
空の青
寒々とした冷気
セピアの土手に植えられた数株の水仙
いい香りを放っている
花が咲き始めたばかりで
口づけするように頬を寄せないと
甘い香りが匂ってこないけれど
素敵ないい匂い
魅せる
酔わせる
女の匂い
花
小さく
素朴
香り
甘く
欲する匂い
鉛雲から覗く淡いブルー
藍染めの海
白濁食の潮の色
平手を打つ風
凍える体
そんな過酷ななかで
甘い香りを漂わせる水仙
この匂い
この香り
この甘さ
いずれをとっても
私にとって忘れる事が出来ない匂い
一人の女
私が求めてやまない故郷の花
水仙
・・・
抱きしめたい。

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