rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

遠くの山がひときわ鮮明に見える日

2013-12-22 23:10:32 | 旅先から
旅行なんていえるものではないけれど、生活圏からの離脱をそうと捉えればその定義に当てはまる。
西に向かって車は進む、右手には二つの峰を頂いた万葉の山が青くくっきりと見える。
先日の雨が、大気中の塵を洗い流したおかげなのだろう。
サービス業や弱小企業以外に従事している人にとっては年末の三連休で、田舎の道路も交通量が多かった。
空は青くどこまでも広く、やや強い西風が道路わきの枯れ草をたなびかせる。
冷たい空気がひりひりと頬を撫で、今日が冬至だという事を皮膚感覚に教えてくれた。
クリスマス前のショッピングモールは、そこそこの人出で賑わっているけれど、大きな買い物袋をもっている姿はまばらだ。
もう少し風が弱ければ、先に見た山へ行ってみたかったのだが、誰しも風邪をひくわけにはいかないのでその姿を見るだけに留めた。
帰りは、リサイクルショップに寄り、子供たちは自分達の好きなものを自分の財布と相談しながら買っていた。
気ままにところどころ寄り道しながら夕陽は雲を染める4時過ぎ、生活圏の長い坂を車が上り始めた。
家人が、今日の大気の状態だと富士山が見えるかもしれないから注意してみるといいだろうと言う。
坂の中ほどで後ろを振り返ると、夕焼けを背にした富士山のシルエットがくっきりと見えた。
4年位前だったか、西風が強く吹き付ける大晦日に買出しのためその坂を下っていたとき、やはり夕陽に聳え立つ富士山を見たが、今時期にしばしばある絶景なのだ。
富士山は変わらずそこにあり、万葉の山も劣らず美しい。
来年もまた、今日のように家族が健康で山の美しい姿を見られることを願うばかり。