熊本市会 鈴木 弘のまちづくりのすすめ

21世紀はそれぞれの地域のことは、それぞれの地域で決めていく時代ではないでしょうか。みんなで一緒に考えてみましょう。

夕張国際映画祭復活に思う

2007年02月24日 | まちづくりの一考察
20代の青年と対話した。お笑い芸術に情熱を注いでいる青年だった。こういった青年との対話は楽しい。頑張れ! とすぐに応援団になってしまう。

財政破綻で大変な状況にある夕張市。夕張国際映画祭(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭が正式名称?)の復活が、映画関係者や夕張市民の手によってなされたとの報道に触れた。

確か、夕張国際映画祭は、高倉健さん主演で、夕張を舞台とした山田洋次監督の名作「幸福の黄色いハンカチ」がきっかけでスタートしたと記憶している。
報道画面では、市民たちが手作りの黄色いハンカチで、応援に駆けつけた映画関係者を迎える姿が大変印象的だった。
文化・芸術の振興はまちづくりの基本だと、改めて学んだ気がする。

私は、「まちなかアート構想」の策定と、文化・芸術振興局を熊本市に作るべきだと主張している。
現在の熊本市は、局の下に部があり、そのまた下に課がある。残念なことに熊本市は文化振興課があるだけだ。もちろん予算もほとんどない。むしろこの4、5年少ない予算が更に削られているように感じている。

4年前、市役所に訪れた方達に、少しでも憩いと、文化・芸術に触れる機会を提供するため、また文化・芸術、特に音楽に携わる人達に発表の場を提供しようとの考えから開催されていた、市役所ロビーでの「ランチタイム・コンサート」がいきなり中止となった。

このランチタイムコンサート、多くの市民が参加し、司会などの運営もボランティアの方たちに協力して頂いていたため、最後のコンサートに私は駆けつけた。

そこで驚いたのが、市長や副市長、更には担当局長など責任ある人が誰も駆けつけていなかったことだ。
市民の協力で運営されてきたのだから、それまでのご苦労に報いるためにも駆けつけてくるものと信じていた私は、誰も駆けつけてこなかったことに憤りを覚えた。

私はすぐに議会で取り上げた。なぜ駆けつけなかったのか。これまでのランチタイム・コンサートをどのように考えてきたのか。文化・芸術をどのように思っているのか。そして、文化・芸術を大事に思うのならば復活すべきだと。

当時の担当課長は市民合唱団で頑張っていた方で、思いは同じだったようで、上層部と交渉し、新たな姿「アートステージTETORI」として復活できた。掲載の写真は復活したステージのひとこま。

今の熊本市の文化・芸術振興策は、見ていると経済振興優先の考えのように思えてならない。たとえば、ストリートでのパフォーマー(大道芸人など)も、イベントの一つとして捉えているきらいがある。

文化・芸術は人の心や社会を豊かにするだけでなく、言語や社会習慣の違いを超え、心と心を結び、世界平和をも実現する力を持っていると信じている。
財政再建団体に転落した夕張市に駆けつけた映画人を見ていて、大変なときに、今の熊本市に何人の文化・芸術家が駆けつけてくれるだろうかと考えてしまう。

純粋に文化・芸術とは向き合うべきだと考えている。
17年度決算特別委員会で、委員長としての私は、委員会の総意として、熊本市現代美術館には、経済性・合理性を優先する指定管理者制度はなじまないという意見を取りまとめ、市長に要望した。

この他、それまでの「草枕俳句大会」を国際大会とすべきと提案。今は国際大会として、クロアチアやセルビアなど、戦禍にみまわれた外国からも多く寄せられ、300超の外国人からの投句がなされている。

これからも、文化・芸術振興は、まちづくりの基本となるとの考えに立った対策の充実を求め続けていこうと考えている。



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