少し前であるが医師会で「頭痛診療」という講演があった。偏頭痛や緊張性頭痛の鑑別、治療薬の選択について講演された。なかなか面白い講演であった。偏頭痛は、片側拍動性の強い頭痛であり頭を振ったり身体を動かしたりすると痛みが増強される。したがって発作中、患者は安静にしていることが多いのであると。そして前兆のみられる場合があり、その前兆とは視覚異常、感覚異常、運動異常など様々であるがこれらが5~60分続いた後に偏頭痛が襲ってくるのである。視覚異常のことを閃輝暗点といい、突然、視野の中心部に太陽を見た時の残像のようなキラキラした点が現れ、無数の光輝く歯車のような点が集まり回転して見えるような症状である。その見え方は千差万別、個人差が大きくいろいろな見え方があり、時に患者は精神疾患における幻覚(幻視)ではないかと不安にも陥るそうである。