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吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

前田健 心臓突然死 その2

2016年05月10日 05時51分55秒 | 日記
 前田健氏は以前から「不整脈があって手術を予定していた」と聞いた。不整脈で手術というのは推測であるが、「頻脈性不整脈をよく起こすため心臓カテーテルによる病巣部の電気焼却(アブレーション)」を予定していたと解釈される。

 残念ながら治療前に心室細動に移行してそのまま帰らぬ人となってしまったわけである。
 倒れた瞬間に目撃者がいて遅滞なく心肺蘇生とAEDがなされていればおそらく彼は助かっただろう。

 心室細動になった原因は種々様々と思われるが、東京マラソンで心停止となった(これも物まね芸人であるが松村邦洋は生還している。
 彼の場合は実は出走前からハイリスク・ランナーとして目をつけられていたらしい。自転車で伴走するAED隊の遅滞ない心肺蘇生と除細動が功を奏したのである。やはり時間が肝心である。

 一般的に心停止してから生存率は1分ごとに7~10%ずつ低下すると言われる。つまり10分放置されたら救命できる可能性はなくなるのである。いかにすばやい対処が重要であるかがわかる。