吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

美談?安全管理? その5

2013年10月22日 07時02分01秒 | インポート

   大昔、日赤の心肺蘇生の講習で教わった。倒れている人を見かけた場合、その傷病者に取り付く前に必ず「周囲の安全よし」と現状の安全確認を励行させた。また米国の病院前救護(主として救急隊員向け)の外傷対応法習得コースにBTLSというものがあるが、これも現場の傷病者に近づく前に「size up the scene」といって現場の状況が危険ではないかを救助の前に確認させる手順を教えている。たとえば傷病者が倒れていても車から漏れたガソリンに引火しそうな状況であれば引火防止処理のできるチームが到着するまで傷病者に近づいてはいけないのである。これはプロの救急隊員に対しても教えていることである。一般人が現場に急に入って傷病者に近づくことの危険性は特に啓蒙の必要があるだろう。とは言え、目の前の踏切の中で出られない老人を見かけたら、思わず入ってしまうであろうその行動背景も理解できる。この場面に遭遇したら自分もどう動くかはその時にならないとわからない。<o:p></o:p>