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吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

急な難病発症→救急搬送の朝ドラ俳優 自身の経験経て…救急車に道譲らぬ歩行者に怒り その4

2025年01月14日 05時55分49秒 | 日記
 今回の俳優が罹患したギランバレー症候群ですが軽~重症様々です。自分も何回か診療の経験をしました。一番重かった患者さんですが、週1回出張に行く病院で「全身倦怠」で自分が出勤した前日に入院していた患者さでした。朝には「足の裏にスポンジがついているように痺れている。手の指先の感覚は鈍い」と言っていました。しかしその日の夕方には「胸に何か重いものが乗っているようだ。苦しいからどけてくれ」というようになりました。しばらくすると呼吸ができなくなったので、慌てて気管挿管し人工呼吸をしながら救命センターに搬送したことがありました。
  髄液検査にて本疾患と診断されて、結局数週間人工呼吸器管理で幸い回復しました。その症例も「ちょっと外来が多忙で診に行くのが遅れた」とか「この疾患を知らなかった」とか「気管挿管をできなかった」ということであったら助からなかったでしょう。つくづく人間助かるかどうかは運とめぐりあわせなのかなあと思っています。
 救急搬送時に協力的ではない周りの歩行者や通行車両は、結果的に搬送患者の命に脅威を与えていること気が付かなければなりません。