この画像はしばらく前のものだけれど、このブルーベリー畑は、今収穫期を迎えだした。
今年は少雨と高温で、熟すのが少し早まっている気がする。
下草はどんな条件でも強靭な生命力で、あっという間に草丈が伸びる。
だから家人は草と格闘する日々が続き、草刈をしてはそのいたちごっこにいささか疲れ気味のようだ。
そんななか、ほほえましいこともある。
家人が刈払い機で草を払っていると、突然何かが草むらから飛び出してきて肝を冷やした。
なんとコキジが驚いて飛び出してきたのだ。
そして飛び出してきた場所には、卵が数個まとまっていて、どうやらコキジが抱卵していたらしい。
もちろんそこの草は、コキジが安心して抱卵できるくらい残してある。
コキジの抱卵を発見してから数日後の昨日、私もブルーベリーを摘みに畑へ行った。
ぷるぷると大きく見事に実った甘く香りのあるブルーベリーを味わいながら摘んでいくと、家人が驚きの声を上げた。
なにやら私を呼んでいる。
コキジの巣からほど近くのブルーベリーの木に、見事な鳥の巣が一つ掛けられていた。
茶色い小枝で、太さと長さが均一に、精巧に組み上げられた巣だ。
つまり、誰もが鳥の巣というと思い描くイメージそのものといったもの。
写真に撮りたかったけれど、あいにくとスマホも持ち合わせていない。
それにしても、この場所は、鳥にしたらこの上ない環境だ。
虫も木の実もふんだんにあるし、巣を作るための小枝も使いたい放題だ。
しばしば人が来て作業するから、安全も保障されている。
どこかの猫は入れ替わり立ち代り来ているけれど、それは家人の作業を見守るのを半ば仕事にしているようなので、差し迫った脅威ではなさそうだ。
さて、巣の主はどんな鳥なのか、今のところ見当が付かない。
もう少ししたなら卵を抱卵している鳥の姿を見れるかもしれないので、それを楽しみに待とう。
でも、ちょっと複雑な思いなのは、鳥たちがブルーベリーを食い散らかしたり、枝を折るということ。
鳥は可愛くて好きだし、ブルーベリーは美味しくて愛おしいし、両立できないこの状況に、困っている。
せめて、鳥たちが食い散らかしたり枝を折らなければ、生き物同士、仲良く共存したいのになど、自分勝手なことを考える摘果作業だった。