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吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

伸びない布製包帯 その1

2013年11月11日 07時16分24秒 | インポート

  昔、自分が小さい頃の包帯は布製でまったく伸縮しなかった。外科処置の際にこれらの包帯を巻くのはかなりの技術を要したのである。どうやら昔は包帯学という学問体系?(技術体系)があったらしい。確かに伸縮しない包帯では関節やら太さの違うところの固定では、すぐに緩んでほどけてしまうし、かといって強く巻きすぎると血流が途絶してしまう。つまりほどけないように固定性に優れ、かつ圧迫が強くない程度に巻くという技術は並大抵のことではなかった。しかし先人達には名人もいたのであろう。自分が外科を研修していた時の部長は「俺が若い頃は、上の医者から『昔はゲートルが緩まずに巻ければ包帯固定も一人前だ』と言われたが俺だって戦争に行った世代じゃないからなー」といっていたのを思い出した。確かに昔の兵隊さんは下腿~足首にゲートルを巻くがあれは太さが違う部分を同時に巻くので難しいだろう。しかも当時、それが緩んでしまうようであれば上官からこっぴどく殴られたことも想像される。自分も小学生の頃、足首を捻挫した時、関節にシップを張り包帯を巻いたが、すぐにほどけて用を成さなかったのを覚えている。