超獣機神ダンクーガ、それは葦プロ発の私の好きなロボットアニメのひとつにございます。ひょんな事からビデオでオープニング映像だけを拝見しまして、それで私は完全にノックアウトされた当時高校生だった私。で、その直後に地元のビデオハウスに常備されていたレンタルビデオを借りて(この時点で本放送が終了して十年近く経過していました)全話視聴していたのですよ。
まぁ、デス種よろしく戦闘シーンはバンクが多かったりしょっぱかったりしましたけど…ほとんどの場合が同じバンクシーンを使いパンチ一発でケリが付いたので“ダンクーガ最強の必殺技はパンチだ”と知人と同意したりとか、飛んでいるダンクーガにザコメカが“自分からぶつかりに行っている”様にしか見えなかったりとか、新エンディングでは若本規夫(当時は名前違いましたけど)演じるシャピロによる、女の価値観で変に綺麗ぶったセミヌードの嵐で吐き気がしたとか、たまに作画が追いつかず動きがカクカクしていたとか、ダンクーガ相手に“貴様こそ俺のライバルだ!”と見得を切ったデスガイヤー将軍が、その直後に「お前など相手にならんわ格下がぁっ!身の程を弁えろッッッ!」と言わんばかりに投げ飛ばされパンチ一発で終わったと先の大見得きりが台無しと悪いトコも多いですが、まぁ好きなものではあります。
そんなダンクーガですが、この度その新作アニメが放送されました。アニメ誌を購読している知人から放送が始まる以前からその情報は聞いていたのですが、私はどーにも期待出来ませんでした。ファンなら普通は期待する所でしょうけど、兎にも角にも私はここ十数年のアニメと言うものが信用出来なくて。深夜アニメというカテゴリーが生まれた事により、DVDを売る事&全13話&低予算を前提とした質の悪い粗製濫造アニメ(例 キャベツ姫)が氾濫している昨今、ダンクーガの新作アニメったって“…どうせまた…。”と思うのは当然の流れかと。まぁ、全13話&低予算でなくてもゴミクズみたいなアニメはありますけどね。
基本設定は、近未来で世界各地で紛争が続いていて、そこに現れる第三勢力的存在がダンクーガと呼ばれる戦闘ロボット。ダンクーガは必ず押されている勢力を味方するので、結局紛争はいつまで経っても終わらない。世間では、戦争を泥沼化させ無駄に死人を間接的に増やしているダンクーガ不要論が挙がっていました。そして本作のダンクーガ“ダンクーガノヴァ(以後ノヴァ)”のパイロット達は時期に応じて代替わりしており、本作のメインキャラクターはその中の1チームとなっています。
まずメインヒロインの日高 葵、モデル&プロレーサーだがある日ノヴァのパイロットにスカウトされました。そして“やっと自分が燃え上がれる物を見つけた”とかなんとか言って、モデル業&プロレーサー業を捨ててパイロットに就職…同僚がどれだけメーワクするのかは考えないんでしょうかこの自己中女は。次にジョニー・バーネット、読書家にしてメガネ着用がデフォの一流ビジネスマン。次に館華 くらら、10代のくせしてトップクラスの麻薬捜査官だとか…なんとも厨二臭のする設定だこと(代々暗殺者の家系の美少女とか、他にもいくらでもありますが)。とあるマフィアのボスを逮捕した事により身の危険が数倍に増えてしまったので、彼らの手の届かない戦場へズラかる為にパイロットに…B・Bかお前は(⇒くわしくはココで)。そして最後は加門 朔哉、ホームレス。大体はこんなトコですが、キャラ設定において男性陣と女性陣の扱いに極めて温度差がある事にお気付きでしょうか?そう、そういうもんなんです本作は。
では、ここでノヴァについて触れてみましょう。初代ダンクーガと言えば、その軍用兵器をイメージしたミリタリーテイスト溢れる無骨なフォルムが最大の特徴であると考えています。ノヴァの場合、それを受け継ぎつつ適度に派手さを加味したバランスの良いデザインだと思います。ダンクーガ最大の特徴と言えば、やはり四機のメカがそれぞれビークルから動物メカ&人型ロボットに変形、そして合体して巨大ロボットとなる事でしょう。ノヴァも同様(っつーかこれをおろそかにしたらダンクーガじゃ無い)ですが、ダンクーガの悪い部分も受け継いでしまっています。その悪い所というのは、ダンクーガの合体システムにあります。ダンクーガは、一言で言うと頭と胴体(両腕と両足含む)と右足首と左足首と四つのブロックに分類でき、その部分をそれぞれのメカが担当しています。つまり、ものすごくサイズに開きがある上に合体する事に説得力が無い。合体とはパワーアップを図る行為ですが、スーパーロボット大戦の4コマ漫画にもありましたが“下駄とヘルメットが付いただけで何が変わるか”って事なんですね…これじゃ説得力もクソも。そして、これはノヴァの合体システムも同様なんですよね。ここはなんとかして欲しかった…それに合体した巨大な体躯を支える以上、足メカが一番頑丈って事になっちゃいますしね。漫画家の長谷川裕一が手がけた“ダンクーガBURN”では、分割ブロックを頭部と胴体と右足と左足というのはダンクーガ同様でしたが、両足を膝から下という戦隊ロボでよく使われる手法を取った事で合体の必然性&パワーアップの説得力を引き出していたものですが。
話をキャラクターに戻しますが、ノヴァ関係者を少しだけ紹介しましょう。まず司令官の田中さん、この人は主人公たちから謎の多いノヴァについて問い詰められても“自分は中間管理職だから何も知らない”の一点張りで頼りない人でしたが、最後の最後で取って付けたように“実は切れ者で強いんだぞー”という設定になっていました。でもその描写の仕方がスゲぇテキトーだったので、なんかどーでもいいキャラになってしまいました。なのに、オープニングでは無駄に悪そうに書かれています。例えて言うなら頼りないパトレイバーの後藤隊長的キャラクターなのかもしれませんが、これでは後藤隊長に遠く及びませんねぇ。
次にルゥ・リルリ、このフザけた名前はどーにかならんのか…もちろん由来は機動戦艦ナデシコの人気キャラクター“ホシノ・ルリ”。なんでここでナデシコが出てくるかってーと、本作のチーフライターがナデシコを手掛けた首藤剛志だからです。だからって、まったく関係ない他作品から持ってくるのはやめて欲しいです…。立ち位置は主人公たちのカウンセラーで、序盤において“そろそろカウンセラーとは別の自分の本当の仕事を始める時が来た”みたいな事を言ってましたが、結局最後の最後で本当の仕事云々は真っ赤なウソで(まったく語られなかったのでそうとしか)単なるカウンセラーだった事が判明しました…視聴者ナメてんのか(╬☉д⊙)言い忘れてましたが、こいつ男性恐怖症という設定でして、朔哉とジョニーをカウンセリングする際には屈強なガードロボを同伴させているとか。あー、これってカウンセラーのくせに男を信用しない上に、男がそんな扱いを受けたらどう思うか分かろうとするつもりなどさらさら無い、さらに自分の精神的弱点を克服しようともしないって事ですか。こんな身勝手な奴にカウンセラーなど絶対に勤まるものか。そしてこいつがカウンセラーって本来ロボットアニメには無い役職に付いている=存在意義が無いくせに出番が無駄に多くて鬱陶しいのなんのって…しまいにはノヴァとは別の巨大ロボに乗って「えーい♪」「やー☆」とか黄色い声だして大暴れ。ダンクーガってこういうノリじゃ無いだろ(╬☉д⊙)
整備班長のセイミー、タンクトップ姿がデフォの巨乳美女。はい、もうお分かりですね?彼女の存在意義は整備では無く、“乳を揺らす為に”出てくるのです。それ以上でもそれ以下でもありません、だからそれ以外の印象が薄いこと薄いこと…そんな彼女が主役の数少ないシーンをひとつ。寝巻き姿で、酒に酔った勢いで葵を押し倒してぶちゅぶちゅ…_| ̄|O|||本作がダンクーガの名を騙っている以上、旧作ファンは過去に味わったあの感覚を求めて視聴している筈です…こんなものが見たかったんじゃねええええええええええええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
次、エイーダ。彼女は人気トップアイドルでジョニーがそのファンだそうです。とあるイベントでジョニーと出会いまして、エイーダはなんとジョニーを知っていました。彼女によると、以前エイーダが担当する筈だったアイドル活動が他のアイドルに取られてしまった、その交渉を担当したのがジョニーだったとか。自分が実力不足と判断されたなら兎も角、そんな理由で負けたのは納得出来ないとネット検索してジョニーを知り、調べていくうちにジョニーを好きになってしまった…そうです。あのー、“自分が好きなトップアイドルが何の苦労もしてないのに一方的にあっちが惚れてくれた”って…なんですかこの美味すぎる話は。出会い系詐欺サイトの勧誘メールだってこんなのありませんぜ?普通だったら何か裏があると警戒しますよねぇ…ってあっさり信じるなよジョニーッ!お前よくそんなんで一流ビジネスマンが勤まったなッ!? そしてエイーダには重要な秘密があって…それは後述。
次、F・S&WILL。前者はダンクーガを影から操る実力者、後者はそれをサポートするコンピューターだとか。F・Sって名前&声優が八尾一樹という事実から察するに、やはりその正体はダンクーガ主人公こと藤原忍ではないかと思うのがファンの心理ですが、もしそうならこのデュランダル議長モドキなルックスは噴飯ものです…そうでなくてもここまであからさまなパクリ方をする等と言語道断ですが。ちなみにF・Sとは単に彼の持つ名前「Fog・Sweeper」(霧を掃う者)の略称であり、藤原忍とは全く関係ありませんでした…ナメとんのか(╬☉д⊙)WILLの正体は、実はコンピューターでは無く機械宇宙人でした。彼は宇宙に存在する調整者的存在に生み出された自立行動端末の一つであり、宇宙に存在する知的生物による文明が必要か不要かを判断し保護または排除する役割を持っていました。つまり、よくある「お前たちは危険な種だから宇宙の調停者である俺様が皆殺しにしてやる」ってな奴ですね。無敵超人ザンボット3のガイゾックや、熱血最強ゴウザウラーの機械化帝国とか。しかしWILLは、意外にも人類の保護を選択していました。
さて、キャラ紹介はこれくらいにして、次はノヴァが戦う理由をご説明しましょう。先ほどお話した通り、ノヴァは弱い方に味方し無駄に戦争を長引かせています。表向きでは、戦争の決着を付けさせない事により勝利国の軍事独裁や敗戦国のテロ活動を未然に防ぐ為、そして戦火をそこに留めておく事で、戦争に巻き込まれていない日本に争いの火種を飛び火させない事でした。その“自分達だけ安全ならいいや”的な目的は、兵士は勿論戦火に巻き込まれた子供などを実際に戦場で見てきた主人公達を激怒させ、ノヴァの力なら世界中の戦争を終わらせられるのではないか?と考える様になりました。しかし真の理由は、ノヴァは本来パイロット無しでも活動出来る自立機動兵器であり、そこまで完成させる為にはノヴァ自体に戦闘経験を積ませる必要があったんだそうです。つまり、自分達の勝手な都合で戦場を経験地稼ぎの練習場として利用していた…これって戦争を遊びにし人の命をゲームの的としか考えていないキラと変わりませんぜ?
で、戦いが進む内にオープニングにも現れている翼を持った謎の赤いメカが出てきます。奴の名は“アール・ダイガン”、ノヴァとは違い分離能力は無く単体で鳥形メカに変形するのが特徴で、目的はノヴァと同じで優勢な側を潰す事。それと同時にノヴァにも襲い掛かってきます。で、このアール・ダイガンを葵たちは“赤いダンクーガ”と呼ぶのです。あのー、アール・ダイガンとノヴァってどっこも似てないんですが!お前ら目ぇあんのか?強いて言うなら、これまで戦ってきた軍用メカと違い、ノヴァ同様に顔に目と鼻と口があるって程度なんですけど。
「顔がありゃなんでもダンクーガにしちまうんだ、馬鹿の一つ覚えだよ。」
で、このアール・ダイガンはノヴァを圧倒し去っていきます。しかし、戦いの中で他人の命を喰らい、もとい経験値稼いでレベルアップしたノヴァは、第二形態“ゴッドビーストモード”に変形します。これまで人間寄りのデザインだったノヴァが、合体状態でビーストモードの特性を表に出した形態がゴッドビーストモードで、各部に分離形態での獣顔が現れるのが特徴です。それでアール・ダイガンを圧倒するノヴァですが、最後の最後でアール・ダイガンに圧し掛かり機体を貪り食い始めます…これ、どー見たって有名アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のワンシーン、“使徒ゼルエルを貪り食う暴走初号機”の丸パクリにしか見えないんですけど!こういう所で志の低さが見え見えって言うか。で、アール・ダイガンのコクピットハッチが剥がれ中にいたのは、先ほどのエイーダでした。なんでアイドルがパイロットなんかやってんの?と誰もが思う所ですが、私の予想通りその辺のアンサーはされませんでした。
後半になると、背景にキャラのバストアップが被るというカットが出ます。ほれ、例えて言うならスーパーロボット大戦αの会話シーンでやってるあの構図です。そして、その手抜きカットが何度も何度も延々と出て来るんですねー。あれは制約の多いゲームだから許される事ですけど、アニメでそれをやっちゃイカンでしょ…そんなにスケジュールや予算が圧迫されていたんでしょうか?そして、その辺になるとストーリーが急展開…これまで無駄に上っ面だけの戦争描写&どーでもいいギャル萌え描写ばっかりに時間を費やしていたツケが回ってきたんだと思っていたんですが…聞いた話によるとこの本作って製作陣がかなりゴタゴタしていて最初からテンパリ状態だったらしく、ロクに足並みも揃わない状態で無理矢理作られていたんだとか。最初から全13話と決まっているんだから、各ストーリーの分担はその分綿密に行われていなければならないのにこの体たらくになってしまった、その辺に原因が有る様です。製作者側にはほんの少しだけ同情はしますけど、本音で言うと視聴者である我々はそんな事は知った事では無いわけで。本作は、全体の8割が女性キャラのセミヌードと裸と乳揺れ等の萌え描写で出来ています…本当はそんな事は無いんですけど、他に記憶に残る部分が全く無いだけにそんな印象しか残らないんですよね。上記のてんてこ舞い状態で最初からロクなモノが作れない、それが分かっていたから取りあえずある程度は確実に売れそうな萌え描写に走った…そんな感じでしょうか?いずれにせよ、ダンクーガファンとしては迷惑千万なんですけど。大体、これネームバリュー以外は“ダンクーガである必要すら無い”んですけど。
最後の最後で真の敵が現れます、しかし残り3話くらい(だったと思いました)になって漸くその正体が明かされるんですね。おいおい、そんなペースで大丈夫なのか?その真の敵とはWILLと同型の自立行動端末で、月面にいる事から“ムーンWILL”と呼ばれています。WILLと違いムーンWILLは人類の殲滅を選択しており、その為に最後の最後になって漸く行動を起こしたと言う訳ですね…遅すぎますけど。そして、そいつが地球全域に宣戦布告してくる訳ですよ。っつーか、こういう真の敵が出てくるんだったら無駄な女性陣の裸とかで時間を無駄にする余裕なんかどこにも無いと思うんですが!ぶっちゃけた話、ムーンWILLは宇宙から来た侵略者です。それを聞き“…スケールでか過ぎ。”とついて来れず驚いていましたが、この反応はおかしいです。F・Sによって本作が旧作ダンクーガとの繋がりを語られたシーンがあるのですが、旧作ではムゲ・ゾルバドス帝国や植物種族デラドと二度に渡り宇宙からの侵略を受けています。だから、今更また宇宙人が攻めてきたってそんな反応するとはありえません。せいぜい、“あー、また来たの?”と思うのが普通でしょう…例え本作が旧作の200年後の世界という裏設定があってもです。
あ、言い忘れてましたがノヴァの中に謎のブラックボックスがあるという設定が途中から出てきまして、その中には地球の動物全種のDNA情報が保管されているなんて話があったんですよ。これ、なんでも地球が滅んだ時の為にノヴァが外惑星にそれを運んで再生させる為なんだそうです…本編でも田中さんが言っていたようにノアの箱舟ですね。よーするにムーンWILLに負けた後の事も考えてるって事ですが、戦う前から逃げ出す事考えてる連中にノアの箱舟を気取って高尚ぶられても…ねぇ?それに、結局最後は勝つ事は分かりきっている(過去に最終話で主人公達が敗北したダンガイオーやアクマイザー3という例外はあるにせよ)ので、そんな設定持ち出されてもはっきり言って無駄です。もっとやるべき事が沢山あるでしょう!
そしてノヴァが戦場で戦っていた理由は経験値稼ぎというのは前述のとおりですが、アール・ダイガンもまた経験値稼ぎやっていたのです。本来この両機はムーンWILL対策の為に開発された機体、つまり目的は同じだったと。で、本来の目的の為に手を取り合い共にムーンWILLに立ち向かっていく…この手の作品では王道的な展開ですけど、これまでやってきた事が只管緊迫感の無い戦闘&萌え描写最優先の内容なので、せっかく王道的展開をやっても“上っ面をなぞっただけ”だから、ただのパクリにしか見えなくて白けました私は。そして両機が合体し完成した最終形態、“ダンクーガ マックスゴッド”なるものが出てきます…この果てしなく語呂の悪い名前は一体なんでしょうか?
そして最後は月面に赴きムーンWILLと対決…となるのですが、その前にノヴァとアール・ダイガンの始祖となった“オリジナルダンクーガ”が立ちはだかります。そもそもダンクーガとはWILL側の兵器であり、ノヴァとアール・ダイガンは地球人の技術で複製したレプリカに過ぎないとか…あのー旧作ダンクーガは葉月博士が一から全部作り上げたものなんですけど?さらにオリジナルダンクーガ、ちっとも似ていませんけど!こいつが出て来たのが最終話のAパート、こいつに蹂躙されてそれが終了します。おいおい、あと10分足らずの内にこいつだけでなくムーンWILLまで倒さなきゃならんのか?これまで散々無駄な事ばかりやってきた皺寄せがモロに来てますね。でどうなったかと言うと、Bパートが始まった途端にロボットアニメやヒーローものによくある「うおおおおおおおおおッッッ!!!」って叫ぶだけで超パワーアップして敵を倒すってパターンが適用され、オリジナルダンクーガは倒されるのでした。ああ、これが普通の作品ならまだしも、ここまで呆れの連続ですからよくあるパターンも許せなくなってきます。
でも、残り時間10数分足らずという現実は覆りません。どうなったっていうと、ものの数分で敵要塞中枢までたどり着いた葵がムーンWILLに素手で鉄拳制裁、ムーンWILLどっかーん。地球は救われましたー…はぁ。
エンディングでは、各キャラクターのエピローグがちょっとだけ紹介されます。しかし、そのどれもが戦場から離れ平穏な生活に戻るという物ばかりです…ムーンWILLの脅威は去ったとは言え、人類がそう簡単に戦争を放棄するとは思えません。むしろ、本編にも出てきた“俺達正義!俺正義!”をモットーとした自惚れ軍事大国が“また宇宙から敵が来るかもしれないから世界は統一されるべきだ!っつーか俺達がそれをするべきだ!何故なら俺達は正義だからだ!”と、はた迷惑な世迷言を言い出して軍事力で世界征服に乗り出す事は容易に想像出来るんですが…。一時はノヴァの力なら世界中の戦争を終わらせられると考えもしましたが、結局こいつらも自分だけ平和ならそれでよいという人間のクズだったみたいですね(╬☉д⊙)
せめてもの救いは、本作の評価が世間での評価も“限りなくデス種に近い産業廃棄物”だった事ですか…。全体的にやっつけ仕事、今のアニメ業界の悪い面の縮図を垣間見たと言うか。見なくていいですよこんなもの。そりゃ無印ダンクーガも世間で言われている程の名作じゃありませんけど、あっちの方がまだ楽しめると思います。これだから、唐突に出てくるマイナー作のエセ続編ものは信用出来ないんだ…ネームバリューに頼った悪質なバッタモンになりやすいから。
まぁ、デス種よろしく戦闘シーンはバンクが多かったりしょっぱかったりしましたけど…ほとんどの場合が同じバンクシーンを使いパンチ一発でケリが付いたので“ダンクーガ最強の必殺技はパンチだ”と知人と同意したりとか、飛んでいるダンクーガにザコメカが“自分からぶつかりに行っている”様にしか見えなかったりとか、新エンディングでは若本規夫(当時は名前違いましたけど)演じるシャピロによる、女の価値観で変に綺麗ぶったセミヌードの嵐で吐き気がしたとか、たまに作画が追いつかず動きがカクカクしていたとか、ダンクーガ相手に“貴様こそ俺のライバルだ!”と見得を切ったデスガイヤー将軍が、その直後に「お前など相手にならんわ格下がぁっ!身の程を弁えろッッッ!」と言わんばかりに投げ飛ばされパンチ一発で終わったと先の大見得きりが台無しと悪いトコも多いですが、まぁ好きなものではあります。
そんなダンクーガですが、この度その新作アニメが放送されました。アニメ誌を購読している知人から放送が始まる以前からその情報は聞いていたのですが、私はどーにも期待出来ませんでした。ファンなら普通は期待する所でしょうけど、兎にも角にも私はここ十数年のアニメと言うものが信用出来なくて。深夜アニメというカテゴリーが生まれた事により、DVDを売る事&全13話&低予算を前提とした質の悪い粗製濫造アニメ(例 キャベツ姫)が氾濫している昨今、ダンクーガの新作アニメったって“…どうせまた…。”と思うのは当然の流れかと。まぁ、全13話&低予算でなくてもゴミクズみたいなアニメはありますけどね。
基本設定は、近未来で世界各地で紛争が続いていて、そこに現れる第三勢力的存在がダンクーガと呼ばれる戦闘ロボット。ダンクーガは必ず押されている勢力を味方するので、結局紛争はいつまで経っても終わらない。世間では、戦争を泥沼化させ無駄に死人を間接的に増やしているダンクーガ不要論が挙がっていました。そして本作のダンクーガ“ダンクーガノヴァ(以後ノヴァ)”のパイロット達は時期に応じて代替わりしており、本作のメインキャラクターはその中の1チームとなっています。
まずメインヒロインの日高 葵、モデル&プロレーサーだがある日ノヴァのパイロットにスカウトされました。そして“やっと自分が燃え上がれる物を見つけた”とかなんとか言って、モデル業&プロレーサー業を捨ててパイロットに就職…同僚がどれだけメーワクするのかは考えないんでしょうかこの自己中女は。次にジョニー・バーネット、読書家にしてメガネ着用がデフォの一流ビジネスマン。次に館華 くらら、10代のくせしてトップクラスの麻薬捜査官だとか…なんとも厨二臭のする設定だこと(代々暗殺者の家系の美少女とか、他にもいくらでもありますが)。とあるマフィアのボスを逮捕した事により身の危険が数倍に増えてしまったので、彼らの手の届かない戦場へズラかる為にパイロットに…B・Bかお前は(⇒くわしくはココで)。そして最後は加門 朔哉、ホームレス。大体はこんなトコですが、キャラ設定において男性陣と女性陣の扱いに極めて温度差がある事にお気付きでしょうか?そう、そういうもんなんです本作は。
では、ここでノヴァについて触れてみましょう。初代ダンクーガと言えば、その軍用兵器をイメージしたミリタリーテイスト溢れる無骨なフォルムが最大の特徴であると考えています。ノヴァの場合、それを受け継ぎつつ適度に派手さを加味したバランスの良いデザインだと思います。ダンクーガ最大の特徴と言えば、やはり四機のメカがそれぞれビークルから動物メカ&人型ロボットに変形、そして合体して巨大ロボットとなる事でしょう。ノヴァも同様(っつーかこれをおろそかにしたらダンクーガじゃ無い)ですが、ダンクーガの悪い部分も受け継いでしまっています。その悪い所というのは、ダンクーガの合体システムにあります。ダンクーガは、一言で言うと頭と胴体(両腕と両足含む)と右足首と左足首と四つのブロックに分類でき、その部分をそれぞれのメカが担当しています。つまり、ものすごくサイズに開きがある上に合体する事に説得力が無い。合体とはパワーアップを図る行為ですが、スーパーロボット大戦の4コマ漫画にもありましたが“下駄とヘルメットが付いただけで何が変わるか”って事なんですね…これじゃ説得力もクソも。そして、これはノヴァの合体システムも同様なんですよね。ここはなんとかして欲しかった…それに合体した巨大な体躯を支える以上、足メカが一番頑丈って事になっちゃいますしね。漫画家の長谷川裕一が手がけた“ダンクーガBURN”では、分割ブロックを頭部と胴体と右足と左足というのはダンクーガ同様でしたが、両足を膝から下という戦隊ロボでよく使われる手法を取った事で合体の必然性&パワーアップの説得力を引き出していたものですが。
話をキャラクターに戻しますが、ノヴァ関係者を少しだけ紹介しましょう。まず司令官の田中さん、この人は主人公たちから謎の多いノヴァについて問い詰められても“自分は中間管理職だから何も知らない”の一点張りで頼りない人でしたが、最後の最後で取って付けたように“実は切れ者で強いんだぞー”という設定になっていました。でもその描写の仕方がスゲぇテキトーだったので、なんかどーでもいいキャラになってしまいました。なのに、オープニングでは無駄に悪そうに書かれています。例えて言うなら頼りないパトレイバーの後藤隊長的キャラクターなのかもしれませんが、これでは後藤隊長に遠く及びませんねぇ。
次にルゥ・リルリ、このフザけた名前はどーにかならんのか…もちろん由来は機動戦艦ナデシコの人気キャラクター“ホシノ・ルリ”。なんでここでナデシコが出てくるかってーと、本作のチーフライターがナデシコを手掛けた首藤剛志だからです。だからって、まったく関係ない他作品から持ってくるのはやめて欲しいです…。立ち位置は主人公たちのカウンセラーで、序盤において“そろそろカウンセラーとは別の自分の本当の仕事を始める時が来た”みたいな事を言ってましたが、結局最後の最後で本当の仕事云々は真っ赤なウソで(まったく語られなかったのでそうとしか)単なるカウンセラーだった事が判明しました…視聴者ナメてんのか(╬☉д⊙)言い忘れてましたが、こいつ男性恐怖症という設定でして、朔哉とジョニーをカウンセリングする際には屈強なガードロボを同伴させているとか。あー、これってカウンセラーのくせに男を信用しない上に、男がそんな扱いを受けたらどう思うか分かろうとするつもりなどさらさら無い、さらに自分の精神的弱点を克服しようともしないって事ですか。こんな身勝手な奴にカウンセラーなど絶対に勤まるものか。そしてこいつがカウンセラーって本来ロボットアニメには無い役職に付いている=存在意義が無いくせに出番が無駄に多くて鬱陶しいのなんのって…しまいにはノヴァとは別の巨大ロボに乗って「えーい♪」「やー☆」とか黄色い声だして大暴れ。ダンクーガってこういうノリじゃ無いだろ(╬☉д⊙)
整備班長のセイミー、タンクトップ姿がデフォの巨乳美女。はい、もうお分かりですね?彼女の存在意義は整備では無く、“乳を揺らす為に”出てくるのです。それ以上でもそれ以下でもありません、だからそれ以外の印象が薄いこと薄いこと…そんな彼女が主役の数少ないシーンをひとつ。寝巻き姿で、酒に酔った勢いで葵を押し倒してぶちゅぶちゅ…_| ̄|O|||本作がダンクーガの名を騙っている以上、旧作ファンは過去に味わったあの感覚を求めて視聴している筈です…こんなものが見たかったんじゃねええええええええええええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
次、エイーダ。彼女は人気トップアイドルでジョニーがそのファンだそうです。とあるイベントでジョニーと出会いまして、エイーダはなんとジョニーを知っていました。彼女によると、以前エイーダが担当する筈だったアイドル活動が他のアイドルに取られてしまった、その交渉を担当したのがジョニーだったとか。自分が実力不足と判断されたなら兎も角、そんな理由で負けたのは納得出来ないとネット検索してジョニーを知り、調べていくうちにジョニーを好きになってしまった…そうです。あのー、“自分が好きなトップアイドルが何の苦労もしてないのに一方的にあっちが惚れてくれた”って…なんですかこの美味すぎる話は。出会い系詐欺サイトの勧誘メールだってこんなのありませんぜ?普通だったら何か裏があると警戒しますよねぇ…ってあっさり信じるなよジョニーッ!お前よくそんなんで一流ビジネスマンが勤まったなッ!? そしてエイーダには重要な秘密があって…それは後述。
次、F・S&WILL。前者はダンクーガを影から操る実力者、後者はそれをサポートするコンピューターだとか。F・Sって名前&声優が八尾一樹という事実から察するに、やはりその正体はダンクーガ主人公こと藤原忍ではないかと思うのがファンの心理ですが、もしそうならこのデュランダル議長モドキなルックスは噴飯ものです…そうでなくてもここまであからさまなパクリ方をする等と言語道断ですが。ちなみにF・Sとは単に彼の持つ名前「Fog・Sweeper」(霧を掃う者)の略称であり、藤原忍とは全く関係ありませんでした…ナメとんのか(╬☉д⊙)WILLの正体は、実はコンピューターでは無く機械宇宙人でした。彼は宇宙に存在する調整者的存在に生み出された自立行動端末の一つであり、宇宙に存在する知的生物による文明が必要か不要かを判断し保護または排除する役割を持っていました。つまり、よくある「お前たちは危険な種だから宇宙の調停者である俺様が皆殺しにしてやる」ってな奴ですね。無敵超人ザンボット3のガイゾックや、熱血最強ゴウザウラーの機械化帝国とか。しかしWILLは、意外にも人類の保護を選択していました。
さて、キャラ紹介はこれくらいにして、次はノヴァが戦う理由をご説明しましょう。先ほどお話した通り、ノヴァは弱い方に味方し無駄に戦争を長引かせています。表向きでは、戦争の決着を付けさせない事により勝利国の軍事独裁や敗戦国のテロ活動を未然に防ぐ為、そして戦火をそこに留めておく事で、戦争に巻き込まれていない日本に争いの火種を飛び火させない事でした。その“自分達だけ安全ならいいや”的な目的は、兵士は勿論戦火に巻き込まれた子供などを実際に戦場で見てきた主人公達を激怒させ、ノヴァの力なら世界中の戦争を終わらせられるのではないか?と考える様になりました。しかし真の理由は、ノヴァは本来パイロット無しでも活動出来る自立機動兵器であり、そこまで完成させる為にはノヴァ自体に戦闘経験を積ませる必要があったんだそうです。つまり、自分達の勝手な都合で戦場を経験地稼ぎの練習場として利用していた…これって戦争を遊びにし人の命をゲームの的としか考えていないキラと変わりませんぜ?
で、戦いが進む内にオープニングにも現れている翼を持った謎の赤いメカが出てきます。奴の名は“アール・ダイガン”、ノヴァとは違い分離能力は無く単体で鳥形メカに変形するのが特徴で、目的はノヴァと同じで優勢な側を潰す事。それと同時にノヴァにも襲い掛かってきます。で、このアール・ダイガンを葵たちは“赤いダンクーガ”と呼ぶのです。あのー、アール・ダイガンとノヴァってどっこも似てないんですが!お前ら目ぇあんのか?強いて言うなら、これまで戦ってきた軍用メカと違い、ノヴァ同様に顔に目と鼻と口があるって程度なんですけど。
「顔がありゃなんでもダンクーガにしちまうんだ、馬鹿の一つ覚えだよ。」
で、このアール・ダイガンはノヴァを圧倒し去っていきます。しかし、戦いの中で他人の命を喰らい、もとい経験値稼いでレベルアップしたノヴァは、第二形態“ゴッドビーストモード”に変形します。これまで人間寄りのデザインだったノヴァが、合体状態でビーストモードの特性を表に出した形態がゴッドビーストモードで、各部に分離形態での獣顔が現れるのが特徴です。それでアール・ダイガンを圧倒するノヴァですが、最後の最後でアール・ダイガンに圧し掛かり機体を貪り食い始めます…これ、どー見たって有名アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のワンシーン、“使徒ゼルエルを貪り食う暴走初号機”の丸パクリにしか見えないんですけど!こういう所で志の低さが見え見えって言うか。で、アール・ダイガンのコクピットハッチが剥がれ中にいたのは、先ほどのエイーダでした。なんでアイドルがパイロットなんかやってんの?と誰もが思う所ですが、私の予想通りその辺のアンサーはされませんでした。
後半になると、背景にキャラのバストアップが被るというカットが出ます。ほれ、例えて言うならスーパーロボット大戦αの会話シーンでやってるあの構図です。そして、その手抜きカットが何度も何度も延々と出て来るんですねー。あれは制約の多いゲームだから許される事ですけど、アニメでそれをやっちゃイカンでしょ…そんなにスケジュールや予算が圧迫されていたんでしょうか?そして、その辺になるとストーリーが急展開…これまで無駄に上っ面だけの戦争描写&どーでもいいギャル萌え描写ばっかりに時間を費やしていたツケが回ってきたんだと思っていたんですが…聞いた話によるとこの本作って製作陣がかなりゴタゴタしていて最初からテンパリ状態だったらしく、ロクに足並みも揃わない状態で無理矢理作られていたんだとか。最初から全13話と決まっているんだから、各ストーリーの分担はその分綿密に行われていなければならないのにこの体たらくになってしまった、その辺に原因が有る様です。製作者側にはほんの少しだけ同情はしますけど、本音で言うと視聴者である我々はそんな事は知った事では無いわけで。本作は、全体の8割が女性キャラのセミヌードと裸と乳揺れ等の萌え描写で出来ています…本当はそんな事は無いんですけど、他に記憶に残る部分が全く無いだけにそんな印象しか残らないんですよね。上記のてんてこ舞い状態で最初からロクなモノが作れない、それが分かっていたから取りあえずある程度は確実に売れそうな萌え描写に走った…そんな感じでしょうか?いずれにせよ、ダンクーガファンとしては迷惑千万なんですけど。大体、これネームバリュー以外は“ダンクーガである必要すら無い”んですけど。
最後の最後で真の敵が現れます、しかし残り3話くらい(だったと思いました)になって漸くその正体が明かされるんですね。おいおい、そんなペースで大丈夫なのか?その真の敵とはWILLと同型の自立行動端末で、月面にいる事から“ムーンWILL”と呼ばれています。WILLと違いムーンWILLは人類の殲滅を選択しており、その為に最後の最後になって漸く行動を起こしたと言う訳ですね…遅すぎますけど。そして、そいつが地球全域に宣戦布告してくる訳ですよ。っつーか、こういう真の敵が出てくるんだったら無駄な女性陣の裸とかで時間を無駄にする余裕なんかどこにも無いと思うんですが!ぶっちゃけた話、ムーンWILLは宇宙から来た侵略者です。それを聞き“…スケールでか過ぎ。”とついて来れず驚いていましたが、この反応はおかしいです。F・Sによって本作が旧作ダンクーガとの繋がりを語られたシーンがあるのですが、旧作ではムゲ・ゾルバドス帝国や植物種族デラドと二度に渡り宇宙からの侵略を受けています。だから、今更また宇宙人が攻めてきたってそんな反応するとはありえません。せいぜい、“あー、また来たの?”と思うのが普通でしょう…例え本作が旧作の200年後の世界という裏設定があってもです。
あ、言い忘れてましたがノヴァの中に謎のブラックボックスがあるという設定が途中から出てきまして、その中には地球の動物全種のDNA情報が保管されているなんて話があったんですよ。これ、なんでも地球が滅んだ時の為にノヴァが外惑星にそれを運んで再生させる為なんだそうです…本編でも田中さんが言っていたようにノアの箱舟ですね。よーするにムーンWILLに負けた後の事も考えてるって事ですが、戦う前から逃げ出す事考えてる連中にノアの箱舟を気取って高尚ぶられても…ねぇ?それに、結局最後は勝つ事は分かりきっている(過去に最終話で主人公達が敗北したダンガイオーやアクマイザー3という例外はあるにせよ)ので、そんな設定持ち出されてもはっきり言って無駄です。もっとやるべき事が沢山あるでしょう!
そしてノヴァが戦場で戦っていた理由は経験値稼ぎというのは前述のとおりですが、アール・ダイガンもまた経験値稼ぎやっていたのです。本来この両機はムーンWILL対策の為に開発された機体、つまり目的は同じだったと。で、本来の目的の為に手を取り合い共にムーンWILLに立ち向かっていく…この手の作品では王道的な展開ですけど、これまでやってきた事が只管緊迫感の無い戦闘&萌え描写最優先の内容なので、せっかく王道的展開をやっても“上っ面をなぞっただけ”だから、ただのパクリにしか見えなくて白けました私は。そして両機が合体し完成した最終形態、“ダンクーガ マックスゴッド”なるものが出てきます…この果てしなく語呂の悪い名前は一体なんでしょうか?
そして最後は月面に赴きムーンWILLと対決…となるのですが、その前にノヴァとアール・ダイガンの始祖となった“オリジナルダンクーガ”が立ちはだかります。そもそもダンクーガとはWILL側の兵器であり、ノヴァとアール・ダイガンは地球人の技術で複製したレプリカに過ぎないとか…あのー旧作ダンクーガは葉月博士が一から全部作り上げたものなんですけど?さらにオリジナルダンクーガ、ちっとも似ていませんけど!こいつが出て来たのが最終話のAパート、こいつに蹂躙されてそれが終了します。おいおい、あと10分足らずの内にこいつだけでなくムーンWILLまで倒さなきゃならんのか?これまで散々無駄な事ばかりやってきた皺寄せがモロに来てますね。でどうなったかと言うと、Bパートが始まった途端にロボットアニメやヒーローものによくある「うおおおおおおおおおッッッ!!!」って叫ぶだけで超パワーアップして敵を倒すってパターンが適用され、オリジナルダンクーガは倒されるのでした。ああ、これが普通の作品ならまだしも、ここまで呆れの連続ですからよくあるパターンも許せなくなってきます。
でも、残り時間10数分足らずという現実は覆りません。どうなったっていうと、ものの数分で敵要塞中枢までたどり着いた葵がムーンWILLに素手で鉄拳制裁、ムーンWILLどっかーん。地球は救われましたー…はぁ。
エンディングでは、各キャラクターのエピローグがちょっとだけ紹介されます。しかし、そのどれもが戦場から離れ平穏な生活に戻るという物ばかりです…ムーンWILLの脅威は去ったとは言え、人類がそう簡単に戦争を放棄するとは思えません。むしろ、本編にも出てきた“俺達正義!俺正義!”をモットーとした自惚れ軍事大国が“また宇宙から敵が来るかもしれないから世界は統一されるべきだ!っつーか俺達がそれをするべきだ!何故なら俺達は正義だからだ!”と、はた迷惑な世迷言を言い出して軍事力で世界征服に乗り出す事は容易に想像出来るんですが…。一時はノヴァの力なら世界中の戦争を終わらせられると考えもしましたが、結局こいつらも自分だけ平和ならそれでよいという人間のクズだったみたいですね(╬☉д⊙)
せめてもの救いは、本作の評価が世間での評価も“限りなくデス種に近い産業廃棄物”だった事ですか…。全体的にやっつけ仕事、今のアニメ業界の悪い面の縮図を垣間見たと言うか。見なくていいですよこんなもの。そりゃ無印ダンクーガも世間で言われている程の名作じゃありませんけど、あっちの方がまだ楽しめると思います。これだから、唐突に出てくるマイナー作のエセ続編ものは信用出来ないんだ…ネームバリューに頼った悪質なバッタモンになりやすいから。
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