昨日は HHDの指導開始までを記載しましたが、今日は当時の学習スケジュールを書いて
いきたいと思います。(* ̄▽ ̄*)ノ
昨日も少し書きましたが、月(夜間)木(昼)土(昼)の透析&学習日でした。
木・土曜日は、透析中の学習&終了後の学習を 夕方5時まで行い、月曜日は夜間のため
透析中のみの学習でした。
<第1週>
・透析通院オリエンテーション・基礎情報収集
この項目はあまり記憶にありません。(笑) でも 今思うと昨日記載した、スタッフとの
初対面の時に このオリエンテーションなども含まれていた気がします。
・復習テスト(血液透析の知識・自己管理)
初日、いきなりテストでビックリしました。!Σ( ̄ロ ̄lll) ダンナは別室で、私は透析を
しながらのテストでした。でも、「どのくらいの知識を持ってるのか・・・というだけ
なので出来なくても全然構わないから。」と看護師さんに言われ、いざテスト。
正直、今まで自分の身体や病気のことなのに、クリニックまかせで自分で一切勉強
しなかった私にはわからない問いばかりで、ダンナともどもほとんど白紙で提出
しました。「腎臓の8つの働きを書いてください」なんて、当時の自分には2つ程
しか書けませんでした。
・透析液供給装置について・血液透析使用物品について
透析装置の図と細かな名称が記されたプリントを頂き、モニターと操作パネル部の名称と
説明を、使用物品については、実際に新品の物品を並べ、教えてもらいました。
<第2週>
・清潔と不潔・皮膚消毒の方法・滅菌手袋の装着方法
ここで初めての手技が始まりました。滅菌手袋の装着方法はスムーズにできるように
なるまで苦労しました。(; ̄ー ̄A アセアセ・・・

・薬液を注射器で吸引する方法
薬液とは、いわゆるヘパリンです。このヘパリンを注射器で吸う作業、とんでもなく苦労
しました。あらかじめ空気を注射器でヘパリンの小瓶の中に入れてから 注射器で吸う
のですが、全部吸いきれなかったり、またヘパリンが小瓶に吸い戻されてしまったりと、
慣れるまで時間がかかりました。(簡単そうに見えるけど、見るのと実際行なうのとでは大違いでした。)

・血圧、脈拍、体温、体重測定について
これは一般的なことなので、特に難しいことはありませんでした。口頭のみの説明だったと
思います。
・自己穿刺の方法
ついにやってきた・・・というカンジでした。HHDは自己穿刺が基本なので、覚悟はして
ましたが 実際初めはキツかったです。でもここでは まだ自己穿刺の説明のみ。
いよいよ次回は自己穿刺・・・という時に、看護師さんが18Gの針とアル綿を持ってきて、
「自分で自分に針を刺すこと自体が勇気のいることで大変なので、実際にちょっと刺して
みようか。」と言われ、シャント側の腕に自分で18Gをブスッ。( ̄◇ ̄;) ハゥー
もちろん血管ではなく、シャント部分からずれた位置にただ刺しただけですが、たった
これだけで かなり気がラクになったのは事実です。
自己穿刺については、改めていろいろ詳しく書いていきたいと思ってマス☆
・透析液供給装置の立ち上げ方法
コレは技師さんに教わった記憶があります。透析液2剤を接続した後、「確認」「液置換」
など、パネル操作をして透析装置を立ち上げます。
<第3週>
・除水計算について・透析中の観察・記録用紙の使い方(記入方法)
除水計算はその名のとおり。透析中の観察は、V圧やVチャンバーの液面のチェック・
時間ごとの血圧測定などです。記録用紙とは カルテのことで、在宅と病院とではカルテが
多少違いますが、記入方法はほとんど一緒です。
(カルテについては、実際に使用しているカルテの画像などを交えて、また紹介したいと思います。)
・自己穿刺(本番)
なんか 思い出深いです。(笑)いよいよ初自己穿刺という時は、在宅スタッフ全員が召集を
かけられ、先生も二名ほどいたような・・・。実際に刺した時、大人数の前でというのも
重なり、緊張で冷や汗が・・・。(←小心者)
実際に刺して脱血し、針を進めてダンナが内針を抜いて完了したとき、一斉に「おお~~!」
というどよめきと拍手が。(/||| ̄▽)/
しかもダンナも一緒になってスタッフと拍手してたので、看護師さんに
「ご主人!拍手してないで早く駆血帯を外して!」と注意されてました。←ホントバカ・・・。
・プライミング(見学)
(それまでは、病院に行くと すでにプライミングは終わった状態でした。ここで初めて
看護師さんがプライミングを行ないながら 説明してくださいました。
正直、自己穿刺と同じくらい不安だったのが、このプライミング。あの複雑な回路を自分で
設置できるのか・・・とずっと不安でした。しかも この見学でさらにその不安が増しました。)汗
<第4週>
・プライミングの実際・プライミング時のトラブルに対処する方法
プライミングの練習は、透析終了後に水回路で行ないました。プライミングを覚えるのは
やっぱり難しく、第4週の一週間(月曜日は実技はないので 実質2日間)で覚えるのは
無理でした。結局ここで2週以上くらいかかった気がします。プライミング時のトラブル
とは、先日紹介しました「プライミングトラブル」のことです。
<第5週>
・透析治療開始操作
穿刺終了後の、回路を接続したり、ポンプを回したりする一連の開始操作。
5/15の日記に 開始操作の手順を書きましたが、それはこの時教わったものです。
ちなみに開始操作は介助者だけでなく、自分でもできるように一緒に指導を受けます。
回路の接続だけは、片手しか空いてない患者本人には無理なので、介助者まかせですが、
その後は「運転」まで本人も一人でできるように訓練します。
・静脈圧異常・透析液圧異常
ここから技師さんの指導が開始です。静脈圧異常は一番よく出る警報なので、
特に念入りに指導を受けました。解除の仕方だけでなく、原因や兆候・また、色々な
パターンの口頭での質問など。例えば、ダイアライザーが詰まったらV圧・液圧は
どうなるか・ダイアライザーが目詰まりを起こしたら圧はどうなるか・・・など、
今考えてもややこしい質問が次々に行なわれます。
ちなみにダイアライザーが詰まった時のV圧&液圧は共に下がり、ダイアライザーが
目詰まりを起こした時は、静脈圧は横ばい・液圧は下がります。
<第6週以降>
第6週以降は、取得状況により スケジュール調整が行なわれます。
つまり、練習問題(実技&筆記テスト)の出来が悪いと、先に進めず再指導。
臨床工学士の指導は、理数系の弱い私たちには本当に大変でした。
ただの警報解除の手技だけなら 何とかなるのですが、本当に専門的なことまで教わり、
筆記テストに出てくるので 途中何度も挫折。
(たとえばA原液の電解質成分の数値をそれぞれ全部覚えたり、在宅透析での水処理に
関することを丸暗記。(preフィルター・軟水装置・カーボンフィルター それぞれの役割など。)
正直ここまで覚える必要ってあるの??と思いましたが、今になると、やっぱり教えて
頂けることはありがたいことなので、決してムダではないと思います。
(実際、在宅では介助者と本人の二人きりだし、看護師と技師の知識を両方きちんと
持っていないと 自分がいざという時困るし、怖い思いをすると思います。)
↑でも当時は、何でこんなことまで・・・と不満だらけだった。(笑)
看護師さんの実技(ヘパロックや体外循環など)は、結構順調だったと思います。
・透析治療時のトラブルに対処する方法
ピローが膨らまず、血流が取れていない時の対処や、逆に圧が高すぎる時の対処など。
・透析治療終了操作・終了操作時のトラブルに対処する方法
終了操作は、介助者が行なう場合・本人が自己返血する場合の2パターンがあり、
その2つを教わります。目標は 安全に、血液をなるべく残さず体内に返すこと。
終了操作時のトラブルは、採血を忘れ、気付いた時にはもう返血を始めていた時・・・や、
V側穿刺針から返血ができなくなった場合の処置などを、もちろん自分たちで実地し、
やり方やコツなどを教えていただきました。
・体外循環の方法・針のヘパリンロック・針の洗浄方法
途中でトイレに行く時などに行なう、体外循環。体外循環や穿刺ミスの時に行なう
ヘパロック。圧が高い・または低い時、針先調整やテープ固定の直しをしても直らない際
に行なう針先洗浄など、看護師さんの手技の中でもかなり重要な内容です。
・透析中のトラブルとその対処方法
血圧低下時の対処などです。枕を外す・足を上げる・補液のやり方など。
・後片付け・使用物品の後始末・物品の保管と管理
後片付けは、返血後に回路を片付けたり、ダイアライザーの中身を排液した・・・など。
5/30の日記に、後始末のことなどを記載しました。
・異常警報と警報解除
ここは技師さんの指導です。静脈圧&液圧異常・漏血警報・気泡警報・供給液異常警報・
濃度異常・温度異常・停電 など、全ての警報の解除・原因を教わります。
※ここまでくると、本格的な在宅透析開始準備を行います。
自宅設備の準備(配管工事など)や購入物品の準備など。
・透析液供給装置の洗浄と消毒
ピューラックス・酢酸を使った、透析後の洗浄と、装置の拭き方です。
装置はアル綿で拭くことは禁止。ピューラックス(次亜塩素酸ナトリウム)を布か何かに
浸して拭きます。病院ではそのつどですが、在宅では水拭きでOK。月に一度、
次亜で浸した布で拭いています。あと、次亜はバケツの洗浄などにも使います。
これも月に一度くらいの割合で行なってます。機械の洗浄は、週3回の透析のうち、
2回は次亜のみ・週末の最後の1回は、酢酸と次亜の両方を使っています。

・停電・災害時の緊急離脱方法
「停電」の処置は 技師さんに教わりましたが、なかなか復旧しない時や 透析中、地震など
の災害が起こった際の対処方法・病院への連絡方法などの指導です。
・病院への連絡・外来受診の方法
病院への連絡方法・外来受診の詳しい説明です。
(外来受診については、5/28の日記にちょこっと書きました。)
・卒業テスト
3日程かけて行ないます。看護師さんの手技全てと筆記試験。
一番難関なのは技師さんの実技(すべての警報の解除)と筆記試験。
看護師さんの手技は介助者と一緒に、その他は全て一人ずつ行ないます。
テストももちろん相談することは禁止で、二人とも別室で筆記試験です。
※ここまでくると、後は主治医の先生からの説明。
在宅チームのスタッフ全員と先生、私と介助者のダンナが一同に集まり、先生から
合格か不合格かが発表されます。
実際、指導に先生は携わっていませんが、最終判断は先生です。
スタッフから経過を聞いたり、テストの結果次第で合否を決めます。
今までHHDに挑戦した患者は、合計5名(5組)です。
そのうち合格したのは私を含めて3名(3組)。合格と聞いた時、「マジで??」って
ホント思いました。(←落ちると思っていたので、工事もまだ全然やってなかった・・・。)
・一泊入院して 模擬在宅血液透析実地
今まではずっと透析室で行なってきたので、自宅で行なう前に一度個室で 自分たち
だけで透析を行なうという念の入れよう。(笑)
技師さんが水処理装置と透析装置をエレベーターで4Fの病室まで運び、透析開始。
腎臓や心臓の一般病棟の中の個室なので、透析に携わったことがない若い看護師さん
たちが物珍しそうに見学に来ました。
↑もうその時点で二人きりの模擬HHDじゃない気が・・・。(笑)
・在宅血液透析開始
初回のみ、看護師さんと技師さんが一名ずつ 自宅訪問して透析状況を確認します。
日機装の方も初めに見えて、先生も後から来てくださいました。
長くなりましたが、ここまでが大まかな指導内容です。
色々当時を思い起こしながら書き綴りましたが、大変だったなぁというのが感想です。
厳しかったけど、それは全て患者のためでもあります。
それに、在宅で透析中に何か事故があれば、先生やスタッフにも多大な迷惑をかけて
しまうので、やはり厳しくても仕方のないこととも思います。
合格したものの、想定外のミスも実際自宅でやってしまったことがあります。
(もちろんすぐに技師さんに連絡しましたが。)
なので、やっぱり日々勉強・・・と気を引き締めていきたいと思っております。
