rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

秋めく景色、メランコリア

2017-08-27 23:19:00 | 日記
貴重な晴れた清々しい一日だった。
乾いたそよ風に揺れる頭を垂れた黄金色の稲穂は、豊穣そのもの、昔より続く日本のすばらしい風景だ。
稲刈りもそろそろ始まって、人々は新米を心待ちにしていることだろう。
文化とは、簡単になるものではない、人々の忍耐強い日々の営みから醸し出されていくものなのだ。
日本において、その一番の基礎となるのは稲作といっても過言ではない。
田の作る風景が、人の心に及ぼす影響ははかり知れず、仮にこれが小麦やとうもろこしであったならと、置き換えて想像してみるといいだろう。
減反政策による耕作放棄地の増大、米の需要の減少、輸入米の増加、さまざまな要因で、日本の風景は大きく様変わりしている。
それは、じわじわと我々の内面を変容させ続けて、今まであまり意識させられる機会が少なかった日本文化の固有性が、無意識に変わり果てるのではないかと、憂いている。
けれども、豊かに実った田園風景を見ると、一時その思いは散逸するのであった。