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岡山の「林原」の元専務語る “「林原」破綻劇”の内幕

2013-08-27 21:29:21 | 林原-同族経営の功罪
破綻──バイオ企業・林原の真実
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 “バイオの雄”として名をはせてきた岡山の「林原」が、突然、会社更生法を申請したのが2011年2月。黒字を計上し続けてきた優良企業に、何が起こったのか?。林原は約30年前から不正会計を重ね、その間の架空の売掛金は300億円は、200億円の簿外債務も発覚した。破綻当時,林原社長の乱脈経営、公私混同、さらには無能経営者ぶりが指摘され非難が集中した。
 特に,「幅広い投資の実態や経営内容が不透明」と糾弾された。岡山駅前の再開発、東京歌舞伎町の土地取得など、不動産事業などに手を広げ過ぎた事が経営破綻の原因とも指摘されている。

◆“破綻劇”の内幕と、悲劇を生み出してしまった経営責任者としての胸中 

 『破綻──バイオ企業・林原の真実』は、兄の林原健社長を支え,専務取締役として渦中に身を置いた著者 林原靖氏が,“破綻劇”の内幕と、悲劇を生み出してしまった経営責任者としての胸中を綴ている。本書に書かれていることの真偽は定かではないが,もし,真実であるなら,これからの企業経営を考えるうえで,示唆に富む本である。

 「林原」は、食品甘味料や保存料などに使われる糖質・トレハロースの量産化に世界で初めて成功した会社で、抗がん剤・インターフェロンの量産化にも成功したバイオ関連技術では世界的に見ても傑出した企業であった。特に、1998年の秋以降、新製品のトレハロースを軸に快進撃の10年が始まり、「林原」の業績はいたって堅調だった。売り上げは伸び、利益は確実に出ていた。ただし、巨額の借り入れが問題ではあったが、直近の10年で350億円を返済していた。

 ところが、筆者の言によると,裏で歩調を合わせた主力取引銀行2行が、銀行借入残高報告の数字が違うことを問いただしてきたことにより、“破綻劇”の幕は切って落とされた。

 「林原」は結局、会社更生法の適用を受け、入札にかけられ、700億円で競り落とされた。なんと、弁済率93%の倒産であった。

 「資産もあり、赤字もなく、利息も払い続け、債務も減少していた会社が、なぜ、会社更生法の適用を受けなければならないのか!?」

と元専務林原靖氏は訴えている。

 

▼私のHPより  ―ケーススタディ 林原― 

     http://www2s.biglobe.ne.jp/~kobayasi/minotake/jirei-hayashibara-01.html


■経営破綻に至る経緯
 林原は,業績を拡大する一方で,研究開発への投資が先行していたほか,不動産投資などで年売上高を大きく上回る借入金が長年にわたり経営を圧迫していた模様です。
 なお,関係会社で糖質原料卸の(株)林原商事(資本金1000万円,同所,代表林原健氏,従業員100名),研究開発および化粧品原料卸の(株)林原生物化学研究所(資本金5000万円,同所,同代表,従業員250名)も会社更生法を申請しました。負債総額はは3社合計で約1500億円。

林原-倒産の顛末「身の丈を超えた過剰な投資が破滅を招く」

 岡山のバイオ企業・林原(はやしばら)は、1月25日、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決)されたが、2週間後の2月2日、ADRでの再建を断念し、負債総額1318億円、債務超過500億円超で、会社更生法の適用を申請した。

 1961年に急逝した父の跡を継ぎ、19歳で社長就任した林原健氏(69)の経営方針は、「利益の7割を不動産、3割を研究開発に投資する」というもの。


 NHKの2月の「仕事学のすすめ」に林原グループの林原健社長が出演予定であったが,林原(岡山市,林原健社長)が,私的整理手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きを申請したことから,放送は見合わせとなった。

 林原の借入金総額は1000億円を超えるとみられる。中国銀行など取引金融機関に支払期限の延長などの金融支援を求めるもようである。
 
 林原は食品の甘味料に使う「トレハロース」の量産で知られ,インターフェロンなど医薬品の製造にも力を入れている。単体の2010年10月期の売上高は280億円,純利益は1億円だった。


「身の丈」を超える-無理な開発投資が業績悪化を招く

 林原は食品原料や医薬品の製品化を,基礎研究の段階から手掛けているため,長期にわたり開発投資が先行する事業構造になっている。このため金融機関からの借り入れで資金調達を進めてきたが,景況悪化で保有する土地や有価証券の資産価値が劣化し,資産規模に対して債務が膨らむ状況に陥っていた。

 中国銀では,体力以上の無理な開発投資を継続したことが経営悪化の主因と見ている。
 事業再生ADRでは,申請企業がまとめた再生計画案を,債権を持つすべての金融機関が同意することで私的整理が成立する。林原の借入金総額は約1400億円。中国地方の金融機関では中国銀行のほか山陰合同銀行,広島銀行,鳥取銀行が貸し付けており,合算で約500億円にのぼる

 バイオ企業の林原(岡山市,林原健社長)は25日,私的整理手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きを申請し,受理された。林原生物化学研究所などグループ3社も対象で,2月上旬にも債権者集会を開き,取引金融機関に支援を要請する。主力銀行の中国銀では,体力以上の無理な開発投資を継続したことが経営悪化の主因とみている。

 同社のプレスリリースによると,今回の問題に関する経営責任をとり,当社社長林原健及び当社専務林原靖は,近い時期にそれぞれ当社代表取締役社長及び専務取締役から退任する予定。
 
NHK教育テレビの番組「仕事学のすすめ」- 2月に林原健社長が出演する予定だった
 林原の事業再生ADR申請が,NHKにも影響を及ぼしている。教育テレビの番組「仕事学のすすめ」で,2月に林原健社長が出演する予定だったが,NHKは放送内容変更を検討。
 なお,番組で林原氏の聞き手役となる勝間和代氏の,テキスト
のなかで,同社は,「日本型の中小企業が強みを発揮する最良のモデル」とのコメントは,的外れとなってしまった。
 
▼林原グループ
 林原は食品の甘味料に使う「トレハロース」の量産で知られ,インターフェロンなど医薬品の製造にも力を入れている。単体の2010年10月期の売上高は280億円,純利益は1億円だった。

⇒林原グループの業績
(単位:百万円) 平成20年10月期 平成21年10月期 平成22年10月期
売上高          28,333     28,268     28,113
営業利益          2,818     3,678      4,511
営業利益率(%)       9.9      13.0      16.0

▼林原・破綻の主因“「身の丈」を超える無理な開発投資が業績悪化を招く”

 林原は食品原料や医薬品の製品化を,基礎研究の段階から手掛けていることから,長期にわたり開発投資が先行する事業構造になっていました。このため金融機関からの借り入れで資金調達してきましたが,景況悪化で保有する土地や有価証券の資産価値が劣化し,資産規模に対して債務が膨らむ状況に陥りました。

 中国銀では,体力以上の無理な開発投資を継続したことが経営悪化の主因とみています。
 林原の借入金総額は約1400億円。中国地方の金融機関では中国銀行のほか山陰合同銀行,広島銀行,鳥取銀行が貸し付けており,合算で約500億円にのぼります。


 会社更生法申請の責任をとって退陣した林原健社長は,テキストの中で,成功の秘訣を語っていますが,いまやそれは失敗の教訓とも聞こえるのは皮肉です。

-競合他社のいない市場を狙え

 利益を追求しない製品作りが,いかに利潤をうむものになったのかーーそれには競合他社のいない分野を見定め,結果を出すまで長いスパンで取り組んだこと,そうして生み出したオンリーワンの自社製品の特質をよく理解し,効果的な営業のあり方を編み出したことなど,地方の中小企業ならではの戦いをしたことが大きいと思います。(p7)
▼ 
 我が社には,他社にはない独自の経営理念が存在します。「基礎研究にこだわり,他社が今まで手がけてこなかったものだけを作る」という点です。(p15)

▼経営破綻に至る経緯
 林原は,業績を拡大する一方で,研究開発への投資が先行していたほか,不動産投資などで年売上高を大きく上回る借入金が長年にわたり経営を圧迫していた模様です。
 なお,関係会社で糖質原料卸の(株)林原商事(資本金1000万円,同所,代表林原健氏,従業員100名),研究開発および化粧品原料卸の(株)林原生物化学研究所(資本金5000万円,同所,同代表,従業員250名)も会社更生法を申請しました。負債総額はは3社合計で約1500億円。

○林原-倒産の顛末「身の丈を超えた過剰な投資が破滅を招く」

 岡山のバイオ企業・林原(はやしばら)は、1月25日、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決)されたが、2週間後の2月2日、ADRでの再建を断念し、負債総額1318億円、債務超過500億円超で、会社更生法の適用を申請した。

 1961年に急逝した父の跡を継ぎ、19歳で社長就任した林原健氏(69)の経営方針は、「利益の7割を不動産、3割を研究開発に投資する」というもの。

 不動産による安定収入を基盤として、10~20年の長期間に亘る研究開発を要するプロジェクトに取り組み、オンリーワンの製品を生み出すという異色の経営手腕を実践してきた。実際、がん治療薬「インターフェロン」、菓子類などの人工甘味料として用いられる「トレハロース」など、他社の追随を許さない製品を世に送り出してきた。

 父親の時代からの水あめ事業で買い集めた不動産をもとに、中国銀行(岡山市・資本金151億円)の10%以上の株式を保有する筆頭株主でもあった。

林原グループは、非公開の同族経営者であることから、バイオ関連技術力の高さ、企業セミナーにも熱心さでは評価された。ただし、「幅広い投資の実態や経営内容が不透明」といわれていた。岡山駅前の再開発、東京歌舞伎町の土地取得など、不動産事業などに手を広げ過ぎた事が経営破綻の原因とも指摘されている。
 林原は約30年前から不正会計を重ね、その間の架空の売掛金は300億円は、200億円の簿外債務も発覚した。

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┗■ 長瀬産業、林原に700億円支援  再建へスポンサー契約 バイオ技術や化学品強化
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 会社更生手続き中のバイオ企業、林原(岡山市)は8月3日、化学品商社の長瀬産業とスポンサー契約を結んだ。長瀬産業は再建中の林原グループ3社に対し、総額700億円の資金支援を実施する。
 長瀬産業は化学品商社の最大手で2011年3月期の連結売上高は約6602億円。林原の持つ甘味料「トレハロース」のほか、バイオ関連の技術力を獲得することで国内外で強化し、林原の業績回復と同時に自社事業の化学品や医薬品素材事業の強化につなげる考えである。

林原は長年にわたり決算を改ざんし、金融機関から多額の借り入れをしていたことが1月に発覚。当初は私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決)での経営再建を目指したが、債権者である金融機関の調整がつかず、2月に会社更生法に切り替えた。

 スポンサー企業選定の最終入札には長瀬産業のほか、韓国の食品・エンターテインメント大手のCJグループ、米穀物大手のカーギル、化学品製造の群栄化学工業が参加したもようである。


 更生管財人は甘味料の製造・販売など林原の中核事業と、同社がグループで運営する美術館などのメセナ事業をあわせて引き受けることをスポンサーの条件としていた。支援額の規模に加え、こうした条件を満たす提案をした長瀬産業に最終決定した。

▼ 長瀬産業 http://www.nagase.co.jp/ 〒103-8355 東京都中央区日本橋小舟町5-1
・資本金:9,699百万円
・売上高 2011年3月期:660,213百万円   営業利益:18,732百万円 
・従業員数:963名 (連結 4,693名)
・主な事業内容:化学品、合成樹脂、電子材料、化粧品、健康食品等の輸出・輸入及び国内販売
・上場証券取引所:東京・大阪 第一部

*「更正会社株式会社林原等の再建支援に関するスポンサー契約締結に関するお知らせ」
          http://www.nagase.co.jp/assetfiles/tekijikaiji/20110803-2.pdf

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「身の丈」を強みとする経営―
縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング
小林 隆一
日本経済新聞出版社
「身の丈」を強みとする経営』(日本経済新聞出版社刊)。本書では,性急な業容拡大は弊害が多いとして,堅実な発展を目指して,自らの分を知り,ライバルの動きに惑わされることなく,マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を貫く経営姿勢を「身の丈経営」とし,縮小の時代の小売業経営のあり方を示しています。
 

 

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