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リンムーの眼 rinmu's eye

リンムーの眼、私の視点。

最近の読了本

2006-04-17 | book
坪内祐三『一九七二「はじまり」の「おわり」と「おわり」の「はじまり」』(文春文庫)
1972年に起こった事象を現在と往還しながら描くメモワール。
にっかつロマンポルノ~あさま山荘事件~日本語ロック論争など興味深い話題が数珠つなぎに語られ、引き込まれる。
そこに現在の視点を入れてくる所が独特で、回顧的な文章ではなく、時代認識の批評になっている。

町田康『権現の踊り子』(講談社文庫)
短編集。文体のネジ締めおよびモチーフの再点検という感じ。いい意味で「文章芸」を楽しんだ。
町田節、炸裂してます。

佐藤幹夫『村上春樹のとなりにはいつも三島由紀夫がいる。』(PHP新書)
春樹作品を、三島作品を参照に読み解く試み。
村上春樹は「日本文学から影響を受けてない。ペーパー・バックばかり読んでた」と公言するが、そんな事なかろうという挑戦的な文芸評論だ。
多少コジツケぽいところがあるけれど、『1978年のピンボール』『羊をめぐる冒険』の読解は、意外な指摘があり、面白いと思った。