稲盛和夫の提言 『考え方』より－－利他（りた）

 

◆週間ベストセラー　　【単行本　ビジネス書】　　５／２３　トーハン調べ

	書　　　　名	前週	著　者	出版社	税込み（円）
１	考え方 　人生・仕事の結果が変わる	１	稲盛和夫	大和書房	1,620
２	はじめての人のための3000円投資生活	２	横山光昭	アスコム	1,188
３	マンガでわかる！　誰とでも15分以上　会話がとぎれない！話し方 【会話がとぎれない！話し方シリーズ】	６
４	嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え	３	岸見一郎	ダイヤモンド社	1,620
５	「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)	５	汐街コナ／ ゆうきゆう 監修	あさ出版	1,296

　稲盛和夫著『考え方 　人生・仕事の結果が変わる 』は，　トーハン調べの週間ベストセラー【単行本　ビジネス書】部門で，連続２週間第１位と注目の書である。
　当代随一の経営者　稲盛和夫氏の理念は，「人のため，世のために役立つことをなすことが，人間として最高の行為である」とする。その理念が説かれた最新書『考え方　人生・仕事の結果が変わる』は，

　“一度きりの人生を
　　真に実り豊かで輝かしいものにするために”

の巻頭の書き出しで始まる，『考え方　人生・仕事の結果が変わる』から，特に印象深い稿をいくつか，要約してお伝えする。


九　世のため，人のために行動すること　－－自己犠牲をいとわず相手に尽くす
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　出典：p228～p233
◎利他（りた）
「情けは人のためならず」と言われるように，優しい思いやりに満ちた心，行動は，相手に善きことをもたらすのみならず，必ず自分に返ってくるものです。

不平不満を言わず，常に謙虚にして騎らず，生きていることに感謝する。誰にも負　けない努力を重ね，自分が犠牲を払ってでも世のため人のために尽くそうとする。そうした「他に善かれかし」という優しい思いやりに満ちた，美しい「利他の心」が，じつは自分自身の人生をもよくしていきます。

「自分さえよければいい」という利己の心をむき出しにして世間を渡っていけば，必ず乳轢が生じ，さらに悪い方向へと自分を追いやってしまいます。そうした利己の心を離れ，まず自分から思いやりの心で周囲に接するようにする。一人ひとりがそうした「利他の心」を持つことで，潤いのある平和で幸福な社会が築かれていくはずですし，一人ひとりの運命も好転していくはずです。

　出所：稲盛財団のウェブサイトより　http://www.inamori-f.or.jp/about/kazuo_inamori/

◆稲盛 和夫（いなもり かずお）氏

1932年1月30日 鹿児島県生まれ。

　稲盛和夫氏は「経営の神様」とも呼ばれ，国内外のビジネスマンから大きな尊敬を集める存在である。京セラ，KDDI（現au）の創業，近年では破綻した日本航空の再生に手腕を発揮した。
　一方，1984年4月に「人のため，世のために役立つことをなすことが，人間として最高の行為である」という自身の理念に基づき，私財を投じて財団法人稲盛財団を設立し，理事長に就任。翌年の1985年より，人類社会の進歩発展に著しく貢献した人々に贈られる国際賞「京都賞」の顕彰と，国内の若手研究者を対象とした助成事業に取り組んでいる。

　鹿児島県は2015年11月16日，京セラ創業者で名誉会長の稲盛和夫氏に鹿児島県民栄誉表彰を授与した。県は表彰理由については，「国内外で人材育成などに取り組まれ，郷土愛に満ちた活動は県民に敬愛され，社会に希望と活力を与えている」とする。なお，鹿児島市も同日，鹿児島市民栄誉賞を贈っている。
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	考え方~人生・仕事の結果が変わる
	稲盛 和夫
	大和書房刊　　1,620円

○ 内容紹介

本来、人生とは素晴らしい希望に満ちているものです。(中略)未来に希望を抱き、明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くする第一条件です。――本文より

京セラ創業から第二電電(現KDDI)の設立、そして、2010年の経営破綻からわずか2年で日本航空をスピード再生させた当代随一の経営者・稲盛和夫が、自ら一貫して実践し、社員一人ひとりに語り続けてきた、「自己成長を促し、真の充足をもたらす」唯一つの方法を示す。渾身の書下ろし新刊!!

「人間として正しいことを正しいままに貫くこと」「どんな境遇にあっても、ひたむきに人間を磨くこと」がもたらす素晴らしい未来を熱く語り、一度きりの人生を、真に実り豊かで輝かしいものにするための要諦を伝える。
これから就職を目指す人、社会に出る人から経営者まで、人生の目的に迷うとき、生き方に悩むとき、心が晴れないとき、支えになってくれる一冊!
出版社からのコメント

○――本文より

本書を構成している九つの章は「大きな志を持つこと」「常に前向きであること」「努力を惜しまないこと」「誠実であること」「創意を凝らすこと」「挫折にへこたれないこと」「心が純粋であること」「謙虚であること」「世のため、人のために行動すること」から構成されており、それぞれが独立したテーマとなっています。しかし「人生は考え方によって形づくられる」という本質の部分では互いにしっかりと結びつき、一体となって、人生に幸福をもたらす「人間のあり方」を指し示しています。