黒猫Mayの山登り日記

人生、山あり岩あり猫もあり
山登りに挑戦中 
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内に秘めた情熱「増田の内蔵」

2017年04月06日 | 旅行
法事があり実家のある秋田県横手市に帰った。
法事が終わった翌日に寄ってみたいと思っていた「増田の内蔵」に連れて行ってもらう。

普通は家がある敷地に別建て蔵を建てるが、増田の内蔵は家の中に蔵があるという。
県内に住む姉たちでさえその存在は知らず、JR東日本の吉永小百合のCMを見て
「増田ってあの増田か??」って思ったという。
私も「え~~っ、増田がCMになってる」とビックリしたもん。

実は「増田」は母の実家がある近くであり、母の妹が住んでいたので地名はよ~く知っていたが「内蔵」なんていうのは聞いたことがなかった。


「内蔵ってどんな作りになっているの?蔵って外に建ってるもんだよね。」
「さーねぇ、普通の部屋の隣に小さい蔵があるんじゃないの」
「予約しないで行ってすぐ見せてくれるかな?」「一軒だけなんだろうか」
なんてイメージが湧かないけど、調べもせずに勝手なことを言いながら向かった。

増田町中七日町通りに着く。



月曜日であり街並みは静かで、観光客や地元の人も見えず。

ほんとうに、内蔵なんてあるんだろうかと思ってしまう質素な外観の通り。


窓の中に蔵が見える家があった。




どこの家が見学させてくれるかわからずウロウロしていたら、こんな表示が・・・

この家のご主人が出てきて
「どうぞご覧ください、吉永小百合さんがうちで撮影したんですよ」と言われ中に入った。


山中肥料店の御主人で三代目当主。
とても丁寧に説明してくれる。

商売用ではない親しみやすい静かな口調で案内が始まった。


長い土間をずっと奥に行く。



途中に水屋(台所)がある。
秋田の方言で水屋(みずや)は「みんじゃ」と言っていた。

今は使用しておらず「ニューキッチンで生活しています」とのこと。


内蔵の入り口

蔵の高さは5mあるとか。


土間の上には長い渡る板がある。
火事の時に二階の窓の扉をいち早く閉めるために設置されているハシゴを登って
この板を渡り扉を閉めるそうだ。



左官技術の粋、銀杏仕上げ

現在はこれを作る技術を持った職人はいないらしい


扉を飾る「麻の葉模様の鞘」芸術の域



表通りから裏通りまで一軒の家の敷地で100mある。



地味な街並みの中に今でも47軒の内蔵がある。
きらびやかではないが、堅剛実質の構えの内蔵。
秋田県人は決して富を見せびらかさない、奥ゆかしいそんな気質の現れだと思う。

五人で見に行ったが最後にはこんな感想が・・・
「こんなに豪華な蔵があるなんて知らなかった!!」
「街が廃れる(すたれる)前にどうしてもっと早く宣伝しなかったのかねぇ~」
「秋田県は商売が下手なんだよ」
観光バスがたくさん来てほしいとは思わないけど、秋田の小さな街の文化を保存したいと
心から思った。

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