傍流点景

余所見と隙間と偏りだらけの見聞禄です
(・・・今年も放置癖は治らないか?)

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総括せよ!2007年~映画編

2008-03-31 | 映画【劇場公開】
映画編、と書いた時点で他は後回し、結局年度中には総括できませんでした。まあ、そんなもんよ。
2007年に鑑賞した劇場公開の新作映画は合計53本(たぶん・・・)。今までよりは確実に減り、痛恨の見逃しもザッと5本ぐらいあるのにも関わらず、観ても観なくともどーでもいーじゃん!な映画が同じく5本ぐらいあること。いわゆる、ヒマツブシに観たってヤツですか? そんな気分で観て「おっ」と乗り出すような掘り出し物がいくつかあれば良かったんだけど、ん~『ロッキー・ザ・ファイナル』ぐらいかなあ、それは。ただし、自分が期待した以上の素晴らしさでノックアウトしてくれた作品も数多く、上位のシノギを削りまくってくれた。以下の2007年傍流点景的ベスト10、上位4位までは甲乙つけがたし。この4本はコメントも少し長めに・・・残りはなるべく簡潔に、を心掛けようかと思います。

①ドリーム・ガールズ
そもそもミュージカル映画というものに対して、基本的にはNGな私が、本作をこれほどまでに愛するとは思いもしなかった。ビル・コンドン監督はやっぱり凄い。もう、大好きだ!! 映像と音楽が美しく調和して、彼女・彼たちに代表される米国黒人音楽の光と影がよどみなく語られる。そして、拍手喝采のフィナーレ!嗚呼、これぞエンターテインメント、ハリウッド映画ってもんでしょ! とウットリすること5回、の劇場鑑賞であった。
余談ながら、本作のおかげで人生最大のブラック・ミュージック・ブーム到来! 改めて「やっぱ私はモータウンよりスタックスなんだよな~」なんて思いつつも、サントラをリピートすること約半月に及んだのだった・・・。

②パンズ・ラビリンス
映画としての完成度、そしてズシンと胸に響いた度では1位である。私にとっては『ヘルボーイ』でのオタクぶりサイコー、パート2待ってるゼイ!なギレルモ・デルトロ監督だったのだが・・・本気と書いてマジ!モードな彼が、よもやこれほどまでに哀しくやりきれないダーク・ファンタジーを撮る人だとは思ってもいなかっただけに、不意打ち感も手伝って余計に衝撃的だった。これは、童話の起源と歴史を思い起こさせるような作品である。その痛ましいまでの残酷さと歪んだ美しさを見せつけられて、私は号泣した。現実の世界に逃げ場などなく、必死でさしのべられた腕さえ届かない。だから、少女はあちらの世界のプリンセスとなれるのだ。この映画は、残酷な世界で生き残ることができなかった子供たちに捧げる鎮魂歌だと思う。

③スキヤキ・ウエスタン~ジャンゴ
さて。これまた世間様では風当たりの強い作品だけど、なんでだろーねえ。現在までの三池崇史監督作品・集大成。と三池ファンの私は断言したい。これだけスタッフ&役者一同が真剣にノリまくってて、かつ「これはスクリーンで観なくてはならぬ!」と思わせるスケール感とケレン味溢れた日本映画が他にある? まあ、確かに遊びすぎな部分もあるが、それは豪華出演陣それぞれに見せ場を作らなくちゃいけないからさ!サービス精神旺盛でイイじゃないか。しかし、根っこはしっかり漢度満点である本作の肝は、ラストにこそあり。役目を終えたガンマンから平八少年へ引き継がれていく魂。豪雪の中を馬で走り去るその背中に、日本のソウル・キングこと北島三郎先生の『ジャンゴ』が朗々と響き渡るエンドロール。ここで毎回、私の目は涙で潤むのだった。余談ですが、私の嫌いな俳優筆頭・伊藤英明が主演なのに、今作での彼は良かった。こんな感想になるとは、自分でもビックリよ・・・。

④グラインドハウス
US公開バージョンである『グラインドハウス』=『プラネット・テラー』『デス・プルーフ』の2本立て+フェイク予告編。タランティーノもロドリゲスも、好きな映画だけ撮っていられて、幸せな人生だなあ・・・と嫉妬しました(笑>まあ私生活はいろいろ大変なこともあるようだが…特にロドリゲス)。ロドの『プラネット・テラー』は、基本ゾンビ映画だけどもアクションあり、熱く戦うラヴあり、バカバカしくも泣ける兄弟愛&親子愛ありと、安くともギュウ詰めなB級娯楽映画っぷりがビバ! タラの『デス・プルーフ』は、車殺人鬼 VSカシマシ娘達のデッドヒートにドキドキです。あと見所は、女子更衣室トークのよーなリアル会話(中味などないアホ話)。なんだかんだと、やっぱタラの脚本はこーゆーところがスゴイわ・・・。こんなくだらない映画なのに、アホなキャラなのに大マジで力投するカート・ラッセルの漢っぷりに感動します。ラストの爽快感はたまらないね!館内のお客さんも大拍手で盛り上がってました。何も考えないで笑い転げて目一杯楽しんだ度では№1。

⑤パフューム~ある人殺しの物語
『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ監督、随分芸風変えましたね。しかし、これはこれで良し。映画としての完成度は高いと思えない。が、私は「変態の真摯な思い」「報われないオブセッション」的映画に弱く、そこに異端者の絶対的孤独、というテーマが加わると、もういけない。主人公のかたわ故の人でなしぶり、その哀れさに涙・・・というわけで、この作品はツボにハマったのだった。主演のベン・ウィンショーの存在感も深く印象に残った。

⑥ブラック・スネーク・モーン
冒頭、臍出しTシャツにホットパンツという扇情的な姿で闊歩するレイ@クリスティーナ・リッチの後ろ、でかいトレイラーが鳴らすクラクションに向かって彼女が中指を突き上げるタイトルバックに、速効でノックアウトされる。前作『ハッスル&フロウ』も素晴らしかったグレイグ・ブリュワー監督だけど、米国産としては近年一の逸材だな、と確信した。彼の映画の中のブラック&ホワイトのバランス、その距離感の取り方と寄り添い方が凄くリアルに感じる。前作に続き舞台はアメリカ南部、出てくるのは低層の黒人と白人、そしてブルース。ブルースってやっぱり演歌なんだなあ、としみじみ噛み締める映画でもある。

⑦腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
一応、基本は家族の映画なんだろうね。最凶バカ姉(ただし見た目は美形)と、降りかかる身内の不幸もバカ姉もすべて「ネタとしての面白さ」として昇華してしまう漫画書きの妹(見た目は勿論オタクでイモなメガネッコ)の愛憎物語。この姉妹の仁義なき戦いの容赦なさを、ブラックな笑いに転化するとこが良い。確執のある姉妹(兄弟でも家族でもいい)が最後には和解する、なんてキレイ事じゃないラストにも何故か一種の爽快感を感じたのだった。

⑧ロンドン・コーリング~ライフ・オブ・ジョー・ストラマー
硬派な兄貴、は営業用だったのね…!という、ファンであるならば多分ショーゲキの事実が、クラッシュやジョー・ストラマーに思い入れのない私には逆に大変興味深かった。カット割過ぎ!とか編集が煩すぎ!とか難もあるけど、ジュリアン・テンプル監督のロック・ドキュメンタリーはやっぱり面白いよ。ロック・ファンとしては、やはりこうした作品には様々なことに思いが及んでしまい、考えさせられることも多いです。

⑨ハリウッドランド
ベン・アフレックとエイドリアン・ブロディという、我がミーハー的に外せないお犬様共演作品!というだけでランクイン。まあ、はっきり言えば期待が大き過ぎたな・・・と思う作品ではある。でもでも、崩れ色気垂れ流し状態のエイドリアンは反則!とても平常心では観ちゃおれーんっ >バカです、ええ。もうひとつの萌えであるベンちゃんだが。こんなシリアスな役作りしまくってる彼を観るのは久しぶりだ・・・正に迫真。迫真過ぎて、ただでさえイタい役なのに辛さ倍増。とてもミーハー視点では楽しむなんて余裕はなかったわ。それでも、我が愛する2人の魅力をじっくりと描いてくれたアレン・コールター監督には感謝。そんな映画。

⑩クローズZERO
三池の青春ヤンキー&ヤクザ映画にハズレなし!(まっきー先生絡みの一部作品除く;;)というわけで、良かったですよ。娯楽映画として本当にプロフェッショナルな作り込み、そして青春の熱き血潮に溢れた正統派“アイドル”ヤンキー映画。そして思うのは、やっぱり不良ってのは男の永遠の憧れなんだな、と(全ての男の、ではないにしろ)。ただ、やはり同じジャンルの傑作『喧嘩の花道~大阪最強伝説』は超えられなかったなあ・・・と。まあいいさ。この映画のヒットのおかげで、三池さんも助けられたところが大きかっただろうし。それに、主人公・小栗くんのライバル役が山田孝之で、そういや私、6年ぐらい前からこのコは俳優として好きだったよ!ということを思い出し、去年末はプチ・ブームになりましたから。以上!

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【2007年4月~12月 観た映画メモ】
(◎=傑作/○=良く出来てる/☆=個人的に好き)

ゴーストライダー ☆
龍が如く ☆
パフューム~ある人殺しの物語 ○☆☆
サンシャイン2057
クィーン○
ハンニバル・ライジング
ラヴソングができるまで ☆
約束の旅路 ○
ロッキー・ザ・ファイナル ○
スモーキン・エース ☆
バベル
スパイダーマン3
プレステージ ○
ハリウッドランド ☆☆
ゾディアック ○
殯の森
Watch with me~卒業写真
ラッキー・ユー
グラインドハウス ◎☆☆☆
フリーダム・ライターズ
それでも生きる子供たちへ ○
インランド・エンパイア
夕凪の街 桜の国
ブラック・スネーク・モーン ○☆
シッコ
スキヤキ・ウエスタン~ジャンゴ ◎☆☆☆
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ ○☆
ロンドン・コーリング~ライフ・オブ・ジョー・ストラマー ○☆
パンズ・ラビリンス ◎☆☆☆
ファンタスティック・フォー2
トランシルヴァニア ☆
クローズZERO ○☆
Too Tough To Die~ジョニー・ラモーン・トリビュート
スターダスト
ローグ・アサシン
ブレイヴ・ワン
犯人に告ぐ
ヘアスプレー ○
呉清源~極みの棋譜 ☆

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2 コメント

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お久しぶりですッ! (殺し屋市)
2008-04-23 22:31:53
覚えてらっしゃいますでしょうか、三池ファンの高校生もとい現在大学2年生の市でございます。ブログ再開、待っておりました!かくいう私も色々忙しくなってブログ1年放置状態ですが、もしかしたらまた別の形で再開するかもしれないので、その時はぜひ遊びに来てくださいませ。
ちなみに私の昨年のベスト5は、

1『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』
2『パンズ・ラビリンス』(私情抜きならここ数年でベストかもしれません・・・)
3『グラインドハウス』
4『机のなかみ』(オススメです)
5『トランスフォーマー』(男の子なので譲れません笑)

です。『ジャンゴ』(そして『クローズZERO』!)は好き嫌いはともかく邦画の底力を垣間見ることができる稀有な作品なのに、柳下毅一郎まで酷評していたのが残念ですね。うぅむ・・・何がそんなにウケないのか・・・。
それはともかく、今年度もよろしくお願いします。
こちらこそお久しぶりです! (shito)
2008-04-29 00:42:34
市さん、覚えてます当然です!三池同好の士を忘れる訳がありません(笑)。こちらこそ、いまだにこんな零細ブログに訪問して頂きありがとうございます。
大学生活はいかがですか。満喫してますか?
忙しいときは忙しいなりに、楽しむべきは楽しんでお互いのんびりやりましょう・・・。
そして2007のベストが3作も重なってて、これまたウレシイですなあ! ジャンゴの素晴らしさは、私らがわかってりゃイイんですっ >いや、違うかも;;
ともあれ、遅くなりましたが今年度もよろしくお願いします。

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