暴言注意報発令中。
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読者の不愉快な感情を誘発することがあります。

心は誰にわかるのか?

2005-03-14 | 本と雑誌
神社に梅を見に行った
そこでは第六十六海防艦正島丸戦没者慰霊祭を行っていた
その神社では国ひいては家族のため尊い命をささげた人たちを祀っている
つまりその神社では365日やすむことなく「命」日である
境内では桜もほころんでいた
春は近い

「正論」の投書欄で小泉総理の発言「心ならずも」についてやりとりがあった
前号では「心ならずも」に対し実際に戦地に赴いた人から
自分達の戦地に赴くときの気持ちは「心ならずも」ではなかったという反論があった
今月はいわゆる遺児と呼ばれる人からの投書で「心ならずも」の思いもあったという
心ならずも
この言葉はそんな簡単な言葉ではあるまい
いつだってどんな状況でも葛藤は誰の心の中にも存在する
そして人はいつも、いつかは自分なりの答えをみつけなくてはいけないのだ

戦死した父を思う子供の気持ちやそれ以降の60年と言う時間を無視しているわけではない
が、人は他人の心の中を本当に理解できるものだろうか
たとえそれが肉親であれ人生のパートナーであれ

あたしは当事者ではないからわからない
だからといって他人の叫びに耳をふさいでるわけでもない
戦争は奇麗事ではないのです、と結ぶ、その遺児の方を責めているわけではない
が、たとえ自分がそんな思いを間接的に知っているとしても
直接的に知っている人には言えないと思う

と、神社の桜の木々を見ながら思った

すぐここも満開になり
人々は桜の下で笑いあうでしょう
それまでのほんのわずかな時間あたしはまた訪ねると思う

余談:
慰霊祭にあわせて、なのか、右翼団体の若い方々もいましたが
そのうちの一人はなんと境内で敷石の上に唾?痰?を吐いておりました
かれらはエセ右翼だと確信しました むかっ!

WiLL

2005-03-13 | 本と雑誌
たまにおもしろい記事もあるので創刊から買っているWiLL
今回はよく読んでるブログの殿下さまのところの関連の記事もあったし

が、やっぱり無理だ今月でやめようと思う

原因は、前「噂の真相」編集長、岡留安則氏の沖縄・アジア放浪日記という寄稿である
この人は今回、特攻の知覧をたずねこう記している

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(前段落、略)
 沖縄は沖縄で米軍の上陸によって本土防衛の楯とされて、20万人の県民と軍人が玉砕したのである。いまでこそ、米国の尻馬にのってイラクやパレスチナの自爆テロを非難する立場に立つ日本だが、かつては神風特攻隊という名の
自爆テロの元祖・本家
みたいなものだったのである。
(略、靖国参拝の批判等、略)米国との軍事的一体化を進める小泉総理が、「靖国参拝は法的にもなんら問題はない」と開き直る姿が目に浮かぶ。特攻の英霊たちよ、今こそ怒れ!といいたい気分になった。
WiLL4月号148ページ
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まず、戦争状態の戦闘員の戦闘行為と
戦争状態ではない(準かもしれないが)の非戦闘員(含、ゲリラ等)の一般人を巻き添えにした犯罪行為を
同一視することが間違っていると考える
テロは犯罪、戦争は戦争

余談ですが欧州のある国家では
軍隊は災害の復旧に手を貸すことは可能だが
テロに関しては手を貸すことができない
犯罪の処理は警察がすることになっているためである
つまり犯罪行為=テロ、と、軍隊は完全にきりはなされた存在であるのだ
(この国は昨今のテロの大規模化により軍隊がテロに対応できるように法律を改正する予定)

また、この人は、なぜ「英霊」とよびかけながら、彼らを安らかに眠らせないのだろうか。
なぜ、彼らに「怒って」もらわなくてはいけないのだろうか。

彼らは、国のために家族のためにと信じ、もしくは自分を納得させ戦場に赴き、そして倒れた英霊である。
彼らは、もう十分、わたしたちと日本国のために尽くしてくれた。
だからこそ、いま彼らに必要なものは休息と安心だと思う。
そのため祈る。
安らかに眠ってください
あなたたちが命をかけて守ろうとしたものはここに受け継ぎました。
感謝します。安心して見守っていてください。

特攻の彼らにこれ以上何も要求するべきではない。
法務死の方々を含め彼らをゆっくりと休ませるべきだ。安心させるべきだ。

なぜこの人は、特攻をテロと貶めた上に、特攻の英霊に怒れ、などと言えるのか。
こんな人の寄稿を支えるような雑誌の購読はもうやめる。
ま、あたしひとりがやめたって多勢に無勢なんだけどね

1818年の日本

2005-03-12 | 本と雑誌
大国隆正全集 第一巻(オランダ通辞からの話として)

西洋諸国の見るところでは、アジアは未だ、支那、日本の二ヶ国が西洋に従はない。しかし西洋が連合して当たれば、支那は10年で料理できるが、日本は30年かゝるであらう。
日本は小国だが三つの障害がある。
一つは、人口が多く、武くして支那人のたぐひにあらず。
一つは、海岸が多く攻めにくい。
一つは、萬古一姓の天子ありて、人心これを尊ぶ心深し。
30年で従へることが出来るであらうが、しかし、そのあと、日本国中の人間をことごとく斬りつくし、西洋から移民を送り、草木まで抜き捨て、植えかへなければ、我々西洋のものにならない。一人でも日本人を残しておけば、恢復の志を起こし、また燃え立つべし。そんな国が日本だ。

「侵略の世界史」からの孫引き
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春の梅、桜を眺めるたびに、この言葉を思い出す。
また燃え立つ、そう信じたい。

あ、そういえば、最近どっかで勝手に「国を燃やし」てた方がいましたねw

童話

2005-03-07 | 本と雑誌
幼い頃好きだった小川未明の童話「赤いろうそくと人魚」
成長してから出会った中原中也の詩「北の海」

人魚は、南の方の海にばかり棲んでいるのではありません。北の海にも棲んでいたのであります。

ではじまり、高い波の描写で終わる悲しい残酷な「赤いろうそくと人魚」は
もしかしたら中也の「北の海」の中に含まれているのかもしれません

海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。
・・・

気になって初出時期をしらべてみました
童話のほうは大正10年(1921.02.16~20)の東京朝日新聞での連載
北の海は「在りし日の歌」(1938)で中也の死後1年で出版
さかのぼると
中也は「白痴群」(1929)創刊で、第1詩集「山羊の歌」(1934)なので
もしかしたら新聞で読んだ赤いろうそくと人魚のイメージを持ちつづけていたのかもしれません

ただのたわごとです

理想郷

2005-03-05 | 本と雑誌
奴隷がいないと成り立たない世界
みんな同じ服を着ている世界
みんな同じ時間に食事をする世界
外出に許可証の必要な世界
金や銀にあまり重きをおかない世界
他の世界から隔離された世界

「ユートピア(トマス・モア著)」が
よく老人ホームの名前に使われることに納得しますた

ブラックジョークでつか?

しあわせの価値観はひとそれぞれ
あたしにとってユートピアは
理想郷にはなりえないようだ

ただ、
名は体をあらわすとも言うのだが
和訳で「理想郷」と訳されているからと言って
素晴らしいと思い込んでいるのはちがう、と思う
つまり言葉につられてしまうと
現実を見誤る可能性があるということ

歴史は繰り返す

2004-12-15 | 本と雑誌
非武装平和を主張するその一人は、日本が非武装平和に徹して、侵入する外敵に対しては一切抵抗せずに皆殺しにされてもよく、それによって世界史に平和憲法の理念が生かされればよいと主張するのをきいて、これがそのまま戦時中の一億玉砕思想に直結することに興味を抱いた。一億玉砕思想は、目に見えぬ文化、国の魂、その精神的価値をまもるためなら、保持者自身が全滅し、又、目に見える文化のすべてが破壊されてもよい、といふ思想である。
「文化防衛論」三島由紀夫

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見えすぎることの悲劇か。この近似が見えてしまったことが彼の決心につながるのか。