goo blog サービス終了のお知らせ 

風待ちGiapponese

40からのイタリア暮らし。日常生活や食のあれこれをフィレンツェからお届けします。

秋限定!フィレンツェのドルチェ

2012-10-22 | グルメ・レシピ
“イタリア料理”と一口にいっても各地方によって伝統料理は様々。ドルチェも然り、です。
9月から10月にかけてフィレンツェに登場するのは『Schiacciata con l'uva(スキアッチャータ コン ルーバ)』というドルチェ。
“スケッチャータ(=平たいパン、フォッカッチャ)とぶどう”という名の通り、スケッチャータの上にぶどうがた~っぷりのっています。
このぶどうはワインでお馴染みのサンジョベーゼ! トスカーナ州はイタリア一有名な産地です。

カッシーネ公園のメルカート(前回の記事)でYoppaさんが大量買いしたのは、このサンジョベーゼ。


美味しそうに並んでいるのを見て、今は亡きYoppaさんのお父さんが秋になるとよく作ってくれていた、というこのドルチェを思い出したんだそうです。
そして、今回Yoppaさんが初挑戦! 実は今まで一度も作ったことがなかったらしいです・・・
さて、どんなドルチェができるやら。
父親の見よう見まねのYoppaバージョン、『Schiacciata con l'uva』の作り方をご紹介します!

<材料>
・ぶどう(サンジョベーゼ) 約1.5kg~
・砂糖
・生地 →市販のもの(パン用orピザ用)でOK
      手作りする場合は、小麦粉・水・イースト菌・塩

<作り方>
①ぶどうは軽く洗ってボールに入れ、砂糖を振りかけておく。
 しばらく置くと、底に汁がたまってくるので捨てずにとっておく。
②焼き型にオリーブオイルを薄くぬる。
③型に生地を敷く。
④生地の上に、ぶどう→砂糖→アニスの種(なくてもOK)→オリーブオイル→ぶどうの汁、の順に重ねていく。
⑤再び生地をのせ、④の工程を繰り返す。
⑥予熱したオーブンに入れ、180℃で50分~1時間程焼く。
 焼け具合はオーブンによって違うので、適宜チェック。

以上!!とっても簡単です♪
砂糖の量はお好みで。Yoppaさんは砂糖をガシッとつかんで豪快に振りかけてます。もちろん仕上がりはかなり甘くなりますが。。。


ピザ用生地を使用しました。
Yoppa・父も、生地はパン職人から買っていたそうです。


一粒一粒、房から外すのがけっこう大変~


今回は、22cm×31cmの少し小さめの型を使用。


ぶどうは隙間なくビッチリと!
材料は豪快にのせていきます。
何となく、男性が作るほうが美味しそうなイメージ。。。

ちなみにぶどうは1kg=1ユーロほどですが、時期も終わりになると倍以上に値上がりします。(それでも安いけど)


出来上がり!
渋みは全然なくて、貴腐ワインを口にしたような感じでした。
そして、ぶどうの種は出さずにカリカリッと食べるのがフィオレンティーナ風

・・・でも、実はこれ失敗作。
本来であれば生地の部分がもっと厚くなるんだとか。
原因は、生地が十分に発酵する前にぶどうをのせてしまったこと。
って、理由はわかっているのに、今シーズン3回作って3回とも同じ失敗したんですよ、Yoppaさん。
本当にプロのシェフなのかぁ?!
4回目に挑戦!!しようとしたところでタイムアウト。今年のサンジョベーゼの時期は終わってしまい、スーパーでも見かけなくなりました。。。 リベンジは来秋に持ち越しです。

この『Schiacciata con l'uva』は、貧しかったトスカーナの人々がお菓子を食べたがる子供たちのために、安いパンにぶどうをのせて焼いたのが始まりだそうです。
でもどうして“トスカーナのドルチェ”ではなくて、“フィレンツェのドルチェ”と言われているのかな??と思って人に訊いてみると、「同じトスカーナ州でも、他の町ではスケッチャータではなくて、サンジョベーゼを入れたタルトなどが作られている」からだそうです。きちんと調べていないので、定かではありませんが

ぶどうが終わっても、トスカーナはフンギ(キノコ)や栗と秋の味覚がまだまだ続きます。
フンギのリゾットなどはもう何度も食べて、かなり食傷気味・・・。
それでも、今日も明日もあさっても、「おいしいフンギが手に入ったから、家に食べにおいでよ!」という声が、どこかから聞こえてくるんだろうなぁ。





アルトゥージのレシピ

2012-05-26 | グルメ・レシピ
イタリア生活を始めて丸2年と少し経ちました。
イコール、自宅にいながらにしてプロのシェフの手料理を食べられる、という恩恵にあずかって2年。
さぞたくさんのイタリア料理を覚えたことだろう、と思いきや・・・ 舌はすっかり肥えたものの、一人でまともに作れるのは“アーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノ”と“カボチャのリゾット”くらい。
「今日は私が一人で夕食を作るから!」と宣言しても、ふと気付くといつの間にかYoppaさんが隣でフライパンを振っている、という始末。
私のモタモタぶりを見かねてか、家でも料理人の血が騒いでしまうからなのか、いつもこんな調子なのでなかなか料理を覚えないのです。
って、人のせいにしてはダメですね

さすがに最近になって「もっとイタリア料理のレパートリーを増やさなければ!このままではマズイ!」と思い始めて、手にしたのが『料理の科学と美食の技法』(La Scienza in cucina e l’Arte di mangiar bene)。
以前ブログでも紹介した、イタリアではとっても有名なペッレグリーノ・アルトゥージのレシピ本です。(→アルトゥージ、日本でも有名に!?



1891年刊行で、”家庭で作る料理”を中心に790のレシピが書かれています。
今までにも何度か挑戦しようとしたものの、本を開いてはパタンと閉じる、の繰り返し。
その原因は、ぎっしり書かれたイタリア語。
100年以上前の古い言い回しが出てきたり、レシピと料理の逸話が入り混じっていたりして、読みこなすのが大変

例えば、1番目に登場する“Brodo(出汁)”のページはこれ↓↓

読んでいるうちに、料理の意欲が薄れていく・・・

もちろん簡単な(=文章が短い)レシピもあります。
今回はこの中から、トスカーナの代表的な料理のうちの1つをご紹介します!
(実際は、下記のような箇条書きにはなっていません)

<レシピ№110 鶏レバーのクロスティーニ> (Crostini di fegatini di pollo)

①鶏レバーは肝の小袋を傷つけないよう取り出す。水を張ったボールの中で行うとやり易い。
②鶏レバーを火にかける。
③エシャロット1本(または白玉ねぎ少量)、ハムの脂身少量、イタリアンパセリ数枚、セロリ、にんじんを細かく刻んで合わせる。それぞれの食材はわずかな量にする。
④少量のオイルとバター、塩こしょうも一緒に加える。
⑤レバーの汁気がなくなった段階で鍋から取り出し、柔らかくもどした乾燥キノコ2、3切れと一緒にみじん切りにする。
⑥刻んだ具を先ほどの鍋に戻して再び火にかけ、ブイヨンを少し加えてよく火を通す。
⑧ひとつまみのパン粉をふり、レモン汁少々を加える。
このクロスティーニは柔らかい状態がよいので、ある程度汁気をもたせて作るか、スライスしたパンに前もってほんの少しだけブイヨンを染み込ませておくとよい。


出来上がりはこんな感じです!
なぜかポンテベッキオをバックに。。。

ちなみにYoppaさんレシピの材料は、鶏レバー、玉ねぎ、イタリアンパセリ、ケッパー、アンチョビ、バター、生クリーム、塩、コショウ、酢。
これらを、①炒める、②混ぜ合わせる、③ミキサーにかける、です。
それぞれの家庭の味ですねー。


数年前、まだアルトゥージのレシピをまともに”読んで”いなかった頃に観た映画、『ジュリー&ジュリア』(2009年 アメリカ)。

1960年代に出版されたフランス料理本の全レシピを、若いアメリカ人女性が毎日自分で作ってブログに綴っていく、というストーリー(実話)です。
これを観たとき「このアルトゥージ版をやったらおもしろいかも!!」なんて思い付いたものの、相当の気力、根気、努力が必要だとわかり即断念。。。
映画のマネは無理だけど、今度こそは本を閉じずに、少しずつでもレパートリーを増やしていかれたらいいなぁと思っています!

秋のフランチョコラート

2011-11-29 | グルメ・レシピ
この時期、実家には柿、柚子、リンゴなどおいしそうな果物がたくさん!


これらの果物で作った干し柿(by 父)と柚子寒(by 母)。
 
いつもカビが生えてしまう干し柿・・・今年は上手く出来るのか?!

いきなりですが、ここでワンポイントイタリア語講座
柿は、イタリア語でも『Cachi(カキ)』といいます。
でも柿が1つ(=単数)の場合は、『Caco(カコ)』となってしまうんです。。。
これは、イタリア語では名詞の語尾が「単数名詞は-a、-o、複数名詞では-e、-i となる」というルールがあるため(例外あり)。
カキは「-i」で終わるので、”勝手に”複数名詞だと思い込んだイタリア人が、”勝手に”語尾を変えてしまったんですね。
カコ、かぁ。ん~、かなり違和感。。。
ちなみにスペイン語では、1個の柿は『Caqui』で、複数だと-Sがついて『Caquis』。日本人の私としてはこちらの方がスッキリします。


さて、秋の味覚には全く関係なく・・・私が作ったのは『フランチョコラート ペペロンチーノ』(Fran Cioccolato Peperoncino)。
友人Aちゃんの家で鍋パーティをすることになり、食後のドルチェ用に持参しました。
このピリリと辛いフランチョコラートは、去年のエルバ島のリストランテでも人気のあった一品です。
作り方はとっても簡単! カロリー高めですが、ぜひお試し下さい~。

~フランチョコラート ペペロンチーノ~

材料 (アルミカップ15個分)
   ・チョコレート(カカオ70%以上がおススメ) 300g
   ・バター 300g
   ・全卵  9個
   ・卵黄  6個
   ・砂糖  120~150g
   ・小麦粉 150g
   ・ペペロンチーノ粉末 大さじすり切り1(好みで調整)

作り方
   ① 砂糖、小麦粉、ペペロンチーノを合わせておく。
   ② チョコとバターを溶かす。(常温または電子レンジ)
   ③ 全卵+卵黄に②を加える。
   ④ ①を加えて混ぜる。
   ⑤ アルミカップに生地を流す。
   ⑥ 200℃のオーブンで2,3分焼く。
     表面が焼けて固まってきたな、と思ったらオーブンから取り出す。
   ⑦ カップを裏返して、フランチョコラートを皿にあける。(スポッと抜けるはず)

注意点 ・ペペロンチーノは必ず粉と一緒に混ぜておくこと!
    ・アルミカップの内側は、事前にスプレーオイルorバターを塗り、小麦粉を軽く振っておく。
    ・⑥は業務用オーブンでの目安。家庭用だと少し時間がかかるかも。
    ※作り方は簡単でも、オーブンから出すタイミングがかなり難しい!! 


⑤の工程。
横着して家にあったマフィンカップを使ってしまいました。
内側にオイルも粉も振らなかったから、カップからうまくはがれずグチャグチャに・・・

 
(右)通常はこんな感じ。スプーンで割ると中からチョコがトローリ。
(左)今回の失敗バージョンです。うぅっ、ごめんなさい・・・

これまで料理ネタをいろいろ書きましたが、レシピを載せたのは今回が初めて。
Rombinoの記念すべき第一弾!です
これを機に、イタリアンドルチェやトスカーナ料理、Yoppaさんの”海の男の豪快料理”などなど、アップしていけたらいいなぁと思っています。
レシピ第二弾をお楽しみに!(いつになるかわかりませんが・・・


<おまけフォト>
 
おいしい鍋物とおしゃべりを満喫した帰り道、恵比須のイルミネーションがと~ってもステキでした。(友情出演:Aちゃん、Mちゃん)


寒い冬には、こんな飲み物を

2011-01-16 | グルメ・レシピ
タイトルとは反対に、暖かい日が続いているフィレンツェです。

日曜の今日もポカポカと暖かく、友人達と庭でBBQランチ。
この企画、友人ガブリエレの「ブタ半頭分の肉が手に入ったから、みんなで豚肉パーティやろう!」の掛け声で12人が集合。

 

でも”ブタ半頭”というのはガセ情報で、実際は3、4人分ほど。
皆に声をかけた後に判明したから、結局スーパーで豚肉を買い足すはめに。。。
まぁ皆はどれが獲りたてのブタ(肉)で、どれがスーパーのか関係なく食べまくっていましたが


で、話を寒い冬に戻しまして・・・。
この季節、イタリアでの定番といえば・・・ そう、”チョコラータ カルダ”!
いわゆるホットチョコレートで、BAR(バール)などで飲むことができます。
スプーンですくうトロ~っとしたものから、ココアのように飲めるものなど、店によっていろいろです。

先日、地元フィオレンティーナのオススメで行ったのが、Cioccolateria(チョコレート屋)&カフェの”Hemingway”(ヘミングウェイ)


”Hemingway”のチョコラータ カルダ”。


店内はテーブル席もたくさんあり、奥がBARになっています。


美味しそうなチョコがずらり!(高いです・・・)

ここのチョコラータ カルダ、ほんのりアーモンドの味がして私好み。
でも喉がビリビリするくらい甘いので、砂糖の量を考えると一杯飲み切るのはかなり勇気が要ります。。。
そしてチョコ専門店だけあって自信を持っているのか、一杯の値段は何と6ユーロ(約750円)!
他のBARのものが2.5~3ユーロなのに比べると強気路線です。

家の近くのBARのそれは、飲み物というよりムースに近くてビター味。
これもまた好きなんですよね~。
ヘミングウェイにはそうしょっちゅう行かれないので、どうしても飲みたくなったときにはこのBARに直行!

他の店でよく見かけるのが、Eraclea(エラクレア社)のチョコの粉末を使ったチョコラータ。店によっては何十種類もある味の中から好みを選べたりして楽しめます。(飲んだことはないので、味は不明です・・・)
このEraclea、粉末のパックのデザインやオリジナルカップなどがかわいくて、甘いもの好きな人にプレゼントしたら喜ばれそう。
もちろん他にもメーカーはたくさんありますが、調査不足のためよくわかりません・・・ (Slitti(ズリッティ)、Venchi(ヴェンキ)など?)

手軽に家で楽しみたいなら、スーパーでも買える”Ciobar”(チョバール)。一箱5袋入りで1ユーロ。
ちょっとした日本へのお土産にも最適かも?!



久々に、パーティ料理

2010-12-03 | グルメ・レシピ
ここフィレンツェにも"本場のイタリア料理を学びたい!"と料理修業に来ている若いコックさんたちが多くいます。
先日知り合いになったT君もその一人。なんと、私がこの10月に結婚パーティをした代々木公園のイタリアンレストランで働いていたとのこと。偶然でお互いにビックリでした~。

さて先月はパーティ料理のアルバイトが数件ありました。
いずれもホームパーティの簡単なお手伝いでしたが、定番イタリアンの他、和食の依頼もあってちょっとドキドキ。。。

では、まずイタリアンのパーティから。


サーモンマリネの味付け中。甘酸っぱい香りが堪らない!!


こちらはシャコの下準備。


この日のパーティの主催者は60才の誕生日を迎えたシニョーラでした。


一品目の前菜盛り合わせ。
味がた~っぷり染み込んだサーモン(前述)にはクリームチーズを挟んで。
どれも一口で食べ終わってしまうような6品ですが、めちゃくちゃ手間暇かかってます


プリモの1品目、コルシカ島の料理、”ズッパ・コルサ”。
数種類の魚介からとった出汁がたっぷり入ったスープに、ニンニククリームを塗ったトーストパンを浮かべています。


プリモ2品目のほうれん草のニューディ、セコンドの魚介(エビ・タコ・シャコ)のグリルと続き、締めはミルフィーユ。シェフのデモンストレーションでお客さんは大喜び!


お次は和食パーティ。


刺身のツマにするダイコンを買いに、チェントロの中央市場へ。細くてプヨプヨ。。。
(あとから、近所のスーパーにも新鮮な大根があることが判明


鰻丼にするためのウナギを捌いているところ。さすがのYoppaさんも大苦戦です。。。


前菜盛り合わせ。
刺身にタルタル、巻きずしなどなど。

この前菜の後は、タコの酢の物・鰻丼・味噌汁・焼き鳥・餃子・ホタテのバター焼き。
イタリア人に和食のウケはどうかなぁと心配だったけれど、皆さんどの料理もきれいに平らげてくれてひと一安心!

その他、今年とれたオリーブで作ったオリーブオイルを味わうフェスタ、”Festa d'olivo nuovo”などもありました。
盛大で地元トスカーナ料理もたくさん作ったのに、カメラを持っていくのを忘れて写真なし・・・ 残念!!
仕事中に料理の写真を撮るのってタイミング的になかなか難しいですが、また機会があったら今度はプリモやセコンドの料理もいろいろご紹介したいと思います~。