大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

時間からの影 01

2012年01月23日 09時30分09秒 | TFその他

今回ご紹介するのは、我が家では珍しく“ビーストウォーズ(以後BW)”よりデストロン兵士“クイックストライク”。いつかレビューしたいと思っていた彼ですが、漸くその時
が巡ってきました。ビーストTFは従来のメカモチーフと異なり、その有機的なデザインラインはもちろん、限定品でも無いのにふんだんにクリアパーツを使っていたりする
のが特徴です。しかしクイックストライクの場合…右手がコブラで左手が節足となんとも個性的な姿。


ご尊顔拝見…クリアパーツの上から塗装処理で仕上げられています。しかし、なんか形状がペンギン村で則巻
アラレが木の枝でツンツンしてそうなアレに見えるんですが。

本編では、BW第2シーズン“BWメタルス”より参戦したキャラクター。元はサイバトロン(英名マクシマル=オート
ボットに当たる勢力)でしたが、ステイシスポッド内でプロトフォーム状態(本作におけるプロトフォームとは、まだ
TFとして覚醒していない状態)で地球に落下してきたTFの一人。その時にステイシスポッドのスキャンシステム
のエラーにより、本来は一種類の原生生物をスキャンする筈が同時に二種類の生物をスキャンしてしまい、その
二種が交じり合ったキメラ的な姿のトランスフォーマーとして覚醒しました。そんな彼らを“フューザー”と呼びます。

しかしメガトロンにより変形用アクティベーションコードをデストロン(英名プレダコン、ディセプティコンに当たる勢
力)に書き換えられ、自分がデストロン兵士だと思い込まされてしまいました。しかし、同じ境遇にインフェルノも
いるので、フューザー以外は特別珍しい境遇でも無いです。体躯は小さいが非常に生意気なタイプで、しょっち
ゅう他のデストロン兵士に絡んでくる設定だとか。初登場はBW映画第一弾でしたが、その時のセリフはたった一
つ“あらあらでございます”だけで、キャラ描写は一切されませんでした。BWメタルスのテレビ放送がスタートして
からは彼の出番は増えましたが、映画と本放送時では性格は全く異なるものでした。最初から最後まで脇役とし
て登場していましたが、最後はメガトロンを裏切り下剋上を企みましたが失敗し、デストロン戦艦の主砲に巻き込
まれ死亡。その亡骸は、人類の始祖となる原人たちの格好の玩具にされるというあんまりな末路を辿りました。

サイズは現在で言う所のスカウトクラスですが、当時は現在とランク分けが異なり、このサイズは“レギュラー”と
言うカテゴリー名が与えられていました。


何しろBWメタルス自体がもう10年以上も前ですが、可動はこの時点でも大体備えています。まぁ、可動TFはBWより前
から始まっていたので当然ですが…。首、肩ボールジョイント、肘、左手節足開閉可能、コブラ腕が一節ずつボールジョ
イント、股関節ボールジョイント、膝ボールジョイント、爪先と踵が開閉式。平均的な可動ですが、右腕ことコブラ腕を計算
に入れると話が変わってきます。首と両肩で3、左肘と左手の2か所ある開閉部で6、股関節×2で8、両膝で10、爪先と
踵で14。それにコブラ腕の6つを合計すると、なんと全身20か所可動!


では、武器のご紹介を。クイックストライクのモチーフとなったのはご覧の通りコブラ、その頭がそのまま腕になっている
というのがBWらしさ。節の一つ一つがボールジョイントで接続されていて、ご覧の通りグネグネ動かせます。顎は開閉
式で、外れやすくて困ります。喉の部分が軟質素材のポンプになっていて、口から水を吸い込む&発射する事が出来
ます。日本版の箱にはそれをウォータービーム、アニメ設定ではサイバーベノム・ブラスターと名称が異なります。


こうして見ると、コブラヘッドも意外にクリアパーツ。
その上から塗装処理されています。淵の部分がクリアなので、良いアクセントになってます。


次に左腕、またグロテスクな形状で、節足の一つ一つは残念ながら可動しません。が、その大きさは迫力があります。


何しろ手がデカいので、デラックスクラスでさえ鷲掴みに出来るのは面白い。こういう大胆な事が出来るのもビーストTFならではの
持ち味。体躯の大きな相手にも絡むという、クイックストライクの性格を反映させられる面白いギミックです。


今度は胴体を見てみましょう。コブラヘッド同様に、クリアイエローで成形されたパーツからメタリック塗装されています。
限定アイテムでもないのに、なんか豪華に見えます。


後ろから見ると、塗装されている部分に脈が走っているのが分かります。この辺の処理もビーストTFならではの持ち味。
背中の中央にある四角は“エナージョンチップ”と言い、触ると体温で各陣営のマークが現れるしかけ。日本では“シーク
レットエンブレム”と呼ばれていました。ビーストTFはこのエナージョンチップが表に出てこず、どこかに隠される形で配置
されているのが特徴で、その場所を探すのもプレイバリューの一つと考えられていた様です。で、クイックストライクは背中
中央と言う訳。しかしクリアパーツなので惑わされやすいですが、これ背中中央と言っても“内側にあるものが透けてる”
だけなので、背中を触ってもマークは現れません。


ですから、エナージョンチップを触るためには一度背中を開く必要があります。正直これはどうかと思うぞ。


脚部もクリア成形の上から塗装。爪先と踵が開閉する形で可動と書きましたが、パーツ形状がイマイチ合っていない
らしく爪先と踵の先端が床から浮きやすいです。見た目は前後に大きく設置性は高そうですが、実際に床に触れてい
る個所は見た目より狭いです。


ビーストモードはサソリとコブラのフューザー形態。フューザーと言うのはアニメに登場しなかったものが大半で、その
どれもがビーストモードだとバランスの悪いフリーキーなものばかりでした。が、このクイックストライクとアニメに登場
出来たもう一人のフューザー“シルバーボルト”だけは、非常によく纏まっているデザインでした。このクイックストライ
クを題材に話を進めますが、纏まりの良さ=フューザーと言うものが視覚的にも分かりやすい事から、アニメに登場す
るキャラクターとして選ばれたのでは無いでしょうか?



ビーストモードになると、ロボットモードでは隠れていたサソリモチーフが表に現れてくるのが面白い。
尚、サソリの中には外角がクイックストライクの様に半透明の種もいるんだそうですよ。


横から見ると、ちょっとプロポーションに不自然さがあるのが分かります。サソリの節足が胴体中央から一斉に生えて
いて、しかも根元と胴体に隙間が空いてしまっています。それに、節足が胴体を持ち上げすぎていてサソリのイメージ
と違います。やっぱりサソリは地面を這ってくれないと。


ですから、私は胴体を上から押し腹部を床に密着させるようにしています。こうすると、不自然な隙間も隠れてサソリ
のイメージに近くなります。


そこからさらにアレンジして、顔を斜め下に向けて腕を若干捻じってみました。こうすると、生物としてのリアリティが
増したと思います。ただし、若干足先が浮いてしまいますが。


それでは変形シークエンスに入ります。顔を前方に180度倒し、鋏状の腕を真っ直ぐ伸ばして鋏を展開し、コブラヘッドを真横に90度倒します。


これだけで下半身が完成するので、直立させてみましょう。クイックストライクは各パーツがそれぞれ特徴的なので、
どこがどの部分になるのかすぐに分かります。


ここから後ろ側に回り、サソリの節足のジョイントを外し、真横に逃がしつつ節足を閉じます。


次に、胴体にある縦方向に備わっているフレームを横に90度回し、それと同時にそのフレームに繋がっているコブラヘッドとサソリ
節足をまっすぐ伸ばします。


これはそのフレーム部のアップ画像ですが、そこにあるロボット頭部を90度動かして定位置に合わせます。


最後に、背中パーツを後方に180度倒し、両腕をロボット定位置に合わせて変形完了です。こうしてみると、Zガンダムのバウンドドックみたい
な変形しますな。書いている内に懐かしくなって、ウチにあったTFOPED集DVDを見てみたんですが、アニメ本編だとビースト上半身=ロボット
下半身が変形時に180度回転してました。微妙に違うところがたまにあるんですよね、ダイノボットなんか一部モーフィングしてたし。


総評としては、出来としては平均的な所で留まっていて突出したギミックに乏しいクイックストライクですが、そこはそれデザインの個性で勝負!でも他のフューザーと
違いアクが強すぎる事も無く、フューザーと言う概念がどこまでやってよくてどこまでが駄目なのか、それのお手本になるキャラクターだったと思うのです。が、残念なが
らフューザーはその大半がフリーキーな物ばかりになってしまって…。全身に使われたクリアパーツも綺麗だし、コブラヘッドのグネグネアクションは弄ってて面白いし、
実は隠れた名作ですよこれ。もし見かける事があるなら、是非とも手に取ってほしいですね。ビーストにはビーストの面白さもあるんですよ。


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