鶉の聖母子
15世紀、ルネサンスの前の国際ゴシック様式の画家ピサネロは、上品かつ華麗で繊細な画風の持ち主。
何よりも儚さが画面全体を覆っている。
数多いる画家の中でも、ピサネロのような雰囲気を持つ画家はそうそういないのではないか。
それが、どことなく大和絵を感じさせ、私に懐かしさを覚えさせる。
ことに”鶉の聖母子”は、毎日眺めていたいほど好きな絵だ。
”聖エウスタキウスの幻視””聖ゲオルギウスと王女”聖母子と聖アントニウス、聖ゲオルギウス”いずれも傑作と呼べるもので、ときどき画集を見てはため息をつく。
象徴など使わずに、うたかたを永遠に絵に留めたい野心を抱いているのであった。
エステ家の公女
小鳥