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北國新聞のコラム

2007-10-19 | 日本と世界
2007年10月19日
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 白山に雪が来た。この土地に住む人も、土地を離れた人たちも雪景色の思い出を持っているに違いない

過日、葬儀が営まれた小矢部出身の「昭和の参謀」瀬島龍三さんから、母親の後ろ姿と重なる雪の思い出を聞いたことがある。雪の朝、母は子の前に立ち、田に入って通学の道を踏み固めた。晴れた日も吹雪の日も、それが日課だったという

いまは地域の人々が通学路に立ったり、巡回を続けて子どもを見守っている所が多い。そのおかげで、どれだけ多くの事件や事故が未然に防げただろう。それでも悲報は後を絶たない。兵庫の女児刺殺事件は、とりわけ防犯に力を入れる地域で起きた

雪を降らせる天に文句を言っても始まらない。黙々と雪道を踏み固める日々を営んできたのが、北国の私たちである。もっとも、近年はそんな光景もあまり見かけなくなった。われわれの営みが生んだ異常気象なのだという

子の命を奪う病んだ心は、まさに今の社会の生んだ闇である。一筋縄ではいかない異常気象対策のように、病んだ心への処方せんも容易には見つからないのだろうか。犠牲者の笑顔の写真に接して、またも言葉を失う。

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心に残る文章だと思った
忘れたくないから
ここに残しておく

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