公開】
 “何故メタルは嫌われているのか”という、あまりに自虐的な前提を取りあえずのテーマとした文化人類学者でもあるサム・ダン監督によるメタル研究映画----に非ず。自身のダイハードなメタル愛に殉じた“マイ・ドリーム実現映画”でした(大笑)。監督のファン心理を土台として、インタビューという名目でメタル界のスターと会いまくり、念願のメタル・フェスに参加してヘッドバンギング三昧(笑)! アンタ、この映画作ってる間中ホントこの世の春を満喫だったろ!ってなもんですよ。が、メタル・ファンの人というのは基本的に非常に真面目で常識的な人が多く、彼も例に漏れずな感じ。フツーにしてれば文系な雰囲気でありオトナしげな様子であるほど、そのメタル濃度は高い。という典型的ルックスは好感度も高く、すっかりオバちゃんモードで「ホホエマシイねえ」と目を細めてしまった私なのであった。
 という訳で、メタル好き/過去に好きだった人なら漏れなく楽しい気分になれる映画です。そして、あんな人こんなバンド、懐かしのアノ人は今!な映像盛りだくさん! 同行の友人(勿論、同好者)共々いちいちウケまくり、笑いが止まらず。きゃ~~レミー!変わりようがないねアナタ!とか、Venomがっ!クロノスが動いてるよ~とか、ディー・スナイダーはイイ感じにこなれたオヤジになってるなあ…とか、ロニーったらホントにちっちゃい~とか、今聴いても燃えるぜBall to the Wall! by Accept!とか、ドロちゃんたら今でもアイライン濃いのねえ、とか(>わからない人にはサッパリな固有名詞連発で申し訳ない…)。
 ええ、そうよ。私も20代前半頃までは、かなりコアなメタル・ファンだったもの。現役でなくなった理由はいろいろあるけど(この辺りを語り始めるとキリがないので自己規制)とりあえず私と同世代で洋楽ファンである場合、空前のLAメタル・ブームの洗礼を受けている可能性は高いハズ。W杯期間真っ最中だというのに公開初日に劇場に駆けつけたところ、我が同世代と見受けられる方々も散見され、ちょっとした同窓会気分を味わってしまいました(苦笑)。

 肝心の映画の内容についてだけど、対象は全然違うものの構成は同じカナダ人監督の『ザ・コーポレーション』と似た発表論文形式。まずメタルの歴史を紐解くところから始まり、ミュージシャンとファンへのインタヴュー、メタル文化や社会性(ファンが属するコミュニティ)・枝葉に分かれたそれぞれのジャンルについての考察、派生した問題点(悪名高きPMRCの裁判、女性、セクシュアリティほか)等々。
 まあメタルってのは、基本的には非常に欧州白人的/アンチも含めたキリスト教要素の濃い音楽である、ということがわかりやすく語られているのは、メタルにあまり興味のない人にとっては面白いんじゃなかろうか。逆に、それなりに年季の入ったファンにとってはあまり真新しいモノはないんだけど(苦笑)それでもノルウェーのブラック・メタル一派の皆さんのガチぶりにはちょいビビった私(大概のメタル・バンドの悪魔崇拝的ポーズはネタであることが自明、だから)。正にキリスト教支配に対するヴァイキングの呪い、ちゅーか怨念が凝縮しているかの如し…これぞ真正ゴシック。てか、北欧ではゴシックは過去のモノじゃないってコトに唖然。それも含めてのメタル・ワールドと思うと、なかなか味わい深いですな。(これはネタ^^;;)

 かように、全体的には大変に愛すべき作品ではあるのだが、一つ大きな穴があり。それは“嫌われメタル”を前提としているのに、嫌う側乃至は外部(の音楽)からの視点がいっさい語られないこと。“何故メタルは嫌われているのか”という問いに対する答えが、ダン監督の自己完結の域を出ていないことですよ(苦笑)。そのヘンをちゃんとツッコンでいたら、もっと面白くなっただろうにね~残念(偉そうでスマン)。尤もメタルの特徴として閉鎖的村社会音楽、というのはあるから、ソレはソレで“らしい”ってことになるんでしょーかね(苦笑)。
 しかし、もし彼に続編を作る気があるならば、上記の“外部からの視点”に加え、90年代以降マルチエスニック化するメタル/ヘヴィ系のバンドについてや、対極にあると思われたジャンル~パンクやHip Hop系との融合/交配についても考察を重ね、現代も拡がり続けるヘッド・バンガーズについて総括して欲しいね。それを実現してくれれば、そのときこそフィルム界でのメタル・マスターの称号は君のものさ!(笑)
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文月は過ぎゆき…葉月鑑賞希望メモ

2006-07-24 | 戯言・四方山話・メモ
 毎月、自分のための覚書として鑑賞希望メモなんてのを書いてたのに、ここ1ヶ月間の私ときたら。すっかり蹴球三昧の日々で、気がつけばあと一週間で葉月になるという体たらく。観るぞー!とハリキッてたはずの『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』とか『ステイ』も終わってましたよ(涙)。という訳で、葉月分と併せて、今夏見逃さないように気をつけたい映画を以下に。

トランスアメリカ  … 予告観たけど、フェリシティ・ハフマンは本当にオネエにしか見えない。スゴイ。とかいう表面的なことではなく、アメリカ映画の得意な“家族モノ”のバリエーションなのかな。と予想しつつ、楽しみ。

蟻の兵隊 … 私の周囲には戦争経験者がいない(存命していない)ということもあり、尚更こうした映画は義務として観なくてはいけない、と思っています。

神の左手 悪魔の右手 … 楳図かずお先生自ら太鼓判らしい(笑)って、まあソレは話半分としても。渋谷飛鳥ちゃんと、久々にイッちゃってるらしい田口トモロヲさんのために観たい。

ブライアン・ジョーンズ~ストーンズから消えた男  … スチルなど観る限りでは、ストーンズ・メンバーの役者たちは実物より随分とコギレイ系だけど、主演レオ・グレゴリーには期待したい。ストーンズには実はそれほど思い入れはなくとも、60年代UKの音楽/サブカルチャー映画としては面白そうだしね。

太陽 … 結局、ソクーロフ監督の映画は今だに1本も観ていないのだけど、これは待望の日本公開作品。うってつけの時期に観れるのも嬉しい。

ユナイテッド93 … 予告は2度観た。予告だけで金縛りになるような緊張感が画面に漲っていた。『ブラディ・サンデー』に続くポール・グリーングラス監督の傑作となるか。

紙屋悦子の青春 … 今春に亡くなった黒木和雄監督の遺作。近作をちゃんと追いかけてなかったことが悔やまれる。今作は何としても観なくてはいけないと思っている。

スーパーマン リターンズ … 去年まではちょっとしたアメコミ映画バブルだったのに、今年は少ないね(笑)。スーパーマンはとりあえず定番モノとして押さえておこうかな、ということで。(でもブライアン・シンガーのアメコミものは相性悪いんだよねえ…X-Menとか;;)

46億年の恋 … 三池監督最新作。もうとっくに終了してしまったコラムで“男だらけの【愛と誠】”と称していた作品、シュールな作りらしいけど色々と楽しみだなあ~。

キンキーブーツ … Kinkyって言葉、サイコーに好きなのよね(笑)。オネエ様とドンくさい青年、って取り合わせもグッド。可愛くて笑える素敵な英国映画であることを期待!

◆ そのほか、やっぱりやってくれる池袋・新文芸座の特集【追悼 二人の社会派巨匠 今村昌平と黒木和雄】のラインナップが強力。平日はタイム・スケジュール次第ではキビシイけども、都合がつきそうなら出来るだけ通いたいと思っている。(通ってたら通常の劇場公開作を観るも遅れるが…まあヤリクリ頑張ろうぜ私!)
 それにしても新文芸座は、来月のオールナイト企画も濃いわ(笑)。キム・ギドク特集とか変身人間スペシャルってスゲーよ。

◆秋にかけては、ようやく日本公開されるジョナサン・グレイザー監督の『記憶の棘』、ガエル・ガルシア・ベルナル主演の『キング 罪の王』、3年ぶりの黒沢清監督作品『ロフト/LOFT』、絶対こういう娯楽作のほうが合ってる!ハズの李相日監督『フラガール』を楽しみにしている。
 そして、東京国際映画祭の季節がやってくる訳ですな。今年はファンタもなくなっちゃたし、どーなることやら…。

どーなのよ?!『フーリガン』

2006-07-20 | 映画【劇場公開】
 鎮静化と書いた筆先(?)も乾かぬうちに再び蹴球ネタで御免なさいよ。しかも、今回はネタにしてる映画についての愚痴りなんで更に御免。えーと、W杯に合わせて日本公開された『フーリガン』('04)----私がこれを観たのはイングランド敗戦のダウンな気持ちを引きずっていた頃なので、その影響もあるかもしれない。実はただでさえこの映画には負のフィルター入ってたのだけど、観たらやっぱり「…」だった。低いテンションが更にドッと落ちてしまった。
 さて、何故に観る前から負のフィルターをかけてしまってたのか。まず ①レクシー・アレクサンダー監督は女性で、ドイツ人。 ②それなのに、撮る対象はイングランドのフーリガン。しかもロンドンの下町(イーストエンド)クラブ、ウエストハム・ユナイテッド付きのフーリガン達  ③俳優選択に関してはセールスのためだと思うが、主人公@イライジャ・ウッドの役が、こともあろうに米人でハーバード大中退でジャーナリスト志望のインテリ ・・・・以上だけど、どうよ。まあ①の監督が女性ってのは、いいのよ。彼女にはそれなりにマッチョ社会・文化に対する憧れ的なもんがあるんでしょう。私も同じだから、それはわかるとして。でも②。監督の故郷ドイツにだってフーリガンはいるでしょう? なんでわざわざ宿敵(^^;;)イングランド? やっぱフーリガン発祥の地だから? ③は、外国人である彼女の視点を人物化したものだとしても、ちょっと出来すぎじゃない? 私的にはちょっと首を傾げちゃったんだけどね。
 観る前からこんなにブツクサ言うなら観なきゃいいんだけど(苦笑)それでも観ちゃったのは、ウエストハム・ユナイテッド付フーリガンをモデルにしてるからという点。だって、ウエストハムといえばイング代表にしてマンチェスターU所属・我がミーハー対象であるリオ・ファーディナンドの出身クラブだからね!(笑>所詮そんな理由よ。ちなみに、ウエストハムはユース育成に力を入れてるクラブらしく、リオのほか、代表選手であるフランク・ランパードやジョー・コールの出身クラブでもあるそうな) それに、意外と観たらグッと来たりするのかな、という期待も少しはあったんだけどねえ…。
 
 主人公マット@イライジャは、同級生の不祥事の身代わりで退学処分になり、傷心のままイギリス人に嫁いだ姉の元に身を寄せることになる。そこで、姉の夫の弟にしてウエストハムのコアなフーリガン団(ファーム)のリーダーであるピート@チャーリー・ハナム(この俳優さんはハンサムだけど、コックニーと身振りがちょっと不自然…って日本人に言われたくはなかろうが)によって“フットボールをダシに喧嘩三昧”の魅力に囚われていく---という導入と展開は何気に『ファイトクラブ』入ってて、それなりに面白い。
 が、肝心のフーリガン達が“なんでそこまでして喧嘩したいのか”“なんでそこまで仲間(ファーム)の絆が大事なのか”といった背景描写が殆どない。フットボール・シーン(ウエストハムの試合含む)も一応あるけど、それだけかい?という程度。説明台詞は多いけど、台詞以外の部分で伝わってくるシーンがない! パブで野郎どもがダベってるシーンを多めに入れれば良いってもんじゃなかろうに。しかも、乱闘シーンの撮り方も型通りというだけで、迫力や凄味に欠けるのは致命的に思える。(前半では生々しさを出そうとして動かし過ぎのカメラが却ってワザとらしいし、クライマックスではスローにドラマチックに見せ過ぎでかえって白けるんだよね)。

 だから結果的に「ステゴロなんてしたこともないインテリのYankeeが、野蛮な“男”世界に陶酔して、でも結局ついていけない(足抜けする)のだが、彼らの世界を通過して少し成長する」というだけの話になっちゃってるんだよね。
 まあ普通に青春モノと言えばその通りで、でもだったらわざわざ“イングランドのフーリガン”じゃなくたっていいじゃん!ってコトなのよ。フーリガンはフットボールをダシの喧嘩が命だけど、映画自体がフーリガンをダシに…って感じ。
 仕舞いにとって付けたように“暴力は暴力を生み、報復合戦にはキリがない”というお説教調まで匂わされると、ホントにねえ・・・なんだかなあ、と私は思ってしまう。実はこの映画では、男同士の“喧嘩コミュニケーション”自体には好意的なのね(それが監督の趣味/嗜好なのだろうし)。なのに、世間向けスタンスとしては暴力否定をしておきましょう、という道徳感を提示しておきたかったらしいのよ。そのせいで、ラストに盛り上がる“悲劇”も無理矢理な展開で作ってるように感じてしまって、観ているほうはもう、気持ち冷めまくり(苦笑)。
 更に、本作中唯一の女性キャラである主人公の姉の行動/考え方にまったく共感出来ないのも辛い。演じるクレア・フォーラニ自体は割と好きなんだけど、このキャラには疑問符だらけ。同性として「なんなんだ、この女?!」としか思えない。(この共感出来ない彼女の行動があればこそ“悲劇”が盛り上がるのはわかるけどさ)それとも、この姉のキャラ設定は意図的なものなのかしら(苦笑)? この辺り、他の女性観客の感想を聞いてみたい気がする。
 あとこれは多分に先入観による疑問だったのだけど、ウエストハムのファームを形成している男たち殆どがミドルクラスってのは、実態としてもそうなのかねえ? フーリガンは何もワーキングクラスだけのものではない、ということは知っているけど…単なるこちらの思い込みだろうか。うーむ。敵対クラブ・ミルウォールのファームの連中はどう見ても労働者系だったので、これは対比の意味もあるんだろうか。ま、コレはちょっと自分で調べてみないと、どーこー言えることじゃないんだけども…。

 以上、なんだかキビシイことばっか書いたけども、別にイングランドのフットボールに格別の思い入れもなく、私のように“英国を撮る映画はこうあって欲しい”という妙な拘りがなければ、普通にそこそこ面白く観れる青春映画、じゃないかな(笑>おいおい)。特に主演俳優が好きな人には、それなりに楽しい作品と思いますよ。実際、良かったと言ってる人も多いみたいだし。
 私だって、観て良かった部分がまるっきり無かった訳じゃないしね。元々はピートの連れだったのに、マットがやって来たせいで“ピートを取られた”ように感じてしまい、結果ファームのユダ的存在となるボヴァー@レオ・グレゴリーの存在感は、本当に素晴らしかった。非常に“英国的”なキャラクターでもあり、演じるレオ・グレゴリーのハマり方も印象的。彼を知ることが出来たのは収穫。今度日本でも公開される初期R.ストーンズ映画『STONED』で、主役のブライアン・ジョーンズを演じるんだよね。楽しみ~!
 それからウエストハムのチャント(イングランド名物のクラブ独自の応援歌)は泣ける詩でねえ。これが聴けたのも嬉しかったな。中学生英語でもわかります。そして、マジでいい唄でした。“俺はずっとしゃぼん玉を吹かしてるぜ!”てな。 ↓

"I'm forever blowing bubbles"

I'm forever blowing bubbles, Pretty bublles in the air,
They fly so high, Nearly reach the sky,
Then like my dreams, They fade and die,
Fortunes always hiding, I've looked everywhere,
But I'm forever blowing bubbles, Pretty bublles in the air


【おまけ】
 まあ、こんなボヤキを言ってる私は『フットボール・ファクトリー』でも観たほうがいいのかもしれない。今度レンタルしてみようっと。
 ついでに現在読んでる『フーリファン~傷だらけの30年間』(マーティン・キング&マーティン・ナイト著/東本貢司訳)がなかなか面白いです。これをネタ本にして、是非ともメイド・イン・イングランドで映画撮って欲しいよなあ(単なる勝手な希望^^;;)。そして今更ながら『フーリガン戦記』(ビル・ビュフォード著/北代美和子訳)を中古で入手。まったくマイ・ブームで全てが動く私はこの2冊のほかにも『サッカーの敵』(サイモン・クーパー著/柳下毅一郎訳)やら、これまた今更過ぎる『悪者見参~ユーゴスラビアサッカー戦記』(木村元彦著)まで買い込んでしまったという始末---他にも未読の本が溜まるばかりなのに、何やってるんだかねえ(苦笑)。 

暑さもW杯ウィルスも鎮静化

2006-07-19 | 戯言・四方山話・メモ
★ 悲喜こもごも様々なThat's蹴球・ドラマ人間(お国)模様を世界に送り届けた諸国蹴球漫遊W杯も終了。その直後、東京は「も、もう真夏?!」とブッ倒れそうな亜熱帯気候に襲われ、体調も下降気味・しばらく仮死状態に陥っていた私です……という訳で、放置の多い拙ブログへ訪れてくださる奇特な皆さま、どうもご無沙汰でした。梅雨が戻ってきて快適温度になり、ようやくキーを打つ気力も戻ってきたので^^;; 終わって10日経とうという今頃ですが、一応私的2006年W杯独逸大会・総括覚書の巻であります。

★ まずは、マイ基準によるベスト・ゲーム選出!!
①豪州×クロアチア戦… 録画しなくて大失敗!の後悔№1の試合だったねコレは! サッカー観ながら、こんなに笑いが止まらなかったゲームは初めて(笑)。また解説&実況の反町・内山組による技ありコメントが笑いに輪をかけて、もうホントに面白かったです!後半戦しか見てないけど(>オイっ)。
 両者とも決勝リーグへのサバイバルを賭けてる訳だから、当然のガチ勝負でぶつかり合ってるんだけど、このゲームを一言で表すなら“馬鹿”。 バカ×バカ、肉弾×肉弾、根性×根性でドンドン茹で上がる地獄の釜の如き熱気は、英国人審判さえバカの渦に巻き込み(大笑)黄色赤色出し過ぎて、累積レッドの出し忘れって何なの、一体。てか、そんなもんに構っていられるかぁッ!という状態の豪クロ両選手。 
 実況の〆の言葉が簡潔にこの試合を表現していましたねえ。うろ覚えだけどこんな感じ >「いやぁー長らくサッカーの試合を観てきましたが、こんなのは初めてですねえ(笑)サッカーの始まりは格闘技だった、ということを正に思い出させる試合でした!」 ----嗚呼素晴らしき哉プロレス蹴球♪の世界であった。

②伊太利×豪州戦… という訳で、一気に豪州応援態勢に入った私の気持ちを、また一気に挫けさせたこのゲームも入れねばなるまい…。いい試合だったんだよ。お互いに果敢な攻防を繰り広げ、たとえ結果はわかっていても(再放送を観たので)こんなに手に汗握るゲームを観ることが出来て、私は嬉しかったのよ。
 伊太利、実は前大会のときは“イケメン集団”とか言われててもイケメン基準が世間と違うらしい私には「長髪うぜえ」って感じの選手ばかりで、一体誰がイケメンなのよ?ってな具合だったけど、今大会は短髪率増えた上に前にはいなかった(笑>いたかもしれないが髪型変わると印象も違うからねえ)よーなむさ苦しい熱さのある選手が何人かいて、ちょっと気持ちが動いた。具体的には熊のよーな風貌の燃える闘魂・ガットゥーゾ、マルコメ頭にしてカワいさ倍増カンナヴァーロ、イケイケちんぴら風なイアクィンタあたり。あとインザーギのギラギラ感も素敵だったと思う。
 それにひきかえ、まさしくオージー・ビーフ(笑)猛牛レスラー集団な豪は、欧州移民系と先住民系選手の割合がイイ感じ。そして今回の彼らは勿論基本は格闘サッカーなんだけど、伊太利に合わせた細かさも見せることが出来ていた。 本当に、良い試合じゃないかあっ!と、胸を熱くさせてたのに!! 0-0で迎えた後半終了までのアディショナル・タイムにて、蹴球鑑賞ベテランの友人が言うところの「経験で負けたねオージー。老獪イタリアーニ」を見せ付けられたわ。角刈とってぃ王子のPKシュートがゴール----
 そりゃないぜ、セニョール!!!!(大涙)……コレで試合終了って何? 何なのコレは?? オージーの皆さんもスタンドの豪サポーターも、頭真っ白になったと思います。 私もあまりのショックで涙が出ましたよ、マジ。 あああああ、そうなんだよな要するに。コレがW杯、蹴球。歴史ある欧州の強豪と、積み重ねのない新興勢力の違いをまざまざと見せ付けられた印象深いゲームであった。
 とりあえず、前大会の愛蘭ほどではなかったけど、今大会で一気にマイ注目度が高まったオージー猛牛の皆さんにありがとう。次大会からはアジア枠へウェルカムね~~。

 ③以下は順不同で、伊太利×独逸戦(別名・枢軸国対決^^;;)/チェコ×伊太利戦(豪×クロの格闘蹴球後に観たこのゲームの、なんと美しかったコトか>笑)/メキシコ×アルゼンチン戦(男前なマルケスをもっと観ていたかったよう…メキシコのパス職人なサッカーが好きになった)というところかな。
 あとオマケで、3位決定戦の独逸×ポルトガル戦。別名・カーン兄貴の引退興行ね! 独逸の若衆達も兄貴の引退興行俺たちで盛り上げるぜ!とばかりデッカい花火ドッカーンと打ち上げてくれてて、理想的な花道飾れて良かったんじゃないかな。こういうベタなドラマが一つぐらいあってもいいよね、みたいな。

★ 決勝も当初の予定では、仏代表ジダンの引退興行色濃厚だったんだよねえ。でも、へそ曲りの私としては、決勝までそんなベタなドラマに喰われちゃうのはツマラん!と思っていたし、ご覧の通り私的ベスト・ゲームには伊太利が殆ど噛んでるといった有様故、自然に「伊太利応援態勢」に入っていた。それに彼らは彼らで、W杯後にお国に帰れば八百長スキャンダルの後始末やらケジメやらで大変なハズなので、他人様の事情なんて斟酌するかい!っていう、ある種のなりふり構わなさに期待したいとも思ってた。
 がっ。仏のメイクドラマは想定外過ぎて、目が点。まさか引退興行の主役が頭突きで赤紙退場とはねえ…。

★ 私は仏代表に全く思い入れはないし(アンリの顔はかなりタイプだが^^;;)ジダンのことも今大会で初めてマトモにプレイする姿を観ただけなので、この件に関しては知ったかぶりなことは書けない。(まあ喧嘩両成敗というか、どっちもどっちだろ!というのが正直に思ったところではあるが)
 けれど、なんというか…ちょっと話が大袈裟になり過ぎててないか? 現段階では真相(伊マテラッティがジダンに何を言って挑発したのか、ってヤツ)は曖昧なままではあるけど、少なくともこの一件のどさくさで決勝再試合すべきとか、伊太利優勝返上せよとか、そんなのはいくらなんでも呆れる。フランスに肩入れする人たちが、必要以上にイタリアを貶めるのもいかがなものかと思うのよね。
 但し、先に自分の記事にも書いたけど、今大会では【SAY NO to racism】を掲げていることもあって、決して通り過ぎてはいけないことだとは理解する。実際に蹴球界(ピッチの内外)での差別問題(人種・宗教・政治)というのは、相当に根深いんだと思う。言葉の暴力~差別的発言をする側の人間が、その深刻さを意識できないというほどに。でも、これはあまりに難しい、差別根絶を呼びかけるなら蹴球界というよりは全世界的レベルで取り組むべき問題でもある訳で…まあ、コレを契機に何かが変わってくれればいい、とは思います。と、キレイ事でこの場は納めておくことにします(苦笑)。

★ そんなこんなで、伊太利優勝にも色々とミソが付いちゃったけど、先に書いたように個人的にはこの優勝は何ら疑う余地のない、当然のものと納得できた。だって私のような素人目にさえ、今大会通して伊太利は“守備中心でも観せる”ゲーム運びをしていたチームだったと思うし。加えて伊太利のズルイというか凄いのは、波乱万丈のゲーム展開になりながらも、土俵際ギリギリのラインで一気に点を決めちゃえるとこ(苦笑)。唖然とするよ、ホントにもう。決勝でのPK戦にしても然り。PK戦は宝クジみたいなもんだから、負けた側は辛いことこの上ないけど、勝つ側の強運もまた実力。決めるべきところで確実に決める。それって、誰にでも出来ることじゃないから。(しかし私は、甦るイング敗戦に心を痛めつつ、なんでイングと違ってそんなにシュートが入るのよ?と軽くムカついてたことも告白しておこう…^^;;)
 優勝決定の瞬間、伊太利の伊達男どもが一気に幼児化して(笑)喜び爆発させる様は本当に微笑ましかったなー。腕組み&仁王立ちで無表情にPKを見守っていた(そして、ピルロの抱き人形になっていた^^;;)主将カンナヴァーロの、正しく破顔大笑で万歳猛ダッシュに笑い、何故かパンツ姿になって踊ってるガッちゃん(ガットゥーゾ)に笑い、円陣の中で断髪式やっちゃうカモラネージに笑い、国旗で頬かむりのとってぃ王子に笑い…ともあれ、伊太利代表&応援の皆さん、優勝おめでとうございました!

★ 以上、結果的には4年前よりもじっくりたっぷりと観戦できた2006年W杯。いまだ蹴球ファンとしては発展途上のワタクシとしては勉強になることも多く、充実した1ヶ月でした。2010年南アフリカ大会も当然楽しみにしたいし、そのときには…今回より日本代表を応援出来るといいな、とも思ってます。
 そして、4年後こそアイルランド代表の姿が観れることを祈って!!(勿論、蹴球母国もね! リオ、まだ選出されてるといいけどなあ----って、そんなことより自分の4年後を心配した方がいい気もする…^^;;)
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SAY NO to racism他諸々@W杯

2006-07-05 | 戯言・四方山話・メモ
★ しつこくW杯ネタ。決勝トーナメントから、キックオフ前儀式として行われるようになった“人種差別反対表明”だけど、コレの元ネタはナイキの【Stand up, Speak up】キャンペーンみたいですね。仏代表/英アーセナル所属のアンリが中心となって始めた運動で、ビデオにはアンリのほかリオ、ロナウジーニョ、ファン・ニステルローイが登場。
 2004年のスペイン×イングランドの親善試合にて、イングの黒人選手に向かってスペインのサポーターがモンキー・チャントで野次った事件を始め(詳細はコチラ ※リンク先ミスしていたので訂正しました→7/10)また東欧の方でもこの手合いが多かったことから【フットボール界の根深い問題】として表面化してきたらしい。
 にも関わらず再び、W杯今大会のフランス×スペイン戦にて、2年前と同じことをスペインのサポーターが仏選手団に向かって繰り返すという出来事が起こったという。
 …英プレミア・リーグを見慣れていたりすると「ええっ、今時そんなアホな」と思いがちだけど、欧州的にはコレが現実なのね、と改めて極東の人間も溜息をついた次第。他人事ではないですからね、日本人も。

★ ・・・・なんて尤もらしいことを書いてみましたが、実を言うと何時までもトップ記事に【27歳男子@リオ;;が体を折って泣き崩れる画像】が目に入るのは、あまりにも遣る瀬ねえな~というコトで、キリッとした顔のリオは男前なのよ!というアピールをしたかっただけ、という話も(苦笑>でもこの画像じゃわかり難いか)。

★ そういえば準々決勝敗退のイングランドの主将様ことべっきゃむさんは、“主将辞退表明”をなさいましたね。まー、ミーハー王道外す私にとっては特に好きでも嫌いでもないどーでもいー人なのですが(^^;;)彼は「やるべき仕事はキッチリ仕上げる男」ということは今回改めて感じましたし、少なくとも色んな意味で革命的存在だったことは認めております。(マッチョ至上主義の英フットボール界の風を変えたのは、やはり功績だと思うし。この記事に書かれていることは、ちょっと大袈裟な気もするけど面白いです)
 だから敢えて、主将「様」付けしてきました。本当にお疲れ様でした。

★ 今夜、というか日本だと早朝から準決勝ドイツ×イタリア戦で、あーいよいよ祭りも終わるなあ、なちょっと黄昏た気分。ま、既に何処が優勝してもイイや状態ではあったけど、この1ヶ月あまりは4年前以上にたっぷりとW杯を楽しめて良かったな。周りにあまり蹴球話をする人もいなかったのでココで思い切り書き飛ばし、それまでコチラを訪れてくださってた数少ない方々を大いにヒカせてしまった気もする…。が、今月下旬までには元通りに戻る、はずです。一応こんな有様でも映画は観てたし、それについては改めてちゃんと書く所存であります。

★ おまけだけど、FIFAの公式サイトの『サッカーを愛するVIPたち』のコーナーが面白い。2006年W杯出場国それぞれの著名人たちが「自国代表/私の蹴球愛」について語っている。私はつい俳優、映画監督、ミュージシャンあたりを中心に読んでしまったけど、作家とか政治家とかスポーツ・アスリートとか本当に豪華な面々。個人的に「へぇ~~」だったのは、スパイク・リー監督が2回に渡って語ってることかな。アーセナルのサポーターで、仏代表のアンリと親友とは知らなかった! でも好きなのはブラジル・サッカーというミーハーさが可愛い(笑)。

さよなら、聖ジョージ旗@W杯

2006-07-03 | 戯言・四方山話・メモ
 イングランド国歌『God save the Queen』を歌うサポーターで埋め尽くされたスタジアム、まるでホームゲームだったはずの準々決勝・対ポルトガル戦。だけど、蹴球の神はついにイングランドを見放した。

 今までの彼らのゲームのやり方では、土建屋オヤジ@すこらり監督率いる“当たり屋集団(>ゴメン。でも私にはそう映った)”なポルトに勝つのは難しいだろ、と予想はしてた。それでも「もしかしたら」の希望も持ってはいたのに。
 なんともトラジックなドラマを最後の最後に展開して、聖ジョージ旗は敗れました。ドラマ的には、見所満載の好ゲームでした(ヤケクソ)。
 悲劇に傾く前兆は後半すぐ、怪我が痛んでた主将様@べっきゃむの交代。代わりに入ったレノン君が気に入ってた私としては、彼が入ること自体は嬉しかったけど…この大一番の試合で主将が下がるってのは、本人的にもチーム的にも厳しかったはず。案の定、主将様ベンチで悔泣き。ああ~~…なんかねえ、このあたりで既にイングランド一家は“悲壮”の風向きに入ってしまったんだよなあ。しかも悪いことは続くもんで、ルー坊に赤紙退場の判定が下された。アレで赤紙?!とも思ったけども、主審目前でポルトのクリスチアーノ・ロナウド(>個人的にこのコ嫌い…でもこの“ドラマ”のヒールとしては最高の仕事してたよね)突き飛ばしはマズかった。ルー坊の茫然とした目が忘れられない。ショート・テンパーな20歳の若造にかけられたプレッシャーは大きすぎた。キレるのは時間の問題だったかもしれない、が、ポルトの思惑通りの展開に思えてならなかったよ。
 それから先、10人での後半~延長はなんとか懸命に凌いでいた。今回もハーグリーヴスが八面六臂の大活躍、A.コールと共に影からの攻撃・守備を支えていたし、レノン君の働き蜂ぶりも素晴らしかった。ルー坊の代わりに入ったクラウチも頑張っていた。私のミーハー対象なリオ&テリーのCBコンビも見事な仕事をしていた。
 つまり追い詰められたせいか、この日のイングランドが見せたゲームへの姿勢・内容は、今大会中では一番良かったんじゃないかと思う。
 でもねえ…やはり、全体的に何かが噛み合ってないんだよね。主将とストライカーを失った彼らに、ゴールは決められなかった。相手にも決めさせなかったけど。頼りないだの何だのと私も書いたけど、この試合のイングGK@ロビンソンはよく守ってたよ。でもなあ…やはりPK戦ってのはキツイと思った。そして-----

 敗戦が決まった途端に崩れ落ちる、または立ち尽くす選手たち。その中でリオが、正に失意体前屈の姿で、二の腕に顔を埋め、肩を震わせて号泣してた。
 私はイングランドが負けたということより、そのリオの姿を観て涙が出ましたよ…。
 リオと組んでたテリーも、立ち尽くし前を見据えたまま目を赤くしていた。主将様が皆を慰めに周ってて、嗚呼彼にはきっとコレが最後のW杯なんだろうな、と思うと切なかったな。
 今回は一部では史上最強メンバーと言われつつ、最後まで不発で噛みあわなかった、そしてついに運が尽きてしまったイングランドよ、さようなら。そして、4年後こそはThree Lions復活!な感じでお願いしたいですね。


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 さて、ノックアウト・ラウンドな決勝トーナメントは流石に、どの試合もちょっとした波乱含みなようで。誰もが優勝と疑わなかったブラジルも仏に敗退しちゃって、4強が全て欧州ばっかなんですなあ。
 やっぱ優勝候補は開催国・独逸戦車団なんでしょうか。とりあえず今週の枢軸国対決(>独逸×伊太利亜)次第かな…私は既に何処が勝ってもいいんですけど(苦笑)今回のイタリアは面白いので決勝に行くと楽しいな、というところでしょうか。
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