allegory
mystery
何がとはっきり描いていない、匂わせるようなルドンの絵がいい。
今で言う「空気感」のようなもの。
だからこそ、心が入り込む余地がある。
瞑想絵画。
黄昏時か、それとも夜が白んできたころかのような藍の色合いに佇む人影。
僅かな天空の青を引き立たせるような大地を想起させる黄褐色が、人物を包み込もうとする。
どこか知っているような、それらの絵は、心の深層への案内人だ。
そうだ、どこかロスコの抽象絵画にも通じている。
ゆっくりと静かに、心の中に降下していこう。
もしかしてこの宇宙を貫く波長に触れられるかもしれないと、オカルティックな喜びを見出しそうだ。