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母 逝く - 平穏死について考える

2010-08-04 18:15:20 | 「身の程」人生
 母は,今年5月,93歳で亡くなりました。胃ろう措置をすべきか否かでは,悩みまし
た。これに関連して,10日付けの読売新聞の記事「医療ルネサンス」が目にとまりました。

 八王子市の上川病院・吉岡充医師や特養・芦花ホームの石飛幸三医師の「平穏死」に関す
る随想です。

 そこでは,平穏死とは医療には限界があることをわきまえ、寿命が来たら意味のない延命
治療は避け、安らかな人生の終末を迎えさせようというものと,定義しています。高齢化が
進んだヨーロッパでは「認知症で食べられなくなれば寿命」という考え方が国民の間に浸透
しているのに対して、日本では食べられなくなった場合、どうするか国民的合意はまだ出来
ていない、とも論じています。

 私の母の入院した病院の入院患者実態からしても,「もうよい」と思える場合でも延命措
置をする例が少なくないようです。
 吉岡医師らは,口からの自然な栄養補給を大切に考えているようで、胃ろうを付けた場
合、栄養状態は保たれるが認知症が止められるわけではない。胃ろうを付けなかった場
合、どれくらいの期間どんな状態で過ごすことになるか、点滴の場合、多くは数ヶ月で眠る
ように自然な最期を迎える、等々、家族に全ての選択肢を示し、説明すると、胃ろうを選ぶ
家族はまずいないとも記しています。

 「『平穏死』のすすめ」の著者・石飛幸三医師も「医療の側も、患者の病気ばかり見がち
だが、そのひとの一生にとって何がいいのかを考えて医療を行うべきだと主張しています。

 母の死を看取った体験からすると,まさに正論と,私は賛意を示します。

▼バックナンバー
・母逝く - 93歳と長命を全う
母逝く  行年-享年
・母逝く  葬儀-その4
母逝く -葬儀その3  


母逝く -葬儀その2  

母逝く -葬儀その1 
母逝く -認知症 -6-  胃ろう処置-2 
母逝く -認知症 -5-  胃ろう処置-1 
母逝く -認知症 -4-  経済的な負担-その4
母逝く -認知症 -3-  経済的な負担-その2
母逝く -認知症-2-  経済的な負担-その1
母逝く -認知症 -1- 




「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか
石飛 幸三
講談社

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