吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

元農水次官に懲役6年 44歳長男殺害、東京地裁 その2

2019年12月26日 06時37分45秒 | 日記
 懲役6年の判決である。執行猶予はつかなかった。なんとも複雑である。誰も自分の息子を好き好んで殺す人はいない。本人も苦渋の決断だったろう。自分も反対に息子に殺されるところだったし、また近隣の小学校の運動会がうるさいと息子は生徒を「殺すぞ」とまで言っていたくらいである。その段階で息子を止める手立てはなかったのだろうか。何となくやむを得ない状況だったんじゃないかと思うのだが。
 その時、精神科における措置入院という手もあったわけであろうが、措置入院は手続きが面倒で緊急の場合にはほとんど機能しない(と自分の経験では理解している)。
 自分が救急医の頃、金曜日の夜に緊急に措置入院の適否の判断に迫られる事例があった。でも精神科の医師に金曜の夜になんてつながらない。どだい都の電話窓口が留守電応答だったのである。その判断は3日後の月曜日になってしまう。人をこれから殺しに行きますよっていうケースで、3日後の措置入院の適否判断ってほとんど役に立たない。ちゃんちゃらお臍が茶を沸かすのである。
 今回、判決理由朗読で「入院治療も考慮すべき」という言葉も出たが裁判官も現状を理解していない。ワロタ。

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