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在宅血液透析Diary

日々の出来事や在宅血液透析(HHD)のことなど 書いています。
<2007年5月開設>

HHDを選択した理由

2009-02-13 14:39:16 | 在宅血液透析実現まで(学習内容)

今度の4月で 透析歴が丸11年を迎える。
98年5月末から04年11月半ばまで 透析専門の病院に通院し、05年5月末に在宅透析に
切り替わり、現在に至っている。

在宅透析を選択したのは、別に透析効率がうんぬんとか、長時間透析が可能とか
そういうものが理由ではなかった。
理由はたくさんあるけれど、一番の理由は1日おきの通院が困難になってきたから。
もし通院が困難にならなければ、今でも普通にHDで通院していたと思う。


2002年の秋頃、色々なストレスや体調不良で過呼吸の発作を頻繁に起こすように
なってしまい、喘息の気がある私は当時 てっきり喘息の悪化だと思っていた。
でも喘息は苦しいだけだけど、過呼吸の発作は苦しさと恐怖感がダブルで襲ってきて、
喘息とはちょっと違うと感じていた。

ある夜 また呼吸が苦しくなり、市立病院の夜間救急に行って血液検査(静脈からの採血)
をしてもらったところ、二酸化炭素不足による発作だと診断された。
10代~40代くらいまでの若い女性によくある発作らしく、「この発作が起きると
とにかく部屋の中にいられなくて窓を開けて外の空気を吸いたくなったりするでしょ?」
と言われ、確かにその通りだったのでビックリしたのを覚えている。

治療方法は心療内科に通うことと言われ、早速翌日メンタルクリニックへ。
結果、パニック障害という診断結果だった。
とりあえず2種類の安定剤を服用することになったけど、すぐによくなる病気では
ないので、しばらく(かなり) しんどい日々が続いた。

今も完治はしていないけど、それでも普通に生活できるようにはなっている。
当時は本当に日常生活に支障をきたすほどで、エレベーターに乗ることができない・
映画館に入ることができない・車の運転ができない・助手席に乗っていても、渋滞に
ハマったりトンネルに入ったりすると過呼吸になったりして、一番ひどい時はスーパー
で買い物している最中に発作を起こすようになり、もう家から出ることが苦痛になる
くらいひどい症状だった。

今思うと、密室や逃げられない状況というのが発作を引き起こす要因だったようで、
でも何より一番困ったのが、車の運転ができなくなってしまったことだった。
車の運転だけでなく、バスや電車にも乗れなくなっていたので、週3回の通院が
本当に困難だった。
まぁ当時は夜間透析で夜7時頃までに病院に入ればよかったので、ダンナが帰宅する
のを待って、毎回送り迎えをしてもらう日々が1年半ほど続いた。

いつ発作が起きるかとビクビクしながら過ごす日々というのは 本当にストレスで、
何とか抜け出したいと毎日毎日思っていた。

そんな時、ネットでふと見つけたのが在宅血液透析。
名古屋の病院で行なっていることを知り、いろいろ調べたら 透析導入前まで長年
かかっていた市内の病院でも在宅透析を受け入れていることを知った。
そして幸運にも、長年主治医だった先生が 在宅透析を担当していたため、とりあえず
話を聞きに外来予約を。そして今現在に至っているけれど、あの辛かったパニック障害も
今はかなり落ち着いていて、もうエレベーターも車・電車やバスなどもへっちゃら。
そして過呼吸が良くなった要因も、在宅透析のおかげだった。

在宅透析の指導は本当に厳しくて、(まぁうちらの出来の悪さが一番の原因だけど。)
過呼吸の心配なんてする暇はなかった。
何より良かったのは、腎臓や透析に対する知識をたくさん教えてもらえたこと。
それにより、今まで透析は煩わしいとしか思わなかったのに、一転 透析のすごさや
ありがたみを感じるようになった。

過呼吸発作が一番ひどかった時は、透析中も発作が起こることがよくあったけど、
在宅透析の指導を受け、装置の操作方法や透析の仕組みを教えてもらったことで、
透析に対する不安感がなくなり、透析中に過呼吸を起こすことは一切なくなった。
そしてそれ以来、他の場面でもパニック発作を起こすことが少なくなり、一人で
バスや電車に乗ることも出来るまでに回復した。
(2002年から2004年の約2年間は、パニック発作との戦いで、本当に毎日辛かった。)


でもあのパニック発作にかからなければ、多分(てゆうか絶対) まだHD通院していたと思う。
そう思うと、あのパニック発作も 悪いことばかりじゃなかったのかもしれない。
(当時は死ぬほど辛かったけど。)

きっかけがこんなカンジだったので、在宅透析をさせてもらえることになった時は、
これで一日おきに通院しなくてもよくなるんだという安堵感でいっぱいだった。
(以前かかっていたクリニックには 車で15分くらいだったけど、発作を起こして以来 とにかく通院が困難だった。)

でも実際に在宅透析が始まると、1日おきの通院がなくなるというだけでなく、
さまざまなメリットがあるということを、身をもって実感することができた。
それにより、精神的ストレスもかなり減り、今の生活はあのパニック発作で苦しんだ
当時とは 比べものにならないくらい快適だ。


いろいろあったけど、こうして思い起こしてみると、在宅透析ができたのも 今平和に
毎日暮らせているのも、ダンナのおかげだったりする。
感謝しなければ・・と思うものの、つい奴の普段のバカぶりに腹が立ってしまい、感謝の
気持ちを忘れてしまう。C= ( ̄ー ̄;;) ハー



自己返血と手技

2008-01-31 16:18:19 | 在宅血液透析実現まで(学習内容)

最近 本当に自己返血することが多い。
介助者のダンナの仕事が忙しくて 帰りが遅く、透析開始するとすぐに眠ってしまい、
終了が深夜1時や2時だったりするので、そのまま自分で返血して終了し、片付けも
一人で行なうという毎日。

別にいいんだけど、自己返血の何が大変かというと、穿刺針を抜く時。
左腕に針が刺してあるので、右手のみしか使えない。

どうやって一人で針を抜くのかというと、穿刺部位をエタノールで消毒し、止血用の
ガーゼを折りたたんで部位に当て、テープで止める。(←片手なので難易度★★★)

その上から止血バンドをきつめに巻いて、A側から針をサッと抜き、バケツに入れ、
すぐに止血バンドの上から指で押さえて止血する。(←難易度★★★★★)笑


「針を抜いてから止血バンド」ではないので、どうしても血が溢れ出てきてしまう。
なので、針を抜いてバケツに入れるのは3~5秒で行なわないと、大変なことになる。
(V側の針は刺してあるままなので結構大変。この時ほど手が3本欲しいと思う時はない。)


A側の止血が終わってインジェクションを貼ったら、今度はV側。
でもVのほうはAに比べて出血がそれほど多くないので、Aの抜針よりはるかにラク。

ちなみに、介助者が行なう返血は A側の針を先に抜いて返血していくけど、自己返血
の場合は針を抜かずに返血し、返血後に2本 針を抜いていくというやり方。
なので返血方法もちょっと違う。


本当は抜針の時だけ 介助者に起きてもらえばいいんだけど、本気で寝ているので、
起こしたところで 多分ボケていると思う。

頭が半分眠ってる状態で行なわれるのなら、かえって自分で終了操作をしたほうが
なんとなく安心なので、奴が寝ている時はほとんど自己返血。


それにしても、一日も休みなくずっと遅くまで仕事のせいか、疲れがとれない様子で、
過労死したりしたらどうしよう・・・とこっちが心配になる程。

なので、余計に そのまま起こさずに 片付けまで全部自分でやらなくちゃ・・・という
気持ちが強い。(結果、プライミング・時間ごとの血圧測定&カルテの記入・返血・片付けなど、
自分で行なわなければならないので、ずっと一人透析になっている。)



正直、夜9時や10時からの透析や 朝早くからの透析は、いくら自宅での透析とはいえ
やっぱりできるだけ避けたい。(生活のリズムがかなり狂うので。)
とりあえず今は、早く奴の仕事が落ち着いてくれることを願うばかり。


自己穿刺

2007-09-21 02:47:47 | 在宅血液透析実現まで(学習内容)

在宅血液透析を始めて 良かった点はたくさんあるけれど、中でも一番良かったと
思うことは、自己穿刺ができるようになったこと。

もちろん穿刺ミスもよくしてしまうけど、血液が漏れて腕が青くなることがほとんど
皆無になった。(H Dで通っていた時には、少しだけど よく青くなっていた。)

多分 自分で圧を見ながら針先調整をしたり、穿刺も自分の血管のみだから、何となく
刺す箇所の癖やコツもわかってくるし、そういうちょっとしたことなんだと思う。


また、不思議なもので、自己穿刺のほうが 人に穿刺してもらうよりも痛みが少ない。
気持ちが刺すことに集中しているせいなのか、心の準備のせいなのか よくわからない
けど、よく自分で刺す箇所でも、人に刺してもらうほうが痛みを感じる。

もうここ2年半以上も自己穿刺を行なっているため、(指導期間も含めれば3年間) もう穿刺は
自分で行なうのが一番と思うようになってしまい、外来の採血でさえも自分で刺したく
なってしまう。(透析の穿刺よりも、フツーの採血のほうが痛みが大きい。)


ただ、そんな利点が多いと思う自己穿刺にも 困ったことはある。
それは「痛い」と感じると、それ以上自分で針を進めることができないこと。

私がいつも刺す箇所は もう決まっていて、もちろん透析ごとにちゃんと少しずつ刺す
位置はずらしているけれど、とにかく範囲が狭い。

血管がまっすぐなら問題ないけれど、なかなかシャントがまっすぐな人は少ないと
思うし、私の血管も微妙にくねくね曲がっているので、どうしても刺す箇所がいつも
同じになってしまう。

でも、週4透析を行なっていると、やっぱりもう一箇所ずつくらいは新たに刺す箇所を
開拓しなければ大変で、以前も先生にシャントを診てもらった時、
「ここらへんなんて十分針刺せそうじゃん。」って2箇所ほど指定されたけど、普段刺していない
箇所は、もう少し針を刺しただけでも飛び上がるほど痛い。

よくしたもので、今刺しているAとVの2箇所は、もう10年近くずっと同じところに刺して
いるせいか、全くと言っていいほど痛みを感じない。


そこで私が是非欲しいのが「ペンレス」。
ペンレスは高価だし、先生の方針もあると思うけど、病院によって処方してくれるところ
と処方しないところがある。

私が以前通っていたクリニックでは、みんな処方してもらっていたので、ペンレスは
当たり前にもらえるものだと思っていた。

まぁでも、今現在はペンレスなしでもさほど困らないけど、やっぱり時々必要性を
感じる時がある。 それが、普段刺さない箇所に穿刺する時。

以前、クリニックで処方されていたペンレスの残りを使い、新しい穿刺部位に貼って
自己穿刺したことが数回あるけど、やっぱりペンレスの効果は絶大で、難なく刺せて
痛みも大して感じなかった。(私の場合は 穿刺2時間前くらいに貼るようにしている。)

でもペンレスは劇薬に指定されているので、通販などで購入することができず、
自分のかかっている病院がペンレスを処方しない方針だと、もう入手は困難を極める。

もう何年も当たり前のように処方してもらっていたので、ペンレスがこんなに貴重な
ものだとは正直思わなかったし、初めて知った。


ただ、ここ最近は 条件を満たしていれば通販でも購入できるようになったことを知り、
探しに探して 先日ようやく購入。(100枚購入して、送料や手数料などを含めて約一万円だった。)

一枚90円程で、高いといえば高いかもしれないけど、これでいつもとは違う箇所に穿刺
をすることが出来、いつも刺す部位を少しでも休ませることができれば 安いものだと
私は思う。

とりあえず、明日(もう今日だけど) の透析は、早速そのペンレスを使って 新しい部位に
挑戦してみようと思う。




↑以前のクリニックでは、いつも二週間に一度12枚 バラで処方されていたので、
こんなカンジの箱なんだ~って初めて知った。
(携帯の為、相変わらず画像悪し。)




中身はこんなカンジ。以前もらっていた時のモノともちろんおんなじだけど、唯一「ペンレス」と
書いてある文字の色が違う。
(以前は青い色の文字ではなく、黒い色の文字だった。)


指導内容の変更

2007-09-06 19:50:18 | 在宅血液透析実現まで(学習内容)

先日の外来時、在宅透析の指導内容を一部変更する と、HHDの看護師さんが言った。

なぜいきなり変更なのかわからないけど、とりあえず「プライミングトラブル」の項をもっと
簡素化するらしい。 (「プライミングトラブル」は、6/1の日記に記載。)


「動脈側血液回路まで空気が入ってしまった場合」 の項がなくなるらしく、結果、
「Aチャンバーより手前の場合」「Aチャンバーより後(ダイアライザーより手前)の場合」
の2項目が 指導内容から消えるらしい。 ばんざぁぁぃ☆ヽ(*≧∀≦)ノ


この「プライミングトラブル」は、正直以前から疑問に思っていた。
知識があればそれに越したことはないけれど、ここまで細かく分類する必要が
あるのかと、前から思っていた。

特に 今回指導内容から省く項は、手技が超面倒で 覚えるのに一苦労。

「プライミング」はまだ透析開始前なので、普通にテキストを見ながら処置すればいいと
思うんだけど、なぜか全部丸暗記させられ、テストではしょっちゅうやらされた。


「生食補液ラインまでエアーが入った場合の処置」 と、
「ダイアライザー以後までエアーが入った場合」 は 結構簡単で、一度覚えてしまえば
それほど忘れない。

でも、Aチャンバーより手前・Aチャンバーより後(ダイアライザー手前)の処置は
すぐに忘れてしまい、テスト前になると この項ばかり復唱して覚え直していた。

なので、もうこの項を復習しなくてもいいと思ったら とっても気がラクチン♪


それにしても なぜ今頃になって 指導内容の見直しをするのか謎。
(もう一組のH H D方たちが 日機装に機械を変えるためなのかなと思ったけど、私たちがH H D導入して以来、
誰一組としてH H Dにチャレンジする方がいないので、ちょっと簡素化したのかなとも思ったりした。)



でもとりあえず、ラクチンになったので嬉しいです。(* ̄∇ ̄*) エヘヘ







ちなみに今、台風の影響で雨と風がすさまじく、家が揺れる。!Σ( ̄ロ ̄lll)
こんな日に限って冷蔵庫の中は空っぽだし、向かいのセブンに行くにも大変なくらいの凄い風。
早く通過してくれることを祈るばかりデス。(現在ハッピーターンを食べて飢えをしのいでいる。(; ̄ー ̄A アセ・・・)



実際に感じた 在宅透析のメリット・デメリット

2007-06-18 23:31:11 | 在宅血液透析実現まで(学習内容)

最初に在宅透析を選択する際、HHDのメリット・デメリットなどを本やネットなどで
いろいろ調べました。

実際も、書かれていることとほとんど同じでしたが、各病院によってシステムも違うので
メリットやデメリットなども それぞれ感じ方の違いもあるかと思います。
なので、あくまで私個人の感じたことになりますが、書いてみたいと思います。



<在宅透析(HHD)のメリット>


・自分の都合のいい時間(好きな時間)に透析ができる。

コレはHHDならではかと思います。透析日の変更が自由なので、旅行や外出も事前に
計画しなくても、翌日すぐに実行することもできるので、外出の機会も以前より増えて
とても便利です。



・通院しなくてもよい。

もちろん全く通院なしというわけではなく、月2回は外来受診しなくてはいけませんが、
週3回決まった時間に通院していたことを思うと、その差はかなりあります。



・長時間透析や 中二日のない透析が可能なので、透析効率も良くなり
体調も改善する。


中二日のない透析というのは本当に大きいです。データも良くなり、何より
中二日がないことで 体調のよさをかなり実感できます。



・透析中、家族と過ごしたり 好きなことをしながらリラックスして透析が行なえる。

これは本当に私にとっては大きなことでした。HDの時は4時間透析でしたが、その4時間
がとんでもなく長く感じ、「あぁ・・・まだあと2時間もある・・・。」とかよく思ったものです。
HDの時は 一人一台ずつテレビがついていましたが、食事の時以外はずっと寝たまま。
でもHHDになってからは、ベッドもほとんどソファー化していて PC・漫画・
プレステと 自由にいろいろできるので、5時間透析でも結構あっという間に感じ、
透析が苦ではなくなります。


・家族が透析のことをよく知るようになるので、理解してもらえる。

私の場合、家族といっても 介助者の主人と二人暮らしなので、透析のことを勉強せざるを
得ないのですが、私と同じ病院内の他のHHD患者さんたちは、まだ小さい子供さんたちが
それぞれにいて、透析中も一緒にいられるので コミュニケーションをとりながら、透析の
こともどんなことをするのか 自然と知るようになります。
これは子供さんたちが大人になった時、大きく違うと思います。
私の場合、HDの時は透析というものがどんな治療なのか、主人は全く知りませんでした。
週3回の治療と、そのつど2箇所針を刺すということなど、漠然としかわからなかった
のですが、「介助者」となったら嫌でも透析のしくみ・原理などを覚えなければならず、
結果、一人で透析をしていたのが「二人で透析を行なっている」という感があります。
なので孤独感や、なぜ自分ばかり・・・という悲観的な考えがいつのまにかなくなったように
思います。


・自己管理が以前よりラクになる。

これは本当に不思議で、自分でもなぜなのかよくわかりません。
週4透析になったのはつい最近のことですが、その前の週3透析でも自己管理の大変さは
変わりません。 しかも、HDの時よりも体重の増えは少ないし、かといって特に何か我慢
しているわけではなく、結構好き勝手に飲み食いしています。

↑風呂上りのビールは毎日・ガストのドリンクバーもしょっちゅう。(; ̄ー ̄A アセ・・・



・透析に興味を持つようになる。

私自身、HHDに移るまで6年半も透析していたにもかかわらず、全くといっていいほど
透析の知識がなく、興味もありませんでした。
唯一いつも頭にあったことといえば、シャント側の腕で重いものを持たないとか、
水分管理・リンやカリウムの多い食事に気をつけるなどそんなところ。
透析を行なうのに 透析液を使用するなど、そんなことすら知りませんでした。
でも、HHDの指導が始まってみて 改めて自分の今までの無知さを思い知り、これでは
いけないと、覚えが悪いながらも結構一生懸命勉強しました。
不思議と透析の原理などを覚えると、透析が嫌だという気持ちがなくなり、長時間透析が
どれほどありがたいか、除水量が多いということがどれくらい心臓に負担がかかるかなど
色々わかって考え方も変わり、「透析」のありがたさも今まで以上に感じるように
なりました。↑今まではこんな大変な思いをしてまで生きなければならないのか・・・と否定的な考えでした。


・気を使わなくてもよい。

正直、HDで何が大変だったかというと病院内での人付き合い。
私は夜間透析だったので 圧倒的に男性が多く、そのためあまり大変ではありません
でしたが、それでも病院に行けば気を使います。
以前、透析導入時の入院で一緒だったおばさんがいて、その方も私と同じ日に透析
導入し、数日の差でシャント手術もおこなったので 自然と話すようになり、それ以来
毎年年賀状のやりとりなど 今でも行なっています。
その方と前に電話で話した際、「昔からいる古株の患者が いばりんぼで、グループに
なっていたりするのでとても気を使い、透析よりも病院で顔をあわせることが苦痛。」
とため息をついていました。↑その気持ち、私もとってもよくわかります。
患者の中には気難しい方も多く、挨拶してもシカトだったりと、私ももう何度脳内で
蹴りを入れたかわかりません。(笑)
←あくまで脳内。
また、通院でないためお化粧(メイク)をしなくてもいいので ラクチンです。


・当たりはずれがない。

これは私個人のみが感じることかもしれませんが、スタッフの当たりはずれです。
穿刺に関しては、「あぁ・・・今日はあの看護師さんかぁ・・・」というのがなくなります。

↑でも私が自己穿刺するほうが 失敗する確率大。
また、スタッフの入れ替わりが激しいと 患者は正直とまどいます。
新しく入った新人スタッフが穿刺につくと、もう脈拍はピーク。そこで失敗でもされた
時には、仕方のないことだとわかっていても穏やかではいられません。
←ココロ狭っ!
穿刺の他には、やはりスタッフとの相性です。
私は透析そのものよりも 人づきあいのほうが面倒で嫌だったことのほうが多かった
ように思います。
↑まぁ結局ワガママ(笑)


・透析中、自由に飲食ができる。

私はいつも、800~900グラムを食事量として、計算&カルテに記入しています。
食事自体は400~600グラムでも、合間にプリングルスや烏龍茶でおやつ&Teaタイム
をとったりするので、200~300グラムプラスしています。

↑ちなみに好きなのはサワークリーム&オニオン
でもちゃんと量っているので、予定していた量より少なければ除水量を変更し、逆に
多くても 現在の総除水量にプラスして調整しています。
また、たまにですが 中途半端な時間に透析を開始する場合があります。
ゴハンには早すぎるとか、食べたばかりでお腹がいっぱいなど。
と言っても5時間内にはお腹も空いたりするので、今日はお茶&お菓子だけにして
飲食量を400mlにしようなど、その時々で自分なりに自由な設定ができます。
また、好きな時間に飲食できるのもメリットの一つかと思います。



<在宅透析(HHD)のデメリット>


・透析中、医師やスタッフが不在。

今のところ、透析中は特別困ったこともありませんが、やっぱりプライミングでバカな
ことをやらかした時や、B液がなくなって濃度下限&気泡警報がダブルで発生した時
など、あぁ・・ここが病院だったら・・・と思うことがあります。
また、今年の3月頃に介助者がひどい風邪をひき、もちろん私にもうつってしまい、
二人で寝込んだことがありました。 それでも透析に休みはないので もちろん予定通り
行いましたが、二人とも熱があって食欲不振&ダルさ&背中などふしぶしの痛みが
ひどく、どちらがプライミングを行なうかでもめたりしました。
おまけに終了時間が近づいているのに、何度呼んでも介助者のダンナは起きる気配なし。

介助者は、透析ルームの押入れ下段に布団を敷き、ベッド代わりにしています。←ドラえもん方式
「早くしないとB液なくなっちゃうじゃん!!」と思い、仕方なく自己返血。
しかも私もその時38℃以上あったので、もう涙目で返血したのを覚えてます。



・介助者が必要。

介助者は誰でもいいというわけではないので、この介助者の問題さえ何とかなれば、
HHDはもっと選択しやすい治療法になると思います。
在宅透析の指導を始める前、担当の先生と面接を受けますが、一番重視する面は
本人と介助者の信頼関係だと思います。
どちらか一方のやる気がなければもちろんだめだし、お互いに頼りっぱなしのペア
ではなかなか難しいかと思います。
介助者となる相手は 夫婦や親子などいろいろなケースがあると思いますが、
どちらにしても、「普段から介助者が透析に対して 理解や協力を示し、患者との
信頼関係が厚い」というのは必須条件ではないかなと思います。

↑私たちペアがその「必須条件」に当てはまってるかどうかは ちと謎。


・患者本人と介助者の教育が必要。

病院のスタッフがいない分、どんなことにも対処できるように一通り指導を受けなければ
なりません。 指導内容や期間は、その医療機関によって違いますが、どちらにしても
仕事を行なっていれば支障は出てしまいます。
その点は、私たちもかなり大変な思いをしました。



・太る。
皆がそうとは限りませんが、私の場合 HHD導入後2キロも太ってしまいました。
↑しかも今だに戻っていない・・・。
でも食事量や内容は変わっていないのに、なぜ太るのかは本当に謎。
ストレスが減ったのは事実ですが、逆に太ったことによるストレスはかなりのもの。
HD当時も今と同じ夜間透析で、しかも今よりカロリー摂取量は多く、透析終了後は
お腹が空き、必ずコンビニやファーストフード店に立ち寄っていました。
運動不足は否めませんが、それも以前と同じこと。
私にとっては太ったことが、HHD開始後の一番のデメリットです。

もうビリー隊長のもとで 自力でぜい肉落とすしかありません。


・透析以外のことで診てもらいたい時に、なかなか診てもらえない。

腎内以外にも、個人経営のレディースクリニックにもう10年近く通院しています。
なのでもちろん具合の悪い箇所により、他の病院に受診したりしてますが、例えば
上記で記載した 風邪をひいたときなど、透析室のスタッフに電話しても、
「先生が近所の病院でいいよって言ってるから、近くの内科に行ってみて。」と
言われます。でも、実際に個人経営の内科に行って、透析を行なってることを医師に
告げると、「え!?何で透析行なってる病院で受診しないの??」と言われます。
外科や婦人科・歯科など、内科以外の病院では言われたことはありませんが、
内科関係だと必ずそう言われてしまいます。
実際私もHDでクリニックに通院していた時は、風邪や膀胱炎など、ほとんど透析で通院
した際に診てもらい、薬も処方して頂きました。
なので、病院で他へ行ってと言われた時は、正直「えぇ???」って思いました。
個人経営の病院じゃないので、融通が利かないだけなのかもしれませんが、膀胱炎
になった時にも他へ行けと電話で言われ、仕方なく近所の内科を受診。
透析をやっていると言っているのに、「尿検査しないと薬が出せない。」と言われ、
正直もう泣きたい気持ちでした。
←事情を詳しく話してやっと薬だけ出してもらいましたが。
風邪も腹痛も膀胱炎も、透析と全く関係ないわけではないと思うので、やっぱり
とりあえずは いつもの透析施設で診て頂きたいと思います。

同じ市内でも、病院とは正反対の方角に住んでいるので、距離を考えて あえて近所の病院でいいよと言って
くれてるだけなのかもしれませんが・・・。

なので結構心細い&不愉快な思いをすることが度々あります。


・患者どおしや スタッフとのコミュニケーションが減る。

やはり、週3回通うのと月2回とでは、コミュニケーション度が違います。
先に書いたとおり、難しい方も中にはいらっしゃいますが、夜間透析だったため 男性
の患者さんがほとんど。
そのためか 同じ患者でもよく話しかけてくれたり、具合が悪いときは帰り際に声を
かけてくれたりと、ジ~ンとすることや嬉しいこともたくさんありました。
スタッフの方たちもほとんど毎日顔を合わせていたし、年齢も近い方が多かったので
お喋りも結構楽しかったなぁと、今になって思います。
↑メリットの「当りはずれ」の記載とかなり矛盾。まぁ苦手な人ばかりではなかったので。(; ̄ー ̄A
まぁどちらにしても 慣れればどぉってことはないのですが、HHDに移行したばかりの
時は、ちょっと違和感&寂しさを感じたのは事実です。



・自宅から近い病院を選ぶことができない。

HHDを導入している病院はまだごくわずかで、同じ県内にあるだけでもまだいいほう
というような状況。
私の場合、県内というより 同じ市内なので いいほうだとは思いますが、私は市内の
南方面・病院は北方面と正反対なので、正直ちょっと面倒。
その点、HDは各地にたくさんのクリニックが点在しているので、もっと近くの病院
を選択できます。
ただ、もっとHHDが広まれば 少しずつ改善されると思うので、今後に期待したいな
と思っております。)




とりあえず、頭に浮かんだことを 思いつくまま挙げてみました。
メリット・デメリットは 他にもいろいろあるかと思いますので、思いついたらまた
付け加えていきたいと思います☆
(6/21追加記載)

在宅血液透析ハンドブック―実技を中心にして
医学書院